外壁塗装工事は、最低でも2週間は作業が続きます。
工事期間中、家に常に居続けて、作業が終わるまで待つのはとても大変です。
そのため、外壁塗装は、留守中でも、職人さんに作業を任せることができます。
ただし、何も準備せずに留守にしてしまうと、悪徳業者に任せてしまったときや、職人さんとの連絡が満足に取れていなかったときなどに、手抜き工事を招いたり、思った通りの仕上がりにならなかったりする恐れがあります。
外壁塗装業者選びの前に、留守にするときの準備や職人さんに対するマナーなどを知っておきましょう。
目次
■外壁塗装は留守中に行われることが多い工事
外壁塗装は、家主の留守中に行われることの多い工事です。
そのため、外壁塗装会社や、作業を行う職人さんも、留守中の施工には慣れており、ホームぺージ上でも、留守中でも施工が可能な点をアピールしています。
1.外壁塗装は家主不在でも行える
内装のリフォームやお風呂・キッチンの交換工事などは、家主が家にいなければ作業員が家の中に入れないため、作業日を職人さんと調整しなければなりません。
一方、外壁塗装は、建物の外で行う作業ですので、家主の留守中でもある程度の作業は進めることができます。
2.外壁塗装は工事期間が長い
外壁塗装工事は、平均的な2階建ての戸建て住宅一棟で、約2週間前後の工事期間になります。
しかし、約2週間かけて行われる外壁塗装工事のあいだ、通勤や買い物などを一切行わないわけにはいきません。
また、シートで室外機や窓が養生されているあいだは、エアコンが使えなかったり換気が行えなかったりしますので、そのような状態で、一日中室内で我慢するのは大変です。
そのため、外壁塗装工事は、家主が留守になることを前提として工程が組まれる性質があります。
●塗装作業だけでも1週間は必要
塗装は、塗料を一回塗っただけで完成するものではありません。
下塗り塗料で下地を作る工程で1日、その後、中塗りと上塗りをそれぞれ1日ずつかけて行い、最低でも3日かけて、合計三回の重ね塗りが行われることによって、長い耐用年数と耐久性を持つ塗膜が完成します。
さらに、上記の塗装作業の他にも、足場の仮設、養生、高圧洗浄、屋外部材の移動、下地の補修やひび割れの修理、防水工事など、様々な工程を経なければなりません。
これらすべてを行うためには、最低でも、1週間と数日は工事期間が必要です。
さらに、雨や強風、積雪や台風などによって、工事が中断することもあるため、約2週間は工事期間が必要と考えられるでしょう。
■留守中も安心して任せられる業者に依頼しよう
このように、外壁塗装工事は留守中に行われることが多いため、ほとんどの外壁塗装業者は、家主が留守中の施工にとても慣れています。
しかし、留守中にどのような作業が行われたか後で教えてもらえなければ、不安で外出もままなりません。
工事中でも気兼ねなく外出できるように、留守中も安心して任せられる施工業者の選び方を知っておきましょう。
1.連絡手段を用意してくれる
留守のあいだ何が起きたか、職人さんから教えてもらうために、連絡手段を確保しておきましょう。
業者の中には、毎日「作業報告書」や、「連絡ノート」などをサービスで用意してくれる所もありますが、すべての業者が、このような連絡手段を常に用意してくれるとは限りません。
また、連絡手段の種類は業者によって異なりますので、業者と契約を結ぶ前に、留守中の連絡手段をあらかじめ質問しておくと良いでしょう。
●作業報告書
その日に行った作業の範囲や進捗を、報告書の形でまとめてもらうことができます。
- 「作業が予定通りに行われたか」
- 「問題なく施工ができたか」
などを、その日の作業終了時点で知ることができ、さらに、翌日の予定なども教えてもらえますので、平日は仕事でずっと不在にしているという人にとって、非常に役立つツールです。
●連絡ノート
職人さんと家主で、連絡事項を共有できるノートです。
職人さんからの作業報告だけでなく、家主からの質問も記入できますので、留守の有無に関わらず、お互いの意思疎通がとりやすくなります。
2.連絡はできるだけ現場の職人さんと行う
作業報告書や連絡ノートは、留守中の作業のようすが把握できるとても便利なツールです。
しかし、現場からの報告が、実際に作業を行っていない営業担当者を介されて行われると、内容に相違が生じてしまう可能性があります。
反対に、家主からの質問を営業担当者にしても、現場の職人さんに伝わりにくくなってしまうでしょう。
連絡はできるだけ、現場の職人さんか、現場に直接出向いて作業内容を確認してくれる営業担当者と交わすことをおすすめします。
■留守にする前に家主が準備しておくこと
どれだけ留守中の工事に慣れている、プロの優良業者でも、トラブルが起きないという保証はどこにもありません。
留守中でも、家主も職人さんも気持ちよく過ごせるように、家主側で準備すべきことを知っておきましょう。
1.立ち合いが必要な工程を押さえておく
外壁塗装の中にも、家主が不在では行えない工程がいくつか存在します。
立ち合いが必要な工程の日だけは、最低限、スケジュールを空けておきましょう。
●見積もり前の現場調査
外壁塗装業者が見積もりを作るときは、外壁や屋根の劣化状態を必ず点検します。
この劣化診断の内容を元に、家主が希望する工事が行えるのか、どのくらいの費用をかけた工事が必要かなどを決めていきますが、業者によっては、劣化箇所の確認に立ち合いを求めることがあります。
屋根や屋根裏など、入りにくい箇所は画像や動画などで確認することもできますが、納得した状態で契約するためにも、直接目視できる箇所は、できるだけ立ち合って確認しておきましょう。
●養生前の私物の移動
飛散した塗料が屋外の私物に付着しないように、移動をお願いされることがあります。
家主不在時に勝手に私物を動かすことはできません。
そのため、大半の業者は、私物の移動は原則、家主立ち合いとしています。
また、私物の移動は職人さんに手伝ってもらうこともできますが、移動に時間をかけすぎると、工事期間がその分長くなってしまいますので、動かせるものは事前に移動しておくことをおすすめします。
●トラブル箇所の確認
工事前の診断でもわからなかった劣化箇所や、施工ミスによる破損などがあった場合は、家主立ち合いのもと、今後の対策について確認が行われます。
トラブル発生時の連絡がすぐに取れるように、外壁塗装工事中は、電話に出られない時間をあらかじめ職人さんに伝えておくなどして、なるべく連絡がつきやすい状態にしておきましょう。
●完成後の完了確認
すべての作業が終わると、完了確認が行われます。
この完了確認も、原則として家主立ち合いとしている業者がほとんどです。
外壁塗装は、天候でスケジュールがずれ込むことも多いため、どのくらいのタイミングで完了確認が行えるか、塗装の最終段階に入ったころに、職人さんにたずねておきましょう。
2.出かける日を事前に伝えておく
外壁塗装工事中に、留守になる期間があれば、あらかじめ相談しておくとよいでしょう。
留守になる期間を伝えておくことで、家主が不在でもできる作業と、家主の立ち合いが必要な作業を、職人さんは段取りしやすくなります。
●緊急連絡先を伝えておく
もし、緊急の連絡などがあれば、電話ですぐに状況を伝えてもらわなければ、対処が遅れて取り返しのつかない事態になってしまいます。
連絡ノートや作業報告書は、電話での連絡が苦手という方におすすめのツールですが、緊急時には効果を発揮しません。
緊急事態の発生に備えて、すぐに連絡が付く電話番号も、業者に教えておきましょう。
3.戸締りは必ず徹底する
外壁塗装期間中に留守にするときは、いつも以上に、玄関や窓の鍵の戸締りを徹底しておかなければなりません。
これは、空き巣などの外部の侵入者を家に入れないためだけではなく、職人さんとのトラブルを防ぐためにも必要です。
●外壁塗装中の家は空き巣に狙われやすい
外壁塗装中は、建物の周りが足場と養生シートで囲まれます。
足場やシートがあると、空き巣が隠れやすくなり、足場を登って、警備が手薄な2階やベランダなどに容易に侵入できる状態になってしまいます。
外壁塗装作業中は、建物の周りに職人さんがいるため、侵入者は寄り付きにくい状態ですが、職人さんたちがその日の作業を終えて帰ったあとは、空き巣の格好の的になってしまうでしょう。
外壁塗装工事中に、長期間留守にするときは、雨戸や玄関のチェーンも駆使して、いつも以上に厳重に戸締りを行いましょう。
●職人さんとのトラブルを戸締りで防ぐ
戸締りを徹底しておくことは、職人さんたちとのトラブルを防ぐためにも大切です。
例えば、外壁塗装工事が行われる日に、うっかり鍵をかけ忘れて外出し、帰宅後に物がなくなっていたり、部屋が荒らされたりしていたとします。
そのとき、真っ先に疑惑の目を向けられてしまうのは、家の周りで作業をしていた職人さんたちです。
たとえ職人さんたちに非がなくても、「あそこの塗装会社で工事をしたら、盗難に遭ったらしい」という噂が近隣に広まってしまい、地域での評判が落ち、職人さんたちの今後の営業にも支障が出てしまいます。
また、せっかく塗装できても、工事中に起きたトラブルを思い出してしまい、施工後もモヤモヤした気持ちで過ごさなければなりません。
無駄なトラブルを起こさないためにも、外壁塗装工事中の戸締りは必ず徹底しましょう。
■おわりに
外壁塗装工事は、留守中でも施工が可能ですが、すべて職人さんに任せきりにした状態で、自動的に工事が終わるわけではありません。
問題なく工事を終わらせるためには、留守中の職人さんとの連絡手段を必ず確保し、立ち合いが必要な工程の日には必ず在宅しておくなど、ある程度の計画性は必要です。
留守中の施工方法に疑問があれば、契約を結ぶ前に積極的に質問して、最も信頼できると思える工事業者に依頼しましょう。