100m2の面積で外壁塗装はどのくらい行えるのか

外壁塗装リフォームの実施面積や費用を考える時、計算の基準となるのが、「100m2(平方メートル)」という数字です。

 

塗装業者やリフォーム業者などは、100m2までの塗装が可能なパック料金などを用意しているところもあります。

 

しかし、実際に外壁塗装を行った時、100m2でどのくらい塗装が行えるのでしょうか?

 

この記事では、100m2の外壁塗装で、どのくらいの費用でどこまで工事が行えるかという検証と、100m2を基準に外壁塗装を考える時の注意点などについて解説します。

■外壁塗装に100m2が頻出する理由

外壁塗装を100m2単位で計算する風習は、非常に多くの外壁塗装業者で採用されています。

 

施主側としても、外壁塗装の費用を考える時に、100m2という単位はひとつの区切りとなるでしょう。

 

一体なぜ、100m2という数値が、外壁塗装では頻出するのでしょうか?

 

その理由は、外壁や屋根の平均的な面積と、計算のしやすさにあります。

 

1.100m2は約30坪

外壁や屋根塗装の面積を求める時、約30坪を基準にして考えることがあります。

 

1坪は3.3m2ですので、これを30坪に直すと99m2になり、100m2とほぼ同じと考えることができます。

 

そのため、平均的な塗装面積を求めようとした時、100m2は、自ずと計算の根拠となるのです。

このような理由から、100m2は、キャンペーン価格やパック料金で行える塗装面積に設定されていることがあります。

 

●外壁塗装のパック料金とは

パック料金とは、足場代、下地処理、養生、付帯部塗装といった、外壁・屋根塗装に必要な工事がすべて含まれた、定額制のプランのことです。

シリコン塗料やウレタン塗料など、使用する塗料のグレードを選べるものや、屋根塗装や雨漏り補修が行えるセットなどが登場しています。

 

パック料金の特徴のひとつに、塗装面積の上限というものがあります。

その中でも特に多いのが、100m2という上限値です。

 

上限値が100m2になっている理由としては、先ほど解説したように、約30坪が100m2であること、100m2という数字が、非常に切りがいいことなどが挙げられます。

 

2. 「100」は切りがいい数字

100という数字は、何事においても非常に効率的な数字です。

 

例えば、平方メートルあたりの施工面積が3,800円だった場合、施工面積が50m2や20m2だと、決して難しい計算ではありませんが、費用を求めるまでに少し時間がかかってしまいます。

業者側としても、お客様に提出する見積もりともなれば、たとえエクセルの関数で表示された数字であっても、計算が間違っていないか、電卓を使って検算しなくてはなりません。

 

一方、100m2分の施工であれば、平方メートルあたりの単価に対し、0をふたつ加えるのみで計算が完了します。

 

 

■100m2でどこまで塗装できるのか

このように、一般的な戸建住宅の塗装面積を計算する際、何かと効率のよい100m2ですが、実際に、100m2でどのくらい塗装できるのでしょうか?

 

塗装面積としての100m2と、100m2分の費用相場という両面から、100m2の外壁・屋根塗装について考えてみましょう。

 

1.100m2で塗装できる面積

地域や建物の形状にもよりますが、平均的な2階建ての戸建て住宅における外壁と屋根の平均的な面積は、延べ床面積からおよその数値を求めることができます。

 

●延べ床面積を使った外装面積の求め方

延べ床面積とは、建物すべての床面積のことです。

 

延床面積に対し、1.1から1.3までの係数を乗じると、窓を除いた、外壁の塗装面積をざっくり求めることができます。

 

・計算式

延床面積(m2)×1.1~1.3=外壁の塗装面積(m2)

 

※係数は、延床面積が大きいほど低い係数が使われます。

 

実際に計算してみると、以下のようになります。

 

  • 延べ床面積が約30坪の建物
    (30坪×3)×1.3=塗装面積128m2
  • 延べ床面積が約40坪の建物
    (40坪×3)×1.3=塗装面積171m2

 

総務省統計局が行っている、『平成25年住宅・土地統計調査』によれば、戸建て住宅の平均的な延べ床面積は、約133m2という結果が出ています。

この数値を先ほどの計算式に当てはめると、平均的な塗装面積は173m2となり、100m2では、大半の家で、外壁全体の塗装が非常に難しいと考えられます。

 

参考:『平成25年住宅・土地統計調査』

http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/

 

2.100m2塗装した時の費用相場

続いて、100m2分を塗装したときの相場費用を見てみましょう。

 

外壁塗装で使われる塗料にはグレードがあり、グレードによって平方メートルあたりの施工単価も異なります。

 

●塗料のグレード別・100m2分の費用相場

・アクリル塗料

平方メートルあたりの単価:約1,000~1,600円

100m2分の費用:10~15万円

 

・ウレタン塗料:

平方メートルあたりの単価:約1,800~2,000円

100m2分の費用:約18~20万円

 

・シリコン塗料:

平方メートルあたりの単価:約2,200~3,100円

100m2分の費用:約22~31万円

 

・フッ素塗料:

平方メートルあたりの単価:約3,500~6,000円

100m2分の費用:約35~60万円

 

このように見てみると、100m2分の塗装あれば、少額で外壁塗装が行えるように見えます。

しかし、外壁塗装にかかる費用は、塗装作業だけではありません。

 

●外壁塗装には様々な費用が発生する

外壁・屋根塗装では、塗料代や職人の人件費だけでなく、以下の工程が必ず発生します。

 

  • 足場設置工事費用
  • 養生費用
  • 高圧洗浄費用
  • 下地処理費用
  • 防水工事費用
  • 鉄部のサビ止め塗装費用
  • 付帯部(軒天、破風板など)塗装費用
  • シーリング工事費用

 

足場費用だけでも、一般的な2階建ての戸建て住宅で、約20万円が必要になります。

さらに、外壁や屋根の劣化状態が酷ければ、下地補修や錆び止め、シーリング工事も割高になってしまうため、工事内容や劣化状況次第では、塗装以外の工事だけで、約30万円以上の費用が必要です。

 

近年の外壁塗装では、耐久性が高く、施工費用も比較的安定しているシリコン塗料が使われますが、上記の各工程とシリコン塗料の塗装費用を合計すると、合計で、約50~90万円の費用が発生すると考えられます。

 

 

■100m2の過信は禁物

100m2という面積は、キリがよく計算しやすいため、多くの業者で見積りの根拠やパック料金の上限値として使用しています。

 

しかし、先ほども計算したように、100m2という面積は、平均的な建物の外装面積としては物足りず、かといって、決して安い費用で塗装できる面積でもありません。

 

そのため、100m2という数値を過信し過ぎると、悪徳業者に騙されてしまったり、塗装費用を損してしまったりするため、注意が必要です。

 

1.パック料金で頼む時の注意点

パック料金は、通常料金に比べると、幾分か値引きされていることが多く、この点をアピールポイントにしている業者もあります。

 

しかし、パック料金の多くは、塗装面積に100m2などの上限値が設定されており、この上限値を越えてしまうと、追加工事の費用を請求されることがあります。

 

また、塗装面積が100m2以下だった場合も、塗装しなかった分の費用が戻ってくるわけではありませんので、施工しなかった分の費用が無駄になってしまいます。

 

●パック料金も相見積もりで比較する

例えば、「平均的な2階建て住宅であれば、100m2のパックプランでちょうど塗装できますので、お客様のケースなら通常料金よりも安く施工できますよ」と言って契約を勧めてくる営業マンなどがいます。

 

このような提案をされても、パックプランを即決せず、必ず別の業者に、通常の施工料金で正しい外装面積を計算してもらいましょう。

 

塗装面積にこだわる業者であれば、設計図などを元に、塗装が必要な箇所の面積を計算してもらうことができます。

仮に、塗装面積が約90m2しかなかった時、もし100m2のパックプランを選択してしまうと、通常料金より割高な施工費用になってしまうことは言うまでもありません。

 

優良業者が用意しているパックプランであれば、ケースごとに柔軟に対応してもらえることもあります。

しかし、外壁塗装に詳しくなければ、パック料金の内訳を理解できず、金額交渉を有利に進めるどころか、余計に費用がわかりづらくなってしまいます。

 

外装面積がわからない時は、できるだけ、可能な限り、実際の外壁面積に近い数値を調べてくれる業者に、現地調査を依頼した方がよいでしょう。

 

2.実際の面積で費用を計算すること

100m2は、計算結果がわかりやすくなるため、外壁塗装費用の算出例にしばしば使われます。

 

しかし、実際に外壁塗装の見積もりをとる時は、100m2という、大雑把な面積で見積もりを完結させる業者に注意しなくてはなりません。

 

●建物の外装面積は形状によって異なる

いくら100m2が平均的な屋根や外壁の面積とはいえ、建物の形状によっては、同じ構造の建物でも、数十平方メートルの誤差が生じることもあります。

 

例えば、入隅部分が少ない正方形の2階建て住宅よりも、凹凸が多い長方形の1階建ての平屋の方が、外壁面積が少なくなることもあるため、階数が多いからといって外装面積が増えるとは限りません。

 

このような理由から、100m2という、あいまいな塗装面積で計算された見積もり価格で快諾することは、非常に危険と言えます。

 

●優良業者の明瞭見積書の特徴

見積もりは、平米数だけでなく、使用した塗料の缶と、塗料の商品名、平米単価を分けて記載しているタイプが望ましいでしょう。

 

通常、塗料が入っている缶は、1缶あたり何平米まで施工できるかという目安が記載されています。

 

例えば、エスケー化研の『エスケープレミアムシリコン』であれば、15kg缶で約43~68m2、4kg缶で11~18m2という標準塗坪が記載されています。

 

厳密に表記の面積通りに塗装できるわけではなく、施工方法や外装の状態によっても必要な塗料の量は異なりますが、使われた塗料の種類と容量がわかれば、1缶あたりの平均的な塗装可能面積を調べることができます。

 

また、塗料は、下塗りに使う塗料と、中塗り・上塗りに使う塗料をそれぞれ用意しなくてはなりません。

そのため、見積書に「外壁塗装100m2」とだけ記載されていても、どのくらいの塗料を使って、本当に適正な相場価格で塗装が行われたか判断できなくなってしまいます。

 

優良業者の見積もりには、大半が、使用した塗料の種類と容量まで記載されています。

もちろん、優良業者の中にも、見積もりをわかりやすくするために、あえて塗料の記載を簡略化している所もあります。

このような時は、塗料の種類や使用料を質問すれば、すぐに塗料の情報を教えてくれますので、できるだけ相談して取り寄せておくとよいでしょう。

 

■まとめ

100m2という単位は、平米あたりの施工単価で計算する外壁塗装において、非常に便利な数字です。

 

しかし、建物の形状や種類によっては、塗装面積が100m2を越えることも下回ることもあるため、どのようなケースでも万能な数字になるわけではありません。

 

適正価格で外壁塗装を行うためは、塗装面積を知ることが何よりも重要です。

 

100m2で設定されているパック料金に魅力を感じても、必ず踏み止まり、実際の塗装面積を、通常料金で算出した時の見積もりと比較したうえで選ぶようにしましょう。

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