30坪の外壁塗装費用と相場

30坪前後という大きさは戸建て住宅の平均値に近く、塗装工事の価格が100万円に到達しやすくなります。

 

この記事では、30坪・35坪の家にお住まいで外壁塗装を検討している方に向けて、施工価格の相場や見積もり時のポイントを詳しく解説します。

■30坪の施工価格相場

外壁塗装用の塗料は耐久性順にグレードが存在しますので、選んだ塗料によって総費用は大きく変動します。

※金額は足場設置、養生、高圧洗浄、下地補修費用を含む、外壁単体の施工価格です。

塗料の種類 価格相場
アクリル塗料 60万円
ウレタン塗料 72万円
シリコン塗料 85万円
フッ素塗料 102万円
断熱塗料 107万円
光触媒塗料 112万円

30坪の建物で屋根塗装も行った場合は、上記価格に対し約20~30万円追加されます。

■35坪の施工価格相場

※金額は足場設置、養生、高圧洗浄、下地補修費用を含む、外壁単体の施工価格です。

塗料の種類 価格相場
アクリル塗料 69万円
ウレタン塗料 84万円
シリコン塗料 92万円
フッ素塗料 110万円
断熱塗料 122万円
光触媒塗料 131万円

35坪の建物で屋根塗装も行った場合は、上記価格に対し約20~35万円追加されます。

■30坪・35坪の塗装費用の求め方

上記のような塗装費用は、「塗装面積」と「工事項目ごとの施工単価」を使ってご自身でも予測することができます。

1. 家の作業面積を計算する

その建物でどのくらいの工事が行われるか調べるためには、概算の塗装面積を知っておく必要があります。

塗装面積は以下の計算式で求めることができます。

●坪数を延べ床面積に変換

1坪は3.3㎡ですので、まずは坪数を㎡に直して延べ床面積を求めます。

  • 30坪×3=99㎡
  • 35坪×3=115㎡

●延床面積に係数を乗じて塗装面積を求める

塗装面積は延べ床面積に係数を乗じて計算します。

係数は1.2~1.4を使用しますが、30坪や35坪の場合は1.2を使うとほぼ実測値に近い数値になります。

  • 30坪の塗装面積:99㎡×2=118㎡
  • 35坪の塗装面積:115㎡×2=138㎡

これが概算の塗装面積です。

ただし塗装面積は家の形や窓などの開口部の数で異なりますので、正しい塗装面積は塗装業者に頼んで計測してもらいましょう。

2.塗装工事の内訳を知る

以下は、外壁塗装で行われる各工事の㎡あたりの施工単価相場です。

この施工単価にご自宅の塗装面積を乗じることで、費用相場を調べることができます。

外壁塗装では、

  • 足場設置
  • 飛散防止ネット設置
  • 高圧洗浄
  • 下地処理
  • 塗装作業(3回塗り)

が必ずセットで行われますので、塗装業者から見積もりを渡されたときはこれらが必ず工事に含まれていることを確認しましょう。

また、建物の形状や劣化状況によって行う種類が変わり、金額も変動します。

工事項目 ㎡あたりの施工単価
足場設置費用(単管足場) 700~800円/㎡
足場設置費用(枠組み足場) 1,000~1,500円/㎡
足場設置費用(くさび式足場) 900~1,200円/㎡
飛散防止ネット設置費用 150~200円/㎡
高圧洗浄費用(水道水) 200円/㎡
高圧洗浄費用(バイオ洗浄) 300~500円/㎡
下地処理費用(シーリング補修) 800~1,000円/㎡
下地処理費用(ひび割れ補修) 700~5,000円/㎡
下地処理費用(ケレン作業) 500~2,000円/㎡
養生費用 300円/㎡
塗装費用 (使用した塗料によって異なる)

 

こちらは塗料ごとの㎡あたりの施工単価です。

塗料の種類 ㎡あたりの施工単価
アクリル塗料 1,500~1,800円/㎡
ウレタン塗料 1,800~2,200円/㎡
シリコン塗料 2,500~3,200円/㎡
フッ素塗料 3,200~4,500円/㎡
断熱塗料 3,500~4,800円/㎡
光触媒塗料 4,500~5,200円/㎡

■30坪・35坪の家で外壁塗装をするときのポイント

30坪や35坪の家は平均に近い大きさのため、多くの塗装業者やリフォーム業者が価格モデルを提示しています。

ですが塗装工事の作業量や作業内容は家ごとに異なりますので、30坪や35坪の家でもポイントを押さえて外壁塗装に挑みましょう。

1.家の状態によって工事内容が変わる

外壁塗装の作業内容は、家に使われている外壁材や建物の立地次第で大きく変わります。

●外壁材は種類ごとに施工内容が違う

ひび割れが起きやすいモルタル壁はひび割れ補修の量が増えて下地処理の項目が高くなりますが、サイディング壁は外壁材そのものが割れる確率は低いためひび割れ補修費用は高くなりません。

 

また、外壁の目地部分にはコーキング材(シーリング材)が充填されていますが、モルタル壁は窓サッシの周りなどにしか充填されていませんが、パネルを張り合わせて作るサイディング壁は外壁材のあちこちに目地があるためコーキングの打替え工事が増えます。

●建物の立地で劣化症状が異なる

日当たりが悪い立地や水辺の立地では、外壁表面にカビやコケが生えやすくなります。

カビやコケは水道水を使った高圧洗浄では根本まで除菌できませんので、薬剤によるバイオ洗浄が行われ、㎡あたり200~300円ほど施工価格が高くなります。

 

あるいは、紫外線が強く当たる立地であれば、同じ塗料を使っても他の立地に比べて塗料の劣化が早くなるため、フッ素塗料など耐候性(紫外線に対抗する力)が高い塗料を選ばざるを得ないこともあるでしょう。

 

塗装業者から見積もりを取るときは、作業を行う理由まで確認しておくとお家の劣化傾向を知ることができます。

2.相場価格から離れ過ぎている見積もりに注意

30坪は延床面積に変換すると100㎡とキリがよく、平均的な住宅の大きさに近いことから、塗装業者が価格のモデル表を作るときに選ばれやすい大きさです。

価格モデルの例としては「30坪シリコンパックプラン○○円!」や「100㎡コミコミ〇〇円」などがあります。

 

しかし中には「30万円」や「40万円」など信じられないほど低価格のモデルを作っている業者があり、これは30坪や35坪の相場価格である70~90万円の半額以下です。

格安工事は必要な工事が見積もりに含まれていなかったり、塗料を薄めて使われたりするため非常に危険ですので、相場の半額以下は絶対に信用しないようにしましょう。

●30坪代で200万円を超える塗装工事は滅多にない

まれに「お宅の外壁はとても危険な状態ですので、200万円の塗装費用になります」と高額な金額を提示してくる訪問販売業者がいます。

しかし、30坪や35坪の住宅で、塗装工事費用が200万円を超えることはほぼあり得ません。

200万円を超えるような外装工事は、外壁材の張替えや屋根材の葺き替えなどがありますが、塗装単体でこのような金額になることはありませんので、絶対に契約しないよう注意しましょう。

■おわりに

30坪や35坪の住宅で行う外壁塗装は70~90万円が相場ですが、建物の劣化状態や使われている外装材の種類によって変動します。

そのため、相場価格だけでなく、外壁塗装で行われる工事の種類や行われる理由まで知っておくことは、悪質な業者の怪しい見積もりに騙されないためにも非常に大切です。

 

格安工事や高額な工事を提案してくる業者を避けるためにも、複数業者から見積もりを取って、相場に近い適正価格で工事を行ってくれる業者を探しましょう。

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