外壁サイディングは新築時に施工することはもちろん、最近ではリフォーム専用の物まで出ているくらい、外壁材の主流になっています。
新築の時には普通に外壁工事として施工します。施工方法は、柱及び間柱の間に断熱材をいれ、構造用合版と透湿防水シート(タイベック等-旭・デュポン社)で覆います。次に石膏ボードを張り、透湿防水シートを再度張ったあとに胴縁を打ち付け、そしてサイディングを張っていきます。
防火地域では、耐火性能を持ったサイディングを選ぶか、下地材に耐火性能のある板材を施工してから胴縁、サイディングの施工となります。
リフォームの場合には、現在の壁の状態によって施工方法を変え、できるだけ建物を長持ちさせるような工法で施工します。
ここではサイディングボードにリフォームしたい方向けの記事を書いています。サイディングの基本的な内容についてはこちらの記事をご覧ください。
モルタル外壁を窯業系サイディングにする場合
現在がモルタル外壁で、リフォームによって新たに窯業系のサイディングを張りたい場合の方法です。まず、リフォームで張り付ける窯業系のサイディングは基本的に重いので、モルタルの壁を撤去した上で新たに施工する方が、建物本体への負荷が少なくなります。
モルタル壁を撤去した時に、内部の断熱材が機能しているかどうかの確認をします。
断熱材が湿っていたり、やせてしぼんでいたりすると、本来の断熱効果は期待できなくなっているので、内部の断熱材の入れ替えも、リフォームするときに検討しておいた方が良いでしょう。
既存の断熱材が使用できる場合には、透湿防水シートで表面を覆い、胴縁を打ち付けて断熱材と透湿防水シートを固定します。その上から窯業系サイディングを張っていきます。
最後にサイディング同士の間の隙間にコーキングを入れ完成となります。
モルタル外壁を金属サイディングにする場合
現状がモルタル外壁で、新たに金属板のサイディングを張りたい時には、築10年くらいの壁や、ひび割れなどのない建物の場合、金属サイディングは軽量で現状の建物に負荷をかけることがないので、モルタル外壁を剥さずに上から胴縁を打ち付けて空気の通り道を確保してから金属サイディングを張っていくことが出来ます。
空気の通り道を作ることで壁面の内部の結露を防止することが出来るのです。
モルタルの壁に直に張り付けると、空気と湿気の逃げ道がないので、壁内部に湿気が貯まり断熱材がダメになってしまいます。
金属サイディングを張る際には空気の通り道の確保と水分の逃げ場所を造る事で、建物の痛み方も変わってきますので注意してください。
サイディングにそのまま塗装を行う場合
窯業系や金属系、木質系のサイディングが現材の建物に張られている場合には、サイディングに塗装をかけます。
新築時のサイディングの塗装は築10年ぐらいを目安として考えて下さい。表面がザラザラしてきたりチョーキング現象が出ていたりする時には、そろそろメンテナンスを考える時期になっています。また、サイディングとサイディングの間に施工されているコーキングは年数が経つと硬くなり、ひび割れてきます。ひび割れてくるとそこから雨などの水分が壁内部に侵入し、内部の土台や柱を腐らせる原因となりますので、コーキングの打ち直しも同時に考えたほうがいいでしょう。
塗装をかける時には、タイル調や石目調、あるいはレンガ調の模様は1色に塗装すると目地の模様もつぶれて平坦なイメージになりいかにも塗装修繕しましたという感じになってしまいます。
出来れば塗り分け工法として、シーラーを塗って下地調整塗装の後に目地部分対応のベースペイントを2工程、最終仕上げを1工程行う工法で、再度目地を生かした模様にすることをお勧めいたします。
日本ペイントのUVカットクリアーであれば透明な塗料なので、現在の模様をそのまま活かすことができます。耐久性能は約10年です。サイディングの塗り替えが初めてで、新築から10年以内でしたら、検討項目に加えてみてください。
いずれの外壁でも、工事を行う担当の方と打ち合わせを行い、御自宅の外壁がどのような状態でどの工法が良いのか、しっかり説明を聞いたうえで工事を行うことをお勧めいたします。