外壁塗装におけるクーリングオフの方法と適用条件

外壁塗装で業者とのトラブルに巻き込まれてしまったとき、解決する有効な手段の一つとして、クーリングオフがあります。

ここではクーリングオフについて詳しく解説していきますので、トラブルに備えて確認しておきましょう。

■外壁塗装前にクーリングオフを知っておくべき理由

国民生活センター(消費者センター)には訪問販売に関するトラブルの相談窓口が設けられており、そのうちリフォーム工事に関する相談内容は年間7,000件近く寄せられています。

7,000件のうち、どれくらいが外壁塗装に関する相談なのか、というのは公開されていませんが、外壁塗装駆け込み寺にある相談だけでも、外壁・屋根工事に関して、施主を騙したり嘘をついたりする悪徳リフォーム業者と契約してしい、トラブルに巻き込まれている事例が多発しています。

1.悪質な外壁塗装業者の手口

例えば、無料点検などと称して訪問し、外壁の状況を見たふりをしてあたかも家が危険であるようなウソの説明をし、その場で契約を結ぶようしつこく勧誘したり、外壁の塗装の状態などを話したあと「特別値引きができます」と言って、事前に作ってきた偽の見積もりを渡したりするケースなどがあります。

 

あたかもお得になるかのように見せかけて接触してくるこのような悪徳訪問販売業者と契約してしまうと、本来行わなくても耐久性に影響のない箇所を工事してしまったり、相場の倍以上の高額な工事費用を請求されてしまったりするなどのトラブルに繋がる可能性が高いです。

また、高額な料金を請求してくる業者は工事も手抜きになってしまうことが多く、余計な工事をされたうえにお金もかかってしまってはリフォームを行う意味がありません。

そのほか、屋根や壁を解体してしまった後に追加工事のことを伝えて契約金額以上の費用を請求してくる業者や、お金だけ受け取って工事をせずに逃げてしまった業者の報告例も寄せられていますので、悪徳な訪問販売業者との契約は絶対に避けなければなりません。

2.個人の力だけで悪徳業者を避けるのは難しい

外壁塗装を行おうとするとき、多くの人はネットなどを駆使して会社の評判や相場価格などの情報を入手し、悪質業者に引っかかる可能性を減らそうとしますが、どんなに外壁塗装の専門知識を身につけていても、リフォームなどの契約ごとに慣れていなかったり業界の事情が把握できていなかったりすれば、口の上手い営業マンに騙されて詐欺の被害者になってしまうでしょう。

 

そこで、悪徳業者と強引な契約をしてしまった人を救済するために存在するのがクーリングオフ制度で、これは「契約後8日間以内であれば契約を解除することができる」というものです。

業者と契約した日から8日間以内にクーリングオフの通知を行えば、業者との契約を解除できます。

悪徳業者は特に、契約後すぐに工事に取り掛かって、外壁に穴を開けたり屋根を撤去したりして契約を解除しにくい状況にする傾向がありますが、クーリングオフの条件である8日以内であれば、たとえ工事が始まって家がどのような状態になっていたとしても、契約金額に関係なく工事業者負担で、家を契約前の状態に戻すことが可能です。

 

トラブルに巻き込まれないためにも、外壁塗装を行う前にできる限り多くの情報を入手しておき、もし個人の力だけでは対応できなくなったときに備えてクーリングオフで解決する方法も知っておきましょう。

■外壁塗装におけるクーリングオフとは?

クーリングオフは契約を無条件で解除できる制度です。

訪問販売など突然やってきて騙そうとする悪質な業者から、消費者を保護することを主な目的として作られました。

1.クーリングオフの基本的な内容

クーリングオフの適用・不適用や期間は、契約の内容によって異なりますが、塗装工事やリフォーム工事などでは契約から8日間以内であればクーリングオフ制度が適用されますので、もし購入者が8日間以内に工事契約を解約した場合、業者は該当する建物を契約前の状態に戻さなければなりません。

 

クーリングオフ制度では、家を工事前の状態に戻すためにかかる費用も、全額を業者側が負担するよう決められていますので、契約書などで業者側に都合のいい条件を取り付けられていたとしても、すべての費用を業者に請求することが可能です。

●クーリングオフの手続きは契約から8日以内

クーリングオフ制度を利用するためには、業者から工事請負契約書を受け取った日から8日以内に、書面による通知を行う必要があります(※法定期間を過ぎてしまってもクーリングオフが行える事例については後述します)。

 

もしご自身の契約状況が制度の対象になるかわからないときは、外壁塗装駆け込み寺にてクーリングオフが適用できるか個別でご案内できますのでご利用ください。

2.外壁塗装におけるクーリングオフの条件

クーリングオフは以下のような場合に適用されます。

  1. 個人が法人と契約していること
    (法人同士の契約に関してはクーリングオフ制度の対象外です)
  2. クーリングオフできる旨が記載された書面(契約書など)を受け取った日から8日以内に通知を行うこと
  3. 購入者のほうから業者を呼び寄せていないこと
    (購入者が電話やメールなどで営業担当者を家に呼び出した場合や、購入者が自ら業者の店舗を訪問したときなどには、クーリングオフは適用されません。)
  4. 契約した場所が業者の事務所ではないこと
    (家を訪ねてきた業者に呼ばれて事務所で契約をした場合や、強引に連れて行かれたときなどはこの条件には当てはまりません)

 

また、次のような場合には法定期間を過ぎてしまってもクーリングオフができます。

  • 契約時に事実と異なる内容を説明されていた場合(不実の告知)
    「工事が始まったら解約できない」「この工事ではクーリングオフは利用できない」など、業者が購入者に対し事実と異なる説明をしたため購入者が間違った認識をしてしまった結果、クーリングオフ期間である8日を過ぎてしまった場合などには、経過時間に関係なくクーリングオフをすることができます
  • 契約書などの書面に不備があった場合や、交付されていない場合
    業者は、購入者に対して必ず契約書などの書面を作成して渡さなければなりません。リフォーム業者から発行する書面には記載すべき事項が決められており、必要事項が記載されていなかった場合や、書面そのものが交付されていなかった場合は「クーリングオフ対象となる期間がスタートしていない」と見なされるため、8日をいつでもクーリングオフが可能です)

契約書など消費者に渡す書面には、クーリングオフについて以下の内容を記載しなければなりません。

  • 事業者の業者名、代表者名、所在地
  • 契約日
  • 契約商品、サービスの品名、内容
  • 契約金額
  • 商品、サービスの引渡し時期
  • クーリングオフの要件に関する告知

上記の項目は消費者が見落とさないように、8ポイント以上(文字の大きさの単位)の赤字で記載し、赤枠で囲まれていなければなりません。

 

また、次のような場合にはクーリングオフは適用されません。

  • 金額が3,000円未満の現金取引
  • 購入者が意志を持って業者を自宅に呼び契約を結んだ場合
  • 購入者が業者の営業所を自ら訪れて契約を結んだ場合
  • 過去1年間に、1度でも取引をしたことのある業者と契約を結んだ場合
  • 国外で契約した場合
  • その業者に勤めている従業員が結んだ契約
  • 国や地方公共団体との契約

クーリングオフは突然訪問してきた業者と交わした契約に関しては適用されますが、契約者が自ら相手業者に連絡して家まで来てもらい契約をした場合や、店舗や営業所などに契約者が自ら出向いて契約を行った場合は、「自らの意思で契約した」とみなされクーリングオフの対象外となりますのでご注意ください。

それでも解約をしたいという場合は外壁塗装駆け込み寺が契約状況等をもう一度確認し、できることを精一杯サポートさせていただきますのでご相談ください。

3.クーリングオフの手続き方法

もしご自身が契約したリフォームがクーリングオフの適用条件を満たしていることが確認できれば、以下の手順に従ってクーリングオフの手続きを進めましょう。

 

まずは業者に対してクーリングオフを行うことを、ハガキや封筒による郵送、あるいはFAXなど、必ずなんらかの書面上で以下の内容を業者に通知します。

●クーリングオフの通知書に記載する内容

記載内容 注意点
タイトル 「契約解除通知書」「通知書」など
契約書受取日の日付 契約書を受け取った日の日付を記入します
契約会社名 支払い方法をクレジットカード払いにした場合は、利用したクレジット会社の名前も記入し、クレジットカード会社にも同じ書類を送付する必要があります。
契約担当者の名前 通常は契約書に記載されています。
商品名 工事内容や契約書に記載されている工事名「〇〇改修工事」など)を記載します。
契約金額 契約書に記載されている金額を記載します。
契約を解除したいという意思表明 「契約を解除します。」「クーリングオフをします。」など、契約を解除するという意思表明を書きます。
申し出を行う日付 通知書の作成日を記載します。
通知を行う者の住所 ご自身の住所を記載します。
通知を行う者の氏名 ご自身の指名を記載します。

送ったクーリングオフの通知を業者に無視させないためには、こちらがクーリングオフの通知を送付したという事実を証明できる「内容証明郵便」を利用することが確実です。

●クーリングオフの通知を内容証明郵便で送る方法

内容証明郵便はお近くの郵便局で送付することができ、送付先と送付元、発信日、送った書面の記載内容など、それぞれの情報が利用した郵便局で保有されるので、もし業者が受け取っていないと主張しても、郵便局に残っている記録から通知を行った事実を証明できます。

内容証明郵便を利用するためには1,000円ほどの手数料がかかりますが、万が一裁判に発展した時に証拠としても使えますので、トラブルを早めに解決するためにもぜひ利用しましょう。

 

内容証明郵便の作成方法と注意点は下記の通りです。

手順 内容
書面の作成数 「業者に送付する分」

「郵便局で保管する分」

「自分の控え」

として3部同じものを用意し、3部それぞれに押印します。

書面の文字数、枚数 1枚の書面にかける文字数は決まっており、縦書きの場合は1行20文字以内 × 1枚26行以内です。

横書きの場合は26文字以内 x 20行以内、20文字以内 × 26行以内、13文字以内 × 40行以内のいずれかとなります。

もし送付する書面の枚数が2枚以上になる場合は、ホッチキスなどで閉じ、閉じた箇所に割印を捺印します。

使用できる文字 書面には漢字、ひらがな、カタカナ、数字を使用することができ、英字は業者の社名や商品名に限って使用が可能です。
書き損じた場合 書き間違えた場合は、書き間違えた文字の上に二重線を引き差出人の訂正印を押印し、その近くに正しい文字を書き、削除した文字数と訂正した文字数を書きます。
郵送情報を書面に記入 郵送日の年月日と差出人及び受取人の名前と住所を記入します。
手書きで作成するとき 書面の作成は手書きでもパソコンでも構いませんが、手書きの場合は鉛筆やフリクションペン(字が消せるペン)ではなく、文字が消えないペンで記入した方がいいでしょう。
封筒の記載内容 封筒には普通の郵便を送るときと同じように、表に受取人の住所と名前を書き、裏に差出人の住所と名前を書きます。
封筒に書く受取人と差出人は、中の書面に記載したものと統一しなければなりません。
内容証明郵便が利用できる郵便局に持参 郵便局の規模によっては内容証明郵便が利用できないことがありますので、持参する前にネットなどで確認しておきましょう。

クーリングオフの通知を行うことができる期間は契約を結んだ日から8日以内ですが、業者側もその点を理解していますので、契約を解約されないようにわざと時間を稼ぐことがあります。

例えば、消費者からの問い合わせに答えない、住所や連絡先を変える、通知を無視するなどして取引に応じず、その間に逃げる時間を稼ごうとするかもしれません。

内容証明郵便を使えば証拠を残すことはできますが、トラブルを長引かせないためにも、できるだけ早めに通知の作成に取り掛かりましょう。

 

なお、郵送した記録を確実に残す方法としては、他にも「特定記録郵便」や「簡易書留」「配達証明郵便」などもありますが、これらの送付方法は内容証明郵便と違って、送った書類の内容までは証明することができませんので、クーリングオフの通知を行う際は、先に書いた内容証明郵便を選ぶことをおすすめします。

●クーリングオフに強い専門家の力も借りよう

どのようにクーリングオフを進めていいかわからないときや、手続きに自信がないとき、期限が迫っているときなどには、行政書士などの法律の専門家に相談する方法もあります。

 

クーリングオフを行うために専門家に依頼すると、代行費用は数万円程度かかってしまいますが、専門家の目線で契約内容を整理し、消費者側が見落としている点を冷静に見つけてくれることが期待できます。

内容証明に必要な書類の作成や送付なども専門家が代行してくれますので、個人でひとつずつ情報を調べて時間をかけて手続きを進めるよりも、安全かつ確実にクーリングオフが行えるでしょう。

■クーリングオフの対象となる事例

以下からは外壁塗装におけるクーリングオフの事例を具体的にご紹介いたします。

1.事例1:「お母さんご自身が判断されました」と業者に言われた

『母から実家の塗装を行うという連絡がきたので、契約した訪問販売業者の契約書を見せてもらったところ、30坪の家で300万円という相場の倍以上の価格だった。契約して半月ほど経っていたが業者に連絡したところ「我々が訪問した時にお母さんがご自身で契約されたので、キャンセルはできません」と言われた。業者が作った契約書を見たが、クーリングオフの説明も工事内容の詳細も書かれておらず不明瞭だった。』

 

この事例の場合は業者との契約から8日を過ぎていますが、「契約書にクーリングオフのことが書かれていない」「工事の詳細が書かれていない」の2点から、契約書の不備によりクーリングオフを利用できると判断できます。

2.事例2:「工事が始まるので解除できない」と業者に言われた

『そろそろ外壁塗装をしようかと思っていた所、突然訪問してきた業者から「外壁にひび割れなどが多数発生していて、すぐに補修工事に取りかからなければお家が大変なことになります」と言われ焦って契約した。契約後に不安になってネットで外壁塗装の相場について調べた所、自分の家の相場価格よりもかなり高い金額で契約していたことがわかった。

翌日、契約した業者に解除したいと電話で申し入れたが、業者からは「当社では契約解除は原則として受け付けていません。キャンセルする場合はキャンセル料と工事代金の全額を弊社に払ってもらいます。」と言われ解約を断られてしまった。』

 

この事例では、「訪問してきた業者とその場で契約を結んだ」「契約を結んで8日間以内」の2点がクーリングオフの適用条件になります。

また、業者が電話で言った「弊社では契約解除は受け付けていません」もクーリングオフ制度の前では無効ですので、安心して契約解除に進むことが可能です。

●優良業者は契約日から8日間は工事を行わない

通常、クーリングオフとなる8日間は、塗装会社は工事を開始しません。

もしこの間に作業に着手してクーリングオフを申し込まれてしまった場合、工事費用や塗料代はすべて業者で負担しなければならないからです。

 

外壁塗装は高額な工事ですので、依頼主が契約後に不安になって工事をキャンセルするケースもあります。

そのため優良な外壁塗装業者であれば、クーリングオフができる期間内は工事に取り掛かろうとはしません。

 

契約の直後に慌てて工事を始めようとする業者は、依頼主がクーリングオフ制度の存在に気づく前に、さっさと手抜き工事をして逃れようとする悪徳業者の可能性が高いと考えられるでしょうし、このような悪徳業者は「クーリングオフができない」などと記載された契約書を作ることがありますが、これは「不実の告知」に該当しますので8日を過ぎてもクーリングオフの対象とみなされることがあります。

■おわりに

残念なことに、外壁塗装は行われる作業の内容も適正金額も一般の人にはわかりにくいリフォームです。

そのため、高額な費用を請求したり不必要な工事をしてお金をだまし取ろうとしたりする悪質な訪問販売に利用されやすい性質があります。

専門家風の業者から「このままではお住まいが危ない」「この雨漏りを放っておくと大変なことになりますよ」などと言われれば、外壁塗装の知識がない方は不安に付け込まれて不利な契約を結んでしまっても決して不思議ではありません。

 

悪徳業者を避けるために工事前に外壁塗装に関する様々な情報を知っておき、強引な契約は断るという強気な姿勢ももちろん必要ですが、万が一気づかないうちに悪徳業者と契約してしまったときに備えるためにも、クーリングオフなどの消費者保護制度についても知っておかなければなりません。

クーリングオフに関してもしご不安な点が少しでもあれば、外壁塗装駆け込み寺で無料にて承っておりますのでどうぞご利用ください。

 

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