外壁塗装工事中にエアコンは使える?業者や状況で異なります

外壁塗装工事をいざ始めるにあたって、誰しも不安に感じることの一つに「エアコンが使えなくなってしまう」ということが挙げられますが、人々の中にはエアコンが使えなくなることを業者から知らされず、「工事の直前に明日からエアコンが使えないと言われてしまった!」という自体に陥って対処に困ってしまったケースもあります。

 

不安の多い外壁塗装工事中でも快適に過ごせるように、エアコンを少しでも使えるようにする工夫や、使用できない理由などを、事前に知っておきましょう。

■外壁塗装中はなぜエアコンが使えなくなるのか

建物の周りで様々な作業を行う外壁塗装において、外壁や屋根まわりに設置されている

  • エアコンの室外機
  • 給湯器
  • 換気口

などは、作業の妨げとならないように養生する必要があるため、外壁塗装を行う際は、エアコンが使えない状態を想定して、生活の仕方を考えておく必要があります。

1.エアコンの室外機は養生シートで覆われる

養生とは、塗料や高圧洗浄の水が飛び散ったときに、外壁以外の床や窓、周りの家など付着してはいけない箇所に付着しないように、マスキングテープやビニールシートで覆って保護する作業のことで、この養生は外壁塗装作業における大切な工程のひとつであり、どのような家の塗装でも必ず行われます。

通常、外壁塗装は作業手順に応じて養生箇所を切り替えながら行われますが、室外機やガスの給湯器などは外壁と一緒に塗装しませんので、外壁と塗装するあいだは、シートなどで覆われます。

 

このとき、養生で塞がれた状態の室外機を稼働させてしまうと、機械の故障や、シートの破裂などが起きる恐れがあるため、エアコンを稼働することはできません。

2.ホースが取り外されることがある

エアコンの配管ホースは、外壁に開けられた穴を通って、室内機と室外機を繋いでおり、このホースは外壁に沿うようにして固定されていることが多いため、ホースで隠れている部分を塗装するために、必要に応じて取り外されることがあります。

この配管ホースが取り外されている間は、当然、エアコンを使うことはできません。

 

ちなみに塗装業者が慎重で、エアコンに手をくわえることをためらう場合や、取り外さなくても塗装できるときなどは、室外機と同様に、シートや配管カバー(ホースカバー)などで養生するだけで済むケースもあります。

3.室外機やホースも塗装してもらえることがある

すべての塗装業者が行ってくれるわけではありませんが、室外機やホースが汚れていたり、錆びが発生したりしているときは、オプションで塗装や清掃をしてもらえることがあります。

室外機などの汚れや劣化が軽度であれば無料で補修してくれる良心的な業者もいますが、契約書で取り決めていない箇所に手を加えることはトラブルの元になりますので、エアコンの室外機やホースの補修をあえて断る業者もいます。

すべての業者がエアコン周りの補修を快く引き受けてくれるわけではありませんので、もし外壁以外の補修も済ませたい場合は見積もり作成時に相談しておきましょう。

 

エアコン周りの補修の例としては、以下のようなものがあります。

●ホースなどの接続部材の錆び取り

ホースを外壁に固定している接続部材や、室外機の脚など、金属パーツに錆びが生じているときは、さび取りと防錆塗装をしてもらえることがあります。

●エアコンホースの補修

エアコンホース表面の塗装が紫外線で劣化してぼろぼろになっている時は、塗装を塗り替えたりテープを巻いたりして表面を補修してもらえることがあります。

電気工事に長けている業者であれば、交換用の新しいエアコンホースを手配してくれることもありますが、交換を希望する場合は電気工事業者に別途依頼しなければならない可能性が高いです。

●室外機やホースの汚れの除去

エアコンの室外機やホース周りに付着した泥やホコリを、外壁の高圧洗浄や下地調整の際に清掃してもらえることがあります。

●ホースが通っている壁の穴の補修

外壁のうち、エアコンの配管ホースが刺さっている「貫通穴」の部分は、通常は専用のキャップとパテで雨水や害虫などが侵入しないように隙間が埋められていますが、雨水や紫外線によってキャップが経年劣化すると、部材がずれて貫通穴の周りにわずかな隙間が生じ、ハチや小動物が入り込みひどい時はホースの中に巣を作ってしまうことがあります。

このような貫通穴の隙間も、外壁の下地調整のときにパテなどで埋めて保護してもらえます。

■エアコンが使えなくなる期間はいつまで?

外壁塗装はいくつかの工程が順番に行われ、エアコンが使えなくなるのは、そのうちの数日間のことで、外壁塗装の工程と工事期間を把握していれば、エアコンがいつまで使えないのか不安に感じる必要もありません。

1.外壁塗装の流れと期間を知っておこう

外壁塗装工事では、以下の工程を数日かけて行います。

  • 足場設置…1日
  • 高圧洗浄…1日
  • 高圧洗浄後の乾燥…1日
  • 下地処理…1~2日
  • 養生…1日
  • 塗装…6~9日
  • 片付け…1日

※雨などのトラブルで工期が延長にならなかったときの、平均的な所要日数です

戸建て住宅の平均的な外壁塗装工事期間は、12~16日程度ですが、必ずしもこの期間中、完全にエアコンが使えなくなるとは限りません。

2.エアコンが使えなくなる作業とその期間

エアコンが使えなくなるのは主に、高圧洗浄作業が行われている期間と、養生され、塗装が終わるまでの期間の2回です。

業者の中には、トラブルを防ぐために、足場設置工事から工事完了までエアコンの使用中止を呼び掛ける所もありますが、近年では、施主が施行中も快適に過ごせるよう配慮してくれる業者の方が多くなりつつあります。

実際にどのくらいエアコンが使えなくなるかは、依頼した業者の施工方法次第ですので、工事を契約してしまう前に、見積もりや建物診断の時点で確認しておきましょう。

●高圧洗浄作業中はエアコンが使えない

高圧洗浄とは専用の機械で外壁表面の汚れを水で洗い落とす作業のことで、汚れを落とすことによって下地調整や塗装を行いやすい壁面を作るために必ず行われる工程です。

業務用の高圧洗浄機は大量の水を勢いよく外壁の周囲に噴射しますので、その際は当然、水しぶきが外壁周りの広範囲に飛散します。

敷地外への水の飛散は、足場設置と併せて貼られる飛散防止ネットのおかげで防がれますが、エアコンの室外機も、大量の水が中に入らないように養生しておかなければならないため、高圧洗浄作業中は、エアコンを動かせなくなり、洗濯物も干せなくなります。

●養生後塗装が終わるまでの期間もエアコンが使えません

外壁塗装の工事中において、本格的にエアコンが使えなくなるのは、養生が開始して、塗装が終わるまでの期間で、建物を養生する作業自体は1日で終わりますが、養生にはその後に行う塗装を安全に行うために施されますので、塗装作業が終わるまでは養生は続きます。

そのため、養生後は塗装が終わるまでシートを取り外すことはできず、当然エアコンも使うことができません。

 

また、外壁塗装における塗装作業は下塗り・中塗り・上塗りという、3回塗りとそれぞれの乾燥を行わなければならないため、最低でも6日は必要です。

もし工程を早く終わらせるために1回でも塗装を省くと、耐久性の高い塗膜を作ることができませんし、それぞれの塗装の層が乾く前に次の重ね塗りを行うと、下層の塗料の硬化が阻害され密着性も低下してしまい、軟弱な塗膜ができあがってしまいます。

■エアコンが使えるよう配慮してくれる業者を選ぼう

ただでさえ足場で囲まれて息苦しくなる外壁塗装工事ですが、窓もシートで養生されてしまいますので、特に夏場などは「そんなに長期間エアコンを使えないのは困る」という人も多いのですが、近年の外壁塗装では、こうしたエアコンの使用に配慮してくれる業者が増えてきました。

1.エアコンに配慮してくれる業者の例

外壁塗装と切っても切り離せない、換気や室温管理という問題を改善すべく、エアコンが使えるように、様々な工夫を凝らしてくれる業者もあります。

ただ、家の造りや室外機の形状、業者のやり方などによってはエアコンの使用に配慮できる場合とできない場合がありますので、すべての業者がすべての家に対して塗装中にエアコンを使わせてくれるとは限らないためご注意ください。

●エアコンの室外機だけ特殊な養生をしてくれる

通常、室外機の養生は、ごく普通のビニールシートで室外機を覆って、テープで留めるものが一般的ですが、最近では、カバーしたままでもエアコンが使用できる特殊な養生材も登場しました。

塗料が入り込まない程度の特殊な通気口が設けられており、この穴によって、塞いだままでも室外機を動かせるというものです。

ただし、使用場面が限定的であることや、室外機の規格に対応していなかった時は使えないことなどから、わざわざ入手しない業者も多いため、使えるかどうかは打ち合わせの際に業者に相談しておく必要があります。

また、特殊な室外機カバーにはオプション価格を設定している業者もあり、その際は工事費用がやや高くなる恐れがありますので、どのような室外機カバーが使われるは、見積もりを作ってもらうときに確認しておきましょう。

●室外機付近を優先的に塗装

室外機を早く使えるように、室外機付近から優先的に塗装してくれる業者もありますが、塗装の施工手順や作業のルールというものは、施工を行う業者によって大きく異なります。

室外機付近から塗装を始めたばかりに、逆に施工ミスを誘発する可能性があるような場合は、この方法は取ってもらえません。

●工事スケジュールをこまめに知らせてくれる

塗装業者によっては、毎日の進捗状況を必ず連絡してくれる所もあります。

具体的に、いつからいつまで室外機が使えなくなるかこまめに知らせてくれますので、このような業者に依頼できれば、エアコンの利用だけでなく、工事全般において、不安を和らげられるでしょう。

2.業者との工事前の打ち合わせが肝心

エアコンが完全に使えなくなるのはごく短期間だけですが、できれば、養生方法を工夫して、少しでも長くエアコンを遣わせてくれる業者に依頼するのが望ましいのですが、業者によっては仕事の手順を変えることをひどく嫌がる所もあります。

施工手順へのこだわりが施工品質を守るためであればよいのですが、中には、料金だけ受け取っておきながら施主の要望を無視して手抜き工事を行い、さっさと現場を離れてしまおうとする悪質業者という可能性もあります。

こういった点から見ても、やはり、施工中も施主が快適に過ごせる点に配慮してくれるかどうかを、専門業者選びの基準にすることをおすすめします。

●養生したまま放置しっぱなしの場合は事情を聞こう

養生をとっくに取り外してもよいのに、いつまでも室外機や給湯器、通気口を養生で塞いだままにして、施主に知らせてくれない業者などもいます。

「もうとっくに塗装が終わったのに、いつまで養生し続けるの?」と感じたときは、業者にエアコンを使ってもよいか、こちらから質問するとよいでしょう。

作業が忙しくて単純に忘れていることもあれば、何かの事情があって養生が続いていることもありますが、いずれにしても、何かしらの説明をしてもらうべきでしょう。

 

養生は、作業工程が移行するたびに、適切に量や場所を見直すことが望ましく、そのようなマメさが、塗装の品質にも影響しますので、いつまでも養生を放置し続ける業者は、作業品質を不安視せざるを得ません。

●電気工事の資格を持つ施工業者

塗装業者や工務店の中には、屋根工事の一環として太陽光発電の設置を行う所も多いため、エアコン室外機の接続に必要な「電気工事士」の資格を持っている所があります。

エアコンの取り扱いは電気工事の専門家にしか行えない部分もあるため、このような業者であれば、お使いのエアコンの特徴に応じて、使用できる期間・できない期間を詳しく教えてくれることでしょう。

■おわりに

外壁塗装工事中は、一時的にエアコンが使用できなくなるため、多くの人は工事期間中の過ごし方に不安を抱いてしまうものですが、外壁塗装の基本的な工程と、エアコンが使えなくなる理由を知っていれば、使えない期間を逆算して、自分たちの生活に合わせた予定や過ごし方を考えることもできるようになります。

窓が開けられず、エアコンが使えなくなる外壁塗装リフォームでも、少しでも快適に過ごせるように、施主の生活を優先してくれる優良業者を選びましょう。

 

施工前の外壁塗装の悩み相談を無料でお伺いします!

●外壁や屋根の悩みをお伺いします!
●全国どこでも無料で相談出来ます!
●変な勧誘等はありません
●複数社に一括見積もりの依頼が可能
●お住まいの外壁塗装相場を適正診断
●お断り代行で業者と気まずくならない
●他社見積もり中でもOK

外壁塗装駆け込み寺には悩み相談を毎日無料で受け付けています。外壁や屋根に関する事ならどのような事でも遠慮なくご相談ください。専門のスタッフが今現在の外壁塗装に関するお悩みを丁寧にお伺いします。フリーダイヤルによる相談も年中無休で受付中です。

外壁塗装の悩みを相談する