外壁塗装に資格は必要?優良業者が持つべき資格・許可を徹底解説

自宅の外壁塗装を安心して任せられる業者を選ぶには、業者がどんな資格許可を持っているかを確認することが重要です。

外壁塗装の工事自体は、実は特別な免許や国家資格がなくても施工可能で、法律上は誰でも「塗装業者」として開業できます。

 

しかし、資格の有無によってその業者の技術力や信頼性をある程度判断することができます。

資格や許可を持たない業者が必ずしも悪徳業者とは限りませんが、優良な業者の多くは豊富な資格や許可を保有しているのが実情です。

 

本記事では、外壁塗装に関係する主な資格や許可について詳しく解説し、それらがなぜ重要なのか、どのように業者選びに活かすべきかをご説明します。

また、資格の確認方法や、資格以外で注目すべき業者選びのポイント、さらには資格を持たない業者に依頼するリスクや注意点についても触れていきます。

それでは順を追って見ていきましょう。

外壁塗装に資格は必要なのか?

最初に疑問になるのが、「外壁塗装をするのに資格は必要なのか?」という点です。

結論から言えば、外壁塗装工事そのものを行うために必須となる国家資格や免許は存在しません

極端に言うと、誰でも「塗装業者」と名乗って営業を始めることが可能です。

このため、残念ながら、知識や技術が不足したまま営業している業者や、モラルに欠けたいわゆる悪徳業者も紛れ込んでいる現状があります。

 

しかし、資格が不要だからと言って、資格を気にしなくてよいわけではありません

むしろ、外壁塗装業界には多くの国家資格や民間資格が存在し、それらを取得するには一定の知識・技能・経験が求められます。

資格を持っているということは、その業者や職人が専門の試験や講習を通じて知識・技術を身につけている証明です。

したがって、資格を有している業者は総じて技術力や安全管理意識が高く、信頼できる傾向があります。

 

もちろん、資格を持たない職人の中にも腕の良いベテランは存在します。

特に、昔ながらの職人さんには公式な資格を持っていない方もいますが、長年の経験で高い技術を持っているケースもあります。

ただ、一般の施主がそうした「無資格だけれど腕利きの職人」を見極めるのは容易ではありません。

 

そこで、業者選びの一つの客観的な指標として、資格や許可の有無をチェックすることが重要になるのです。

「資格がなくても違法ではないけれど、資格を持っている方が安心できる」というのが外壁塗装業者選びの基本的な考え方です。

 

以下では、信頼できる外壁塗装業者が持っていると望ましい主な資格や許可について、国家資格と民間資格に分けて詳しく解説します。

外壁塗装業者が持っていると安心な資格【国家資格編】

外壁塗装業者の信頼性を判断する上で特に重要なのが、国や行政機関が認定する国家資格や許可です。

国家資格は公的な裏付けがあるため信頼度が高く、取得には一定の基準を満たす必要があります。

ここでは、外壁塗装業者が保有していると安心できる代表的な国家資格・許可を紹介します。

建設業許可(塗装工事業)

建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負う業者に対して必要となる国土交通大臣、または都道府県知事からの許可です。

法律上は、請負金額が500万円以上(税込)となる建設工事を行う場合に建設業許可を取得しなければならないと定められています(建設業法第3条)【参考: 国土交通省「建設業の許可とは」】。

戸建て住宅の塗装工事は、通常、そこまで高額にならないため、多くの場合、500万円未満で収まり許可がなくても違法ではありません

そのため、小規模な塗装業者の中には建設業許可を持っていない所もあります。

 

では、建設業許可を持っている業者は何が違うのでしょうか。

建設業許可を取得するためには、5年以上の建設業の経営経験一定額以上(500万円以上)の自己資本、さらに有資格者の専任技術者を配置していることなど、国が定めた様々な要件をクリアする必要があります。

許可申請時には経営状況や過去の工事実績も行政に審査されます。

このようにハードルが高いため、許可を持っているということ自体が「経営基盤がしっかりしていて信頼できる会社」である証とも言えます。

 

建設業許可には、営業所の範囲によって「知事許可」(1つの都道府県内だけで営業)と「大臣許可」(2都道府県以上で営業)の区分があります。

また、工事の種類ごとに許可業種が分かれており、外壁塗装業者の場合は「塗装工事業」の許可を取得しているかどうかがポイントです。

 

許可業者は、事務所内によく、「許可証票(許可証)」を掲示しています。

許可の有効期限は5年で、更新制ですが、掲示されている許可証には有効期限が記載されていません。

そのため、許可年月日から期限切れになっていないかを判断しましょう。

 

戸建て塗装では必須ではないとはいえ、建設業許可を持っている業者は信頼度がワンランク上です。

公共工事の入札にも参加できるなど、実績と信用が求められる許可なので、依頼先を選ぶ際には建設業許可の有無もチェックしてみましょう。

一級塗装技能士(塗装技能士)

塗装技能士は、塗装分野で唯一の国家資格であり、厚生労働省所管の技能検定制度によって認定される塗装職人の技能資格です【参考: 中央職業能力開発協会「技能検定のご案内」】。

塗装技能士には難易度の高い順に1級・2級・3級があり、等級によって求められる経験年数が定められています。

 

1級塗装技能士の場合、受検資格として原則7年以上の実務経験(または2級合格後さらに2年以上の実務)が必要です。

2級でも2年以上、3級でも6か月以上の経験が要件となっており、誰でもすぐ取れるものではありません。

また、試験は学科と実技が毎年一度実施され、合格率はおおよそ30%〜50%前後と比較的難しい試験です。

 

ちなみに、令和5年度の1級塗装技能士の合格率は、4,432人中1,699人で合格率は38.3%でした(厚生労働省の資料より)。

このように、1級塗装技能士を取得するには、長年の実務経験と高い技術・知識が求められるため、塗装技能士の資格保持者は(特に1級塗装技能士は)、塗装のプロフェッショナルと言えます。

 

実際に、腕の良い塗装職人ほどこの資格を取得しているケースが多く、会社としても社員に取得を奨励するところが増えています。

1級保持者が在籍している業者は、それだけで施工技術の水準が高い可能性が高いでしょう。

2級塗装技能士も一定の技術を証明する資格ですが、特に「1級」を持つ職人がいるかどうかは業者選びの大きな判断材料になります。

 

なお、業者の中には「当社は塗装技能士在籍」と謳っていても、何級かを明示していない場合があります。

正式には、「一級塗装技能士」「二級塗装技能士」と等級をつけて名乗るものですから、資格保有をうたうなら通常は1級であることを明記します。

「塗装技能士」という表記だけで級をぼかしている場合は、2級や3級しか持っていない可能性もあるので注意しましょう。

いずれにせよ、塗装技能士資格は外壁塗装における技術力の裏付けとして最も信頼できる指標の一つです。

 

ちなみに、塗装技能士の資格がなくても、塗装作業自体は可能なので、無資格の職人=腕が悪いとは言えません。

「実務経験は豊富だけど、試験は受けていない」というベテランも多く存在します。

しかし、顧客側から見ると資格を持っているかどうかは技術の「見える化」になります。

特に1級塗装技能士を持つ職人が在籍している業者は安心感が違うため、業者選びの際にはぜひ確認したいポイントです。

施工管理技士(建築施工管理技士)

施工管理技士は、建設工事の現場管理に関する国家資格です。

正式には「建築施工管理技士」など工事種別ごとに分かれていますが、外壁塗装分野では建築施工管理技士(仕上げなどの区分)を保持している技術者がいると望ましいでしょう。

施工管理技士には、1級と2級があり、工事の工程・品質・安全・予算などを総合的に管理するエキスパートとして認定されています。

 

施工管理技士の資格を持つ人が社内にいる塗装業者は、単に塗装作業の技術だけでなく、工事全体を計画的かつ安全に進める能力を持っていると考えられます。

大規模な建築工事では、有資格者の配置が義務付けられることもあり、資格取得には国家試験(学科・実地)の合格が必要です。

1級建築施工管理技士ともなれば、豊富な現場経験と専門知識を有している証拠です。

 

戸建ての塗装工事規模では、施工管理技士が必須とされる場面は少ないですが、この資格を持っているスタッフがいる業者は、現場の段取りや安全管理が行き届いている傾向があります。

例えば、塗装作業と同時にベランダ防水や大工工事など他の工種が絡むリフォームであっても、施工管理技士がいれば、各工程を適切に調整し、品質を確保してくれるでしょう。

 

資格がなくても現場管理はできますが、国家資格として担保された知識を持つ技術者がいることは、依頼する側にとって大きな安心材料となります。

有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者は、塗料に含まれるシンナーなどの有機溶剤を扱う作業現場で必要とされる国家資格(正確には資格者を選任するための技能講習修了者)です。

塗装工事では、下塗り材や油性塗料・溶剤系塗料を使う場面で有機溶剤を取り扱います。

 

有機溶剤は蒸気を吸い込むと健康被害を及ぼす恐れがあり、適切な換気や防護策が欠かせません。

そのため労働安全衛生法により、有機溶剤等を扱う作業場では必ずこの作業主任者を選任し、安全管理にあたらせることが義務付けられています。

 

有機溶剤作業主任者になるには、所定の講習(2日程度)を受講し修了試験に合格する必要があります【参考: 東京労働基準協会連合会「有機溶剤作業主任者技能講習」】。

資格取得自体はそれほど難易度が高いものではありませんが、この資格を社員に取らせている業者は安全管理や健康被害防止に対する意識が高いと言えます。

現場で換気設備を適切に使ったり、作業員に防毒マスクを着用させたりといった管理を徹底してくれるでしょう。

 

小さな塗装業者では、資格者が不在の場合もありますが、本来は溶剤系塗料を使う以上は必要な資格です。

有機溶剤作業主任者の資格を有する職人がいる塗装業者は、安全面に配慮した施工を行ってくれると期待できます。

塗装後の仕上がり品質だけでなく、施工中の安全や近隣への影響にも気を遣える業者かどうかを見る一つの指標になります。

足場の組立て等作業主任者

外壁塗装では、建物周囲に足場を設置して作業を行うのが一般的です。

この足場を組み立て・解体する作業に際して、法律(労働安全衛生法および関連規則)により「足場の組立て等作業主任者」を現場に選任することが義務付けられています。

足場作業主任者は国家資格であり(技能講習修了による資格)、足場の組立や撤去の工程で作業員に適切な指示を出し、安全を確保する役割を担います。

 

塗装業者が自社で足場の組立てを行う場合、この資格を持つ人が社内にいないと作業ができません。

そのため、足場を自前で組む塗装会社では必須の資格となります。

一方で、塗装専門の会社の中には、足場工事を外部の専門業者に依頼するところも多く、その場合は外注先(足場業者)のほうで資格保有者を配置します。

ですから、塗装業者自身が足場作業主任者を持っていない場合でも、それ自体で直ちに不安というわけではありません。

 

とはいえ、足場の組立て等作業主任者の資格を社員に取らせている塗装業者であれば、足場に関する知識や安全意識が高いことは確かです。

足場は高所作業の安全に直結する重要な部分ですから、こうした資格を持つ人材がいる業者は現場での安全管理が徹底されていると考えてよいでしょう。

また、塗装会社によっては自社で有資格者がいないために足場工事をすべて他社任せにしているケースもあります。

有資格者が社内にいれば足場業者との打ち合わせも円滑にできますし、一括して任せられる利点もあります。

 

まとめると、足場の組立て等作業主任者は特に安全面で重要な資格です。

資格の有無自体が業者選定の決定打にはなりにくいものの、資格保有者がいる業者は安全第一で作業してくれる期待が持てます。

見積もりや打ち合わせの際に「足場組立作業主任者の資格を持ったスタッフが現場管理します」などと説明があれば、一つ安心材料になるでしょう。

その他の関連資格(危険物取扱者・高所作業車・防水施工技能士など)

以上に挙げた以外にも、塗装業者や現場作業に関連する国家資格・公的資格はいくつか存在します。

例えば、「危険物取扱者(乙種第4類)」は塗料やシンナーなど、引火性の危険物を一定量以上保管・取り扱いする際に必要な資格です。

また、高所での作業に使う高所作業車(昇降車両)を操作するための「高所作業車運転者」資格、古い建物で問題となるアスベスト(石綿)除去に関する「石綿作業主任者」や、塗装と関連深い防水工事における「防水施工技能士」なども、塗装業者が取得していることがあります。

 

これらの資格は、工事内容や扱う材料に応じて必要となるものです。

全ての塗装業者が持っているわけではありませんが、業務領域が広かったり高度な工事にも対応していたりする会社ほど、多様な資格を保有している傾向があります。

ただし、一般の施主が業者選びで確認すべき主要な資格は前述のもの(塗装技能士、建設業許可、有機溶剤主任者、足場主任者など)で十分でしょう。

その他の資格については、見積もり説明等で必要な工事が出てきた際に、その分野の資格保有者がいるか確認する程度で構いません。

外壁塗装業者が持っていると安心な資格【民間資格編】

国家資格ではないものの、業界団体や民間の専門機関が認定している民間資格も、外壁塗装業者の信頼性を測る上で参考になります。

民間資格の中には専門知識の習得や講習受講が必要なものも多く、取得には努力と熱意が求められます。

ここでは、優良な塗装業者が持っていることが多い代表的な民間資格について解説します。

外壁診断士

外壁診断士は、一般社団法人全国住宅外壁診断士協会が認定する民間資格で、住宅の外壁劣化を適切に診断できる専門家であることを証明する資格です。

受験には、建築やリフォーム業の実務経験(概ね5年以上)が求められ、指定の講習受講や検定試験への合格によって資格が授与されます。

外壁診断士の有資格者は、外壁の傷み具合やひび割れ、塗膜の劣化状態などを正確に見極め、必要な補修やメンテナンスを提案できる知識を持っています

 

塗装工事の前提として、まず建物の現状を正しく診断することがとても重要です。

診断がいい加減だと、本来必要な下地処理や補修を怠って塗装してしまい、後々トラブルになるケースもあります。

外壁診断士の資格を持つスタッフがいる業者であれば、塗装前の建物診断をしっかり行い、現在の外壁の状態に応じた適切な工事内容を提案してくれるでしょう。

また、診断結果についても専門知識に基づき分かりやすく説明してくれるはずです。

 

外壁診断士は、行政の資格ではありませんが、取得者数も多く業界では認知された資格です。

外壁診断のプロが在籍する業者は、それだけ建物全体を総合的に見てくれる安心感があります。

見積もり前の現地調査で、外壁診断士資格者が来てくれるような会社であれば信頼度は高いと言えます。

外装劣化診断士

外装劣化診断士は、一般社団法人住宅保全推進協会が認定する民間資格で、建物の屋根・外壁など外装全般の劣化状況を診断できる専門家です(現在は一般財団法人塗装品質機構が試験団体となっている)。

こちらも、受験資格として建築関連業務の実務経験(3年以上など)が求められ、定期開催される試験に合格すると資格を取得できます。

外壁診断士と似た資格ですが、外装劣化診断士は屋根を含む建物外部全体の劣化診断に重点を置いている点が特徴です。

 

外装劣化診断士の有資格者がいる業者は、塗装前の建物診断をより包括的に行えるでしょう。

例えば、屋根材の傷み具合や防水シール(コーキング)の劣化状況、雨漏りのリスクなども含めて調査し、必要なメンテナンスを提案してくれます。

住宅外装の診断について体系的な知識を持っている証なので、診断内容の信頼性が高まります。

 

「外壁診断士」と「外装劣化診断士」は名称が似ており混同しがちですが、主催団体が異なるだけでいずれも建物外部の診断に関する専門資格です。

どちらか一方でも保持しているスタッフがいれば、その業者の診断スキルは十分と考えてよいでしょう。

これらの資格保持者が在籍することをホームページ等でPRしている塗装業者も多く、診断力を売りにしている会社は信頼できます。

雨漏り診断士

雨漏り診断士は、NPO法人雨漏り診断士協会が認定する民間資格で、雨漏りの原因を的確に突き止め、適切な修繕方法を提案できる専門家です。

住宅にとって雨漏りは重大な問題であり、その発生箇所の特定は専門知識と経験が求められます。

雨漏り診断士になるには所定の講習を受け、雨仕舞い(あまじまい:雨水侵入を防ぐ処置)や建物構造に関する知識を習得した上で試験に合格する必要があります。

 

塗装工事では、通常、屋根や外壁の防水性を回復させる役割もありますが、既に雨漏りが発生している場合や雨漏りリスクが高い劣化症状がある場合、その原因をしっかり把握して対策を講じなければなりません。

雨漏り診断士の資格を持つスタッフがいる業者であれば、雨水の侵入経路や潜在的な危険箇所を見逃さずに指摘し、塗装前に必要な補修を提案してくれるでしょう。

例えば、「実は屋根のこの部分の板金が浮いており、そこから水が入っています」など専門家ならではの視点で問題解決に導いてくれます。

 

雨漏り診断士も、国家資格ではありませんが、特に雨漏り経験のあるお宅やその心配があるケースでは、この資格を持つ業者に依頼すると安心感が違います。

雨漏りは原因特定が難しく、誤った診断で、的外れな工事をしてしまうと再発する恐れがあります。

そうしたリスクを避けるためにも、雨漏り診断士資格者が在籍する業者は信頼度が高いと言えるでしょう。

色彩に関する資格(色彩検定・カラーコーディネーター検定)

外壁塗装において意外と悩みが多いのが「色選び」です。

そこで役立つのが色彩に関する資格を持つスタッフの存在です。

代表的なものに「色彩検定」公益社団法人色彩検定協会(AFT)主催)と「カラーコーディネーター検定試験」東京商工会議所主催)があります。

これらは、色彩の理論や配色技法に関する知識を問う検定で、1級から3級までの等級があります。

 

色彩検定は、文部科学省後援の公的資格で、特に1級ともなれば、高度な色彩理論や実践的な配色センスが求められます。

一方、カラーコーディネーター検定も、ビジネスやデザインにおける色彩活用の知識を問う試験で、こちらも上級は難易度が高いものです。

塗装業そのものの資格ではありませんが、建物の配色提案に役立つ専門知識を持っていることを示す資格と言えます。

 

塗り替え工事で施主が頭を悩ませるポイントの一つが、「どの色にしようか」ということです。

色彩の知識が乏しいまま選ぶと、完成してみたらイメージと違った、隣家と雰囲気が合わない、といった失敗につながることもあります。

色彩検定やカラーコーディネーターの資格を持つスタッフがいる業者なら、色選びのプロとして的確なアドバイスを受けられます

家全体の調和や周囲の景観とのバランス、顧客の好みと流行などを踏まえて、プロ目線で最適な配色プランを提案してくれるでしょう。

 

特に、色彩検定1級やカラーコーディネーター検定上級を持つようなスタッフは希少ですが、資格者がいなくても、感性の優れた提案をしてくれる業者も多く存在します。

ただ、資格を持っているということは、それだけ勉強を積んできた証でもありますので、色のプロが在籍する業者は仕上がりの満足度向上にひと役買ってくれる可能性が高いです。

色選びに不安がある方は、こうした資格保有者の有無もチェックポイントにすると良いでしょう。

窯業サイディング塗替診断士

窯業サイディング塗替診断士は、木造住宅塗装リフォーム協会などの団体が認定する民間資格で、主に住宅に使われる「窯業系サイディングボード」(セメント系外壁材)の劣化診断と、適切な塗り替え方法に関する知識を証明する資格です。

近年の戸建住宅では窯業サイディング外壁が非常に普及していますが、この材質特有の劣化症状(反りや割れ、シーリングの劣化など)に対応したメンテナンス知識が求められます。

 

窯業サイディング塗替診断士の資格を持つ技術者がいる業者は、サイディング外壁の塗り替えに関する専門知識が豊富であると考えられます。

例えば、サイディング表面のチョーキング現象(白粉化)の程度から適切な下塗り材を選定したり、板間目地のシーリング材の打ち替えタイミングを正確に判断したりといった点で頼りになります。

サイディングボード自体の交換が必要かどうかの見極めなども的確でしょう。

 

一般の塗装業者でも、経験に基づいてサイディングの扱いに慣れている場合が多いですが、資格取得者は体系立てて知識を習得していますので、より信頼性が高いと言えます。

特に、築年数が経ったサイディング住宅の塗装を検討している場合、この資格を持つ業者であれば安心感があります。

業者のホームページで、「〇〇診断士取得」と記載されていたり、相談時に資格証を示して説明してくれたりする場合には、その専門性をぜひ活かしてもらいましょう。

その他の民間資格(メーカー認定施工店など)

民間資格には、上記の他にも様々なものがあります。

例えば、塗料メーカー独自の研修を修了したことを示す「◯◯塗料認定施工店」や、業界団体の会員証なども一種の信頼材料です。

また、各地域の塗装業協会による講習修了証「外壁アドバイザー」などの称号を与える団体も存在します。

 

さらに、雨漏りに関しては先述の雨漏り診断士とは別に「雨漏り鑑定士」一般社団法人雨漏り鑑定士協会)という資格もあります。

 

ただし、注意したいのは、中には業者自身が独自に作った「自社認定資格」のようなものもある点です。

他社では通用しない社内肩書きを、あたかも権威ある資格のようにアピールするケースも稀にあります。

こうしたものは、その業者が優秀であるかどうかの判断材料になりませんので、惑わされないようにしましょう。

 

基本的には、民間資格であっても公益性の高い団体(業界全体の協会やNPOなど)が認定する資格であれば信頼してよいでしょう。

一方、一企業のみが発行している称号については、その内容をよく見極めることが必要です。

 

いずれにせよ、民間資格は「あると望ましいプラスアルファ要素」です。

国家資格よりも信頼性という点では劣る場合もあるかもしれませんが、持っていることで業者の専門性や意欲がうかがえるため、業者選びの際には参考にすると良いでしょう。

資格を持たない業者に依頼するデメリット・注意点

ここまで資格をいろいろ紹介してきましたが、現実には「資格を持っていない業者」も多数存在します。

そのような業者に外壁塗装を依頼することには、いくつかのデメリットや注意点があります。

 

第一に、技術や知識の保証がないことです。

資格を持っていない=必ずしも技術が低い、とは断言できませんが、少なくとも第三者による客観的な証明が無い状態です。

例えば、塗装技能士の資格がない職人の場合、その人がどの程度の技能を持っているのか施主側には判断しづらく、工事の仕上がりに不安が残るかもしれません。

実際、無資格の業者の中には、基本的な下地処理や塗装工程を省略して手抜きを行う、悪質な例も報告されています。

 

第二に、社員教育やスキルアップに積極的でない可能性があります。

資格取得には勉強や試験への挑戦が伴いますが、それを社員に促していない会社だとすれば、人材育成に消極的かもしれません。

常に新しい塗料や工法が登場する塗装業界において、学ぶ姿勢がない業者だと知識が古いままだったり、誤った施工を改善できなかったりする恐れがあります。

 

第三に、資格を全く持たない業者は悪徳業者である可能性も考えられます。

もちろん、無資格=悪徳とは限りませんが、過去に問題を起こしたり、実力が伴わなかったりする業者ほど資格取得に熱心ではない傾向があります。

極端な例では、建設業許可もない、技能士もいない、といった業者が、相場とかけ離れた安値で契約を取り、不適切工事をしてトラブルになるケースもあります。

 

以上のようなリスクを踏まえると、資格を何も持っていない業者に依頼する場合は特に慎重な見極めが必要です。

工事内容の説明が曖昧だったり、こちらから質問しても明確な回答が得られない業者は、避けたほうが無難でしょう。

また、「資格なんてなくても大丈夫ですよ」と開き直るような態度の業者にも注意が必要です。

そして、誠実な業者であれば、資格の有無に関わらず、自社の技術や実績について丁寧に説明してくれるはずです。

 

一方で、資格がない=絶対にダメというわけでもありません。

地元で長年愛されている職人気質の塗装店などは、公式資格より現場経験重視というところもあります。

そうした場合は、口コミや実績、顧客の声など他の情報を集めて信頼できるか判断しましょう。

 

総じて、資格を持っていない業者に依頼するのは「当たり外れ」が大きくなるリスクがあるため、その点を理解した上で、慎重に選択することが大切です。

外壁塗装業者の資格を確認する方法

気になる塗装業者があったら、その業者がどんな資格・許可を持っているか確認する方法はいくつかあります。

以下に代表的な確認方法を挙げます。

 

1. 公式ホームページで確認する

多くの塗装業者は自社の公式サイトに保有資格や許可番号を掲載しています。

会社案内のページやスタッフ紹介の欄に「一級塗装技能士〇名在籍」「建設業許可(〇〇知事許可○○第○号)取得」などと書かれていることがあります。

また、資格のアイコンや認定証の写真を載せている会社もあります。

まずはホームページを見て、資格や許可について言及がないか探してみましょう。

 

2. 見積もり時やパンフレットで確認する

業者によっては、見積書や会社パンフレットに「当社の保有資格」として一覧を載せている場合もあります。

見積もり依頼をした際に資料をもらったら、そこに資格の記載がないかチェックしましょう。

また、営業担当者が来た際に口頭で「御社はどんな資格をお持ちですか?」と尋ねてみるのも良いです。

信頼できる業者であれば、質問に対し具体的に「一級塗装技能士を何名擁しております」「○○診断士の資格者が調査します」といった回答をしてくれるでしょう。

 

3. 事務所で許可証などを確認する

建設業許可を取得している業者なら、その許可証(許可票)は事務所の見やすい場所に掲げることが法律で義務付けられています。

例えば、店舗やショールームに訪問した際、壁に許可証が飾ってあるか見てみましょう。

「うちは奥にしまってあるので…」などと言ってすぐに見せられないようなら少し不審です。

また、資格証書(塗装技能士の合格証書等)を額に入れて飾っている会社もあります。

直接出向く機会があればチェックしてみるとよいでしょう。

 

4. 資格の証明書やカードを提示してもらう

一部の資格には、カード型の証明書(技能士章バッジや手帳など)が発行されます。

どうしても確認したい場合、担当者に「資格証等を見せていただけますか?」とお願いしてみる手もあります。

誠実な会社なら嫌な顔せず対応してくれるでしょう。

ただ、あまりに疑うような態度にならないよう、「参考までに拝見できますか」くらいの柔らかい聞き方がおすすめです。

 

5. 行政のデータベースで確認

建設業許可に関しては、各都道府県で許可業者名簿を公開しており、業者名や許可番号で検索できます。

また国土交通省のサイトでも許可の制度について案内されています。

ただし、個々の資格(技能士など)について公的に検索できる仕組みはありません。

基本は業者から提示された情報を信頼することになります。

 

以上のように、多くの場合は業者自身が資格をPRしていますので、それを見逃さないようにしましょう。

もし公式情報で確認できない場合は遠慮せず質問することも大切です。

資格の有無を明確に答えられない業者や、質問をはぐらかす業者は信用できない可能性があります。

逆に、質問に対し丁寧に説明してくれる業者は信頼度が増します。

大切なマイホームの工事を任せるわけですから、資格の確認を含めて納得いくまで業者とコミュニケーションを取ることが後悔しない契約につながります。

資格以外で優良な外壁塗装業者を見極めるポイント

ここまで資格の話を中心にしてきましたが、本当に信頼できる業者を選ぶには資格以外のポイントも総合的に判断することが大切です。

資格がたくさんあっても、他の面で問題があれば満足のいく工事にはなりません。

最後に、資格以外で優良業者を見極める主なポイントを押さえておきましょう。

 

■ 建物診断が丁寧かどうか

良い塗装業者は、契約前の建物診断(現地調査)を丁寧に行います。

家の周囲をぐるっと見て終わりではなく、外壁や屋根を細部までチェックし、劣化状況を写真に収めて施主に見せてくれる業者は信頼できます。

診断時に、湿度計や赤外線サーモグラフィーなどを使っている場合もあり、本格的に調査する姿勢が伺えます。

診断結果に基づいて、「◯◯がひび割れています」「コーキングが痩せて隙間ができています」など具体的な説明がある業者は安心です。

逆に、診断がいい加減だったり、こちらから質問しても「大丈夫ですよ」程度の抽象的な返答しかない業者は注意しましょう。

 

■ 見積書の内容が詳細か

提示された見積書を見て、その内容が具体的で分かりやすいかをチェックしましょう。

優良業者の見積もりは、使用する塗料の種類や工程(高圧洗浄、下地処理、下塗り・中塗り・上塗りの各回など)が明確に書かれ、数量や単価も適正に記載されています。

一方、悪質な業者は「一式○○円」と曖昧な見積もりを出したり、極端に項目が少ない安価な見積もりで契約を急がせたりします。

細かく書かれた見積もりは一見高く見えることもありますが、後になって追加料金が発生しにくい安心感があります。

工事内容を丁寧に説明でき、見積書が透明性のある業者を選ぶことが大切です。

 

■ 保証やアフターフォローの有無

塗装工事後に不具合が起きた場合の保証制度も、優良業者選びの重要なポイントです。

一般的に、外壁塗装には、5~10年程度の施工保証を付ける業者が多いです。

保証内容(塗膜の剥がれや著しい退色が起きた場合の無償補修など)が明記されているか確認しましょう。

また、工事完了後の定期点検やアフターフォロー体制が整っているかも信頼度に関わります。

施工後、1年目に無料点検がある、何かあればすぐ駆けつけると約束してくれる、といった業者は責任感があります。

逆に「工事が終わったらそれっきり」のような所は不安が残ります。

 

■ その他のポイント

資格以外にも、会社の実績や口コミ評価、担当者の対応、提案内容の適切さ、加入保険の有無(工事中の事故に備えた損害保険など)といった点を総合的に見ることが大切です。

例えば、創業からの年数や施工件数が多い会社は経験豊富ですし、地域密着で評判の良い会社は何かあってもすぐ対応してくれる安心感があります。

担当者が、こちらの要望をきちんと聞いてくれ、専門用語もわかりやすく説明してくれるなら信頼して任せやすいでしょう。

 

以上のようなポイントを踏まえ、資格の有無+αの視点で業者を選定することが重要です。

資格はあくまで判断材料の一部ですが、やはり持っている業者の方が他の面もしっかりしているケースが多いです。

逆に資格が豊富でも他の対応が悪ければ選ぶべきではありません。

最終的には、総合評価で「ここなら信頼できる」と思える業者を選びましょう。

なお、外壁塗装業者選びの総合的なチェックポイントについては、こちらの記事も参照してください。

まとめ

外壁塗装に資格は必須ではありませんが、資格や許可を持っている業者は技術力・信頼性の面で優れている傾向があります。

本記事で解説したように、例えば「一級塗装技能士」や「建設業許可」を持つ業者は技術と経営の両面で安心感がありますし、「有機溶剤作業主任者」や「足場の組立て等作業主任者」を持つ業者は安全面への配慮が行き届いています。

また、「外壁診断士」や「雨漏り診断士」といった民間資格保持者がいる業者は建物診断力が高く、「色彩検定」等の資格者がいる業者は色選びの提案力も期待できます。

 

ただし、資格だけですべてが決まるわけではありません。

資格を持たないベテラン職人もいますし、逆に資格があってもサービス品質に難がある業者もゼロではありません。

大切なのは、資格の有無を一つの目安にしつつ、実際の対応や提案内容、施工後の保証なども含めて総合的に判断することです。

信頼できる業者は、こちらの質問に丁寧に答え、資格や実績についても包み隠さず説明してくれるでしょう。

 

外壁塗装は決して安い買い物ではなく、工事の良し悪しがお住まいの寿命や美観に大きく影響します。

だからこそ、少しでも不安要素を減らすために資格という客観的指標を活用し、納得のいく業者選びをしていただきたいと思います。

資格をしっかり確認し、さらに本記事で挙げたポイントを踏まえて比較検討すれば、きっと「この業者になら任せられる」という頼れるパートナーが見つかるはずです。

ぜひ後悔のない業者選びを行い、安心して外壁塗装工事に臨んでください。

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●お住まいの外壁塗装相場を適正診断
●お断り代行で業者と気まずくならない
●他社見積もり中でもOK

外壁塗装駆け込み寺では毎日200件以上のご相談をいただいており、その実績と経験からそれぞれのお客様にあった適切なアドバイスを無料で提供しております。リフォームで詐欺被害に遭う方、悩む方をなくしたく始めたサービスです。外壁塗装で不安なことが一つでもあれば遠慮なくご連絡ください。

良い外壁塗装選びは住まいの適切な相場を理解することから始まります。外壁塗装駆け込み寺では電話番号と延べ床面積を入力するだけであなたの街の外壁塗装のリフォーム相場を適正診断いたします。お手元に見積書があればそれも適正か診断します。

あなたの街の相場を適正診断!