外壁塗装をはじめ、リフォーム工事では訪問販売という営業方法が今も行われています。しかし、その中には優良な業者ではなく、手抜き工事を行ったり、相場以上のお金を請求したりする悪徳業者もいます。
訪問販売業者に外壁塗装リフォームを頼んで失敗してしまわないように、どのような手口があるのか、どのような営業トークがあるのかなどを確認しておきましょう。
目次
外壁塗装における訪問販売の知識
インターネットが普及している昨今では、インターネット上の広告や、オンライン電話帳、Googleマップなどの地図でも外壁塗装業者を探すことが出来ます。ブログ、ホームページ、Twitter、Facebookなどを使って、積極的に自社の活動をアピールすることが可能となりました。それ故、営業マンが家に直接出向いて、積極的な話術で契約に結びつける訪問販売という営業スタイルは数年以上昔の話のもののように思われるかもしれません。
しかし、訪問販売はリフォーム業界では特に、専門的な知識が必要で騙すことが容易、ある程度費用がかかったとしても違和感がないなどの理由から、今現在も根強く残っているのです。具体的には営業マンが訪問前に外壁や屋根の様子を見ながら、申し込みそうな家ということで、修復するべき時期の目安であるクラック(ヒビ割れ)、コケ、藻がはえていたりする家に訪問して、外壁塗装リフォームを勧めるのです(参考:外壁塗装を行う目安)。
訪問販売業者に騙されないように、まずは外壁塗装の訪問販売に関する基本的な事から確認しておきましょう。
今でも毎日16件以上の人が騙されて相談している
上のグラフは国民生活センター(消費生活センター)によせられた訪問販売によるリフォーム工事の相談件数の資料より、作成したものです。2015年度に関しては、8/31までのデータを元に予想値を掲載しています。2013年をピークに多少減ってきてはいるものの、それでも年間6,000件を超える相談が国民生活センターに寄せられています。
もちろんこれらの数字は詐欺被害の数字ではなく、あくまで家主やその家族が消費生活センターに相談しただけの段階のものなので、「国民生活センターに相談した件数」=「リフォームの訪問販売で詐欺や手抜きの被害に遭った件数」となるわけではありません(もちろん、訴訟問題や裁判沙汰のような非常に思い苦情や事件もあります)。しかし、世間一般の方に受け入れられるような営業活動を意識し、通常の外壁塗装リフォーム工事を行ったのであれば、そもそも相談自体が起こりえません。つまり、リフォーム工事の訪問販売には何かしらのトラブルの元が含まれているという事なのです。
国民生活センターに寄せられた相談を要約させていただくと、
- クーリングオフをしようと思ったけれども、業者と連絡を取ることが出来ない
- 高額な工事代金を前金で支払った後に契約したリフォーム会社が倒産してしまって工事をしてもらえないが今後の対応はどのようにするのが適切か
- 火災保険から出る保険金を使う事でタダで屋根リフォーム工事が出来ると無料屋根修理業者を名乗る業者に聞いたが契約後にうさんくさいことに気づいた
- 本日契約すれば安くすると言われ契約したがそれでも非常に高額な工事だ
- 請求された金額がメーカーが設定している価格の倍以上だった
など、冷静な判断をしていればさけられそうな話であっても、営業マンが人当たり良く、魅力的な話ばかりするので、相場以上の価格の外壁塗装工事を契約してしまうのです。しかも毎年全国で6,000人、つまり1日に直すと毎日16人以上の人が訪問販売のリフォーム工事に何らかの不満を持っていることになります。
ちなみに訪問販売業者に騙された事にすら気づかない人は、国民生活センターに相談することすらしないはずなので、実際はこの数字よりは多くなると考えられます。
全ての訪問販売業者が悪いわけではない
決して誤解したくないのは、全ての訪問販売業者が悪いわけではないと言う事です。Yahoo!知恵袋を見てみると、訪問販売業者の情報が出てきました。塗料メーカーアペティのアトモスやラピスを勧めてくる訪問販売業者などです。これらの業者さん全てが悪徳業者と言われるような事を行っているわけではありませんし、メーカーが作った塗料が悪いわけでもありません。外壁塗装駆け込み寺では実際にこれらの訪問販売を営業スタイルにしている業者さんに施工をお願いした方から、「良かった」などの口コミもあります(参考:地域の外壁塗装業者口コミ)。
悪徳業者は訪問販売業者である事がほとんどですが、訪問販売業者のほとんどが悪徳業者であるわけではない、と言う事を認識しておきましょう。もし、自宅に来た訪問販売業者が良くないところか、良い所かを確認したい場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。
訪問販売業者のクレームは営業マンが原因の場合が多い

歩合制の営業マンは相場以上の見積もりを出す
なぜ訪問販売業者の補修工事では、苦情や相談が来るようなことが多いのでしょうか。それは悪徳業者と言われる訪問販売業者の営業マンは出来高制(歩合制)の給料で動いているからです。高額な契約を取れば取るほど、会社の利益以上にあふれたお金はそのまま営業マンの給料になるので、営業マンは出来るだけ高額なお金をお客に支払わせようとします。それ故、100万円しかかからない工事を200万円というなど、相場よりも高い金額になってしまう事が多いのです。
優良な訪問販売業者の営業マンであれば、訪問販売という方法で営業をしようとも、きちんと家の状況を確認し、測定し、正確な数字で見積金額をだして顧客に提示するので、価格による苦情は起こりにくいです。
無知なのに出任せをいう営業マンに注意
苦情が起こりやすいもう一つの原因として、営業マンが基本的に外壁塗装工事に無知であることが挙げられます。外壁塗装の知識があまりないのに、契約を取りたいがために、「一度塗れば30年は再塗装不要ですよ」、「うちのオリジナル塗料は安くて耐久性が高いので20年は安心です」など大げさな言い方をしてしまうのです。
しかし、実際は30年も外壁を保護出来る塗料は今の所ないので、「契約したときと話が違うじゃないか」とトラブルになってしまうのです。しかも、営業の担当者はクレームを出したときには辞めてしまっている事も多く、客側の不満はぶつけようがないものとなってしまうのです。
このような自体を避けるためには、悪徳業者かそうでないかを判断する前に、とりあえず訪問販売業者がきたら、一旦話を保留にしてもらうという事です。そうすれば、第三者に指示を仰ぐことが出来、また冷静に考える時間も作れるので、営業マンが提示した金額が果たして本当に相場通りの金額なのかを調べるようにしましょう。
営業会社と呼ばれる営業マンばかりの会社が存在する

外壁塗装業者が営業職の人間を雇って営業回りをさせるというのは自然な営業スタイルですが、実は営業職の人間しかいない「営業会社(または契約会社)」と呼ばれる組織が存在します。この営業会社は見た目はリフォーム業者として動いているのですが、実際は工事をする事は出来ません。
様々な所を渡り歩きながら、可能性がありそうな家にはどんどん営業をかけていき、契約がとれたら、そのまま自分の利益を確保した上で、下請け会社に丸投げしてしまうのです。工務店やハウスメーカーも中間マージンが多いと言われますが、そちらはまだ保証が充実しているなどのメリットもあります。営業会社の場合は本当に工事業者に丸投げで消えてしまうので、せっかく支払った工事代金から無駄に中抜きされてしまうのです。
営業会社の利益は、客が支払った金額の4割ほどが相場と言われており、丸投げされた下請け会社は、残り6割しかないお金で客からは10割の仕事を期待されているので、塗料を必要以上に薄めたり、中塗りの工程を飛ばしたりと、何とか採算を合わせようとしてしまうのです。上塗りさえしっかりと綺麗に行えば、見た目は非常に綺麗なので後から手抜き工事を全く見つけることが出来ないのが外壁塗装工事の非常に怖いところです。手抜き工事の場合は、すぐには欠陥は現れずに、数年後、塗膜が剥がれるなどして発覚するケースがほとんどです。
営業している人間と、実際に工事をする人間が全く違う会社の人間なので、クレームが来ることを心配しなくても良い営業マンが契約がほしいが為に話を大きく言ってしまったり、出来もしないことを出来るといって安すぎる金額で受けてしまったりするのです。
営業マンは基本的に「よさそうな人」が多いので注意

悪徳業者からは右のようなわかりやすく悪徳っぽい営業マンは来ず、左のような爽やか好印象な営業マンが来ます
訪問販売によるトラブル被害を助長するのは、営業マンが「よさそう」「信頼出来そう」と思わせるオーラを持っている事も挙げられます。騙された人のほとんどが「営業マンが人の良さそうな人だったのでお願いした」と言うのですが、それは当然、人がよさそうな人を営業職に選んでいるので当たり前の事なのです。
例えば強面の体が大きな人や、見るからに怖そうな人がインターホンを鳴らしてきたら、のぞき穴から見たあとに絶対に対応しようとは思いませんよね。そんなわかりやすくあくどい営業マンは絶対に来ないと考えてください。
客が「相手をしても問題がなさそう」「人畜無害そう」そしてハキハキと話す好感を持てるんど「いい人そう」な営業マンこそ、悪徳業者の営業マンとして来るケースが多いのです。見てくれに判断されずに、しっかりと見積書を見て適切な業者かどうかを考えるようにしましょう。
営業マンの営業トーク

営業マンの営業トークは様々あるように見えてある程度のパターンがあります。外壁塗装駆け込み寺にご相談くださる方は最初、営業トークに完全に騙されてしまっている方が多く、その場合のほとんどが以下の4系統の内のどれかに当てはまる営業トークをされています。営業マンがあなたの家に来る前にどのような営業トークがあるかを確認し、巧みな話術に引っかからないようにしましょう。
不安をあおる系
- このままでは大変な事になる(雨漏りが起こる、家の根幹が雨水で腐食する)
- 外壁がどんどん剥がれてきてしまっていますよ
- 屋根が剥がれてきているのでこのままだとどんどん剥がれてくる
- ヒビが入っているので見に来ましたが、まずいことになってしまいます
外壁や屋根を今のままの状態で放っておくと大変な事になってしまうと不安をあおるタイプの営業トークです。しかし、外壁は急に劣化したり、崩れたりしたりするものではありません。雨漏りも急に進行するわけではないので、契約をせかすための営業トークと認識し、その場で契約書にサインをするようなことはないようにしましょう。
キャンペーン系
- モニターキャンペーンを実施中なので、モニター価格で工事可能です
- 地域で一定数募集しているモデル工事割引キャンペーンを行っています
キャンペーンを実施している、というタイプの営業トークは様々なバリエーションが存在するので、網羅して書くのは難しいですが、200万円が100万円にいきなり割引になったら、無知な客でも不審に思うと言う事で、何らかの理由をつけているパターンです。モデル工事商法や、モニター商法と言われる営業方法です。
300万円がキャンペーンにより半額になったり、200万が100万円になるといった大幅値引きは非常に良くある悪徳業者の手口ですのでそのような誘い文句には乗らないようにしましょう。
特別感系
- 工事代金を安くさせていただくために上司に無理を言って割引させてもらえる事になった
- 本日中に契約してくれれば、何とか上司を説得して安くさせてもらう
- 高機能なオリジナル塗料を格安で使用できるチャンスです
- 別の工事でこの地域にせっかく来たので、もう一軒原価で工事してこいと社長に言われた
特別感系の営業トークは、客に「今の状況が特別運が良い」と誤認させる手法です。「社長に値引きを頼んでくれるなんて良い営業マンに当たったな」「良いタイミングで外壁塗り替えの時期が来たな」と思ってしまうと相手の思うつぼです。上司や社長に確認したぐらいで値引きできるのであれば、最初からかなりの利益を出せるような価格だったと言う事に気づけば引っかからずに済むでしょう。
割引系
- この近くの現場で足場を使っているので、足場代無料で工事可能です
- 当社がこの地域で実績がないのであなたの家で実績を作らせてほしい
- 仮設足場につけるシートに広告を貼り付けるので安く出来る
- 近所の営業でこの家の実績を使わせてほしい
- ホームページやチラシに掲載させていただく分お得にする
客が外壁塗装の知識がないことにつけ込んだ営業トークです。例えば、「近所で足場を使っているから、その後、お宅で使う事で足場代が安くなる」と言う事はありえないのです。足場用の鉄パイプなどは非常にかさばるもので、場所も取ります。それ故、自分の社内に持っている足場でも保管する倉庫の家賃が必要などの管理費や足場そのものの購入費を回収する必要がありますし、足場業者からレンタルする場合でも必ずレンタル料金がかかります。
足場が無料という事はあり得ないのですが、外壁塗装工事の事情を知らない客は「それは良いタイミングだった」と悪徳業者が設定した日程で工事を契約してしまうのです。この手のトークにひっかからないようにするには、外壁塗装の全体的な知識が必要なので、当サイトなどで是非勉強してみてください。
その他の営業トーク
- 見積書は特別割引なのでお渡しすることは出来ません
- 他の人にはこの工事金額の事は言わないでください
悪徳業者が出す見積書はもちろん相場よりも高いものが多いです。安くして手抜きするよりも、高くして儲けを増やす方が一回の契約で大きく稼ぐことが出来るからです。
しかし、今はヤフー知恵袋などで専門業者に質問することが気軽に出来るようなったので、その見積書を誰か詳しい人間に調べられたら、他の適正な見積もりをする業者と比べられたら、と考えて見積書を渡してくれなかったり、渡したとしても誰にも言わないように口止めをする場合があります。見積書を渡せないような業者は信用出来ないので契約なんて出来ませんし、誰にも言うなというような契約内容は不安が残りますよね。不安や不満が少しでもある場合は、流されずに誰かに相談するか、断ってしまうようにしましょう。
訪問販売業者に引っかからない為の対策

営業マンは人の心に入ってくる専門家で、様々な方法で契約をしようと迫ってきます。引っかからない為の対策をきちんと覚えておきましょう。
ドアを開けない、家に入れない
「営業マンの最初の仕事はドアを開けてもらう事」という言葉があるように、まずはドアを開けさせ、直接顔を見ながら話そうとしてきます。そうすることで、見た感じの印象が良い営業マンは自分の事を信じてもらいやすくなるからです。
電話で話すよりも、直接話した方が気持ちが伝わりやすいのと同じで、直接話すという事は非常にパワーがあるのです。しかし、それでは流されてしまう可能性があるので、まずドアを開けないこと、ドアの中から大声で断れば帰ります。絶対にドアを開けたり、家に入れたりしないようにしましょう。家の外に門があるなら、敷地にも入れないようにしましょう。
その場で即決をせず、断る
あの手この手でその場の契約を迫ってくるので、話を聞いてしまったとしてもとにかく断りましょう。家族に確認するなどというと、「後日伺います」と言われるだけで、後日また嫌な思いをするので、毅然とした態度で「今は外壁を考えていないので帰ってください」と言いましょう。
その業者がどんなに魅力的なプランを提示してきたとしても、それを上回るぐらい素敵なプランを他の業者から探すことは簡単にできますので、気にせずに断るようにしましょう。
屋根に乗ってもらう、外壁をチェックさせるのは絶対にダメ
本当の悪徳業者は、外壁や屋根をチェックするフリをして壊し、「破損しているので修理が必要です」といって屋根工事を契約するように仕向けてくる場合があります。もっと酷いのは「応急処置をしておきましたよ」などと恩を売ってくるパターンです。
相手の事をよく分からない段階で、屋根に登らせたり、外壁をチェックさせたりするのは危険ですし、それで正しい見積もりは出ないので、チェック等はさせずにすぐに帰ってもらいましょう。




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