フッ素塗料の外壁塗装費用と相場

フッ素塗料は、外壁塗装で使用する塗料の中でも最もグレードが高い塗料です。高性能な塗料のため費用相場も高くなりますが、建物の耐久性を高めるという意味では選ぶ価値は大いにあると言えるでしょう。

 

誤った塗料選びや業者選びでせっかくのフッ素塗料を無駄にしないためにも、フッ素塗料の相場や特徴、業者から見積もりを取る前に知っておきたい注意点などを理解しておきましょう。

■フッ素塗料の特徴

フッ素塗料のグレードが高い理由は、他の塗料にはないその優れた性能にあります。

塗料における優れた性能とは何なのかを理解しておきましょう。

1. 最もグレードが高い上位塗料

塗料には5段階のグレードが存在します。

塗料のグレード 耐用年数
アクリル塗料 5~8年
ウレタン塗料 8~10年
シリコン塗料 10~15年
ラジカル塗料 12~16年
フッ素塗料 15~20年

最もグレードが高いフッ素塗料は、どの塗料よりも耐用年数が長く高性能です。

 

フッ素塗料などのグレードが高い塗料を選んでおくと、耐久性が高くなって外壁や屋根が丈夫になるだけでなく、長い目で見たときにもメリットを受けられるようになります。

フッ素塗料の耐久性の秘密や、耐用年数が長いことによるメリットについて、以下から詳しく見ていきましょう。

2.紫外線に耐え抜く高耐久塗料

紫外線や気温の変化、雨や水蒸気、空気に触れることによる酸化といった、屋外の環境が原因で発生するダメージに耐える力のことを「耐候性(たいこうせい)」と呼びます。

フッ素塗料は塗料の中でも特に耐候性が特に高い塗料です。

 

外壁や屋根を最も傷めるものは、太陽光に含まれる「紫外線」です。

長期間屋外で紫外線を浴び続けた塗膜は、次第に成分が破壊されて行き、外壁を保護する能力を失ってしまいます。

すると、塗料の色あせが起きたり、塗料に含まれる顔料が粉になって外壁に付着する「チョーキング現象」が起きたりします。

 

フッ素塗料は耐候性が非常に高いため紫外線のダメージが蓄積されにくく、他の塗料に比べて長期間、外壁や屋根を守り続けることができます。

●チョーキング現象は塗替えのサイン

チョーキング現象は、塗替えのサインとも言われるほど顕著な劣化症状です。

顔料が粉になってしまうレベルということは、塗料の強度が低下しており、防水性や撥水性、耐候性などが低下していることを意味するためです。

ご自宅の外壁でチョーキング現象が起きているかどうかは、表面を手で触れるだけで確認することができます。

外壁と同じ色の粉が付着するようになったら、外壁と屋根の塗り替えを検討した方が良いでしょう。

3.耐久性が長持ちするので高層建築物にも使われている

耐久性が高いフッ素樹脂は、高層ビルやマンションのほか、六本木ヒルズやスカイツリーといった有名な公共建築物の保護材にも使用されています。

 

このような大きな建物でフッ素樹脂系塗料が使われるのは、耐久性が高いこと以外にも理由があります。

大きな建物は足場設置や養生、安全対策にかかる費用も戸建住宅の倍以上かかります。

また、一度工事を始めてしまうと工事は長期間に及び、工事期間中は建物の使用も一部制限されてしまう恐れがあります。

耐久年数が非常に長いフッ素塗料で一度塗装していれば、次の塗替えまでの期間も長くなり塗替えの回数を減らすことが可能です。

工事の発生回数も減るため、諸費用を何度も発生させずに済ませることができます。

●戸建て住宅でもフッ素塗料で塗装回数を減らせる

大型建築物だけでなく一般の戸建て住宅でも、フッ素塗料は家に欠けるメンテナンス費用を減らしてくれます。

確かに、フッ素塗料よりも価格が安い塗料を選べば一回の工事費用は安くなりますが、耐用年数が短いため結局数年後に再塗装が必要になってしまいます。

しかし、フッ素塗料で塗装しておくと、ウレタン塗料やシリコン塗料に比べて約1.5~2倍塗装が長持ちします。

そのため、足場や養生にかかる諸費用が節約でき、結果的にフッ素塗料で塗装した方がウレタンやシリコンなどの価格が安い塗料よりも安く済むと考えられます。

■フッ素塗料の坪数別・塗装費用相場

ここでは、建物の坪数別にフッ素塗料の塗装費用相場をご紹介します。

※価格は足場代、高圧洗浄代、養生代、下地調整代も含む総額です。

※屋根塗装の費用は含みません。

坪数 フッ素塗料の塗装費用相場(円)
~10坪 ~37万
11~20坪 40.7万~74万
21~30坪 77.7~111万
31~40坪 114.7~148万
41~50坪 151.7~185万
51~60坪 188.7~222万
61~70坪 225.7~259万
71~80坪 262.7~296万
81~90坪 299.7~333万
91~100坪 336.7~370万
101~110坪 373.7~407万
111~120坪 410.7~444万
121~130坪 447.7~481万
131~140坪 484.7~518万
141~150坪 521.7~555万
151坪~ 558.7万~

■フッ素塗料で見積もりを取るときのポイント

フッ素塗料は優れた効果を持つ塗料ですが、見積もりを取るときに注意しておきたいポイントがいくつか存在します。

塗料自体の価格が高いという点も重要ですが、そこから派生する様々な注意点について知っておきましょう。

1.予算は120~150万円以上用意しておくこと

フッ素塗料の施工費用は、30~40坪くらいの平均的な大きさの戸建て住宅でも100万円を超えます。

 

外壁塗装で使われることが多いシリコン塗料であれば、建物の劣化具合にもよりますが、予算90万円以内に収めることも可能です。

しかしフッ素塗料はほぼ確実に100万円を超えると考えておいた方がよいでしょう。

さきほどの施工価格相場を見ても、30~40坪の住宅をフッ素塗料で塗装すると120~150万円はかかります。

 

業者から「高性能ですよ」「フッ素塗料で塗装しておけば大丈夫ですよ」と勧められただけで決めてしまわず、それだけの費用をかけてでも外壁を長持ちさせたいとご自身が納得したうえで選ぶことをおすすめします。

2.ひび割れしやすい箇所への施工に注意

モルタルの壁は乾燥によって収縮するため、表面にひび割れができやすいという性質を持っています。

 

フッ素塗料は、外壁の表面で強固な膜となって紫外線や雨などから建物を守りますが、乾燥収縮するモルタル壁に塗装すると、硬い塗膜が下地の影響を受けて割れてしまうことがあります。

ひび割れが起きる可能性は、フッ素だけでなくどの塗料にもあることですが、シリコン系塗料やフッ素系など、ある程度耐久性が高い塗料は塗膜が固いため割れる確率が特に高くなります。

 

ウレタン塗料などは柔らかい性質を持つ塗料ですのでやや割れにくく、乾燥収縮する素材に適していると言われます。

しかし、それでも確実に割れないわけではありません。

●ひび割れしやすい外壁におすすめの塗料は?

モルタル壁などひび割れが起きやすい外壁には、弾性塗料を使って塗装します。

 

塗料の中には「弾性」という機能を持つ種類があります。

弾性とはゴムのように伸び縮みする力を持つ塗料のことで、ひび割れが起きても伸縮するため割れにくく、もし割れても塗料自体が伸びて割れ目をカバーするので、外壁の防水性を損ねることがありません。

 

弾性塗料にもシリコンやフッ素などのグレードがあり、弾性タイプのフッ素塗料にはエスケー化研の『水性弾性セラタイトF』や、日本ペイントの『高弾性ファイン4Fセラミック』などがあります。

 

だたし弾性塗料はサイディング壁に使用すると熱を帯びて劣化してしまうので、サイディング壁のひび割れ防止には使用できません。

3.施工技術が確かな業者を選ぶこと

外壁塗装を成功させるためには良い業者を選んだ方がよいのは当然のことですが、施工費用が高いフッ素塗料となれば、その重要性はより強いものになります。

 

どんな塗料でも、建物の劣化症状や外壁の素材に合わせて選ばなければ効果を発揮できません。

また、ひび割れやカビ、錆びなどの劣化を処理せず塗装しても、塗料が強固な塗膜を形成できずすぐに剥がれや気泡ができて劣化してしまいます。

つまり外壁塗装の優良業者とは、きれいにムラなく塗装する技術だけでなく、建物の症状に合った塗料選びや下地調整の技術も持っている業者のことなのです。

 

万が一、手抜き業者や悪徳業者にフッ素塗料施工を頼んでしまうと、高額な費用だけ請求されて質の悪い塗装になってしまうでしょう。

●フッ素塗料の施工経験が確かな業者を選ぶ方法

高額なフッ素塗料の施工で失敗したくないという方は、気になっている業者の過去の施工事例を調べてみましょう。

フッ素塗料の施工に長けている業者は、過去にいくつもの家をフッ素塗料で施工しています。

ホームページに施工事例を掲載している業者であれば、実際にフッ素塗料で家を塗装している写真も載せているかもしれません。

もし事例や写真を見つけられないときは、業者に相談すればフッ素塗料の施工事例を用意してもらうことができます。

あるいは、その業者がフッ素塗料を使うときに気を付けている点を教えてくれたり、塗装して数年経った家の状態を見せてくれたりすることもあるでしょう。

4.フッ素配合量が少ないフッ素塗料に注意

フッ素塗料の中には、フッ素がほんの少ししか配合されていないのに「フッ素塗料」として販売されているものもあります。

 

日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研の大手三社から販売されているフッ素塗料であれば、ほぼ間違いなくフッ素がメインで配合されていると考えてよいでしょう。

その他の有名どころでは、AGCコーテックや水谷ペイント、大日本塗料などでも品質に定評のあるフッ素塗料が販売されています。

 

しかし、上記以外の塗料メーカーから販売されているフッ素塗料や、塗装業者オリジナルのフッ素塗料を選ぶときはくれぐれも注意が必要です。

塗装業者から、あまり見たことがないメーカーのフッ素塗料を提案されたときは、商品名をインターネットで検索し、製造しているメーカーの評判や相場価格を調べておきましょう。

ひどいケースでは、市販のシリコン塗料に業者が作ったラベルシールを貼って、業者オリジナルのフッ素塗料と偽っていることもあります。

塗料選びに自信がないときは、正体がわからないオリジナル塗料は避けておく方が賢明です。

■おわりに

フッ素塗料は塗料の中でも特に施工費用の相場が高いものになります。

高額な工事になりますので、低品質な塗装を行う業者には絶対に任せられません。

見積もりを依頼するときは、業者の技術や評判を比較するだけでなく、見積もりに記載されているフッ素塗料のメーカーや商品名までよくチェックしましょう。

 

本当にフッ素塗料を使用すべきかどうか、フッ素塗料の特徴や選ぶときの注意点を知って、よく検討することが大切です。

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