外壁塗装中はほとんど在宅する必要はないが注意点あり

外壁塗装の工事期間は平均で2週間ほどですが、内装リフォーム工事のように工事期間中に施主か家族が在宅しておかなければならないというわけではありません。

しかし、施主の外出中も塗装リフォーム工事の全てを業者に任せきりにしてしまうと、思わぬトラブルの原因になることがあります。

 

この記事では、施主は外壁塗装工事中どのように外出と在宅のタイミングを計ると良いか、外出中はどんな点に注意すべきかなどをご紹介します。

■外壁塗装工事中でも基本的に外出OK

1.外壁塗装は施主が不在でも進められる

外壁塗装工事では作業員が屋内に入って作業することはなく、職人の休憩時に住民がお茶を出したり、トイレを提供したりする必要もありませんので、工期中は施主が家にいなくても塗装リフォームのほとんどの作業を進められます。

そのため、内装工事とは異なり、施主やその家族は外壁塗装工事期間中も比較的自由に外出することが可能です。

2.良い業者を選ぶことができれば在宅していないときの作業もスムーズ

外壁塗装業者を選ぶ際には、打ち合わせの段階から在宅できない場合が多いことを業者につたえ、その時の対応方法を見ることで報告・連絡・相談のしやすい業者かどうかを見極めるようにしましょう。

営業担当者が打ち合わせの段階から施主の不安や心配事などもよく汲み取ってくれるようであれば工事開始後も、

  • 施主の在宅していなくてもスムーズに作業を進められる
  • 施主の不在時に起こった急なトラブルにも適切に解決し、報告してくれる

などの対応を期待できるでしょう。

●優良業者を見極めるために、事前調査で色々と質問してみる

外壁塗装を依頼しようとした業者が優良業者であるかを見極めるための良い方法の一つは、事前調査の際に疑問に思う点やわからない点を遠慮なく質問してみることです。

 

事前調査での対応の仕方にその業者の質があらわれますので、施主の質問や要望に専門家の立場から素人でもわかりやすく答えてくれるかをよく観察してみましょう。

また、家主や家族が不在のときの連絡方法も、

  • 電話で報告する
  • 一日一回メールで詳細に報告する
  • LINEで細かなことまで報告する

など様々あるため、きちんと報告、連絡してくれるか、トラブルがあった場合は相談してくれるかなどを確認する必要があります。

 

外壁塗装業者の営業担当者が話しやすい人物であっても、

  • こちらの要望を汲まず、塗料や工法を一方的に勧めてくる
  • 質問に明確に答えてくれない
  • 大切な部分でも説明が曖昧、分かりづらい

という様子が見られるなら、工事開始後の報告や連絡も怠慢である可能性もあるため、担当者を変えてもらうか、別の業者を探す方がよいかもしれません。

●洗濯物の干しっぱなしに注意

外壁塗装工事期間中にベランダや庭に洗濯物を干したいなら、干すタイミングについて外壁塗装業者とよく相談するようにしましょう。

外壁塗装業者が知らないうちに、庭やベランダに洗濯物が干されていると、職人が気づかずに塗装作業を行ってしまい、

  • 作業中に飛散した塗料が大切な衣類に付着する
  • 塗料のにおいがつく

などの場合がありますし、洗濯物が干されていることで、塗料の付着を避けるために職人の動きが制限され、作業効率が下がってしまう可能性もあります。

参考:外壁塗装工事中に洗濯物を干したいときはどうする?

■外壁塗装の作業行程を把握しておけば、在宅できない時でも安心

外壁塗装の工程のほとんどは施主が不在でも問題なく進められますが、

  • 自転車や鉢植えなど、施主の私物を作業員が移動させる必要がある時
  • 工事終了後に契約通りに工事が行われたかをチェックする「完工確認」の時

などには施主が立ち会う必要があります。

 

外壁塗装工事に含まれるさまざまな作業工程の中で、いつ在宅しておく必要があるかを前もって把握し、止むを得ない出張や冠婚葬祭などで数日以上家を空けなければならない期間があれば、事前に在宅できない日を施工業者と打ち合わせておくようにしましょう。

 

施主がいつ不在かを業者が前もって把握しておくことができれば、施主の許可や協力が必要な段取りや作業を施主が在宅しているうちに済ませることも可能ですので、施主の都合を優先しつつ作業をスムーズに進めることができます。

1.外壁塗装の工程を把握し在宅する日を決めよう

外壁塗装工事の作業工程を把握し、どの日に在宅しなければならないかを事前に確認しておけば、施主が外出する予定を変更しなければならないなどの事態を避けることができます。

 

外壁塗装業者は施主との打合せの際に、

  • 塗装工事の全行程に何日間かかるか
  • どの作業をいつから行うか

などを前もって知らせてくれますので、着工日から竣工日(工事完了日)までの日程を自分のスケジュールと照らし合わせて、不都合のない予定を立てることができます。

●業者から予定変更を連絡されることもある

先述の通り、外壁塗装工事では、雨天時や強風の日は屋外での作業を進めることができないため、

  • 6〜7月の梅雨の時期
  • 9〜11月の台風の発生が多い時期

などには塗装工事がスケジュール通りに進められず、工事完了日が予定より数日遅れてしまうことがあります。

また、その他にも、塗装する外壁の下地がひどく傷んでいて補修や塗装に想定以上の時間がかかるという理由で工事期間が伸びてしまうこともあります。

 

外壁塗装が気候条件に影響されやすい工事であることを理解し、工事期間とその後の数日間は急な予定変更にも臨機応変に対応できるように計画しておきましょう。

2.外壁塗装の作業工程と在宅の必要性について

外壁塗装工事を行う際の基本的な工程と作業の順序は、どんな業者に依頼してもほとんど変わりません。

そのため、どんな業者にも共通している塗装工事の基本的な流れを理解しておけば、施主が在宅しておくタイミングがいつなのか把握できるだけでなく、施工業者が必要な工程・作業をきちんと行っているかを施主の側で確認する上でも役立ちます。

下記に解説する外壁塗装の基本的な作業工程をチェックしておきましょう(さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください)。

●現場調査・見積もり作成・契約(在宅が必要)

【所要日数:約2〜5日】

工事前に行われる現地調査では、

  • 屋根や外壁の塗装面の状態の確認
  • 屋根・外壁・付帯部分の塗装面積の実測

などが行われ、業者はその結果をもとに見積もりを算出し、工事のスケジュールを計画します。

現地調査では契約者である家主が在宅する必要があります。

●近隣へのあいさつ回り(在宅は不要)

【所要日数:約1日】

塗装工事が開始する前に、塗装工事中に発生する臭いや騒音、工事車両の出入りなどが近隣住民に迷惑をかけトラブルに発展しないよう、外壁塗装業者による近隣住民へのあいさつ回りが行われます。

このあいさつ回りは外壁塗装業者が行うものであり、施主が同行する必要はありません。

●架設足場設置(在宅は不要)

【所要日数:約1日】

屋根・外壁塗装の高所作業を安全に行うため、塗装する物件の周りに屋根をすっぽり覆う高さの架設足場を設置します。

足場には塗料が近隣住宅や道路などに飛び散らないよう飛散防止シートが張られ、養生にも役立てられます。

参考:外壁塗装に足場は必要?足場の重要性と費用相場について

●高圧洗浄(在宅は不要)

【所要日数:約1日(洗浄後の乾燥期間:1〜2日)】

塗装面の汚れや古い塗膜、カビ、藻を高圧洗浄機によってきれいに洗い流します。

参考:高圧洗浄で知らないと損な作業時間、圧力、単価、水道代の話

●下地調整作業(在宅は不要)

【所要日数:約1日】

高圧洗浄機で落とせなかった根深い汚れ・古い塗膜・金属部分のサビなどを手作業で除去します。

加えて、塗装面にキズやクラック(ひび割れ)があれば塗装後にそれらが見えなくなるように補修します。

参考:サイディングボードのメンテナンス、ひび割れ等の補修方法
目地のコーキング材補修は専門業者が存在するほど難しい作業

●養生(在宅は不要)

【所要日数:約1日】

窓・ドアなどの開口部、玄関ポーチ、植栽、エアコンの室外機など、塗装しない部分に塗料が飛散しないよう養生テープやマスカー(養生テープとビニールシートが一体になったもの)などで覆います。

自転車や鉢植えなど移動できるものは、塗料がかからない場所に移動します。

●塗装開始(在宅は不要)

【所要日数:約3〜5日】

外壁は下塗り・中塗り・上塗りの3回に分けて塗装され、まずシーラーやフィラーなどの下塗り用塗料を塗装します。

参考:外壁塗装における下塗り用塗料の種類や用途

下塗り用塗料が乾燥したら、ウレタン塗料やシリコン塗料など、メインとなる仕上げ用塗料を「中塗り」「上塗り」の2回に分けて塗装します。

参考:外壁塗装は三度塗りが基本!手抜き工事を防ぐためには?

●全体確認・撤去作業(在宅が必要)

【所要日数:約1日】

上塗りの乾燥後に足場・養生が撤去され、施主が施工業者とともに全体の仕上がり確認し、問題がなければ引渡しとなります。

■外壁塗装中に出かける時の注意点

工事期間中も施主が心置きなく外出できるようにするためには、ある程度の準備と心得が必要です。

施主が不在でも問題が生じないよう、下記の3つの点に注意しましょう。

1.不在の日は戸締りをしっかり行うこと

塗装工事の期間中は普段以上に戸締りをしっかりと行うように意識しましょう。

もし施主が外出時に戸締りを怠り、帰ってきたときに物がなくなっていたり部屋の様子が変わっていたりすると、それが施主の思い違いであっても敷地内に出入りする業者を疑ってしまうかもしれません。

 

単なる勘違いであっても、そのような疑いが生じると業者と施主の間の信頼関係には亀裂が入ってしまいかねませんので、業者との良好な関係を保つためにも、外出時の念入りな戸締りは重要です。

2.作業員と連絡しやすい状態にすること

塗装作業中には、

  • 近所からクレームが入った
  • 急な悪天候で作業を中断しなければならなくなった
  • 誤って家や敷地内の私物を傷つけてしまった

などの問題が急に発生することもあり得ますので、施主の外出中にトラブルが発生してしまった時にも業者がすぐに施主と連絡が取れるよう緊急用の連絡先を交換しておきましょう。

 

在宅できない日にも、1日ごとに何がどのように行われたかを施主が把握できるようにしておけば、トラブルの発生を抑えたりトラブルが発生してもこじれる前に解決したりするのに役立ちます。

優良業者であれば、一日の作業内容や工事の様子を記録した「作業ノート」を作って施主に報告してくれるサービスを実施していることもありますし、そのようなサービスがなくても写真や文章など記録に残せる形で報告してもらえないか相談してみましょう。

3.外出中に口頭での契約変更は承諾しないこと

工事期間中に、

  • 使用する塗料の変更
  • 予定に入っていない箇所の塗装
  • 見積書に記載されていない工事の追加

など、契約内容の変更が必要になる場合があります。

もし、変更の必要が生じた時に施主が不在であり、業者が電話で変更の承諾を求めてきたとしても、口頭では承諾しないにしましょう。

 

口頭で承諾してしまった場合、

  • 仕上がりが施主のイメージと大きく異なる
  • 想定より高額な追加料金を請求される

などのトラブルに発展してしまうこともありますので、多少面倒でも契約内容の変更は

  • 施主の立会いのもとにどんな変更が必要になったか確認する
  • 変更する際には書面を通じて合意を交わす

ようにしましょう。

施主の合意がなければ作業を進められないという場合には、作業を中断しなければならないとしても後々トラブルにならないようスケジュール進行より適正な合意を優先するべきです。

■まとめ

外壁塗装では施主が不在でもほとんど作業工程を問題なく進められます。

ただ、悪天候による計画の変更や確認事項などのために業者とは連絡先を交換しておくことでいつでも連絡を取れるようにしておき、塗装工事後数日間もスケジュールに余裕を持たせておくと不都合が生じにくいです。

施主がいない時でも作業をするめる塗装リフォーム工事では業者との信頼関係も重要ですので、相談しやすい業者を選ぶようにしましょう。

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