外壁塗装で模様を潰さないでキレイに塗装するには?

外壁塗装の一番の目的は、家の構造内部に水が入らないようにして外壁を劣化させないよう保護することですが、新築時の美しい模様を蘇らせて美観を向上させることも大切な目的です。

このページでは、

  • レンガ風やタイル風のパネルを外壁に貼り合わせて作るサイディングボード外壁
  • コテなどを駆使して職人が作る模様仕上げ外壁

など、外壁の模様について解説します。

■サイディングボードの模様

現在は、工場で製造したパネルを家の周りに張り合わせるサイディングボードによる外壁が定番になっており、特に新築では窯業系サイディングボード仕上げが人気です。

 

サイディングボードは従来のモルタル工法に比べると、工場で作成したパネルを現場ではめるだけなので工事日数が短くなり、その分、人件費や足場レンタル費用などコストもかからず、ストライプ、レンガ風、スタッコ風など様々な模様から選べるという複数のメリットがあります。

参考:サイディングボードのメンテナンス、ひび割れ等の補修方法

1.サイディングボードの模様を潰さないクリヤー塗装

サイディングボードを住宅に使用する場合、

  • レンガ調
  • 石材調
  • ストライプ柄
  • 砂壁状

などさまざまな模様を選ぶことができますが、どの模様のサイディングボードを選んだとしても、紫外線や雨風に晒されると徐々に色あせてしまいますので、定期的に塗装を行う必要があります。

仮にこの画像のようなサイディングボードに塗装を行う場合、ブロックの隙間部分の色(灰色)で全体を塗ったあと、三色の各ブロックを元の色でそれぞれ塗りわけていく必要があります。

 

外壁の一部分だけ上記のようのなレンガ調の模様であれば、塗る面積が少ないのでそこまで手間はかからず塗装できますが、外壁全体がレンガ調のサイディングボードだった場合、建物全体を塗り終わるまで塗装工程だけで何週間もかける必要があり、莫大な工事費用になってしまいます。

 

そのような長期間の工事を避けるため、模様が多いサイディングボードの塗装では、無色透明のクリヤー塗料(クリアー塗料)を使用することで、サイディングボードの模様を潰さずに塗装をすることができます。

このクリヤー塗料が、色のついた通常の塗料と同じように外壁上で保護層を作り出し、雨、風、ゴミ、汚れ、紫外線などから外壁を守ってくれるのです。

参考:クリヤー塗料を使った外壁塗装のメリット、デメリット

2.クリヤー塗料を使った塗装の注意点

無色のクリヤー塗料は、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料などの顔料入りの塗料による塗装とは塗る回数や施主が知っておくべき注意点などが異なります。

●クリヤー塗料も含まれる樹脂で耐久性が異なる

クリヤー塗料は主成分となる樹脂のグレードが高いほど耐久性が高くなるという、色がついた塗料と同様の特徴を持ちます。

 

  1. アクリル樹脂クリヤー塗料
  2. ウレタン樹脂クリヤー塗料
  3. シリコン樹脂クリヤー塗料
  4. フッ素樹脂クリヤー塗料

アクリル樹脂塗料が最も性能が低く、フッ素樹脂のクリヤー塗料が最も性能が高い上に施工価格も高額です。

どのクリヤー塗料を選ぶべきかは、色がついた通常の塗料と同じように、

  • 次の外壁塗装はいつ行う予定か
  • 屋根の塗装にはどのグレードの塗料を使うか

などを外壁塗装業者と相談しながら決めるようにしましょう。

クリヤー塗料が得意な地元業者を探す場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

●クリヤー塗料は模様だけでなく劣化も残す

無色のクリヤー塗料はサイディングボードの模様を潰さずに外壁の塗装をおこなうことができますが、劣化して色あせてしまったサイディングボードにクリヤー塗料を塗ると、色あせた部分は色あせたまま表面に透けて見えてしまいます。

 

色あせたサイディングボードの外壁を元のきれいな塗装の状態にしたい場合、先述した一つ一つの模様を丁寧に手塗りで再現するという手間のかかる方法で塗装するか、サイディングボードのパネル自体を交換する必要があります。

外壁の模様を残したいけど劣化してしまった部分まで残ってしまうという状況を作らないためにも、外壁が劣化して色あせてしまう前にクリヤー塗料を塗り替えておくことが大切です。

 

新築後は、約4~5年目にクリヤー塗料に寄る塗り替えを済ませれば、サイディングボードの色あせや汚れなどの劣化現象が起きる前に表面を保護することができます。

参考:クリヤー塗料を使った外壁塗装のメリット、デメリット

■モルタル壁の模様

施工現場でセメントなどの材料を混ぜて塗るモルタル外壁は、何もせずにそのまま外壁に塗っただけでは何の模様もない外壁になってしまいますので、仕上げの段階で様々な模様をつけることで味のある外壁にすることができます。

 

手塗りのモルタル壁は、サイディングボードと違って手作業でしか生まれない趣のある模様を施せますが、職人の技術によって仕上がりが大きく左右されるというリスクもあるため、優秀な外壁塗装業者に依頼することが非常に重要です。

モルタル壁の施工が得意な優良外壁塗装業者を探したい場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

1.モルタル外壁には沢山の模様がある

モルタル壁の模様には、見た目の違いだけでなく耐久性や使用する素材にも違いがあり、ご自宅のモルタル壁がどの模様かで塗装時に注意すべきポイントも変わってきますので、それぞれの模様のメリット・デメリットを知っておきましょう。

ここでは簡単に各模様を紹介していますが、詳しくお知りになりたい場合は、モルタル外壁の特徴と、外壁塗装を行うときのポイントの記事をご覧ください。

  • リシン仕上げ
    リシン仕上げはモルタル壁の代表的な模様で、細かな砂利や砂などを骨材にした塗料を、機械で壁にスプレーのように吹き付けて作る
  • スタッコ仕上げ
    スタッコ仕上げは、見た目はリシン仕上げに少し似ているが、吹き付け後の厚さが5~10mmほどあるためリシン仕上げよりも凹凸が大きく、立体的な模様
  • 吹きつけタイル仕上げ(ボンタイル仕上げ)
    吹きつけタイル仕上げはリシンやスタッコと同じ、機械で吹き付けて作る模様
  • ゆず肌仕上げ
    専用のガンやローラーを使って職人の手で作られるゆずの皮のような模様
  • 左官仕上げ
    職人がコテや砂骨ローラー、くしなどを使って作る様々な模様の総称。定義が曖昧な模様も含まれるため、写真などを見ながら綿密に業者と打ち合わせる必要がある

家のモルタル壁の模様がなんなのかよくわからない方や、失敗せずに高品質な模様の外壁塗装を依頼したい方は、外壁塗装駆け込み寺にご相談下さい。

■美しい模様と高い耐久性の外壁塗装をしてもらうためには

サイディング壁、モルタル壁のどちらの場合の外壁塗装も、単に模様がキレイなだけでは不十分であり、建物を守れるほど丈夫であることが重要です。

 

外壁の模様が綺麗であっても、すぐに剥がれ、ひび割れなどの施工不良が生じてしまっては元も子もないので、美しい模様でありながら、耐久性も備えた塗装を行うためのポイントを知っておきましょう。

1.外壁塗装業者に依頼する前に希望する模様の塗装実績の写真を見せてもらう

前述したように外壁には非常に多種多様な模様があり、特に手作業で作られるモルタル壁は、担当した職人の技術で仕上げの品質や模様の美しさが大きく左右されるので、優秀な職人を持つ外壁塗装業者を選ぶことが重要です。

サイディングボード外壁の塗り替えでも、既存の模様を上から一色の塗料で塗りつぶしてしまうような業者は避けましょう。

 

優秀な外壁塗装業者を見つけるためには、依頼を検討している業者が過去に施工した物件の写真から、希望している模様の塗装に関する技術力をチェックすることが重要です。

模様を強調した塗装の施工実績の写真を見せてもらうことができれば、模様を含めた家全体のイメージをすぐに掴むことができます。

それでも優秀な外壁塗装業者であるか判断に迷う場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

2.基本的な外壁塗装の工程を守れば模様は潰れない

外壁塗装工事では、各工程において必ず守るべき基本のルールがあり、これらのルールは外壁塗装工事の経験がない一般人が知らないものばかりですが、各工程の基本のルールをきちんと遵守する外壁塗装業者であれば、外壁の模様を潰さない塗装方法ももちろん把握しているのです。

●丁寧な下地処理をすれば模様を保てる

塗装前の外壁には、太陽からの紫外線や雨などのダメージが蓄積されているため、剥がれ、色あせ、ひび割れ、チョーキング現象といった様々な劣化が生じています。

これらの劣化を残したまま塗装をしても塗膜が外壁に密着できず、すぐに施工不良を起こしてしまうため、美しい模様が台無しになってしまいます。

 

塗装して塗料をしっかりと外壁に密着させるために、外壁塗装工事では下地処理という工程を行い劣化を補修します。

参考:下地処理の外壁塗装費用と相場

 

そのほか、鉄部の錆びを落とす「ケレン作業」や、ひび割れを補修する「クラック処理」「シール工法」「Vカット工法」なども下地処理の工程ですので、見積もりの中に記載されていることをチェックしておきましょう。

 

また、元から模様がある外壁では補修した部分と元の塗膜面の模様を合わせる「肌合わせ」と呼ばれる作業が行われます。

例えば、リシンやスタッコなどデコボコ状パターンの外壁でひび割れを補修したとき、割れ目だけ平らだと目立ってしまいますので、肌合わせをして周りと同じような凹凸を再現するのです。

●3度塗りで模様が長持ちする

外壁塗装工事は、下塗り、中塗り、上塗りという3度塗りが原則として行われ、それぞれの塗りには重要な意味があります。

 

最初の下塗りでは、中塗りと上塗りで使用する「仕上げ用塗料」が外壁にしっかり密着するように、外壁や屋根の劣化状態や素材に応じた専用の下塗り用塗料(下地材)を塗装します。

中塗りと上塗りでは仕上げ用塗料が使われ、下塗りと合わせて三層で塗装を仕上げることで塗膜に耐久性と美観を持たせられるようになります。

参考:外壁塗装は三度塗りが基本!手抜き工事を防ぐためには?

 

ちなみにサイディングボードのトップコートに使われるクリヤー塗料は、2度塗りのみで施工が可能な塗料もありますので、見積書の塗装回数が3回ではなく2回であったとしても問題ありません。

ただし、塗る回数が正しくても良い外壁塗装業者とは限りませんので、少しでも業者選びに不安を感じられた場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

■おわりに

サイディング壁もモルタル壁も、外壁の美しい模様を維持するためには、劣化症状が現れた時点での塗装が重要です。

そして美しい模様を塗装で蘇らせるためには、基本の工程を怠らずしっかり施工してくれる優良業者を選ばなければなりません。

 

いろいろな外壁塗装業者と話し合い、過去の施工事例からお住まいの状態や完成イメージに近い写真を見つけ、職人と仕上がりの状態をよく打ち合わせましょう。

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