大切にしているのは「正直に、率直にお客様に向き合うこと」平塚市の塗装・内装業者「加藤工務店」加藤代表インタビュー
神奈川県平塚市にある「加藤工務店」は、平塚や秦野といった神奈川県の相模湾沿岸部西にあたる西湘エリアを中心にした塗装と内装のリフォーム業者です。
2019年1月に法人化したばかりの新しい会社ですが、代表を務める加藤陽佑さんは15歳で建設業界に入ったため、非常に経験が豊富で、顧客の要望に適切に応えることができます。
2016年に独立してからは、外壁塗装リフォームと内装リフォームの双方の事業で、仕事の実績と信頼を地道に積み重ねています。
「1秒でも早くお客さんからの電話に出たい」という思いからインカムを肌身離さず付けている加藤さんに、加藤工務店の設立までの経緯、会社の強み、塗装業者選びのポイントなどさまざまなお話を伺いました。
クオリティの高い仕事がしたくて独立を決意し、会社を設立
――まずは貴社の営業エリアやお仕事の内容について教えてください。
加藤陽佑社長(以下、加藤):加藤工務店の営業エリアは基本的に神奈川県内ですね。
平塚や秦野といった西湘エリアが中心です。
今後は営業エリアを鎌倉や大船近辺にも広げていきたいと考えています。
ほとんどのお客様からご依頼いただくのが戸建てのリフォームで、劣化した壁の塗装リフォームが半分ほど、もう半分ほどは内装にまつわるリフォームです。
――どのような経緯で貴社を立ち上げられたのですか。
加藤:2016年1月から個人事業主として独立し、2019年1月に法人化いたしました。
法人化自体はごく最近ですが、私は15歳の時から建築業界に携わっておりますので、加藤個人としては今年で16年ほど建設関連の経験を積んでおります。
高校を中退して職を探していたときに、単純にニッカポッカ姿に憧れたのが建築業界に入ったきっかけですが、仕事をこなす中で大工仕事の魅力を知り、さらに夢中になりました。
私は見た目の美しさや合理性にこだわる人間だったので、細かい作業が求められる大工仕事に向いていたのだと思います。
私が最初に入ったのは「有限会社安斎建工社」さんという建設会社で、ビルや病院などの公共事業の大工仕事を中心に経験を積みました。
有限会社安斎建工社さんは、上達すればきちんと評価してくれて、昇進させてくれる良い会社でした。
――その後は、別の会社に転職されたんですか?
加藤:はい。最初の会社での仕事は楽しかったのですが、「子どもも含め家族を養っていくために収入を上げていきたい」、「いつかは自分の建築のキャリアを活かして転職か独立をしなければいけない」と思っていました。
そんな矢先の2011年、住んでいた場所が東日本大震災で避難推奨区域に指定されてしまい、妻の姉がいる平塚市に引っ越すことになったのです……。
その引っ越しを機に、2011年に平塚で戸建てのリフォーム事業を行っている会社の営業職に転職しました。
その会社は利益やコストパフォーマンスを重視する会社で、私は人件費節約のために営業と施工管理を兼任していました。
ただ、単純に作業量が多すぎて、すべての現場の管理を満足にこなすことができず、現場によって品質にバラつきが出てしまうこともありました。
自分の求める品質基準に届かない結果になることもあったため、もどかしい毎日が続きました。
――職人出身としてこだわりを大切にしたい、しかし利益も追わなければいけないという、板挟みの状況に身を置いていたのですね。
加藤:忙しいからといって管理をおろそかにはせず、仕上がりのクオリティを妥協したくないと思っていました。
独立した大きな理由のひとつは、「自分のこだわりを追求し、きちんと現場に反映させたい」という思いからでした。
そしてその後、2019年1月に「加藤工務店」として法人化しました。
お客様に対して正直かつ誠実であることが加藤工務店の最大の強み
――加藤さんは、加藤工務店の強みは何だと考えていらっしゃいますか。
加藤:当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、加藤工務店では「お客様に対して正直であること」を大切にしており、それがそのまま強みであると考えております。
自分たちの利益を優先してお客様へお伝えするべき情報を隠したり、嘘をついたりするようなことは当然ありませんし、実現したい内容に比べてお客様の予算が少ない場合には「その要望を叶えるためには、これぐらいの予算が必要です」と率直にお伝えしています。
多くの業者はそこまで率直なコミュニケーションを行わないようで、「加藤工務店さんは、他の業者よりも話しやすいですね」と言っていただけます。
お客様は他社との相見積もりをされているケースが多いですが、それぞれの会社に気を遣って、他社の見積書は見せないケースがほとんどです。
しかし、私たちには見積書を見せてくれて「どう思います?」と相談してくださることもあり、それは弊社の率直さや正直さを信頼してくださった証だと思っています。
弊社の技術的な強みとしては、塗装リフォーム工事だけでなく内装リフォーム工事にも対応できる点が挙げられます。
家全体の修繕に関わることができるので、お客様が思い描くものをかたちにしやすいですね。
実際に外壁塗装を依頼してくださったお客様が弊社を気に入ってくださり、「内装もお願いしたい」と言っていただけるケースも多いです。
――他社の見積書を見せてもらった場合に、貴社よりも安いなどの好条件だった場合はどうしていますか?
加藤:他社さんが作成した見積書を見せていただいて、他社さんの方が価格が安い場合は企業努力をして値下げするか、値下げするのが難しい場合は「先方のほうがいいですね」と正直にお伝えします。
弊社が計算した塗料の数量よりも明らかに高額になっている他社の見積書をお客様がお持ちの場合は、「このお見積りは作業単価が塗料の品質の割に高いと思います」などと、率直にお伝えするようにしています。
――建築の知識を充分に持っているお客様は多くないと思います。加藤工務店の見積書の内容をお客様に理解していただくために、どのような工夫をされていますか。
加藤:加藤工務店では、お客様が各工程の相場を理解しやすいよう、項目を細かく分けて掲載するようにしています。
見積書の中で必ず説明しなければいけないと私どもが考えているのは、屋根、外壁、破風板、軒天の塗装にどれぐらいの予算がかかるかです。
それらを最初に説明し、雨戸や戸袋、霧よけ、水切りなど、事前調査で塗った方が美観保護ができると判明した箇所があれば、塗装や補修のおすすめをしています。
たとえば「錆止め」は、霧除け、雨戸、戸袋などに塗るものです。
20年以上お手入れがされておらず経年劣化している家の場合は、霧除け、雨戸、戸袋などに錆止めを塗る必要がありますが、もし経年劣化していないようであれば、錆止めを塗る必要はありません。
錆止めの用途は「建物が外気に触れるのを防ぐこと」ですが、その役割は塗料でも代替することができるのです。
したがって、家の状態を見たうえで「この場合は錆止めは必要だ、もしくは必要ない」と、その都度判断しています。
そういった判断をしつつ、お客様の予算がどれぐらいか、どこまでの仕上がりを求めているかを十分にヒアリングし、見積書を出させていただいています。
▲見積書のサンプル(提供:加藤工務店)
――外壁塗装リフォーム工事をする際に、こだわっているのはどういった点ですか。
加藤:加藤工務店が外壁塗装リフォーム工事でこだわっている点は、高いクオリティで工事を仕上げることです。
元々の外壁や屋根以上の状態に仕上げるよう心がけており、少なくとも前の塗装よりはうまく塗れていると自負しております。
弊社の高いクオリティへのこだわりの例としてあげると、たとえば、下塗りに「フィラー」という造膜系の塗料を使う必要があるとします。
フィラーのメーカーが定める希釈率は0〜10%と幅があり、希釈率が低い3%のほうが粘度が高くて膜が厚くなる分、耐久性が優れているのです。
しかし希釈率を3%にすると、フィラーを塗装する職人さんにとっては、希釈率10%のフィラーとは比にならないくらい大変な作業になり、工数もかかります。
それでも高いクオリティをお客様に提供してご満足いただくために、私たちの会社ではフィラーの希釈率は3%を採用しているのです。
フィラー以外の塗料でも、塗りやすさではなく、そのお客様の建物にもっとも適した希釈率を選んで塗装するようにしています。
こういった高い工事品質へのこだわりは開業当初から変わっておらず、その点をお客様には評価していただけているようです。
――職人さんはどのように集めているのでしょうか?
加藤:以前私が在籍していた会社で得たご縁や、お仕事をご一緒している職人さんからの紹介が多いです。
実は紹介というのは、紹介する側も紹介される側も責任が重いものなのですが、それでも弊社に職人を紹介してもらえるのは、僭越ながら私たちが良い仕事環境を提供できているからではないかと思っています。
――職人さんたちとの契約形態はどのようなものなのでしょうか。
加藤:職人さんたちと弊社で専属契約を結んでいます。
専属契約を結ぶことで普段から職人さんたちとコミュニケーションがとれるので、目指すクオリティを合致させることができます。
専属契約を結んで末永くお付き合いしていくことで、職人さんたちと弊社が、阿吽の呼吸で仕事を進められるのが良いですね。
――お客様と関わる中で嬉しかったことがあれば教えてください。
加藤:弊社でリフォームを担当したお客様が、他のお客様をご紹介してくださるケースが増えてきたことが嬉しいと感じております。
ご紹介いただいた理由をお客様にお聞きすると「丁寧な仕事ぶりだった」「職人さんが親切だった」「普段見えない箇所まで丁寧に作業してくれた」とおっしゃっていただけて、大変励みになっています。
また、「良い職人さんを抱えているね」と言っていただくのもうれしいですね。
職人さんたちが寡黙でテキパキと動き、仕事に集中している姿勢を見て評価してくださっているのではないかと思います。
たとえば窓が塗料で汚れないように養生テープを貼るときでも、お客様が家の中で生活されていることを考え、窓が開けられるように配慮することもあります。
そういった細やかな心遣いが喜ばれているのではないかと思います。
「安さをウリにしない会社」「相性の合う担当者」が業者選びのカギ
――貴社へ塗装リフォームを申し込む場合の流れを教えてください。
加藤:まずは外壁塗装の駆け込み寺のHPや電話(0120993468)を通じてご連絡をいただき、弊社「加藤工務店」をご希望とおっしゃっていただければ、その後に日時の調整をして、現場調査に伺います。
お伺いした際は、顔合わせから現場調査まで含めておよそ60~120分程度必要であるとお考えください。
屋根もちゃんと見ずに写真だけ撮って帰ってしまう業者もいるようですが、弊社の場合はかなりじっくり時間をいただいて現場調査をさせていただきます。
その後、お見積もりをお渡しし、何度かのお打ち合わせの後に工事を受注させていただくという流れです。
――貴社の外壁塗装の価格は、他社と比較すると高いでしょうか、安いでしょうか。
加藤:正直に申し上げますと、加藤工務店での外壁塗装リフォーム工事の価格は、平均的な外壁塗装リフォーム工事の価格よりも少し高いかもしれません。
先ほどもお伝えしたように、仕上がりの品質の高さにこだわっているぶん、どうしても工数が増えてしまう傾向にあるので、多少金額は高くなってしまうかと思います。
ただ、加藤工務店がお出しする工事費用は、品質に見合った金額であり、元々の金額に不必要に割高な費用を上乗せしたものではもちろんありません。
お客様が求めるものとご予算を伺った上で、お見積もりを出しています。
――外壁塗装業者を選ぶときの秘訣があれば、教えてください。
加藤:工事費用の安さを売りにする業者に外壁塗装リフォーム工事を依頼することはあまりおすすめできません。
安さを重視してしまうと当然ですが、会社が十分な利益が得られず、職人も十分な給料を受け取れません。
塗装作業に必要な消耗品である刷毛やローラーひとつとってもピンキリで、質が高いものであれば価格も高いため、安さを重視している会社は、低品質な道具しかつかえなくなってしまいます。
それらが回り回って、お客様が満足できる工事を受けられなくなることにつながるのです。
外壁塗装業者に務めている職人たちも、日々の生活が担保されているからこそ高品質の施工ができていると弊社では考えております。
価格以外で業者を選定するのであれば、その業者の創業年数をひとつの指標にするのがよいと思います。
その点で私たちの会社は創業して日が浅いため不利ではあるのですが、実績を一つひとつ積み上げ、信頼していただけるよう日々努力しております。
――品質が悪いのにも関わらず価格の高い業者もいると思います。そういった業者を見抜くにはどうしたらいいのでしょうか?
加藤:低品質な工事を行う業者を見抜くためには、とにかくその業者さんに「疑問に思ったことは何でも聞いてみる」のがおすすめです。
工事の品質が悪くて価格の高い業者は、適切な知識を持ち合わせていないため、お客様から聞かれたことに対して理論立てて返答できないことが多いのです。
しかし、高品質な工事を行う業者は、豊富な知識を持っているため、建築に関する知識をお持ちでないお客様にも、わかりやすく説明することができます。
良い結果を得るためにもうひとつ重要なのは「お客様ご自身と営業担当者との相性」ですね。
営業担当者とお客様の相性が良いと、営業担当者がよりお客様の立場で物事を考えることができます。
私が営業に携わっていた際、「担当者がどれだけお客様の立場に立って物事を考えられるか」で工事の仕上がりが変わることを、身をもって感じていました。
たとえば、お客様が「あそこはああしてほしかったんだけど、業者さんの手間になってしまうから言わなくてもいいか」と妥協した気持ちになりそうなときに、営業担当者側がお客様の本当の希望に気づくことができ、結果としてお客様の満足度が高い工事をすることができます。
もし、どの外壁塗装業者にするべきか迷ったら、「営業担当者との相性」を指標に決めてみるのもよいと思います。