外壁塗装塗料ガイナのメリットとデメリット

インターネットで外壁塗装リフォーム用の塗料について調べていると、何度もガイナという塗料についての情報を見かけるという方が多く、外壁塗装駆け込み寺にもよくご質問をいただきます。

ガイナのことを解説しているウェブサイトでは「ガイナは断熱・遮熱性能に加えて防音や防臭などの効果もある理想的な塗料」と肯定的に書かれている場合が多いのですが、肯定的な部分だけを見てガイナを選ぶと外壁塗装工事で失敗してしまう可能性があります。

 

ガイナで外壁塗装を行う場合はメリットだけでなくデメリットも把握した上で使用した方が失敗するリスクが減るため、ガイナとはどんな塗料で、ガイナでの塗装リフォームを検討する際にはどんな点に注意すべきかを本記事で確認しておきましょう。

■ガイナは宇宙開発の技術を応用した断熱セラミック塗料

株式会社日進産業が開発したガイナはロケット開発の過程で宇宙空間の過激な温度変化からロケットの機体を守るために開発された断熱塗料の技術を一般家庭用の塗料に応用して作られました。

ガイナの主成分は特殊セラミックビーズという小さな球体で、ガイナで塗装した壁面はこのセラミックの球体が形成する塗膜によって熱が伝わりにくくなり、住まいを夏は涼しく冬は温かく保つという効果を発揮すると解説されています。

■ガイナ塗装だけで十分な断熱ができるわけではない

ガイナは家屋の断熱や防音など、快適な住環境を作るのに理想的な機能を持つ塗料であるとして多くの塗装業者が売り出していますが、ガイナだけで断熱や防音が十分に機能するわけではありません。

 

家の断熱性を高めたい場合、ガイナを外壁や屋根に塗装するだけでは断熱性を大きく高めることはできず、外壁の内部に隙間なく断熱材を詰めることで確実に断熱性を高めることができます。

外壁の中に断熱材を詰めるというリフォーム工事は費用が高額になってしまうため、より安価に抑えて断熱性を高めたい場合は、

  • 二重窓やペアガラスにリフォームすることで窓から熱が逃げにくくする
  • カーテンを断熱・保温効果のあるものにする

などのほうがガイナを使用した断熱塗装を行うよりも安価で断熱性を高められます。

 

外壁や屋根をガイナという高級な断熱塗料で塗装したとしても窓・ドアの気密性や断熱性が低ければ、住まいを快適に保つことはできないので、ガイナで施工するよりも先に上記の断熱対策を試してみましょう。

1.販売業者の誇張された営業トークには要注意!

ガイナは塗料の中では高級な塗料であり、販売価格が高く、施工業者の利益も大きいため、外壁塗装業者が他に適切な塗料があるのにも関わらずガイナ塗装での契約を勧めてくる場合があります。

 

利益の大きいガイナを売り込むために

  • ガイナのデメリットに言及してくれない
  • メリットや性能については大きく誇張する

などの営業トークを行う外壁塗装業者にガイナの施工を依頼してしまうと、必要以上のお金がかかったり、正確に施工してもらえなかったりするなど、外壁塗装工事で失敗してしまう可能性が高くなってしまいます。

目先の利益を最優先してガイナの性能を誇張したり、契約を急いだりするような業者を避け、顧客が外壁塗装に求めている機能や予算などを十分に理解した上で最適なプランを提案してくれる優良業者を探しましょう。

ガイナなど様々な施工が得意な地域の優良業者を探す場合はこちらからご相談ください。

■覚えておきたいガイナ塗装のデメリットや注意点

1.大手メーカーに比べてガイナは製造元も製品としても歴史が浅い

ガイナの製造元である株式会社日進産業は公式サイトの会社概要で設立年を公表していませんが、日本の三大塗料メーカーとされる

  • 1918年創業の関西ペイント
  • 1955年創業のエスケー化研
  • 1881年創業の光明社を前身とする日本ペイント

と比べるとガイナはまだ歴史がほとんどないメーカーが製造した塗料といえます。

 

ガイナの製造元の株式会社日進産業の設立年は公開されていませんが、ガイナの製品ホームページが開設されたのは2006年前後であり、これをガイナの販売開始年と考えても、ガイナはまだ発売から15年経過していません。

これは株式会社日進産業が公表しているガイナの耐用年数15年を実際に経過した施工実績がまだ存在せず、ガイナのメリットの一つの「高耐久性」を実証できる物件は無いことを意味しています。

 

もちろん歴史が浅いからといって品質が悪いということではなく、比較的新しい会社が開発した製品で有用なものは数多くありますし、ガイナの断熱・遮熱の機能も日進産業が行った様々な試験や実験によって実証さています。

ただ、外壁塗装に対して望んでいる機能と耐久性をガイナが叶えてくれるかどうかを信頼できる外壁塗装業者と十分に相談した上で使用すると良いでしょう。

地域の信頼できる外壁塗装業者を探したい場合は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

2.ガイナは無臭ではなく臭いがある

外壁塗装用の塗料には

  • 臭いが少ない水性の塗料
  • 強いシンナーの刺激臭がする溶剤塗料
  • 溶剤塗料の刺激臭を若干抑えた弱溶剤塗料

の三種類が主に使われており、シンナーなどの有機溶剤特有の刺激臭のある溶剤塗料よりも、臭いが少ない水性塗料のほうが好まれる傾向にあります。

 

水性塗料であるガイナは溶剤塗料のような強い刺激集はしませんが、水性塗料であっても全く臭いがしないわけではなく、若干は不快な臭いが含まれています。

風通しの良くない環境では1〜2週間ほどガイナの臭いが施工現場に残る可能性があり、有機溶剤の刺激臭に敏感な方や近隣への迷惑が気になる方は、ガイナの臭いがどの程度なのかを外壁塗装業者に依頼して事前に確認しておきましょう。

3.ガイナ塗装は施工費用が高額になる

外壁塗装リフォームで選ばれることの多いシリコン樹脂塗料と比較するとガイナの価格は約1.5〜2倍であるため、外壁塗装工事の総費用も数十万円以上高くなります。

シリコン樹脂塗料 ガイナ フッ素樹脂塗料
単価(㎡) 2,300〜3,200円 3,800〜4,500円 3,800〜4,500円
30坪戸建ての塗装費用目安 約80万〜90万円 約100万円 約100万円
耐用年数 約10〜15年 約15〜20年 約15〜20年

ガイナの1㎡あたりの施工単価は外壁や屋根の塗装リフォーム塗料として現在最も人気がシリコン塗料と比べて約1,500円高く、高い耐久性を持つ高級塗料であるフッ素樹脂塗料と同じ程度です。

 

ガイナは施工単価だけでなく、耐用年数もフッ素樹脂塗料と同程度とされており、どちらの方が良いかを考える際は施主が外壁塗装に求める条件、予算、地域の気候なども考慮に入れながら外壁塗装業者と相談する必要があります。

地域の事情を熟知している優良外壁塗装業者をお探しの場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

4.ガイナはツヤがない

外壁用の塗料には

  • ツヤあり
  • 7分ツヤ
  • 5分ツヤ
  • 3分ツヤ
  • ツヤ消し

など、ツヤ(光沢)の度合いを選択できる塗料が多いですが、ガイナはツヤ消しタイプのみしか製造されていません。

 

もちろん、ツヤのない外壁は落ち着いた質感があるとして人気で、ツヤはないほうが良いと考える方もいますが、ツヤには

  • 汚れをつきにくくする
  • ツヤがある方が塗料が長持ちである傾向がある

などの特徴もあります。

ガイナを選んだ場合はツヤがない塗料を外壁に塗装することになりますので、新築のようなツヤのある仕上がりにはなりませんし、上記のメリットなども受けられないということを覚えておきましょう。

参考:外壁塗装の艶あり、艶消し塗料はどちらが良い?

5.ガイナを選ぶと色の選択肢が限られる

塗料は様々なメーカーが開発していますので、色の選択肢も非常に多いのですが、ガイナは株式会社日進産業からしか製造されていないため、ガイナで用意されている52色からしか選ぶことができません。

例えば同価格帯のフッ素樹脂塗料であれば、日本ペイントのフッ素樹脂塗料の選択肢の中には好みの色がなくて選ぶことができなかった場合、関西ペイントやエスケー化研などの他の塗料メーカーの選択肢からも選ぶことができるのです。

6.ガイナの塗装面には汚れが付着しやすい

※画像はイメージです

「ガイナはツヤがない」の項目でも少し触れましたが、ガイナを塗装した後に形成される外壁はなめらかではなくざらつきのある状態になるため、雨だれや土ぼこりなどの汚れが付着しやすいです。

特に敷地内や近隣に植栽・雑木林・畑などが多く土ぼこりの舞いやすい環境であれば、ガイナで塗装した壁は周辺環境からくる汚れが付着して目立ちやすいと考えておきましょう。

 

汚れがついた外壁は家屋の美観を損なうだけでなく、放置しておくと外壁材にダメージを及ぼす藻・コケカビの発生原因になることもあるので定期的に清掃を行う必要があります。

汚れにできるだけ強い外壁や屋根にしたいという場合は外壁塗装駆け込み寺にご相談いただければ、地域の事情に詳しい外壁塗装業者をご案内します。

7.ガイナによる施工が得意な業者を探す必要がある

ガイナ本来の機能・性能を十分に発揮させるためには適切な施工が不可欠であり、ガイナを勧めてくる外壁塗装業者が十分な施工実績を持っているとは限りません。

そのためガイナによる塗装を依頼する業者を選ぶ場合、ガイナの仕様書の知識を持っているだけではなく、その地域のガイナ塗装の施工実績が豊富で、ガイナの取扱いに慣れた業者を選ばなければならないのです。

 

ガイナの施工経験が豊富な地域の外壁塗装業者を選べば、ガイナはどんな家の外壁に向いているかやガイナ以外にもどんな選択肢があるかなどの適切なアドバイスを受けることができるでしょう。

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■ガイナ塗装のメリット

ガイナを外壁に塗装することによって得られるメリットはたくさんあるといわれており、ここでいくつか解説しますが、ガイナの効果を過信せず、外壁塗装以外のリフォームも選択肢にいれてリフォーム業者に相談するようにしましょう。

1.断熱効果

外壁における断熱とは屋内の温度が屋外の温度の影響を受けないようにする性能のことで、この性能が高い塗料を塗装すれば冬も夏も比較的過ごしやすくなります。

ガイナの塗膜が外壁に生じる熱の移動を抑制するので、

  • 冬に屋内の熱が逃げにくい
  • 夏に屋外の熱が侵入しにくい

という効果を期待できるのです。

また、ガイナには外壁塗装用の塗料だけでなく内装用塗料もあり、外壁だけでなく室内にも塗装することで断熱効果を高めることができます。

 

ただし、先述したとおり、ガイナの塗装を行ったからといって劇的に断熱できるということではなく、外壁の内側に断熱材を入れる、窓のリフォームを行うなどに比べれば効果は薄いと考えておきましょう。

2.遮熱効果

外壁塗装における遮熱効果とは太陽光の赤外線を反射して熱の発生自体を抑える機能のことを指し、遮熱効果が高い塗料で塗装された外壁や屋根は日光が長時間あたっても高温になりにくいという性能があります。

白色のガイナで塗装された壁は熱を生む太陽光の赤外線を90%反射させ、塗膜に生じた熱の95%を放射により逃がしてくれるので、夏の外の暑さを室内に伝えにくいといわれています。

 

ただしどの色のガイナを塗装したかによって遮熱性能に差が生じるため、より高い遮熱性能を求めるのであれば可能な限り白に近い色を選ぶようにしましょう。

3.防音・遮音効果

ガイナによる塗装を行った外壁の表面には特殊セラミックビーズが密集しており、これが音の振動を分散させてくれるため、自動車のエンジン音や人の話し声など、外部の不快な雑音を低減するという効果があるといわれています。

 

しかし、数ミリしかない塗装で軽減させてくれる音よりも、窓や換気扇といった塗装の関係しない開口部から室内に入ってくる音のほうが大きいため、ガイナ塗装だけでは大きな防音・遮音効果を期待できません。

防音を主なリフォームの目的とするのであれば、ガイナによる塗装に頼るよりも窓を二重窓やペアガラスにするといった別のリフォームを検討しましょう。

■まとめ

ガイナは多くの塗装業者が強くおすすめしている塗料であり、もちろん多くの利点がある高機能塗料ですが、それをいいことにガイナの効果を大げさにいう外壁塗装業者も存在します。

ガイナが自分の家にあった塗料であるかの判断が難しく感じる場合には、ガイナによる塗装の経験が豊富な優良塗装業者に相談すれば、ガイナを含めた様々な塗料の中から、希望に合ったプランを提案してくれるでしょう。

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