外壁塗装の品質を高める検査、現場管理の重要性

せっかく外壁塗装を行っても、施工してすぐに塗膜が剥がれてしまっては意味がありません。

 

塗装工事を失敗させないためには、工事中の現場管理と検査を徹底してくれる業者を選ぶことが重要です。

 

この記事では外壁塗装で現場管理が行われる目的と、塗装の仕上がりを左右する「検査」の内容や大切さについてご紹介します。

■外壁塗装の完成度を高める「現場管理」

外壁塗装には、

  • 足場の設置
  • 高圧洗浄
  • 下地調整
  • 養生
  • 塗装

という基本の工程が存在し、施工不良を防ぐためにはいずれか一つでも欠けたり不備があったりしてはなりません。

 

これらすべての工程が目的通りしっかり行われたかどうかを検査することによって、質の高い外壁塗装が行えるようになります。

そのために工事の品質や職人の動きなどをチェックしているのが「現場管理者」(または「施工管理者」「現場監督」)です。

 

なお「管理」と似た言葉に「監理」がありますが、「監理」とは建築士が設計図書通りに工事が行われているかどうかをチェックする設計者目線の業務を指します。

一方、今回ご紹介する「管理」は実際の現場の動きをチェックする現場目線の業務になりますので、違いを覚えておきましょう。

1.工程はひとつずつ丁寧に行われる

外壁塗装は複数の工程が順番に行われる長期間の工事です。

約2週間におよぶ長い工事の中で、工事開始から終了までに行われる工程をひとつひとつ検査して、現場の作業スタッフ全員をとりまとめて施工品質を維持している存在が「施工管理者」です。

 

外壁塗装の見積もりには「現場管理費」が記載されていることがありますが、これは工程の品質を管理する対価としての費用です。

 

施工現場に施工管理者を置くだけで塗装の仕上がり具合が飛躍的に向上することもあり、反対に現場管理がずさんだと、手抜き工事が横行して施工後すぐに施工不良が起きてしまうこともあります。

●施工管理には国家資格が存在する

施工管理の国家資格を持つ人は「施工管理技士」と呼ばれ、塗装工事においては「建築施工」の監理技術者資格を持つ人が現場に立ちます。

 

施工管理技士の仕事は、建物一棟の工事において、はじまりから終わりまですべての項目・工程で施工品質を検査しなければならないため非常に多くの知識と一定の現場経験が問われます。

 

そのため施工管理技士を受験するためには施工管理・工事監理・現場監督などの実務経験が必須となっています。

2.外注業者の手抜きを防ぐためにも検査は重要

塗装業者によっては全工程を自社の社員で行えない所もあります。

そのような業者は作業が行える職人を下請け業者から募って工事を進めていますが、正規の社員ではない下請け業者に工事を丸投げしてしまうと、見えない所で手抜きが行われるリスクが高くなります。

 

そのため施工管理者は都度現場に赴き、チェックシートなどを使いながら下請け職人たちの作業を検査して施工の漏れや抜け、手抜きなどがないか調べます。

第三者の施工管理者が作業をチェックすることによって監視効果がもたらされ、下請け業者も襟を正して施工に当たるようになります。

■4つの現場管理と検査の内容

現場管理の内容は大きく4つに分けることができます。

 

これら4つの管理業務を施工管理者がとりまとめることによって個々の職人は自分たちの仕事に集中でき、スケジュール通りの工事が行えるようになります。

1.原価管理

工事における「原価」とは、その工事を行うためにかかった部材代や職人の人件費などを意味します。

 

原価管理とは施工する建物に対し、過不足のない部材数が予算通りに用意されており、工事が確実に行えるかどうかを計算する大事な仕事です。

2.工程管理

工程管理とは、職人や機材の数、作業の順番などを調整して工事が問題なく進むよう考える業務のことです。

 

複数の工程を順番に進めなければならない外壁塗装では一つの作業の遅れややり直しが工期全体を長引かせてしまいます。

そのため施工管理者は、施主に渡した工程表通りに工事が進むように、日々の作業の進捗状況を都度チェックしています。

3.品質管理

外壁塗装における品質とは「完成後の塗装の耐久性」を意味します。

つまり外壁塗装の最大の目的は、長持ちする丈夫な塗膜を完成させることです。

 

そのために現場管理者は、塗料メーカー規定の方法で使用されているか、塗料に悪影響を与える条件化で作業をしていないかなどを現場でチェックします。

 

例えば塗料はそのまま外壁に塗っても剥がれてしまいますので、塗装前に下地の汚れを水洗いしてひび割れなどを補修し、最後に下地材を塗っておくことではじめて仕上げ用塗料が密着しやすい状態になります。

これらが適切に行われていることを工程ごとに都度チェックするのが塗装における現場管理者の仕事です。

4.安全管理

外壁塗装では作業を行うに当たり様々な危険が付きまといます。

 

屋根の上や外壁の高い位置などの高所で作業が行われるため、作業足場をしっかり地面に設置して強度を高めることはもちろん、滑り止め付きの作業靴やヘルメット、命綱となる安全帯(ハーネス)を装着して万全の状態で挑みます。

 

また使用する塗料に含まれる有機溶剤が中毒を引き起こすこともあります。

戸建て住宅の塗装では臭いが少ない水性塗料が使われるようになりましたが、やむを得ないケースに限り、強いシンナーの刺激臭を伴う有機溶剤が使われることもあります。

危険性が高い有機溶剤を取り扱うときは「有機溶剤作業主任者」を現場に配置し、作業員は防毒マスクや手袋を装着するなどして安全性を徹底しなければなりません。

■外壁塗装中に行われる主な検査

外壁塗装における現場管理の目的や内容はここまでご説明した通りです。

その現場管理の中で忘れずに行わなければならないのが、工程ごとの「検査」です。

 

完成後に取返しのつかないミスに気付いてやり直しにならないように、検査は工事期間中複数回に渡って行われ、もし施工ミスが見つかれば次の工程に進む前に必ず修正しておきます。

 

外壁塗装では「中間検査」と「完了検査」が特に重要な意味を持っています。

1.中間検査

中間検査は「下地処理」の工程の後に行われます。

下地処理とは塗装作業に入る直前の工程ですので、もしこの時点で重大な不具合箇所を残したまま次の工程に進んでしまうと、肝心の塗料が全く効果を発揮しなくなってしまいますので非常に重要な工程です。

そのため「全工程の中でも下地処理が特に大切」と考える塗装職人も少なくはありません。

 

下地処理では以下のような作業が行われます

  • 鉄部の錆び落とし(ケレン作業)
  • ひび割れの補修工事
  • カビやコケなど異物の除去
  • 目地のシーリング工事

 

もしこの作業を怠った状態で上から塗装しても、異物によって塗膜が剥がれたリ気泡のように膨らんだり縮んだりして塗料がわずか数年で劣化してしまいます。

 

またサイディングボードの外壁や窓枠の目地には浸水防止のためにシーリング材(コーキング材)が充填されており、ここも下地補修の時点で埋めておかなければ、せっかく質の良い塗装が行えても隙間から雨水が浸水し内部から腐食が進んでしまいます。

 

中間検査では現場管理者が上記の内容について家全体をくまなくチェックします。

 

施主に中間検査の立ち合いを求める業者もいれば、撮影した動画や画像を見せるのみの業者もいます。

しかし中には検査をするふりをして手抜きを隠蔽する危険な業者もいますので、どのような形でも検査結果を必ず施主に報告してくれる業者が望ましいでしょう。

●下塗り完了後に中間検査を行う業者も多い

「下塗り」とは塗装作業における最初の工程のことです。

 

塗装作業では、下塗り・中塗り・上塗りの合計3回塗りが行われますが、最後の中塗り・上塗りと違って下塗りには「外壁に仕上げ用塗料が密着しやすいように下地材を塗る」という役割があります。

例えば、小さなひび割れがある外壁には厚みのある「フィラー」という下地材を塗布して割れをふさぎ、吸い込みが激しい外壁には「シーラー」という下地材を塗布して仕上げ用塗料まで吸い込まれてしまわないようにします。

 

そのため外壁塗装業者によってはこの「下塗り」も下地処理の一環と考えて、下塗りの後に中間検査を行う所もあります。

2.完了検査

工事終了後、引渡し前に行われる最終チェックのことです。

塗り残しや塗装ミスなどの不備があれば補修しなければなりませんので、検査の時点ではまだ足場解体は行われません。

 

完了検査はダブルチェックの意味も込めて施主立ち合いをお願いする業者が多いため、塗装工事の最終日はできるだけ予定を開けておきましょう。

 

その際、小さな塗料飛沫の付着やわずかなはみ出しでも、気になる箇所があれば現場管理者に指摘しておくことをおすすめします。

わずかな補修であれば足場を撤去する前にすぐ手直ししてもらえます。

■検査を怠る危険な業者の特徴

現場管理と検査がなければ安全に外壁塗装が行えないと言っても過言ではありません。

しかし中には検査はおろか現場管理すら放棄し、工事さえ終わって契約金だけもらえれば現場の仕上がりなどどうでもよいと考える悪質な業者もいます。

 

このような業者に大切な外壁を任せてしまわないように、危険な業者の特徴を知っておきましょう。

1.下請け業者に工事を丸投げする

自社に工事スタッフが在籍していない業者は、下請け業者に工事を外注しなければなりません。

ただし下請け業者を使うことは決して違法ではなく、優良な業者であれば現場管理者が現場に赴き、作業を都度チェックして施工品質を守っています。

 

しかし悪質な業者になると工事の作業も進捗管理もすべて下請け業者に丸投げし、元請け会社(下請けを雇う側の会社)の現場担当者は工事期間中一度も様子を見に来ないため、手抜きや施工不良のリスクが非常に高くなります。

 

このような悲劇を防ぐためには、業者選びの際に

  • 「現場管理を行えるスタッフがいるかどうか」
  • 「下請け業者を雇わず自社スタッフが施行を行うか」

の2点を確認することが大切です。

 

会社案内の資格保有者欄に「建築施工管理士」がいればまず安心ですが、「下請けを使わず自社一貫施工」と謳っている業者や「中間検査・完了検査にお客様立ち合いをお願いしています」と説明している業者であれば、自社スタッフが施工品質向上に努めてくれるような業者と考えてよいでしょう。

2.「戸建て住宅に検査は必要ない」と言う

建物の規模に関わらず現場管理は絶対に必要です。

どんなに小さな工事でも施工手順やルールをおろそかにすれば、時間が余計にかかり仕上がりの状態も悪くなってしまうでしょう。

 

もし「現場管理者は工事に来てくれますか」と施主が質問したとき、「現場管理は大きなビルなどの工事現場で行われるもので、一戸建てのリフォームには必要ないですよ」と返してきた場合はその業者は避けておくことをおすすめします。

 

確かにマンションやビルなど大きな建物になるほど現場管理の量も増えますが、建物の規模が小さいからといって管理が不要な理由にはなりません。

 

規模が小さかろうと施主にとっては毎日住み続けるかけがえのないマイホームです。

そのことを理解して戸建て住宅においてもこだわりを持って現場管理をやり遂げてくれる業者のほうが、万が一トラブルが起きても親身になってサポートしてくれるでしょう。

■おわりに

複数の工程を順番に進めなければならない外壁塗装では、ひとつの工程のミスが全体の仕上がりに大きく影響してしまいます。

 

完成度の高い塗装にするためには、工程ごとの検査をしっかり行い、施工漏れやミスを都度補修していく作業が欠かせません。

 

現場管理者が毎回現場にきてしっかり検査を行い、検査結果を施主に必ず報告してくれる業者であれば家の塗装は安心して任せられるでしょう。

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