ラジカル塗料の特徴やメリット・デメリットとは?

最新塗料の「ラジカル塗料」が開発されたことによって、ますます外壁塗装の塗料選びは頭を悩ませる問題となりました。

 

これまで外壁塗装で使われてきた、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料と、ラジカル塗料にはどのような違いがあるのでしょうか?

 

特徴や効果を知らずに、業者さんに勧められるままに選んで後悔しないように、ラジカル塗料の特徴や価格帯、販売している主なメーカーなどを知っておきましょう。

■ラジカル塗料は塗料の新しいグレード

ラジカル塗料は、2010年代に販売されたばかりの新しい塗料です。

 

これまで外壁・屋根塗装に使われていた、シリコン塗料やフッ素塗料のデメリットを補う次世代塗料として、外壁塗装業者でも徐々に取り扱いを始める所が増えてきました。

 

1.塗料のグレードが5段階に

ラジカル塗料が登場するまでは、塗料のグレードは4段階に分かれていました。

 

4段階の塗料をグレード順に表すと、

アクリル樹脂塗料<ウレタン樹脂塗料<シリコン樹脂塗料<フッ素樹脂塗料

となります。

 

ラジカル塗料のグレードは、上記のシリコン塗料とフッ素塗料の中間に位置します。

 

近年では、ラジカル塗料を加えて、5段階で塗料のグレードが表されるようになりました。

 

2.ラジカル塗料を販売するメーカー

国内の塗料メーカーの中でも、

  • エスケー化研
  • 日本ペイント
  • 関西ペイント

の3社は、「三大塗料メーカー」として知られています。

 

上記のメーカーでもラジカル塗料は販売されていますが、いずれも商品名に「ラジカル」と記載されているわけではないので、メーカーごとの、ラジカル塗料の名称を覚えておくとよいでしょう。

 

●エスケー化研「エスケープレミアムシリコン」

エスケー化研のラジカル塗料「エスケープレミアムシリコン」は、上塗り用の水性ラジカル塗料です。

 

下塗り作業では、外壁材の種類に応じて、エスケー化研の下塗り塗料を使い分けることもできます。

 

プレミアムシリコンを使うと、非常に艶のある仕上がりになりますが、艶あり・半艶・3分艶の3タイプから、光沢具合を調整することも可能です。

 

施工価格は、塗装費用のみで、㎡あたり約2,000~2,800円程度となっています。

 

●日本ペイント「ニッペパーフェクトトップ」

水性ラジカル塗料の中でも、特に人気を集めているのが、日本ペイントのパーフェクトトップです。

 

なお、商品名の「ニッペ」とは、社名の日本ペイントを略したものです。

 

パーフェクトトップには、下塗り用と上塗り用や、屋根用などのシリーズがあり、下塗りも上塗りもラジカル塗料で揃えることで、より塗料の性能を高めることができます。

 

また、塗装する外壁材に適した下塗り用のパーフェクトトップを選ぶことによって、どのような外壁材でもラジカル塗料の施工が可能になるというメリットもあります。

 

塗装費用のみの施工価格は、㎡あたり約2,800~3,000円が相場となっています。

参考:ラジカル塗料ニッペパーフェクトトップは良い?価格、評価

●関西ペイント「アレスダイナミックTOP」

アレスダイナミックTOPは、水性タイプのラジカル塗料で、メーカーカタログでは「ハルスハイリッチシリコン樹脂塗料」と記載されています。

 

「ハルス(HALS)」とは、紫外線による劣化を制御する役割を担う、安定剤のことです。

この安定剤は、正式には「光安定剤」と呼ばれます。

 

「アレスダイナミックTOP」は、安定剤のハルスをただ塗料に混ぜるだけではなく、樹脂と一体化させています。

そのため、より劣化成分をキャッチしやすい構造になっており、劣化を制御する力と相まって、非常に強力な塗膜を作ることができます。

 

施工の際は、アレスダイナミックTOP用の下地材(フィラーなど)が使われ、㎡あたり約2,500~3,000円を費用相場と考えておくとよいでしょう。

 

■ラジカル塗料の成分

ラジカル塗料は、フッ素塗料やウレタン塗料と違って、主成分が塗料名に記載されていない塗料です。

 

以下からは、ラジカル塗料の成分と、ラジカルと呼ばれている理由について解説します。

 

1.ラジカルは塗料を劣化させる存在

塗料は、顔料で色づけされていますが、この顔料が、紫外線や雨水によるダメージで劣化すると、顔料に含まれる「酸化チタン」から、ラジカルという劣化因子が発生するようになります。

 

このラジカルは、塗料の樹脂そのものを破壊してしまうため、発生したラジカルをキャッチし、力を抑えることができれば、塗料はより長持ちすることができます。

 

つまりラジカル塗料とは、「ラジカル」を補足し、抑制する力に特化した、ラジカル制御型塗料のことです。

 

2.ラジカルを生まないしくみ

ラジカル制御のしくみは、各メーカーによって異なりますが、基本的には、

  • ラジカルを発生させないしくみ
  • ラジカルを封じ込めるしくみ

のふたつが加わって、ラジカルを制御しています。

 

例えば、日本ペイントのパーフェクトトップでは、光安定剤がラジカルをキャッチし、キャッチしたラジカルを、高耐候酸化チタンが封じ込めることによって、ラジカルを制御するように機能します。

 

■ラジカル塗料のメリット

ラジカル塗料が注目されている最も大きな理由が、リーズナブルかつ、耐久性にも優れている点です。

 

加えて、施工性も高く作業部位を選ばないことから、依頼側・施工側ともにメリットの多い塗料となっています。

 

1.コストパフォーマンスが高い

現在、外壁塗装で最も広く普及しているのは、シリコン塗料です。

 

シリコン塗料は、耐久性はフッ素塗料には劣るものの、施工価格がフッ素塗料の3~5割ほど安く、塗料としての性能も十分備えている、人気塗料となっています。

 

そのシリコン塗料とほぼ同じ施工価格でありながら、フッ素塗料に引けを取らない性能を持っているという点が、ラジカル塗料の魅力のひとつです。

 

●シリコン・ラジカル・フッ素の違い

ラジカル塗料の耐用年数と㎡あたりの施工単価を、現在も定番塗料として使われているシリコン塗料と、最高位グレードのフッ素塗料で比較してみましょう。

 

  • シリコン塗料…約10~12年、㎡あたり約2,000~3,000円
  • ラジカル塗料…約14~16年、㎡あたり約2,800~3,300円
  • フッ素塗料…約15~20年、㎡あたり約3,500~5,500円

 

ご覧の通り、ラジカル塗料は、フッ素塗料の耐久性と、シリコン塗料のリーズナブルさの、両方を併せ持っています。

 

2.塗装する場所を選ばない

ラジカル塗料は、ノビがよく密着性にも優れた、作業性が非常に高い塗料です。

 

滑らかにのびて素材にしっかり密着するため、形が複雑で入り組んだ外壁や屋根でも、比較的スムーズに塗装できます。

 

また、外壁材ごとに適した下地材を選べば、窯業系サイディングはもちろん、ガルバリウムなどの金属系の外壁材や、モルタルやコンクリートなど、種類を問わず塗装が行えます。

 

3.非常に優れた耐候性

ラジカル塗料は、塗膜の内側から劣化を防ごうとする塗料です。

 

従来の塗料は、塗膜面の保護力で紫外線や雨水をブロックすることに特化していましたが、ラジカル塗料には、塗膜の力に加えて、内部の制御システムも加わっていますので、ダブルの力で紫外線のダメージを防ぐことができます。

 

■ラジカル塗料のデメリット

いまだシリコン塗料が第一線の外壁塗装業界では、ラジカル塗料はそのメリットにもかかわらず、名前を知らないという人も少なくありません。

 

知名度の低さは、決して塗料の性能には影響しませんが、施工事例が少なく、実際に使われている様子が想像できない点は、やり直しがきかない外壁塗装において、非常に大きなハンデであると言わざるを得ません。

 

1.知名度が低いラジカル塗料

外壁塗装業者さんは、ホームぺージやチラシで、取り扱い可能な塗料の種類を記載してくれています。

 

ところが、その一覧に、ラジカル塗料の名前を挙げている業者さんはほんの一部です。

 

もちろん、客からのリクエストがあれば、ラジカル塗料を用意してくれる業者さんもありますが、取り扱った経験すらないという業者さんの場合は、断られてしまう恐れがあるでしょう。

 

2.施工事例が少ない

家電や消耗品を選ぶときを想像してみるとわかりやすいのですが、どんなに高性能ですばらしい効果が宣伝されている商品でも、実際に使った人のクチコミで「期待はずれだった」と書かれていれば、購入をためらってしまいます。

 

一方、あまり期待していなかった商品が、クチコミで大量の高評価を獲得していれば、使ってみようかなという気持ちになるでしょう。

 

このように、クチコミや実際に使った人のレビューが、購入を決めるきっかけになる点は、外壁塗装用の塗料においても同様です。

 

ラジカル塗料の最大のデメリットは、発売したばかりで施工事例が少ないため、実際に使用した人の感想がわかりにくい点と言えるでしょう。

 

●データが少ないと効果を確認できない

外壁塗装は、10~15年に1度の周期で行われる傾向にあります。

 

シリコン塗料、ラジカル塗料、フッ素塗料など、10年以上前から使われてきた塗料は、10年経過時点の塗料のようすを、様々なデータから検証することができます。

 

しかし、ラジカル塗料は、2010年代に登場したばかりの塗料ですので、2017年現在において、10年以上経過した事例はほんの一握りです。

 

●塗料の効果は10年経つまでわからない

外壁・屋根用の塗料は、基本的に10年近く効果が持続すると考えられていますが、塗料の耐久性は、気候や日当たり、建物の立地、職人の技術力などによっても変わってきます。

 

耐久性に優れたシリコン塗料やフッ素塗料でも、10年以内に劣化してしまうケースが存在しますが、そのような場所では、工法や塗料選びを工夫して、対策を立てることができます。

 

しかし、ラジカル塗料は10年以上経過したデータが少ないため、本当に効果が得られるか、実際に10年経過するまでわかりません。

 

そのため、「効果がわからないものをお客さんに勧められない」という理由で、ラジカル塗料の使用に不安感を持つ業者さんもいるようです。

 

■おわりに

ラジカル塗料は、シリコン塗料とほぼ同価格で、フッ素塗料に劣らない耐久力を持つ塗料ですが、発売して間もない塗料ということで、施工事例も多くはありません。

 

不安なときは、ラジカル塗料の取り扱いに長けた業者さんに、直近の施工事例を質問するなどして、少しでも実際の使用データを集めてみるとよいでしょう。

 

集めたデータから、シリコン塗料やフッ素塗料など、これまで一般的に使われ続けてきた塗料と比較して、ラジカル塗料の効果や耐用年数、施工価格に自分自身で納得できれば、満足のいく外壁塗装リフォームとなるでしょう。

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