アパート外壁塗装の完全ガイド|費用相場・時期・注意点と業者選びまで徹底解説

アパートのオーナーにとって、建物の老朽化は深刻な悩みです。

特に築年数が経過したアパートでは、外壁の汚れやひび割れが目立ち、入居者からの印象低下につながることもあります。

 

しかし、適切なタイミングで外壁塗装を行えば、古くなった外観は、見違えるほど美しく蘇ります。

外壁塗装には、建物を保護し、寿命を延ばす効果もあり、長期的な資産価値の維持に欠かせません。

本記事では、アパート外壁塗装の必要性、適した時期、費用相場、工事期間、注意点、色選び、そして業者選びのポイントまで、初心者にも分かりやすく丁寧に解説します。

 

目次

アパートの外壁塗装が必要な理由と目的

まずは、なぜアパートに外壁塗装が必要なのか、その目的と重要性を確認しましょう。

外壁塗装には、主に次のような目的があります。

建物を保護し寿命を延ばすため

外壁塗装の最大の目的は、建物の保護です。

外壁は日々、雨風や紫外線にさらされて劣化が進行します。

塗装が劣化して、防水性能が落ちると、外壁に生じた小さな亀裂から雨水が浸入し、内部の木部や鉄部を腐食させる恐れがあります。

塗膜(塗装の膜)は、建物の皮膚のような役割を果たし、雨水や湿気から構造体を守っています。

そのため、定期的に塗り替えを行い、塗膜を健全に保つことで、柱や梁といった建物骨組みの寿命を延ばし、深刻な劣化を防ぐことができます。

 

また、塗装には、防カビ・防藻性能を持つ塗料もあり、外壁に苔(コケ)やカビが繁殖するのを防ぐ効果も期待できます。

外壁塗装をしないまま放置して、劣化が進行すると、雨漏りや構造部材の腐食など、重大な不具合につながり、大規模な補修工事が必要になるケースもあります。

外壁塗装は、アパートという大切な資産を長持ちさせるための必須メンテナンスと言えるでしょう。

美観を保ち入居者の印象を向上させるため

アパート経営において、外観の美しさは入居率に直結します。

建物の第一印象が良ければ、「ここに住みたい」という入居希望者の意欲を高めることができます。

反対に、外壁の色あせや汚れが目立つ建物は、古びた印象を与え、同じ家賃帯であれば、見た目がきれいな物件の方が選ばれやすくなります。

 

実際、「多少家賃が高くても外観がきれいなアパートに住みたい」と考える入居者は多い傾向があります。

外壁塗装で、建物の見た目をリフレッシュし清潔感を保つことは、空室リスクの低減にもつながります。

さらに、きれいな外観を維持することは、近隣からの印象も良くなり、オーナー様の物件の評判向上にも寄与します。

将来の大規模修繕コストを抑えるため

外壁塗装は、費用がかかる工事ですが、定期的に実施することで、長期的な修繕コストを抑える効果があります。

もし、塗り替えの時期を過ぎて、塗装劣化を放置すると、下地の傷みが激しくなり、後から塗装する際に下地補修の手間と費用が大幅に増えてしまいます。

 

例えば、10年以上塗装せずに放置した外壁では、クラック(ひび割れ)補修やシーリング材(目地材)の打ち替え箇所が増えるため、その分の追加費用が発生します。

逆に、適切なタイミングで塗装をしておけば、下地補修の規模を最小限に抑えられ、結果的にトータルの維持費用を節約できます。

国土交通省のガイドラインでも、マンション等の大規模修繕は概ね12〜15年周期で計画的に行うことが推奨されています(参考:国土交通省)。

アパートもこれにならい、こまめな塗装メンテナンスを行う方が、長期的に見て経済的と言えるでしょう。

 

このように、アパートの外壁塗装には、「建物の保護」「入居者へのアピール」「維持コストの抑制」という大きく3つの目的があります。

次章では、具体的にどの時期に塗装を行うべきか、劣化のサインや適切なタイミングについて解説します。

アパート外壁塗装を行う時期とタイミング

外壁塗装は、いつ実施するのが良いのでしょうか。

新築からの経年や、季節要因、賃貸経営上の都合など、タイミングを判断するポイントはいくつかあります。

この章では、塗り替え周期の目安や、外壁劣化の代表的なサイン、さらに工事に適した季節や時期について解説します。

塗り替え周期の目安は10~15年程度

一般的に戸建て住宅でも、「外壁塗装は10年ごとに必要」とよく言われますが、アパートにおいても概ね10~15年に一度を目安に塗り替えを検討すると良いでしょう。

使用する塗料の耐用年数によって前後しますが、普及しているシリコン塗料の耐久性が約10年程度であることから、一つの目安として「10年に一度」と言われることが多いようです。

 

ただし、厳密に「築○年経過したら必ず塗り替え」という決まりがあるわけではありません。

塗料のグレードによっては、15年以上持つものもありますし、建物の立地条件(海沿いか内陸か、日当たりの強さなど)によって劣化スピードは変わります。

新築後10年経過した段階で、一度、専門業者に劣化具合を点検してもらい、以降は、遅くとも15年程度までに塗装を実施する、という計画を立てておくと安心です。

 

戦術の国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」では、賃貸住宅の外壁塗装(塗装仕上げ部分)の修繕サイクルはおおむね11~18年程度とされています。

このように幅があるのは、塗料や環境で差が出るためです。

 

したがって、平均的には12~13年程度で、塗り替えるケースが多いものの、最大で15年程度を上限として計画を立てることをおすすめします。

早めの塗装は無駄ではなく、前述の通り建物を健全に保つための予防策と考えましょう。

外壁の劣化サイン(塗装が必要な症状)

築年数に加えて、実際の外壁に現れる劣化症状も重要な判断材料です。

以下のようなサインが見られたら、塗り替え時期が来ている可能性が高いと言えます。

 

  • チョーキング現象: 外壁を手で触るとチョークの粉のような白い粉が付着する現象です。塗膜が紫外線で劣化しているサインで、光沢が失われ粉状になっています。
  • 色あせ・塗装の剥がれ: 元の塗装色が褪せて極端に薄くなったり、塗膜が部分的に剥離して下地が見えている状態です。
  • ひび割れ(クラック): 外壁表面に細かな亀裂が入るケースです。小さなヘアクラックから構造クラックまで、ひびの幅や深さにより深刻度が異なりますが、いずれにせよ放置は禁物です。
  • コーキング材の劣化: 窓枠やサイディングボード目地のシーリング(コーキング)が硬化してひび割れたり隙間が生じている状態です。防水性が落ち、そこから雨水が入り込む恐れがあります。
  • カビ・苔の発生: 日当たりの悪い北面などで外壁が黒ずんでいたり、緑色の苔が生えている場合です。美観を損なうだけでなく塗膜性能低下の一因です。

 

これらの症状は、いわば「外壁からのSOSサイン」です。

特に、チョーキング現象は、最も分かりやすい塗膜劣化の兆候なので、ご自身で外壁を触って確かめてみると良いでしょう。

手に粉が付くようなら塗り替えを検討すべき時期と判断できます。

ひび割れやシーリング劣化は専門業者による補修が必要ですので、早めに相談してください。

 

以上のような劣化サインを見逃さず、適切な時期に対処することで、大掛かりな修繕になる前に予防的な塗装工事を行うことが可能になります。

アパートの塗装工事に適した季節と時期

外壁塗装は、基本的に一年中可能ですが、季節によって、工事期間や仕上がりに影響する要素があります。

特に注意したいのは、雨と気温です。

 

春季(3~5月)

春は、気温・湿度が安定しやすく、塗料が適切に乾燥するため外壁塗装に向いた時期です。

特に4~5月は晴天が比較的多く、日照時間も十分なため、塗り重ねのインターバル管理がしやすく工期も組み立てやすい傾向があります。

一方で、3月は、引っ越しシーズンで入退去や荷物の搬出入が増えるため、足場の架設・解体や高圧洗浄の時間帯、通路の一時通行規制などを管理会社・入居者と事前に調整することが重要です。

共用部や駐車場の一部使用、バルコニー内の養生や物品移動(物干し竿・植木鉢など)のお願いは、掲示・投函で1~2週間前から周知するとトラブルを防げます。

入居者の生活への影響を抑えるため、低臭の水性塗料の選定、換気時間帯の案内、騒音の出やすい工程(洗浄・ケレン等)の日中限定実施も効果的です。

なお、春は、花粉・黄砂や強風の影響で下地に付着物が生じやすいため、洗浄・拭き上げの徹底や風の強い日の塗装回避など、品質管理が求められます。

総じて、春は、仕上がりと工期のバランスが取りやすいシーズンですが、3月の入居者動線への配慮と情報共有を徹底することで、アパートでも円滑な施工が可能になります。

梅雨時期(6~7月)

長雨が続く梅雨は、塗装工事が順延しやすく、工期が読みにくくなります。

雨天時は、塗装作業自体ができないため、梅雨の時期に着工する場合は。通常より長めの工期に余裕を持つ必要があります。

また、湿度が高いと、塗料の乾燥にも時間がかかるため、乾き待ちの時間も考慮しなければなりません。

 

夏季(7~9月)

夏は気温が高く、塗料の乾燥が早いため、天候が安定していれば、工期は予定通り進みやすい傾向にあります。

特に、梅雨明け後の夏(7月下旬~8月)は晴天が多く、日照時間も長いため、作業効率は良好です。

ただし、真夏日は作業員の負担が大きく、場合によっては日中の作業時間が短縮されることもあります。

 

秋季(10~11月)

秋は気温・湿度ともに安定し、塗装には適した季節とされています。

塗料が適切に乾燥しやすく、仕上がりも良好です。

ただし、9月~10月にかけては台風シーズンでもあるため、強風による足場シートの影響や、雨天による中断リスクは頭に入れておきましょう。

 

冬季(12~2月)

冬は、低温によって塗料の乾燥が遅れたり、一部の塗料では気温5℃以下だと施工できない場合があります。

また、日照時間が短く、作業可能時間も減るため、他の季節に比べて工期が延びることがあります。

ただし、空気が乾燥して晴天の日が多い地域では、冬でも問題なく施工できるケースもあります。

 

このように、それぞれの季節にメリット・デメリットがありますが、一般的には、春(4~5月)や秋(10~11月)が、天候も安定し、塗装には適したシーズンとされています。

入退去シーズンを避けた計画がベスト

賃貸アパートの場合、工事時期の選定では入居者への影響も考慮しなければなりません。

特に3月~4月は新生活に伴う入退去が集中する繁忙期です。

この時期に外壁塗装工事が重なると、退去する入居者の引っ越しや、新規入居者の入居準備と工事がバッティングして混乱する恐れがあります。

 

できる限り引っ越しシーズン(年度末から新年度にかけて)を避けて工事日程を組むのが無難です。

具体的には、2月末~4月上旬の期間は避け、入居者の動きが落ち着く初夏や秋に実施することを検討しましょう。

 

ただし、入退去の予定は物件によって異なります。

現在の入居者に大学生が多い場合は、卒業・入学シーズンがピークになりますし、社会人が多ければ転勤の多い春秋が動きやすいなど傾向があります。

 

自主管理の場合は自分で、管理会社に委託している場合は管理会社と相談しながら、「入居者にとってもベストな時期」を選んであげると良いでしょう。

もちろん、在籍中の入居者にも、工事期間中は多少の負担をおかけするため、配慮が必要です。

この点については、後述する「入居者・近隣への配慮」の章で詳しく説明します。

アパート外壁塗装の費用相場と内訳

次に、気になる費用面について詳しく見ていきましょう。

アパートの外壁塗装にはどれくらいの費用がかかるのか、相場や内訳を理解しておくことは大切です。

ここでは一般的な費用相場と、費用を左右する要因について解説します。

アパート外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用は、建物の規模や状態によって大きく変動しますが、目安として以下のような相場があります。

  • 2階建てアパート(戸数が6~8戸程度):約120~300万円前後
  • 3階建てアパート(戸数が10~12戸程度):約150~400万円前後
  • 中規模マンション(4~5階建て、エレベーター有):約400~800万円以上

これらは、あくまで塗装工事全体の概算です。

同じ階数でも、建物の横幅や奥行きが大きければ、外壁面積が増えるため費用も高くなります。

 

また、業者間の価格差や使用する塗料グレードによっても上下しますが、経験則として「建物の階数 × 100万円前後」が一つの目安と言われることがあります。

例えば、2階建てなら約200万円、3階建てなら約300万円といった具合です。

ただし、この計算は非常に大まかなものなので、実際には必ず複数社から見積もりを取り、比較、検討することが重要です。

アパートの大きさや形状、劣化具合によって工事内容は異なり、費用も千差万別だからです。

 

外壁塗装の費用には、足場代や塗料代、人件費など様々な項目が含まれます。

次項で詳しく内訳を見てみましょう。

外壁塗装費用の内訳と影響要因

見積書を見ると多くの費目が並んでいますが、主な内訳は以下の通りです。

  • 足場設置費: 建物周囲に足場を組み、安全に作業するための仮設工事費です。メッシュシート(飛散防止ネット)設置を含み、全体費用の約20%以上を占めることもあります。
  • 高圧洗浄費: 塗装前に外壁の汚れや古い塗膜の粉を洗い落とす作業です。洗浄を怠ると塗料が密着せず剥がれやすくなるため、重要な工程です。
  • 下地補修費: 外壁のひび割れ補修や、古いコーキングの打ち替え、欠損部の補修などです。建物の劣化状況によって必要な箇所・量が変わり、劣化が激しいほど費用がかさみます。
  • 養生費: 塗料が付着してはいけない部分(窓ガラスや床、植栽など)をビニールシート等で覆う作業です。これは塗装作業ごとに行われ、工数に含まれます。
  • 塗装作業費(材料+施工): 下塗り・中塗り・上塗りの塗装工程にかかる費用です。使用する塗料代と職人の人件費が主ですが、塗料の種類によって材料費が大きく変動します。
  • 付帯部塗装費: 雨樋や鉄部(階段・手すり等)、軒天井や破風板など、外壁以外の付属部分の塗装費です。塗装範囲に応じて見積もりに含まれます。
  • 廃棄物処理費: 足場解体後の飛散物清掃や、剥離した古い塗膜・養生材などの廃材処分費です。

以上が主な内訳です。

 

この中で、特に金額を左右するのは、「足場費用」と「塗料の種類」です。

足場は、高所作業に不可欠なので省略できませんし、建物が大きいほど足場の量も増えるため、費用が比例して高くなります。

塗料については、次の項で詳しく述べますが、グレードの高い塗料ほど値段も高いです。

 

また、地域によって、人件費や諸経費の相場が違う点にも留意が必要です。

例えば、全国統計では、最も高い地域(佐賀県など)と最も安い地域(岐阜県など)では、外壁塗装費用の単価に大きな差があるというデータもあります。

東京都区部の平均は、およそ5,000~6,000円/㎡とされますが、地方では3,000円/㎡前後ということもあります。

このように、地域性もあるため、お住まいのエリアの相場を知るためにも複数業者の見積もり取得が重要なのです。

使用する塗料の種類と単価・耐久性

塗料選びは、費用にも、建物の耐久性にも大きく影響します。

一般的な塗料の種類ごとの性能と価格帯は、以下の通りです。

塗料の種類 耐用年数の目安 塗装単価(㎡あたり)
アクリル塗料 5~8年程度 1,000~1,500円
ウレタン塗料 7~10年程度 1,800~2,500円
シリコン塗料 10~15年程度 2,000~3,500円
ラジカル制御塗料 12~15年程度 2,500~4,000円
フッ素塗料 15~20年程度 3,500~5,000円
無機塗料 20~25年程度 4,000~6,000円

(※上記は2020年代の一般的な相場・性能目安です。製品や業者により異なります)

 

現在、主流となっているのは、価格と耐久性のバランスに優れるシリコン塗料です。

多くのアパートで採用され、約10年前後の周期で再塗装が行われています。

一方、近年は、シリコンを超える耐候性を持つフッ素塗料や、無機成分を含んだ無機塗料も普及してきました。

これら高耐久塗料は、価格が高いものの、耐用年数が長く、「15~20年以上塗り替え不要」と謳う製品もあります。

 

表にあるラジカル制御型塗料は、シリコン塗料と同等かそれ以上の耐久性を持ちながら、価格は中程度で、最近、注目されている新技術の塗料です。

また、上記には載せていませんが、遮熱塗料(日射反射率が高く室内温度上昇を抑える)や、光触媒塗料(太陽光で汚れを分解し付着しにくくする)など、機能性塗料も存在します。

これらは通常の塗料より割高ですが、建物の快適性や、美観維持に効果が期待できます。

 

塗料の種類によって、「初期費用」と「次回の塗替までのスパン」が変わってきます。

短期間で安価に仕上げたい場合は安価な塗料、長期的にメンテナンス回数を減らしたい場合は高耐久塗料、といった選択肢になります。

予算と将来計画に応じて、最適な塗料を業者と相談して決めると良いでしょう。

外壁塗装費用は修繕費と資本的支出のどちらになる?【税務】

外壁塗装の費用が高額になる場合、経理上の処理(税務上の扱い)も把握しておく必要があります。

外壁塗装費用は、税務上、「修繕費」としてその年の経費にできる場合と、「資本的支出」として減価償却で費用配分する場合があります。

 

一般的に、建物の原状回復や維持のための塗り替えは、「修繕費」と認められ、その年の必要経費として工事代金の全額を計上できます。

一方、塗装によって付加価値を高めるような工事(例えば外壁材自体の交換や断熱性能向上を伴う改修など)は、「資本的支出」とみなされ、建物の法定耐用年数に応じて、減価償却費として、毎年按分して経費計上する形になります。

 

外壁塗装の場合、色を変えたり、高機能塗料に変えたりした程度では、通常、「修繕費」扱いになるケースが多いようです。

しかし、金額があまりに大きい場合や、同時に大規模な改修を行った場合には、資本的支出と判断される可能性もあります。

アパートの外壁塗装工事費用の適切な処理については、税理士や会計士など専門家に相談すると安心です。

なお、一定条件を満たせば、所得税の控除や、固定資産税減額等のリフォーム減税措置が受けられるケースもありますので、税務面のメリットについても確認しておくと良いでしょう。

 

また、国や自治体によっては外壁塗装工事に対する補助金・助成金制度が用意されている場合もあります。

省エネ塗料を使用した場合など、条件付きのものが多いですが、該当すれば費用負担を軽減できます。

自治体の補助制度の条件と注意点についてはこちらの記事も参照してください。

外壁塗装費用を抑える3つのポイント

最後に、外壁塗装にかかるコストをできるだけ削減する工夫について押さえておきましょう。

以下の3つのポイントを意識すると、無駄な出費を抑えつつ適切な工事を行うことができます。

  1. 日頃から外壁の状態をチェックし早めに塗装する: 劣化を放置すると、補修箇所が増え、費用が膨らみます。外壁の様子を定期的に観察し、早め早めの塗り替えを心がけましょう。その方が、長い目で見ると総コストを抑えられます。
  2. 複数の業者から相見積もりを取る: 外壁塗装の相場は、分かりにくく、業者によって価格も様々です。一社だけの見積もりで即決せず、必ず複数社に現地調査・見積もり依頼をして比較検討しましょう。内容と価格を比較することで、適正価格が見えてきます。
  3. 屋根塗装や他工事と一緒に行う: 外壁塗装と同時期に、屋根の塗装やベランダ防水なども必要なら、一緒に行うことで足場を共用でき、別々に行うより費用総額を抑えられます。足場代は一度で済むので経済的です。ただし、工期は長くなるため、入居者への説明は、より丁寧にしましょう。

 

この他、「予算が足りないから」といって、DIYで外壁を部分的に塗って済ませる、無許可の格安業者に頼む、といった安易な手段はかえって危険です。

品質の低い施工で、結局、塗り直しになったり、近隣トラブルを招く恐れもあります。

資金不足で工事を迷う場合でも、避けるべきNG行動について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

アパート外壁塗装工事の期間と工程

費用と同様に気になるのが工事期間(工期)です。

アパートの外壁塗装工事はどれくらいの日数がかかるのか、またどのような手順で進むのかを把握しておきましょう。

ここでは、一般的な工期の目安と、外壁塗装の基本的な工程を解説します。

工期の目安(アパート外壁塗装は何日かかる?)

工期は建物規模や天候によって左右されますが、目安としては以下の通りです。

  • 小規模アパート(2階建て・戸数8戸前後):約2週間~3週間
  • 中規模アパート(3階建て・エレベーター無し):約3週間~1ヶ月
  • 大規模マンション(4階建て以上・エレベーター有):約1~2ヶ月(建物規模により更に延びる)

 

戸建住宅なら、通常、7~14日程度で完了する塗装工事ですが、アパートは、足場を組む範囲も広く、作業量が多いため、2階建て程度でも戸建てより長めになります。

2階建てアパートで半月~1ヶ月、3階建て以上になると1~2ヶ月程度が一般的です。

 

ただし、これは天候が順調であった場合の目安です。

前述したように、長雨や台風などで工事が中断すれば、その分、延長されます。

塗装自体が完了しても、足場の解体や最終点検などに数日かかる場合もあります。

契約前に業者から提示される工程表では、余裕を持った期間が示されますが、天候リスクも踏まえてスケジュールを組むことが大切です。

 

なお、工期が延びた場合でも、通常は追加料金は発生しません(天候要因での延期は契約書で想定済みのため)。

しかし、長引くと入居者にも負担がかかるため、比較的気候が安定した時期を選ぶことや、信頼できる業者に任せて、計画通り進めてもらうことが重要です。

外壁塗装工事の主な工程

外壁塗装の現場では、以下のようなステップで工事が進みます。

各工程の内容とポイントを押さえておきましょう。

  1. 足場の仮設・メッシュシート設置(1日): 作業開始時に建物全体を覆うように足場を組み、安全ネット(メッシュシート)を張ります。金属パイプを組む作業のため騒音が発生します。
  2. 高圧洗浄(1~2日): 高圧洗浄機で外壁全体の汚れを洗い落とします。過去の塗膜の粉や、付着した埃・苔をしっかり除去しないと、塗料が密着しないため重要です。洗浄作業中は、水しぶきが飛ぶので、窓は閉め切りにしておく必要があります。
  3. 下地処理・補修(1~3日): ひび割れ(クラック)に充填剤を詰めて補修し、劣化したコーキング(シーリング)を撤去して打ち替えます。また、浮いている古い塗膜をケレン作業(皮スキやサンドペーパーで削り落とすこと)で除去します。建物の劣化状況によっては、この工程に時間を要します。
  4. 養生作業(随時実施): 塗装を行う前に、窓ガラスや玄関扉、床面など塗料が付着してはいけない部分をビニールシートやテープで覆います。養生は塗装箇所に応じて工程ごとに適宜行われ、塗り終わった箇所から順次剥がしていきます。
  5. 下塗り(1日): 下塗り材(シーラーやプライマー)を外壁全体に塗布します。下塗りは、接着剤のような役割で、次に塗る色付きの塗料をしっかり密着させるために行います。透明または白系の塗料で、外壁材に染み込ませるように塗ります。
  6. 中塗り(1日): 希望の色の塗料で塗装する工程です。中塗りと次の上塗りで2回色を重ねることで、ムラなく美しく仕上げます。中塗り後は十分に乾燥時間を取り、塗膜を安定させます。
  7. 上塗り(1日): 仕上げの塗装です。中塗りと同じ色の塗料を重ね塗りすることで、色ムラを無くし塗膜の厚みを確保します。上塗りまで終えると塗装本来の光沢が現れ、防水性能も最大限に発揮されます。
  8. 点検・手直し・足場解体(1~2日): 全体の仕上がりを最終点検し、塗り残しや色ムラがないか確認します。必要に応じて手直し塗装を行い、問題がなければ足場と養生シートを撤去します。清掃を行い、工事完了となります。

以上が、一般的な外壁塗装の工程です。

アパートの場合、戸数分だけ、窓や玄関が多く、養生に手間がかかったり、共有部分(階段や廊下)の塗装が追加されることもあります。

また、ベランダの床防水や、屋根塗装を同時に行う場合は、それらの工程も並行して実施されます。

 

各工程で発生する騒音や制約事項について、オーナー様は事前に理解しておくと良いでしょう。

例えば、高圧洗浄中と塗装中は、窓が開けられない、足場設置時は、金属音が出る、塗装期間中は、シンナー臭がある等です。

これらについては、後述の「入居者・近隣への配慮」の中でも触れますが、あらかじめ知っておくことで、入居者からの問い合わせにもスムーズに対応できます。

季節や天候による工期への影響

前章でも触れましたが、工期は季節・天候の影響を大きく受けます。

計画時には、雨天順延や、乾燥時間延長の可能性を織り込んでおきましょう。

 

特に、梅雨時期は、想定以上に日数がかかることがあります。

一週間、雨が続けば、その間ほとんど塗装作業は進みません。

台風シーズンもしかりで、接近が予測される場合は、足場を一時撤去するケースもあります(強風で飛散しないよう安全優先)。

 

冬場は、先述の通り、気温低下で塗料乾燥が遅れることがあります。

「思ったより工期が延びた」というのは塗装工事では珍しくありませんので、入居者にも予め長めに案内しておくと親切です。

 

なお、工期短縮のために、職人の数を大幅に増やす、というのも現実的ではありません。

一定の順序と乾燥時間が必要な工程なので、焦って作業すると、品質低下につながります。

真摯な業者であれば、無理な工期短縮はせず、安全と品質を確保した上で最大限効率よく進めてくれるでしょう。

外壁塗装工事中の入居者・近隣への配慮

アパートの外壁塗装では、入居者や近隣住民への気配りも非常に重要です。

工事期間中、入居者の生活には、多少なりとも影響が及びますし、周辺の方にも、騒音や臭気で迷惑をかける可能性があります。

ここでは、円滑に工事を進めるための配慮ポイントを解説します。

入居者への事前通知と協力のお願い

まず、入居者に対しては、外壁塗装工事を行うことを早めに告知しましょう。

一般的には、工事開始の2週間前くらいまでに書面(お知らせ文)を配布し、ポストや玄関に投函します。

そこには、工事の期間、作業時間帯、工事内容の概要、想定される影響(騒音・臭気・窓の開閉制限など)を具体的に記載します。

 

アパートの外壁塗装に関して、入居者が特に知りたい情報は、「自分の生活にどう影響するか」です。

例えば、「洗濯物は工事期間中室内干しをお願いする」「○月○日はバルコニー手すり塗装のため終日ベランダ使用不可」「高圧洗浄日は朝から夕方まで窓を閉めてください」等、具体的な協力事項を伝えましょう。

郵便受けへの投函だけでなく、掲示板がある物件なら、共用部にも掲示して周知を徹底します。

 

入居者への告知は、管理会社が代行してくれる場合もあります。

しかし、オーナー様自身から一言、挨拶があると、より誠意が伝わります。

可能であれば、工事開始直前に各戸を訪問し、「ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」と直接声をかけると良いでしょう。

難しければ、全戸ポスティングでも構いませんが、連絡先(管理会社や工事担当者)を明示しておくと安心です。

 

また、工事期間中に万一何か不都合(例:塗料の臭いで気分が悪い、工事車両が駐車場を塞いでいる等)が生じた場合、入居者はオーナーや管理会社に連絡してくるでしょう。

その際は、真摯に対応し、必要があれば、業者と連携して速やかに対処してください。

そうした丁寧な姿勢が入居者の信頼につながり、退去抑止にも寄与します。

近隣住民への挨拶と迷惑軽減策

アパートの周囲に他の住宅や建物がある場合、近隣の方々への配慮も忘れずに行いましょう。

工事を始める前に、隣接する家や、向かいの家など影響が予想される範囲のお宅へ挨拶に伺いましょう。

通常は、工事担当の業者も近隣挨拶をしてくれますが、オーナー様も同行するとベターです。

 

挨拶時には、菓子折りやタオルなどささやかな粗品を持参し、「○月○日から外壁塗装工事を行います。期間中、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします」と丁重にお伝えします。

これだけで近隣の方の心証は大きく違います。

 

また、工事中は以下のような点に注意しましょう。

  • 騒音時間の配慮: 作業時間は常識的な範囲(朝8時~夕方5時など)に限定し、早朝や夜間の騒音作業は避けます。業者にも時間厳守を依頼してください。
  • 塗料の臭い対策: 溶剤系塗料使用時は、シンナー臭が発生します。極力低臭タイプの塗料を選ぶ、また臭気がこもらないよう、適宜、換気しながら作業してもらうなどの工夫を業者に相談すると良いでしょう。
  • ゴミ・埃の飛散防止: メッシュシートで囲っていても、ケレン作業の粉や洗浄水飛沫が完全に防げるわけではありません。近隣宅の車や窓に汚れが付かないよう注意し、万が一、汚れた場合はきちんと清掃対応するよう業者と取り決めておきます。
  • 工事車両の駐車: 塗装職人の車両や資材搬入トラックの駐車場所にも配慮が必要です。道路使用許可を取る場合はもちろん、近隣の通行の邪魔にならないよう指示しましょう。

以上のような対策を講じておけば、大抵の近隣トラブルは防げます。

実際、事前に丁寧な挨拶をしておくだけで、近所からの苦情はほとんど無くなるものです。

オーナー様自身が忙しい場合は、管理会社や業者に任せて構いませんが、「迷惑をかけて申し訳ない」という気持ちを形で示すことが肝心です。

 

入居者・近隣の方々ともに、工事後には「おかげさまで無事工事が完了しました。ご協力ありがとうございました」とお礼の挨拶も忘れないようにしましょう。

良好な人間関係は今後の賃貸経営にもプラスになります。

アパート外壁塗装の色選びとデザイン

外壁塗装の醍醐味の一つが「色選び」です。アパートの印象は外壁の色で大きく左右されるため、どんな色に塗るかはオーナー様の腕の見せ所でもあります。この章では、入居者に好まれるカラーや配色のポイント、色選びの注意点について説明します。

入居者に好印象を与える人気の色・配色

賃貸アパートで人気の外壁カラーは、ズバリ「無難で飽きの来ない色」です。

具体的には、以下のような色が、定番かつ、好印象を与えやすいでしょう。

 

  • ベージュ・クリーム系: 柔らかく清潔感のある印象で、年代や性別を問わず好まれます。周囲の景観にもなじみやすく、失敗の少ないカラーです。
  • ライトグレー系: 薄いグレーやグレージュ(グレー+ベージュ)は都会的でスタイリッシュな印象を与えます。汚れも目立ちにくく、シンプルモダンな外観に。
  • ブラウン・ダークブラウン系: 落ち着きと高級感を感じさせます。木目調サイディングや自然素材との相性も良く、シックにまとめたい場合に選ばれます。
  • ホワイト系: 清潔で明るい印象ですが、真っ白は汚れが目立ちやすいためアイボリー調など少し色味を入れることが多いです。部分的なアクセントカラーとの組み合わせもしやすい万能色です。
  • ネイビー・濃紺系: 落ち着いた重厚感が出ます。他の建物と差別化したい場合に選ばれますが、暗い印象になりすぎないようバランスに注意が必要です。

 

近年は、ツートンカラー(二色塗り分け)も人気です。

例えば、上層部を白系、下層部をベージュ系にして分けると、単色よりもデザイン性が増しオシャレな印象になります。

また、建物の形状によって、バルコニー部分だけ色を変える、ポイントで濃い色を差し色に使う、などの工夫も可能です。

ただし、色数を増やしすぎるとチグハグな印象になったり、塗分けの手間で費用も上がるので注意が必要です。

基本はベースカラー+アクセントカラー1色程度に留め、統一感を持たせると良いでしょう。

 

オーナー様の中には、「せっかく塗り替えるなら大胆にイメージチェンジしたい」と考える方もいるでしょう。

それ自体は、悪いことではありませんが、あまり奇抜な色(例えば原色に近い派手な色)は敬遠されがちです。

賃貸物件の場合は、万人受けする無難な色遣いが結果的に有利となります。

建物がおしゃれに生まれ変われば、入居者募集の広告写真の映えも良くなり、集客面でもプラスに働くでしょう。

アパートの色選びのポイントと注意点

アパートの外観の色決めの際に押さえておきたいポイントをまとめます。

  • 屋根・玄関扉・サッシとの調和: 外壁だけでなく、屋根の色や玄関ドア、窓枠(サッシ)の色とのバランスを考えましょう。例えば、屋根が濃い茶色なら、外壁はベージュ系が調和しますし、サッシが黒なら、外壁もグレー系だとまとまりやすいです。
  • 周囲の建物や景観を考慮: 周辺が淡い色調の建物ばかりなのに、一棟だけ原色系だと浮いてしまいます。街並みとの調和も意識して、悪目立ちしない色を選ぶと近隣からの印象も良くなります。
  • 色見本は大きめサンプルで確認: 塗料メーカーの小さな色見本帳や、パソコン画面上の色と、実際に塗装した時の色味は異なって見えることが多いです。可能であればA4サイズ程度の塗板見本(実際に塗料を塗った板)を取り寄せて、確認すると確実です。
  • 時間帯や天候での見え方をチェック: 同じ色でも、晴天の昼と夕方、曇りの日では印象が変わります。サンプルを外で見て、様々な条件下で気に入る色かチェックしましょう。
  • 汚れと色の関係: 白や淡色系は、汚れが付くと目立ちますが、逆に濃色系は、チョーキングで白っぽく粉が吹くと目立ちます。グレーやベージュなど中間の明度の色は、汚れが目立ちにくい利点があります。
  • 規制や届け出の確認: 稀なケースですが、景観条例等で派手な色が禁止されている地域もあります。また、マンションの場合は管理組合の承認が必要です。アパートでは、オーナー判断で色変更できますが、極端な変更は、周辺環境との調和も考慮しましょう。

 

色選びに迷ったら、施工業者に相談するのも一手です。

カラーシミュレーションサービスを提供している業者も多く、写真をもとに塗替え後のイメージをCG合成で見せてくれます。

プロの目から見たアドバイスも参考にしつつ、後悔のない色決めをしてください。

 

なお、屋根も塗装する場合は、屋根色とのコーディネートも重要です。

一般に屋根は、外壁より濃いめ、または暗めの色にすると安定感が出ます。

また、黒い屋根は熱を蓄えやすいため、最近はグレーやブラウンなど少し明るめの屋根色が好まれる傾向です(遮熱効果を高めるため)。

外壁と合わせ、トータルでセンスよく仕上げましょう。

安心して外壁塗装を任せられる業者選びのポイント

最後に、外壁塗装を依頼する業者選びについて解説します。

いくら計画を万全にしても、実際に施工を行う業者の腕と対応が悪ければ満足のいく結果は得られません。

ここでは、優良な塗装業者を見極めるためのポイントを紹介します。

アパート塗装の実績が豊富な業者を選ぶ

外壁塗装業者と一口に言っても、その規模や得意分野は様々です。

アパートやマンションなど、集合住宅の塗装経験が豊富な業者に依頼すると安心です。

実績のある会社は、ホームページに施工事例を掲載していることも多いので、類似規模のアパート施工例がないかチェックしてみましょう。

 

また、大規模修繕工事も手掛けるような一定規模以上の業者は、技術力や管理体制がしっかりしている傾向があります。

小規模な塗装店でも、腕の良い職人さんはいますが、中には手抜き工事をする悪質業者も存在します。

過去に、「安さに惹かれて聞いたことのない業者に頼んだら、数年で塗装がボロボロに剥がれてしまった」という失敗談もありました。

 

大切な資産であるアパートを託すわけですから、「実績が豊富で信頼できる会社」を基準に選ぶと良いでしょう。

営業トークだけでなく、過去の施工写真や、お客様の声などを提示してくれる会社は信頼度が高まります。

見積もり内容の充実度と価格の妥当性を比較

業者選定では、提示された見積書の内容を細かく確認しましょう。

塗装箇所ごとに費用が明記されているか、塗料のメーカー名・商品名や、塗布回数(通常3回塗り)が記載されているか、といった点が重要です。

内訳が「一式○○万円」ばかりの大雑把な見積もりには注意が必要です。

 

複数社の見積もりを比較すると、総額に差が出ることはもちろん、工事範囲や使用塗料のグレードなども違いが見えてきます。

ただ安いからと飛びつくのではなく、「なぜ安いのか」「どこまでやってこの価格なのか」を見極めましょう。

ある業者は付帯部も全部塗装含み、別の業者は外壁のみの価格だった、ということもありえます。

 

相場より極端に安い見積もりは、手抜きの可能性も否定できません。

塗料を規定より薄く伸ばして使う、2回塗りで済ませる(本来3回塗り推奨)、職人の日当を削って経験の浅い人だけで塗る等、コストカットの裏には、工事が低品質になってしまうというリスクがあります。

逆に、高額すぎる見積もりにも要注意です。

ブランド力のある大手ハウスメーカー経由だと、下請け業者や孫請け業者が多数存在する構造で、中間マージンが乗る分だけ高くなるケースもあります。

 

複数の見積もりを取り、「価格」「工事内容」「保証期間」などを総合的に比較して、最も納得できる業者を選定してください。

工事前に確認しておくべき重要事項

契約前に業者と打ち合わせをする際、以下のポイントについて確認しておくと安心です。

  • 建設業許可の有無: 工事金額が500万円(税込)以上になる場合、業者は「建設業の許可」が必要です。この許可を取得している会社かどうか確認しましょう。許可業者は都道府県知事または国土交通大臣の許可番号を持っています。
  • アフターサービス・保証内容: 施工後の保証期間(一般に塗装箇所5~10年保証)や、保証内容(色あせ・剥がれ等への対応)を確認します。定期点検サービスの有無なども聞いておきましょう。
  • 工事保険への加入: 万が一の事故や、近隣への損害に備え、請負業者賠償責任保険等に加入しているか確認します。しっかりした会社は対物・対人の保険加入は当然クリアしています。
  • 支払い条件: 支払いスケジュール(着手金・中間金・完了時支払いなど)や方法を取り決めます。一般的には、契約時に一部、完了後に残金というパターンが多いです。一括前払いは避け、完工確認後に支払う契約にしましょう。
  • 工期と工程表: 何月何日にどの作業を行うか、の工程表を事前にもらいましょう。入居者説明にも役立ちますし、約束通り進んでいるかチェックできます。天候で動く部分は、ある程度、仕方ありませんが、おおよその段取り提示がない業者は不安です。

上記の確認事項に丁寧に答えてくれる業者は信用できます。

逆に、質問をはぐらかしたり、嫌がるような態度であれば、契約は見送った方が無難かもしれません。

口コミ・評判の活用

最後に、その業者の評判も調べておきましょう。

最近では、Googleマップの口コミや、リフォーム評価サイトなどで実際に依頼した人の声を見ることができます。

全てを鵜呑みにする必要はありませんが、複数の口コミで共通して指摘されている点(例:「対応が丁寧」「工期が遅れがち」等)があれば参考になります。

 

ただし、Googleマップの口コミは、ヤラセ口コミもかなり多いです。

例えば、 他のところに全く口コミをしたことがない人ばかりがその外壁塗装業者の口コミを書いている場合、その口コミは信憑性が低いと判断しましょう。

Googleマップの口コミの場合、その人が何件のクチコミを投稿しているかがわかる仕組みになっています。

当サイト関連記事:Google口コミのサクラの見分け方

 

また、お知り合いに不動産関係者や同業のオーナー仲間がいれば、評判を聞いてみるのも良いでしょう。

「○○塗装さんは対応が良かったよ」「△△リフォームは下請け任せであまり見に来なかった」など、生の声は貴重な判断材料です。

 

塗装業者の数が多いので迷うところですが、総合的に見て「信頼できる」と思える会社に依頼することが大切です。

契約前の段階で不安が残る場合は無理に決めず、別の候補も検討しましょう。

まとめ|アパート外壁塗装で資産価値を守り魅力ある物件づくりを

以上、アパートの外壁塗装について、その必要性から時期、費用、注意点まで詳しく解説してきました。

最後に本ページの内容をおさらいしましょう。

 

外壁塗装は、単なる見た目のためだけでなく、建物を雨風から守り、寿命を延ばす重要なメンテナンスです。

おおむね、築10~15年程度で塗り替えを検討し、チョーキングやひび割れなどの劣化サインを見逃さないことが大切でした。

また、塗装のタイミングは繁忙期を避け、できれば春や秋の気候の安定した時期に実施すると良いと説明しました。

 

費用面では、2階建てで200万円前後、3階建てで300万円前後が一つの目安となりますが、塗料のグレードや建物規模によって上下します。

見積もりを複数取り、内容をよく比較することで適正価格を見極めましょう。

費用を抑えるには、早めの塗装や複数社の相見積もり、屋根など他工事との同時実施などがポイントでした。

税務上も適切に処理することで、リフォーム減税や補助金の活用も可能な場合があるため、確認すると良いでしょう。

 

工事期間は、2階建てで2~3週間程度、規模が大きくなると、1~2ヶ月要することがあります。

足場組みから、高圧洗浄、下地処理、塗装3回塗り、最終点検という一連の工程を経て進むことも学びました。

その間、入居者には、窓が開けられない日があったり、騒音・臭気の負担がかかるため、事前の丁寧な説明と近隣含めた挨拶・配慮が欠かせません。

 

色選びでは、ベージュやグレーなど万人受けする色が人気で、ツートンカラーも活用しながらセンス良くまとめるのがコツです。

色決めの際は、サンプル確認や周囲との調和など注意点を踏まえ、失敗のないよう慎重に行いましょう。

 

そして何より、信頼できる業者選びが成功への鍵です。

実績豊富な会社に複数見積もりを依頼し、価格だけでなく内容・保証もしっかり比較してください。

許可や保険の有無、アフターサービスなども確認し、安心して任せられると感じられる業者と契約することが大切です。

 

アパートの外壁塗装は、決して安い投資ではありませんが、適切に行うことで、建物の資産価値維持や、入居率向上に大きく貢献します。

オーナーにとっては費用の負担もありますが、その分物件の魅力が高まり、長期的には安定した賃貸経営につながるでしょう。

ぜひ本記事の内容を参考に、計画的で満足度の高い外壁塗装を実現してください。

あなたのアパートが美しく生まれ変わり、入居者にも喜ばれる魅力的な住まいになることを願っております。

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