外壁塗装工事は決して安くない大きな出費です。
大切なマイホームの工事ですから、信頼できる優良な業者に適正な価格で依頼したいものです。
ですが、世の中には相場以上の高額費用を要求する悪徳業者や、いい加減な工事をしてしまう業者も存在します。
外壁塗装の仕上がりや耐久性は依頼する業者の技術と誠実さによって大きく左右されます。
そのため、外壁塗装工事を成功させる鍵は「どの業者に依頼するか」にかかっていると言っても過言ではありません。
本記事では、優良な塗装業者の特徴や見極め方、そして悪徳業者に騙されないためのポイントを徹底的に解説します。
目次
外壁塗装工事は優良業者に頼もう!その理由と重要性
外壁塗装工事を成功させるには「優良な業者に依頼すること」が何より重要です。
優良業者とは、豊富な知識と高い技術を持ち、誠実な対応で施主の要望に応えてくれる塗装業者のことです。
一方で業者選びを間違えてしまうと、高額な追加費用を請求されたり、手抜き工事をされたりするリスクがあります。
悪徳な業者に当たってしまった場合、適正価格よりもはるかに高い契約を結ばされたり、必要な工程を省略された粗悪な施工によって、塗装がすぐに剥がれてしまったりといった深刻なトラブルが起こりかねません。
外壁塗装は一度失敗すると簡単にやり直しが効かない上に、再度塗り直すにはさらに大きな費用が必要になります。
そして、優良な業者であれば、適切な下地処理や施工管理によって高品質な仕上がりを実現し、塗料本来の耐久年数どおりに外壁が長持ちします。
余計な追加費用やトラブルも発生しにくく、工事後のアフターフォローもしっかりしています。
安心して工事を任せられ、仕上がりにも満足できるでしょう。
このように、外壁塗装は「どの業者に依頼するかが命」と言われるほど業者選びが重要です。
まずは優良業者とは具体的にどのようなものか理解し、そして信頼できる業者を見極めて選ぶことで、外壁塗装の成功と安心につなげましょう。
外壁塗装業者の種類と特徴・メリット~どの業者を選ぶべき?~
一口に外壁塗装業者と言っても、実はさまざまな種類があります。
それぞれ業者の形態によって特徴やメリット・デメリットが異なります。
ここでは主な業者の種類を紹介し、どのタイプの業者に依頼するのが良いか考えてみましょう。
外壁塗装専門業者(地元の塗装店)【おすすめ度:★★★】
外壁塗装専門業者とは、塗装工事を専門に扱う地元の塗装会社や職人さんのことです。
専門業者は塗装に関する知識と技術が豊富で、塗料や工法についても最新の情報を持っています。
実際に自社の職人が施工する場合が多く、中間業者が入らない分料金も適正価格に収まりやすいでしょう。
施工実績も豊富で、地域密着型のためアフターフォローも迅速に対応してもらえる傾向があります。
専門業者に依頼する最大のメリットは、塗装の仕上がり品質が高いことです。
下地処理から仕上げまで手抜かりなく行い、塗料メーカーの仕様に沿った適切な施工をしてくれます。
塗装技能士など資格保有者が在籍しているケースも多く、技術的な信頼感があります。
デメリットとしては、経営規模が小さいところも多いため、会社によっては保証内容が大手に比べ限定的な場合もあります。
しかし総合的には、外壁塗装専門業者は最もおすすめできる依頼先です。
他の種類の業者よりも外壁塗装に関する経験値が高く、施工品質とコストのバランスが優れていることが多いです。
リフォーム専門店・リフォーム会社【おすすめ度:★★☆】
リフォーム専門店とは、水回りや内装など住宅リフォーム全般を扱う会社です。
地元のリフォーム会社に外壁塗装もまとめて依頼するケースもあります。
リフォーム会社は幅広い工事に対応できるため、例えば「外壁塗装と一緒にベランダ防水や内装もリフォームしたい」といった要望がある場合に便利です。
リフォーム会社に外壁塗装を頼むメリットは、住宅全体を総合的に見た提案が受けられることです。
一方、塗装工事自体は下請けの塗装専門業者が行うことも多いです。
自社に塗装職人を抱えている大手リフォーム会社もありますが、そうでない場合は仲介となるため費用が割高になる点には注意が必要でしょう。
また、営業担当者は塗装以外のリフォームも含めた総合プランニングに長けていますが、塗料の種類選定や塗装技術の細部は下請け任せとなることもあります。
技術面での専門性は純粋な塗装専門業者に一歩劣る可能性もあります。
とはいえ、地域で評判の良いリフォーム会社であれば、下請け業者の品質管理もしっかり行ってトラブルなく進めてくれることが期待できます。
特に信頼できる担当者が付く場合、コミュニケーションが円滑で安心感があります。
「総合リフォームのついでに外壁塗装を頼みたい」という場合はリフォーム会社も候補になりえますが、単純に外壁塗装だけを依頼するなら、やはり専門業者に直接頼むほうがコスト面で有利でしょう。
ハウスメーカー・住宅メーカー【おすすめ度:★☆☆】
一戸建て住宅を建てた際のハウスメーカー(住宅メーカー)に、定期点検の案内などとともに外壁塗装リフォームを勧められるケースがあります。
大手ハウスメーカーは知名度が高く、アフターサービスも充実しているイメージがあるため依頼すると安心…と思うかもしれません。
しかし、ハウスメーカーでの外壁塗装リフォームはおすすめ度が低めです。
その理由の一つは施工価格が割高になりがちだからです。
ハウスメーカー自身は塗装工事を行わず、下請けの塗装業者に施工を依頼するのが一般的です。
つまり実際に作業するのは別の業者ですが、間にハウスメーカーが入る分、中間マージン(仲介手数料)が発生し、価格が高くなってしまいます。
また、営業担当者は塗装の専門ではない場合も多く、技術的な細かい相談には答えられないケースがあります。
もちろん、ハウスメーカー経由の利点もあります。
契約や保証の書面がしっかりしていたり、大手ならではの長期保証制度が用意されていたりする場合もあります。
しかし、塗装の仕上がり自体は実際に施工する下請け業者の技術に依存します。
結局のところ、高額な費用を払ってハウスメーカーに頼んでも、実際の塗装は地元の塗装店が行っているということも多いのです。
したがって、費用対効果の面から見ると、ハウスメーカーに直接外壁塗装を依頼するメリットは小さいでしょう。
住宅メーカーの名前だけで安心せず、他の選択肢も検討することをおすすめします。
ホームセンター・量販店のリフォーム窓口【おすすめ度:★☆☆】
大手ホームセンター(例:カインズやコメリ、ケーヨーデイツーなど)やリフォーム専門の量販店でも、外壁塗装リフォームの相談や見積もり受付を行っています。
店頭に「外壁塗装承ります」といった案内が出ているのを見かける方もいるでしょう。
このようなホームセンター経由のサービスもハウスメーカー同様、仲介の立場です。
ホームセンターに依頼すると、提携している地元の塗装業者が実際の施工を担当します。
メリットとしては、店舗で気軽に相談できたり、大手企業のフォーマットによる一定のサービス品質が期待できる点です。
また、リフォームローンなどの相談も店舗でまとめてできるケースがあります。
しかしデメリットはやはり費用が高くなりがちなことです。
ホームセンター側に仲介手数料を支払う形になるため、直接塗装店に頼むより割高になります。
さらに、窓口の担当者はリフォーム全般の知識はあっても塗装の専門家ではないことが多いため、細かな技術的質問には答えられません。
結局のところ、施工品質は実際に来る下請け業者次第です。
以上のことから、ホームセンター経由で頼むメリットはそれほど大きくありません。
近くに信頼できる塗装専門業者があるなら、最初から直接相談した方が話が早く、価格も抑えやすいでしょう。
訪問販売業者【おすすめ度:☆☆☆(推奨できません)】
突然自宅に営業マンが訪ねてきて、「外壁が傷んでいますよ、このままだと大変なことになります」「今なら安く塗装できます」などと勧誘された経験はないでしょうか。
こうした訪問販売業者は外壁塗装リフォームをするきっかけとして未だによく耳にします。
しかし、訪問販売で契約を迫る業者の中には悪質なケースも少なくありません。
訪問販売には、知識のない消費者に不安を煽って高額契約を結ばせるなど、巧妙な営業トークが伴うことがあります【訪問販売業者の営業トークに絶対にかからないコツはこちらの記事も参照】。
例えば「今すぐ工事しないと雨漏りしますよ」と脅かしたり、「ちょうど近くで工事していて塗料が余ったので格安でできます」などと特別な値引きを強調したりするのが典型です。
中には「今日契約してくれたら○○万円引きします」というように即決を迫る業者もいます。
訪問販売業者の中には本当に腕の良い職人がいる場合もゼロではありません。
しかし、一般論として訪問営業をしなければ仕事が取れないという時点で、その業者に何らかの問題がある可能性は高いです。
優良な塗装店であれば、口コミや紹介、インターネット経由で仕事の依頼が入るため、わざわざ飛び込み営業を繰り返す必要がないからです。
以上の理由から、訪問販売で来た業者には基本的に依頼しないことを推奨します。
いったん話を聞くと断りづらくなり、強引に契約させられる恐れもあります。
その場ではきっぱり断り、自分で信頼できる業者を探しましょう。
業者の種類まとめ
外壁塗装だけの観点で言えば、最もおすすめなのは塗装専門業者です。
ハウスメーカーやホームセンターは価格面でデメリットが大きく、リフォーム会社は一長一短です。訪問販売業者からの突然の勧誘には乗らないよう注意しましょう。
(業者の種類や選び方のポイントについては、当サイトの別記事「外壁塗装業者選びで確認すべき6つのチェックポイント」でも詳しく解説しています。合わせてご参照ください)
優良な外壁塗装業者を探す方法~信頼できる業者の見つけ方~
それでは、具体的に優良な外壁塗装業者を探すにはどうすればよいかを見ていきましょう。
主な探し方として、以下のような方法があります。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、上手に活用して信頼できる業者を見つけてください。
知人・友人から紹介してもらう
実際に外壁塗装を経験した知人や友人から業者を紹介してもらうのは、有力な方法の一つです。
知り合いが「この業者に頼んで満足だったよ」と教えてくれたなら、その業者は少なくともその知人にとっては優良だったと言えます。
紹介経由の場合、悪徳業者に当たる可能性は格段に低くなるでしょう。
満足していなければ普通、人に紹介しようとは思わないものだからです。
紹介を受ける場合のポイントとして、実際に依頼した人から工事の様子や仕上がり、対応について詳しく聞いてみると良いでしょう。
「見積もりの説明は丁寧だったか」「約束の工期を守ったか」「仕上がりに不備はなかったか」など、生の体験談は非常に参考になります。
また、知人から紹介の場合はその知人も間に入ってくれるため、業者に強引に営業される心配も少ないです。
ただし、注意点もあります。
知人の紹介だからといって必ずしも自分にとってベストな業者とは限らないということです。
例えば、知人宅と自分の家では建物の構造や塗装範囲が違うかもしれませんし、知人は「価格より品質重視」だったが、自分は「予算内に抑えたい」など場合は、ニーズが異なります。
紹介された業者であっても、必ず見積もり内容や対応を自分でも確認し、納得した上で契約しましょう。
また、知人・親戚からの紹介業者だと断りにくい心理も働きますが、合わないと感じたら無理に契約しない勇気も必要です【こちらの記事も参照:知人の紹介業者を選んで失敗したケース】。
あくまで自分の家の工事ですから、最終判断は慎重に行ってください。
チラシや広告から地元業者を探す
新聞折込やポストに投函される外壁塗装のチラシ広告から業者を知ることもあります。
また、街中の看板広告などで地域の塗装店を見かけることもあるでしょう。
チラシを積極的に配布したり看板を出したりしている業者は、その地域で営業している地元企業である可能性が高いです。
チラシや広告で気になる業者があれば、一度、インターネットでその業者名を検索してみましょう。
公式ホームページや口コミ情報などから、会社概要や施工実績、評判を調べることができます。
チラシには良いことしか書いてありませんので、掲載内容をうのみにせず裏付けを取ることが重要です。
例えば、チラシに「地域施工実績○○件!」と書かれていたら、その実績が実際に公式サイトで紹介されているか、どんな内容なのか確認します。
また「○○塗料半額キャンペーン!」などと大幅割引を謳っている場合、その真偽を疑ってみることも大切です(後述する悪徳業者の手口にも注意)。
地元密着を掲げる業者であれば、会社住所も近くで訪ねやすいでしょう。
一度事務所に出向いて話を聞いてみるのも安心材料になります。チラシで得た情報はきっかけに過ぎません。
必ず詳細を自分で調べ、信頼できそうか見極めてから連絡するようにしましょう。
インターネット検索で業者のホームページを見る
現在、一番多く利用されている業者探しの方法はインターネット検索です。
GoogleやYahooで「地域名 外壁塗装」「外壁塗装 業者 おすすめ」などのキーワードで検索すると、地元の塗装業者のホームページや、外壁塗装に関する情報サイトが多数ヒットします。
気になる業者のホームページをじっくり閲覧してみましょう。
優良な業者であれば、公式サイト上に会社概要や施工実績、お客様の声などが充実しているはずです。
所在地や電話番号、資格の有無、保証内容なども明記されているか確認します。
逆に、会社情報があいまいだったり実績の記載がほとんどないホームページだと、信頼性に欠ける印象を受けるでしょう(詳細は後述のチェックポイント参照)。
インターネットで業者を調べる利点は、複数の業者情報を比較検討しやすい点です。
口コミサイトやGoogleマップのレビューなどで第三者の評価を見ることもできます。
ただしネット上の口コミも全てが正確とは限りません。
極端に評価が良すぎたり悪すぎたりする場合は話半分にとらえ、最終的には自分の目で確かめることが大切です。
なお、検索結果にはランキング形式の紹介記事や比較サイトも出てきます。
そうしたサイトの「人気No.1」などの文句も参考程度にとどめ、実際には自分で公式サイトなどを見て確認するようにしましょう。
インターネット上には様々な情報が入り混じっています。
このような玉石混交の情報に惑わされないよう、複数のソース(参照元)から総合的に判断してください。
一括見積もりサイトを利用して複数業者を紹介してもらう
一括見積もりサイトとは、Web上でフォームに地域や建物情報などを入力するだけで、提携する複数の塗装業者から見積もり提案を受けられるサービスです。
外壁塗装の施主にとっては、短時間で効率よく地元の業者を探せる便利な仕組みとなっています。
当サイト「外壁塗装駆け込み寺」のようなサービスでは、無料で複数の優良業者を紹介してもらえます。
一括見積もりサイトを使うメリットは、自分で一社一社連絡しなくても複数社の見積もりが集まる点です。
比較検討がしやすくなり、相場感も掴みやすくなります。
また、サイト運営会社が事前に審査した優良業者のみを紹介してくれる場合が多く、変な業者に当たるリスクも減らせます。
忙しい方や、どの業者に問い合わせればよいか分からない方には有用でしょう。
ただし、利用にあたってはいくつか注意点もあります。
まず、一括見積もりサイト上の「人気ランキング」「おすすめ業者」といった表示は、必ずしも自分に合う業者とは限らないことです。
便利な反面、紹介される複数社の中から最終的にどこを選ぶかは自分で判断する必要があります。
また、サイトに登録するとその後営業電話やメールがたくさん来て煩わしい…という声も一部あります。
一括見積もりはあくまで情報収集の手段と割り切り、うまく活用しましょう。
当サイト「外壁塗装駆け込み寺」でも、全国対応で厳選した優良塗装業者の無料紹介・一括見積もりサービスを提供しています。
「どの業者に相見積もりを頼めばいいかわからない」という場合は、ぜひ活用してみてください(完全無料・しつこい勧誘はありません)。
必ず相見積もりを取って業者を比較しよう
業者をある程度絞り込んだら、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
1社だけの見積もりで即決してしまうのは大変危険です。
相見積もりを行うことで、適正価格の範囲が見えてきます。
相見積もり(あいみつもり)とは、2~3社以上の異なる業者に同じ条件で見積もりを依頼し、価格や提案内容を比較することです。
もし1社しか知らなければ、その業者が提示する金額が高いのか安いのか判断できません。
他の業者にも見積もりを依頼していると伝えておけば、悪徳業者であれば不当に高い金額を提示しにくくなる効果もあります。
他社と競合している状況では、水増し請求すれば契約を取れないためです。
見積もり依頼は多ければ多いほど良いわけではありません。
あまりに大勢の業者から話を聞くと、かえってどこに決めていいか混乱してしまいます。
一般には3社程度に絞って相見積もりを取ると良いでしょう。
その中で提示内容を比較検討し、信頼できそうな業者を選びます。
比較においては、高すぎる見積もりを出してきた業者は論外ですが、安すぎる見積もりの業者も避けるのが無難です。
極端に安い金額は一見魅力的ですが、相場より安すぎる場合は手抜き工事をされる恐れがあります。
例えば、塗料のグレードを勝手に落としたり、塗装回数を3回塗りから2回塗りに減らすなどして、表向きの価格を安く見せて契約を取り、工事品質を落として利益を確保する手口も考えられます。
また、見積もり内容は金額だけでなく内訳や提案内容も確認してください。
業者によって提案する工事範囲や使う塗料、下地処理の方法などが異なる場合があります。
各社の見積もり書をじっくり読み比べ、疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。
詳細な内訳や根拠をきちんと説明できない業者は信頼性に欠けます。
以上のように、相見積もりを取ることで業者の良し悪しや適正価格が見えてきます。
納得できるまで妥協せず慎重に比較することが、後悔しない業者選びへの第一歩です。
優良業者の特徴を見抜くためのチェックポイント
ここからは、実際に何社か見積もりを取って話を聞く段階で、「この業者は信頼できるか?」を判断するために押さえておきたいポイントを解説します。
優良な外壁塗装業者に共通する特徴を知っておくことで、悪徳業者を避け、安心して任せられる業者を選びやすくなります。
以下に挙げるチェックポイントを参考に、業者選びを進めてみてください。
許可証や資格を保有し信頼性の高い業者か
優良業者を見極める上でまず注目したいのは、業者の許可・資格の有無です。
実は、外壁塗装業は開業するのに特別な免許や国家資格が必須ではありません。
極端な話、誰でも「塗装業者です」と名乗ること自体はできてしまいます。
だからこそ、公的な許可証や資格を持っている業者かどうかが信用度を測る重要な手がかりになります。
代表的なものとしては、まず「建設業許可」があります。
正式には建設業法に基づく都道府県知事または国土交通大臣の許可で、一定規模以上(建築一式工事なら1,500万円以上、塗装など専門工事は500万円以上)の工事を請け負うには必要とされる許可です。
戸建ての外壁塗装は普通500万円以内で収まることがほとんどなので、許可が無くても法律違反ではありません。
しかし、許可を取得するためには経営者の資産状況や過去の実績等について厳しい審査があります【建設業許可の詳細はこちらの記事も参照】。
この許可を持っているということは、それだけ社会的信用がある業者だと言えます。
次に「塗装技能士」という資格も注目ポイントです。
正式名称は「塗装技能士」で、厚生労働省所管の国家資格(技能検定)です。
1級と2級があり、1級塗装技能士は7年以上の実務経験を積まないと取得できないため、まさに熟練の職人の証と言えます【塗装技能士資格の解説はこちら】。
資格が無くても塗装はできますが、在籍する職人が1級技能士であるなら技術力への期待が持てます。
そのほかにも「外壁診断士」や「雨漏り診断士」などの民間資格、塗料メーカーの認定施工店資格(○○ペイントの認定施工店など)を持っている業者もあります。
これらも実務経験や研修を積んだ証なので、ないよりあった方が信頼感は増します。
なお、資格を持っていること自体よりも、資格保有者が実際の現場で作業してくれるかも重要です。
例えば会社として1級技能士が1人在籍していても、その人が工事に来なければ意味がありません。
見積もり時の担当者に「資格保有者が施工に関わりますか?」と確認しても良いでしょう。
総じて、優良業者はこうした許可や資格を取得し、堂々と提示しています。
逆に何も持っていない業者が全て悪いとは限りませんが、少なくとも許可証や資格証をきちんと掲示できる業者は信頼度が高いと判断できます。
※チェック:訪問時に事務所の壁に建設業許可票(許可を受けた建設業の種類や許可年月日が書かれた額)が掲げてあるか、資格証を提示できるかを確認しましょう。
会社情報や施工実績が明確に公開されているか
優良な塗装業者かどうかを判断するには、その業者の基本情報や実績がどれだけオープンになっているかを見ることも大切です。
信頼できる業者は、自社のホームページやパンフレット等に以下のような情報を正確に記載しています。
- 会社名、所在地、電話番号などの基本的な連絡先
- 代表者名やスタッフの紹介(顔写真や経歴が載っていればベター)
- 施工事例やお客様の声(実際に行った塗装工事のビフォーアフター写真、施主からのコメントなど)
- 保有資格や許可、加盟団体(例:○○塗装協会会員 等)
- アフターサービスや保証に関する記載
これらの情報がしっかり記載されている会社は、実体があり誠実に営業している可能性が高いです。
特に施工事例やお客様の口コミが豊富な場合、その業者が継続的に仕事を受注し、施主から評価されていることを示しています。
優良業者でなければ施工事例の数は増えませんし、満足したお客様の声も集まりません。
逆に、ホームページを持っていなかったり、会社名しか書かれていなくて所在地や責任者名が曖昧だったりする場合は注意が必要です。
会社の住所や連絡先がはっきりしない業者は要警戒です。
悪徳業者の中には、施工後に苦情やクレームから逃れるために住所を転々と変えたり架空の所在地を載せたりする例もあります。
所在地や固定電話番号がきちんと記載されていない場合、その時点で候補から外してもよいでしょう。
また、施工実績について「お客様の喜びの声」のような抽象的なPRだけで、具体的な写真や事例がない場合も判断に困ります。
口頭や文字でどれだけ「当社は高品質です!」と謳っていても、裏付けとなる実績が示されていなければ信頼性は低いのです。
実際にどんな家を、どんなふうに塗装したのか、写真付きで確認できる業者を選びましょう。
さらに、施工事例を見る際は工事費用も併せて掲載されているか確認すると良いです。
毎回相場から逸脱した料金を請求しているような業者は、価格を公開できないことが多いからです。
適正価格で多数の施工を行っている業者であれば、参考までに価格を載せている場合もあります。
要するに、優良業者は、隠し事なく自社情報を開示しています。
会社の実態や実績をしっかり確認し、透明性のある業者かどうか見極めましょう。
現地調査(劣化診断)をしっかり行い適切な提案をしてくれるか
外壁塗装の見積もり依頼をすると、多くの場合業者が現地に来て家の状態を調査します。
これを一般に「劣化診断」や「現地調査」と呼びます。
優良な業者かどうかは、この現地調査の段階から見極めることができます。
まず、劣化診断をせずにすぐ見積もり金額だけ出そうとする業者は要注意です。
建物の状況をきちんと見ずに正確な見積もりが出せるはずがありません。
にもかかわらず「坪いくらで○○万円です」と電話口だけで答えたり、5分程度家をぐるっと見ただけですぐ「この金額でできますよ」と言う業者は信頼できません。
優良業者であれば、見積もり前に最低でも30分~1時間程度かけて家の隅々を点検します。
劣化診断では、外壁だけでなく屋根や付帯部分(雨樋、軒天、破風板など)まで含めて総合的に確認してくれる業者が望ましいです。
どこにどんな劣化が見られるのか、補修が必要な箇所はあるか、現在の外壁材や塗膜の状態などを丁寧にチェックし、写真を撮って見せてくれるくらいの業者であれば信用度大です。
例えるなら、体調が悪いときにお医者さんが診察もせず薬を出すことはありませんよね。
それと同じで、優良な塗装業者は有資格者(1級塗装技能士や外壁診断士など)が適切な診断を行い、その結果に基づいた施工プランを提案してくれます。
診断結果をもとに「この部分はひび割れがあるので補修しましょう」「屋根の塗膜が劣化しているので一緒に塗装を検討しましょう」などと具体的な助言をくれるでしょう。
逆に、ろくに家も見ず「とりあえず全部高圧洗浄して塗れば大丈夫ですよ」などと大雑把な提案しかしない業者は避けたほうが無難です。
しっかり診断をして現状を把握した上で提案できる業者こそ、信頼に値します。
なお、診断時に屋根の上に上がらせるのは要注意です。
訪問販売業者の中には屋根点検と称して屋根に上がり、わざと瓦をずらして「ほら、こんなにずれてますよ」と不安を煽る悪質な例があるのです。
信頼できる業者ならきちんと身分を明かした上で許可を求めてくるはずですが、見知らぬ業者には安易に屋根まで見せないようにしましょう。
まとめると、優良業者の診断は丁寧かつ的確です。
診断なくして適切な工事提案なしと心得て、調査の様子をチェックしてください。
専門用語を使いすぎず素人にも分かりやすく説明してくれるか
優良業者かどうかは、見積もり内容や家の状態について説明する姿勢にも表れます。
プロである業者ほど塗装に関する知識は豊富ですが、それをお客様である施主に分かる言葉で伝えようと努めるのが信頼できる業者です。
例えば、住宅の部位には「破風板(はふいた)」「鼻隠し(はなかくし)」「軒天(のきてん)」など専門用語が多くあります。説明の際にこういった言葉を羅列するだけでは、一般の方にはピンとこないでしょう。
優良な業者なら、言葉だけでなく写真や図を使いながら「ここがいわゆる破風板という部分です」といった具合に視覚的にも説明してくれます。
また「チョーキング現象」のような専門用語も、「外壁を触ると白い粉がつく現象のことです」と噛み砕いて教えてくれるでしょう。
このように、専門知識がない人に対しても丁寧に分かりやすく説明する業者は信用できます。
質問に対しても面倒くさがらず具体的に答えてくれるかどうかも重要です。
「そんなことも知らないの?」という態度を取ったり、「大丈夫ですよ」と根拠なく丸め込もうとする業者は避けるべきです。
施主が疑問や不安を解消した上で契約できるよう努めてくれる業者が優良と言えます。
実際、外壁塗装では施主自身が家の現状を把握することがとても大事です。
難しい用語が分からないまま進めてしまう方もいますが、それでは業者任せで危険です。
優良業者であれば、施主が理解・納得できるようしっかり向き合ってくれます。
こちらも遠慮せず分からないことは「それはどういう意味ですか?」と聞き、誠実に教えてくれる相手か見極めましょう。
もし説明が不十分でモヤモヤが残るなら、その業者は避け、他の候補を検討したほうが無難です。
どのようなときでも、「素人にもわかるように丁寧な説明」は優良業者の基本姿勢と考えておきましょう。
見積書の内訳が詳細で根拠が明確か
見積もり書を受け取ったら、内容を細かくチェックしましょう。
優良な業者は見積書の内訳が非常に具体的です。
悪徳業者にありがちなのは、内訳がなく「外壁塗装工事一式 ○○万円」といった曖昧な表記だけの見積書です。
これでは何にいくらかかるのか分からず、相場より高い料金を隠して請求されても見抜けません。
優良業者の見積書には、工事内容ごとの明細と金額がしっかり記載されています。
例えば「足場設置 ○○円」「高圧洗浄 ○○円」「下地補修 ○○円」「下塗り・中塗り・上塗り塗料代 各○○円」「養生費 ○○円」「人件費 ○○円」「諸経費 ○○円」…といった具合に、素人が見ても工事の流れがイメージできる程度に細かく書かれているでしょう。
もちろん専門用語もありますが、分からなければ「これは何の費用ですか?」と質問してみましょう。
優良業者なら「下地補修費とは、ひび割れ部に充填材を入れる費用です」「諸経費とは工事に伴う雑費(養生材や廃棄費用など)です」などと丁寧に教えてくれるはずです。
このように見積もり金額の根拠をきちんと説明できる業者を選びましょう。
逆に、「これは一式で出してますので細かいことはいいんですよ」などと内訳説明を避ける業者は危険です。
何か不都合な部分を隠している可能性もあります。
見積もりの時点で不明瞭な点を抱えたまま契約してはいけません。
なお、見積書のチェックポイントとして塗装面積も重要です。
優良業者であれば、あなたの家の正確な塗装面積を算出して見積もりに反映しています。
いい加減な業者だと面積計算を目視や勘だけで行い、必要な塗料缶数などを誤って見積もる場合があります。
面積が不正確だと塗料代や工数がずれ、追加料金を請求されるなどのトラブルの元になりかねません。
例えば、しっかりした業者なら、建物の図面からCADソフト等で面積を算出したり、実測してから計算するなどの方法で精度高く面積算出を行います。
一方、悪徳業者は「だいたい○○坪だから×3.3して…」といった大雑把な算出しかしません。
見積もり時に「塗装面積はどのように算出しましたか?」と尋ねるのも良いでしょう。
きちんとした計算法で面積を出している業者を選ぶことが大切です。
以上のように、優良業者の見積書は数字に裏付けがあります。
塗料の単価や作業日数など、疑問に思った点は全て確認し、クリアに答えてくれる業者を信頼しましょう。
内訳が不明瞭な見積もりを出す業者は良い業者とは言えませんので候補から外すことをおすすめします。
提示価格が相場とかけ離れていないか
優良業者の条件として、見積もり金額が外壁塗装の相場から大きく外れていないことも挙げられます。
悪徳業者は、素人の無知につけこんで法外な高値を吹っかけてくる場合があります。
そのため、出された価格が適切かどうか必ずチェックしましょう。
そもそも外壁塗装の相場が分からないという方もいるかもしれません。
おおまかな相場として、延床30坪前後の一般的な戸建てで80~150万円程度(選ぶ塗料のグレードや足場代等で幅があります)が一つの目安です。
それに対し明らかに300万円、400万円というような相場の数倍もの金額を提示してくる業者は論外です。
一方で、相場より極端に安い提示にも注意が必要です。
「他社より50万円以上安い!」など飛び抜けて安価な場合、前述のように手抜き工事の懸念があります。
優良業者であれば、適切な利益を確保しつつも良心的な価格設定をしています。
過度な値引きや採算度外視の安値を提示するのは、何か裏があると考えましょう。
価格についてもう一点、大幅値引きキャンペーンにも要注意です。
例えば「通常120万円のところ、本日契約なら80万円にします!」などと不自然な値引きを持ちかけられたら警戒してください。
優良業者が正当な見積もりを出しているなら、いきなり数十万円単位の値引きは本来あり得ません。
値引き幅が大きすぎる場合、その業者が最初から相場とかけ離れた高値をふっかけていたか、あるいはどこかで手抜きをするつもりかのどちらかです。
適正価格かどうか見抜くためには、相見積もりが有効です。
他社と比較することで「ここだけ妙に高い(安い)」といった違和感に気付きやすくなります。
少なくとも2~3社の価格を見比べて、極端にかけ離れていないか確認しましょう。
まとめると、優良業者は、極端な暴利を貪らず、かといって怪しいほどの激安もしない適正な料金提示をしてきます。
適正価格の範囲内で勝負しない業者は信頼できません。
価格面でも良心的な業者を選ぶことが重要です。
手元の見積書が正しいかどうかは、外壁塗装駆け込み寺のページからお申し込みいただければスタッフが無料で拝見し、ご案内いたします。
施工実績が豊富で評判が良いか
優良業者を選ぶ際には、その過去の施工実績や顧客からの評判も大事な判断材料です。
実績豊富な業者であれば、前述のように公式サイトに多数の施工例を掲載していたり、顧客からの声が紹介されていたりします。
それだけ、技術力があり、信頼されている証といえるでしょう。
また、インターネット上の口コミや評価も参考になります。
例えば。Googleマップのレビューで星の数が高かったり、クチコミサイトで「対応が丁寧」「仕上がり満足」といった評判が多い業者は、やはり信頼度が高いでしょう。
もちろん中にはやらせの口コミもないとは言えませんが、総合的な傾向として高評価が多い業者は優良である可能性が高いです。
高評価がその地域の他の業者に比べて桁違いに多い場合は、その業者はヤラセ口コミを外部委託している可能性があります。
ヤラセ口コミが多いからといって悪徳業者であるということにはなりませんが、それらの口コミは当てになりません。
Yahoo知恵袋などで業者名を検索してみるのもおすすめです(ただし、こちらも顔も見えない回答者なので、鵜呑みにしすぎないようにしましょう)。
逆に、施工実績がほとんど見当たらない、創業間もなく実績が少ないという業者は慎重に見極めたほうが良いでしょう。
新規業者が全て悪いわけではありませんが、判断材料が少ない分リスクがあります。
選ぶなら少なくとも数十棟以上の施工経験がある業者をおすすめします。
評判に関しては、ご近所や知人のクチコミも貴重です。
「○○さんの家を塗った業者さん、どうだった?」と直接感想を聞いてみるのも良いでしょう。地元で評判が良ければ噂が伝わっていることもあります。
優良業者かどうか迷ったとき、実績や口コミは嘘をつきません。
良い口コミが多く、悪い噂が少ない業者を選ぶことで、失敗の可能性を低くできます。
ただし、口コミはあくまで参考で(特にネットに掲載されている口コミの場合)、最終的には自分自身で会って確かめた印象も大切にしてください。
アフターフォローや施工保証はしっかりしているか
外壁塗装工事は施工後が終わりではありません。
その後のアフターフォローや保証も含めて初めて安心できる取引となります。
優良業者の多くは、工事後の定期点検や何かあったときの迅速な対応など、フォロー体制が整っています。
例えば塗装後5年間や10年間の塗膜保証書を発行してくれる業者があります。
保証期間内に塗膜の剥離や膨れなど施工不良に起因する不具合が生じた場合、無償で手直ししてもらえる約束です。
優良業者であればこの保証内容をしっかり説明してくれるでしょう。
また、工事完了後に定期点検の案内をしてくれる業者もあります。
1年後、5年後など節目に無料点検を実施し、劣化の様子を確認してくれるのです。
そこまでしてくれる業者は非常に良心的と言えます。
もっとも、小規模な地元業者の場合、アフターフォローは「何かあったらすぐ駆け付けます」という口約束的なものに留まるケースもあります。
それ自体が悪いわけではありませんが、できれば書面で保証内容を残してもらうと安心です。
注意したいのは、保証が一切無い業者や、「保証年数だけ長く謳って実態が伴っていない」業者です。
中には「当社は15年保証です!」と宣伝しつつ、実際にはアフターの連絡をしてもなかなか来てくれない、といった不誠実なケースもあります。
保証年数の長さよりも、その業者が将来にわたって連絡が取れ、誠実に対応してくれるかが重要です。
結論として、優良業者は施工後もお客様との縁を大事にし、何かあれば対応するスタンスを持っています。
保証書の有無・内容や、アフターサービスの説明をよく確認し、安心して長く付き合える業者を選びましょう。
(当サイトのこちらの記事でも、保険や保証の重要性について詳しく述べています。適切な保証を提供しているかは優良業者の条件の一つです。)
自社施工・一貫管理で中間マージンがないか
優良業者の判断材料として、自社で職人を抱え施工管理まで行っているかという点もあります。
前述したように、ハウスメーカーやホームセンターなどは下請け施工がほとんどですが、地元の塗装専門業者でも会社によっては他の下請け職人に丸投げするケースもあります。
自社施工のメリットは、施工品質が会社の管理下にあるため責任の所在が明確で、コミュニケーションロスが少ないことです。
営業担当と施工職人が同じ会社の中で連携していれば、打ち合わせ内容が現場に伝わりやすく、要望の行き違いも起きにくいです。
また、中間マージンが発生しないため、コスト面でも適正になりやすいという利点があります。
一方、下請け任せの業者だと、見積もり段階では良いことを言っていても、実際に施工する職人は別会社だったため、「細かな希望が伝わっていなかった…」ということが起こり得ます。
また、元請け・下請けと利益配分が絡むため、どうしても費用が割高になったり、下請け側が安く叩かれて十分な施工ができなかったりという懸念もあります。
もちろん、下請けを使う業者が全て悪いわけではありません。
信頼できる協力会社と長年組んで高品質な施工を提供している塗装店もあります。
ただ、見極めとして「自社職人が工事を行います」と明言している業者は、責任感が強く安心感があります。
契約前に「工事は御社の職人さんがやるのですか?」と率直に尋ねても良いでしょう。
そこで明確な答えをくれるかも重要です。
自社施工を誇る優良業者なら「はい、当社の熟練職人が施工します。経験○年以上のスタッフです」と胸を張るでしょう。
曖昧な返答や濁すようなら、下請け業者へ丸投げしているかもしれません。
総じて、施工管理が自社内で完結している業者はトラブルが少なく、品質面・価格面でも安心です。
一貫体制で責任をもって工事してくれる業者を選ぶようにしましょう。
要注意!悪徳業者によくある手口と見抜き方
ここまで優良業者の特徴を見てきましたが、反対に悪徳業者の典型的な手口も知っておくことで、怪しい業者を早めに見抜くことができます。
悪徳業者は巧妙に契約を迫ったり、不当に利益を得ようとしたりするため、以下のような兆候があれば要注意です。
訪問販売で不安を煽り契約を急かす
悪徳業者の典型として、訪問販売で不安を煽るという手口があります。
「このままだと壁が崩れて大変なことになる」「すぐ塗装しないと雨漏りしますよ」といった具合に、緊急性を誇張して恐怖心を与え、即決させようとするのです。
冷静に考えれば、外壁が急に崩壊することなどまずありませんし、本当に危険な状態ならその場でなく後日検討しても同じです。
「今日すぐ工事しないと大変」というセールストークには耳を貸さないようにしましょう。
また「今契約してくれれば〇〇万円にサービスします」と契約を急かすのも悪質な手口です。
一度持ち帰って検討させないように、今日中に決めさせようとするのです。
優良業者なら施主にじっくり考える時間を与えるはずなので、「すぐ決めないと損しますよ」と言われたら、その業者との契約はまずは踏みとどまるべきでしょう。
「自社開発の特別な塗料」など独自の商品を強調
「当社独自開発の○○コートを使えば30年持ちます!」などと、オリジナル塗料や特別な工法をやたら推して契約を取ろうとするケースも警戒が必要です。
確かに塗料メーカーではなく業者が自社ブランド塗料を謳うことがありますが、その多くは既存メーカーの塗料に別名を付けただけだったり、性能が実証されていない怪しい塗料だったりします。
悪徳業者は、「他では手に入らない特別な塗料」「これを塗れば半永久的に塗り替え不要」などと甘い言葉で誘ってきます。
しかし、塗料には寿命があり、常識的に半永久などあり得ませんし、大手塗料メーカー以上に小さな業者が優れた塗料を独自開発できるとは考えにくいです。
こうした宣伝文句を鵜呑みにして高額契約してしまうと、「実際は安物の塗料を塗られていた…」という事態にもなりかねません。
特別感を演出する営業トークには注意し、本当に信頼できる塗料なのか疑いましょう。
メーカー名や商品名を確認し、少し調べれば実態が掴めるはずです。正体不明の「当社オリジナル塗料」には手を出さないのが賢明です。
あり得ない大幅値引きを提示する
悪徳業者は最初に法外な高値を提示し、そこから大幅な値引きを装って契約を迫ることがあります。
例えば「通常200万円ですが、モニターになっていただけるなら120万円にします!」といった類です。
一見80万円も得したように思わせますが、そもそも最初の200万円が根拠のない吹っかけ価格である可能性が高いです。
また「○月中に契約してくれたら足場代サービスします」など、キャンペーンを強調する営業にも注意です。
本当に足場代をサービスして利益が出るなら、最初からそれ込みの適正価格にしているはずです。
大幅値引きや特別キャンペーンをやたら推す場合は、その業者が値引きありきの価格設定をしている可能性を疑いましょう。
優良業者は、最初から適正な見積もりを出すので、後から何十万円も引く余地はありません。
どれだけ魅力的であっても、不自然な値引きには飛びつかないことが大切です。
会社住所や連絡先が不明瞭
前述の通り、会社の所在地や責任者がはっきりしない業者は信用できません。
契約時に名刺をもらっても住所がレンタルオフィスやバーチャルオフィスだった、電話が携帯しか繋がらない等の場合は非常に怪しいです。
最悪、工事後に何か問題があっても連絡が取れなくなるリスクがあります。
悪徳業者はクーリングオフ逃れのため、会社の実態を曖昧にしていることがあります。
ホームページに住所が書かれていない、訪ねても事務所が存在しない、代表者の名前すら不明、などの業者とは絶対に契約してはいけません。
きちんと事務所を構え、所在地を公開して営業しているかどうかは最低限確認しましょう。
工事代金の前払い・高額な手付金を要求する
契約時に高額な前払い金(手付金)を要求するのも悪質なケースです。
まともな業者であれば、着工前に一部、完了時に残金という形でも、総額の数割程度までしか前金は取りません。
しかし、悪徳業者は「材料を用意するので全額前払いしてほしい」などと言い、契約金を受け取る場合があります。
そして最悪の場合、その後、その業者と連絡がつかなくなることさえあるのです。
実際、消費生活センターへの相談事例でも「前金を支払ったら業者と連絡がつかなくなった」といったケースが報告されています【国民生活センターの相談事例はこちらの記事も参照】。
ですから、基本的に工事代の全額前払いは絶対に応じないでください。
「どうしても支払ってほしい」という場合でも、契約書に基づき工事の進捗に応じて分割払い(例えば足場架設後に○%、完了後に残り)にするなど、万が一のリスクを下げる工夫をしましょう。
前金要求が強引な業者は、その時点でアウトと判断して構いません。
以上、悪徳業者のよくある手口を挙げましたが、これらに少しでも当てはまる業者には注意しましょう。
特に訪問販売で来た業者に前述のようなセリフを言われたら、一旦断って落ち着いて考えてください。
「おかしいな」と感じたら契約しない勇気が大切です。
悪徳業者の手口や失敗談については当サイトの「外壁塗装で失敗しない為の対策と悪徳業者の手口、見抜き方」で詳しく紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
また、不安なことは外壁塗装駆け込み寺のページからご連絡先をご入力いただければ、スタッフが無料で状況のアドバイスをさせていただきます。
もしも業者選びで不安を感じたら…公的な相談先
見積もりや業者とのやり取りの中で「何かおかしい」「騙されてないかな?」と不安に思う点があれば、一人で抱え込まず公的な第三者機関に相談しましょう。
いくつか、リフォームや契約トラブルについて無料で相談に乗ってくれる窓口があります。
まず代表的なのが各自治体にある「消費生活センター」です。
消費生活センターでは、リフォーム工事に限らず様々な商品やサービスの苦情・相談を受け付けています。
相談員の方が中立の立場で話を聞き、適切な助言をしてくれます。
悪質業者との契約をしてしまった場合の対処法(クーリングオフの方法など)についても教えてもらえます。
もう一つ、リフォーム分野に特化した相談先として「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(通称:住まいるダイヤル)があります。
ここでは一級建築士などの専門家に電話相談ができ、契約前の見積書のチェックや、契約後のトラブル対応策などについてアドバイスをもらえます。
必要に応じて専門家による斡旋や調停など法的手続きのサポートも受けられます。
このように、公的機関を頼ることで冷静な判断材料を得ることができます。
「業者にこう言われたけど本当だろうか」「契約して大丈夫だろうか」といった疑問があれば、遠慮なく相談しましょう。
また、契約書にサインする前に疑問点を解消するのは当然の権利です。
納得いかないまま無理に進めてはいけません。
万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合でも、上記のような機関に相談することで解決の糸口が掴めることがあります。
一人で悩まず、専門家の力を借りるようにしましょう。
泣き寝入りせず適切に対処すれば、被害を最小限に抑えられる可能性があります。
まとめ
外壁塗装の業者選びについて、優良業者の特徴から悪徳業者の見分け方まで詳しく解説してきました。
最後に、この記事の内容を簡単におさらいしましょう。
外壁塗装工事を成功させるには、信頼できる優良業者に依頼することが何より重要です。
業者選び一つで仕上がりや費用、トラブル発生リスクが大きく変わります。
外壁塗装業者には塗装専門業者、ハウスメーカー、ホームセンター、リフォーム会社、訪問販売業者など様々な種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、最もおすすめできるのは塗装専門業者であると述べました。
優良業者の探し方として、知人の紹介、チラシ・広告、インターネット検索、一括見積もりサイトの活用などを紹介しました。
複数の情報源を使って候補を集め、必ず相見積もりを取って比較検討することが大切です(目安は3社程度)。
優良業者のチェックポイントは多数ありますが、主なものは以下の通りです:
- 建設業許可や塗装技能士資格など公的な許可・資格を持っている。
- 会社情報や施工実績を明確に公開している。
- 現地調査(劣化診断)を丁寧に行い、家の状態を踏まえた適切な提案をしてくれる。
- 専門用語を噛み砕き、素人にも分かりやすく丁寧に説明してくれる。
- 見積書の内訳が詳細で、費用の根拠を明確に示せる。極端に高すぎず安すぎない適正価格を提示している。
- 施工実績が豊富で、口コミや評判も良い。施工後の保証やアフターフォローもしっかりしている。
- 自社職人による自社施工・一貫管理で、中間マージンがなく責任施工している。
反対に悪徳業者の手口としては、
- 訪問販売で不安を煽り即決を迫る。
- 「オリジナル塗料」「特別割引」など甘い言葉で勧誘する。
- 不自然な大幅値引きを提示する。
- 会社の所在地や連絡先が不透明。
- 高額な前払いを要求する。
などが挙げられます。
こうした兆候があれば契約しないようにしましょう。
業者選びで少しでも不安を感じたら、公的な相談窓口(消費生活センターや住宅リフォーム・紛争処理支援センター等)や外壁塗装駆け込み寺に相談することをおすすめします。
専門家のアドバイスを受けて冷静に判断しましょう。
外壁塗装は決して安い買い物ではなく、また工事後の出来栄えは長年にわたり住まいの美観や耐久性に影響します。
後悔しないためには、業者選びに時間と手間を惜しまず、納得がいくまで比較検討することが肝心です。
ぜひ本記事の内容を参考に、優良な外壁塗装業者を見極めてください。
適切な業者に依頼できれば、きっと仕上がりにも満足でき、快適で安心な住環境を維持できることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
大切なお住まいの塗装工事が、信頼できるパートナーによって成功することを心よりお祈りしています。