外壁塗装足場の費用相場と重要性

外壁塗装で必ず登場する設備といえば、建物の周りに組む「足場」です。

足場代は外壁塗装の数割を占めますが、安全に作業を行うためには決して省くことはできません。

 

足場には特徴が違う様々な種類があり、設置した足場の種類と組んだ面積によって価格は変動します。

それぞれの種類の費用相場や、通常の方法で足場が設置できないイレギュラーなケースなどを知っておきましょう。

■足場の種類と費用相場

以下は、戸建住宅の外壁塗装における足場設置費用の相場です。

足場組立・解体費用 600~850円/㎡

 

見積もりの形式によっては、足場設置費用は「仮設足場」「仮設工事」と記載されていることもあります。

そのほか、設置される足場の種類が記載されていることもありますので、足場の種類と価格相場を覚えておきましょう。

1.足場の種類と費用相場

足場にもいろいろな種類があります。

以下は一般的な足場の分類で、同じ足場でも業者によって別の名前で呼ぶこともあります。

  • 単管足場
  • 単管ブラケット足場
  • ビケ足場
  • 枠組み足場

足場は工事を行う家の大きさや立地によって種類が使い分けられており、それぞれ費用相場にも違いがあります。

ご自宅の外壁塗装でどの種類の足場が使われているか、見積もりの内容を見るときは必ずチェックしておきましょう。

●単管足場

相場:650~800円/㎡

縦方向と横方向に単管を組み合わせて作る足場で、抱き足場とも呼ばれます。

水平方向に伸びた2本の単管パイプに乗って作業をするため、足元が安定せず耐久性も低く危険度の高い足場です。

ただし、設置費用が安く、作業スペースが少しで済むため、隣の建物との距離が狭い現場で限定的に使われています。

 

なお、単管のみの足場に対し、水平方向に棚が取り付けられたものを「棚足場」と呼びます。

●単管ブラケット足場

相場:800~900円/㎡

 

単管でできた枠組みにブラケットで棚を取り付けた棚足場のことです。

単管足場より足元が安定しますが、設置に時間がかかります。

●ビケ足場

相場:850~1,000円/㎡

戸建住宅の外壁塗装では最も主流の足場で、クサビ式足場や一側足場と呼ばれます。

 

ハンマーでくさびを叩いて固定して組み立てます。

設置が比較的スムーズで強度が高く、広めの棚がスペースになるため作業が安定することから、最もコストパフォーマンスに優れた足場として選ばれています。

●枠組み足場

相場:1,000~1,500円/㎡

タテヨコの建枠、斜めの筋交い、布板、ジャッキで構成された足場で、ビティ足場とも呼ばれます。

建枠が溶接されているため強度が高く、高い位置まで組み立てられることからビルの工事などで使われています。

そのほか、ビケ足場が組めない高層の戸建て住宅で使われることもあります。

●移動式足場

短期間の工事や、大きな倉庫や工場の作業で使われることが多く、戸建て住宅ではほとんど使われない足場です。

枠組み、作業台、手すりのワンセットにキャスターが取り付けられ移動できるようになっており、ローリングタワーと呼ばれることもあります。

●足場の種類と設置面積を要確認

足場の種類や設置する面積が違えば、外壁塗装の費用は大きく変わります。

もし2つの業者に見積もりを依頼して、足場代が全く違うと感じたら、足場の種類や設置面積を比較してみるとよいでしょう。

 

例えば単管足場とビケ足場では施工単価に数百円の違いがありますので、建物全体に組み立てれば数万円の価格差になります。

あるいは、設置する足場の面積そのものが違うために価格差が生じているケースもあります。

見積もりに記載されている設置面積までチェックし、大雑把に計算されていないかよく確認しておきましょう。

2.無足場工法でも費用は発生する

足場組立解体費用がかからない無足場工法というものがあります。

 

無足場工法 70~300円/㎡

「無足場工法」とは、ハーネス(安全帯)を装着した職人がロープで屋上からぶら下がって施工する方法のことです。

 

なお、高層マンションの大規模修繕工事で使われるようなゴンドラは「ゴンドラ足場」と呼ばれます。

戸建て住宅の無足場工法とは種類が異なり、費用もゴンドラ足場の方が高額ですので区別しておきましょう。

●無足場工法がおすすめできない理由

無足場工法は、やむを得ない事情により足場がかけられない現場で行われることもありますが、足場代を減らすことを目的として選ぶのは避けておきましょう。

 

仮設足場なしで外壁塗装の一連の工程をすべて作業すれば、10~20万円という足場代がなくなります。

そのため、「無足場工法なら工事代がお得になりますよ」と提案してくるリフォーム業者もいます。

しかし、「無足場」といっても作業が無料で行えるわけではありません。

作業員が身につける安全帯の費用や、万が一転落したときのために設置されるマットやネットといった安全対策費が発生するためです。

 

そして無足場工法の最も大きなデメリットは作業品質が落ちることです。

足場に両足で立って両手で高所作業するのと、ぶら下がった不安定な状態で塗るのとでは、安定感が全く違いますし時間もかかります。

足場代を節約しようとしたばかりに無足場工法を選んで、質の悪い塗装になってしまっては本末転倒です。

 

また無足場工法には、飛散防止用のメッシュシートを取り付けるスペースがないというデメリットもあります。

足場の周りに飛散防止シートを貼っておくと、建物周辺へ塗料やゴミが飛散しなくなるだけでなく、作業員が飛散を気にせず作業に集中できるという利点があります。

無足場工法を選んでしまうと、飛散防止ネットが貼れないことによる作業の弊害も生まれてしまうのです。

 

もちろん、何年も経験を積んで、無足場工法でも一定の品質で施工できる業者もいるかもしれません。

しかし、そのような業者と出会える確率は非常に低く、ビケ足場を組む業者の中から一定レベル以上の品質で施工してくれる所を探した方がはるかに効率的です。

なにより、安全性や作業品質を無視して無足場工法を勧めるような悪徳業者に出会う確率を高めてしまいます。

 

高額な足場代はできれば省きたい部分ではありますが、後悔しない外壁塗装にするための必要な経費と考え、無足場工法は避けておきましょう。

■足場費用の計算方法

足場の費用は「足場架(あしばがけ)面積」を使って計算します。

足場架面積は、建物の外周と高さを使って調べることができます。

【足場架面積の計算式】

(建物の外周+8m)×建物の高さ

 

まずは、建物の平面図やメジャーなどを使って建物の外周を調べます。

次に、足場には一定の幅がありますので、足場の幅を約8mと仮定して外周に加味します。

こうして求めた足場を含む外周に対し、建物の高さを乗じることで足場架面積が算出できます。

例)

  • 縦…8m
  • 横…9m
  • 高さ…6m

外周の合計…17m×2=34m

外周の合計に対し足場分の8mをプラス→42m

足場架面積…42m×6m=252㎡

この252㎡に対し、冒頭で紹介した足場の平米単価の相場を乗じると足場費用が計算できます。

 

さきほど例にした家であれば、足場設置にかかる費用は、

252㎡×600~850円=15~21万円

となります。

■足場の費用は現場によって変動する

足場は選んだ種類によって価格相場が異なり、足場架面積が大きいほど費用も高くなります。

建物によっては、構造や立地の都合上、相場の足場代を上回ってしまうケースもあります。

足場代が高くなったり、一般的なビケ足場が使えなかったりするケースを知っておきましょう。

1.高層の建物は足場費用が高くなる

足場は安全のために設置する設備ですので、高さや強度が設定されています。

 

戸建て住宅用のくさび式足場は、軒の高さが10m未満の低層住宅となっており、それ以上になるとビル工事用の足場を使わなければなりません。

2階建ての戸建て住宅は約6mですので、3階建てになると軒の高さが10mを超える可能性が非常に高くなります。

 

さらに、足場は高く組むほど高い部材強度が求められ、手すりの取り付けや安全帯といった安全対策も講じねばなりません。

そのほか、戸建て住宅の外壁塗装では滅多に発生しませんが、「10m以上の足場を60日間以上設置する」場合は、工事の30日前までに足場の設置届を労働監督署に提出することが義務付けられています。

 

ただでさえ建物面積が大きい家は塗装面積・足場架面積ともに大きくなり、必然的に足場代や足場にかかる費用も高くなるということを理解しておきましょう。

2.敷地が狭い家ではビケ足場が使えないことがある

隣の建物が自宅の目の前にあるような家では、足場を組むスペースが足りないことがあります。

 

狭小地や住宅密集地など、ビケ足場が組めない現場ではスリムで柔軟に設計できる単管足場が用いられます。

単管足場は設置費用がやや安くなりますが、作業効率が大幅に落ちるというデメリットがあります。

 

単管足場は2本のパイプの上で作業をするため体勢が不安定になってしまいます。

狭小地は特に目の前に隣の家がありますので、より慎重に作業しなければ誤って隣の建物側に倒れたり塗料が飛散したりするリスクも高くなるでしょう。

 

ビケ足場を設置できないような家を塗装する場合は、狭小地の施工に慣れたリフォーム会社や塗装業者に任せることをおすすめします。

都市部の住宅密集地をメインに施工している業者であれば、足場設置スペースが少ない現場の対応に慣れていることが期待できます。

3.勾配が急な屋根は屋根足場がプラスされる

屋根足場とは、急勾配(きゅうこうばい)の屋根で設置される足場のことです。

 

上に立って作業できるようななだらかな屋根の屋根リフォームであれば屋根足場は不要です。

作業員が滑り落ちてしまうほど急勾配の屋根では、安全上の理由から屋根足場を設置しなくてはなりません。

急勾配な屋根かどうかの基準は、5寸(約26.5°)以上が目安とされています。

その他にも、強風で煽られないように屋根足場が取り付けられることもあります。

 

屋根足場の単価相場は約600~950円/㎡であり、外周に架ける足場とほぼ変わりません。

ご自身で求めた足場の予算よりも多い見積もり額を提示されたときは、屋根足場が含まれていないか業者に質問してみるとよいでしょう。

■おわりに

足場は安全のためにも作業の品質向上のためにも、欠かすことはできない設備です。

言い換えれば、足場の費用相場と種類を知っておくことは、外壁塗装費用全体の相場を知ることにも繋がります。

 

高額だからと言って決して省いてしまおうと考えず、外壁塗装を行うために絶対に発生する費用と考え、きちんと適正価格で見積もりを出してくれる専門業者を選びましょう。

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