外壁塗装の施工例を見る時に知っておきたい注意点とは

外壁塗装リフォーム工事では、ホームページや業者さんの営業の時などに実際に施工した実例、料金例などの例を見る機会があり、その業者を信用するかどうかの材料として、例を見る方も多いかと思いますが、実は外壁塗装工事の例を偽装することはとても容易く、例を偽装している悪質な塗装業者もたくさんいます。

もちろん、評判を上げるために良い例しか載せないなど、多少の誇張は問題ない範囲もあるかもしれませんが、許容範囲を超えている虚偽の例も多数あります。

■外壁塗装の例は信用できない場合も多い

今の外壁塗装業界は、「営業マンが契約してくれそうな家を探し、飛び込み営業を行う」などの訪問販売形式は少なくなってきており、「ホームページや広告などを見てもらい、そこで自社の良さをアピールして契約に繋ぐ」という手法が多くなっています。

その他は、実際に外壁塗装を行った知人、友人、親戚などから良かった外壁塗装業者を聞いて施工をお願いする口コミ紹介、外壁塗装駆け込み寺などの集客専門の紹介業者、一括見積もりサイトを使用する場合も多いです。

悪徳業者は工事がずさんであることが多く、もちろん口コミによる紹介で顧客を獲得できませんが、これらの悪徳業者が行える営業方法は、

  • お金さえ出せば消費者にいい印象をいくらでも与えられる「広告」
  • トークが上手い営業マンを派遣すれば契約を獲得できる「訪問販売」

に限られます。

ただし、今はインターネットが非常に普及しており、外壁塗装で本来騙されてきたような高齢者の方もインターネットを活用する時代になっていますので、その外壁塗装業者がもし悪徳業者であれば業者名をネットで調べるだけですぐにその業者がどんな業者なのか分かってしまいます。

■例を見るときの注意点

今はパソコンの画像編集ソフト「Photoshop(フォトショップ)」などの画像編集ソフトが非常に安価で入手しやすくなっており、操作方法さえわかれば素人でも画像の編集が簡単にでき、施工例の写真なども簡単に偽装できてしまうため信用しすぎないほうが無難です。

また、施工例として掲載されている家も、インターネットから無料でダウンロードできる画像素材の可能性もあり、実際にその家に人が住んで暮らしているかまでは写真だけでは調べられません。

どのような悪徳業者のホームページであっても必ず写真の例はあり、建物のビフォーアフターの写真があるのは今は当たり前になっており、例にも質を求める必要があるのです。

1.施工価格が書かれていない

施工例のビフォーアフター例の写真だけをやたらと並べ続けているサイトやチラシが多く存在していますが、その施工費用(その外壁工事にいくらかかったのか)も合わせて載せておかないと写真の信憑性はあまりありません。

なぜなら、その写真が本当に施工した結果であっても、きちんと適正価格で工事を行ってもらえるか、上塗りが2回必要なのに1回しか行っていないなどの手抜き工事を行っていないかなどの証明にはならないからです。

外壁塗装工事の仕上がりは、工事完了後に塗装後の壁を目視しただけではプロの塗装職人でもどのような工事が行われたかまでは予測できないほどなので、ホームページに載っている写真だけでは、その工事が適正価格、適正工事であったかどうかなど誰にも分からないのです。

しかし、写真に施工価格も記載されていれば、常識的な施工価格で工事が行われたかどうかは少なくとも判断できますし、ご自宅と同じような大きさの家が施工例に使われていれば「うちの外壁塗装工事もこのくらいの予算がかかるかもしれない」と予算を大まかに予測することもできます。

ただし、施工価格が書かれていて、かつその金額が相場の範囲内だったとしても、もちろん手抜き工事が行われないという保証にはなりませんので、施工例はあくまで塗装業者を厳選する一つの指標と考えておきましょう。

2.写真がなくアンケートのみなど、文字だけの施工例

施工例であるにも関わらず、写真がなく、感想文やアンケートのみ、といった文字だけで掲載されている事例は画像と違って後から誰でも創作することができるのでないものと同じとお考えください。

「アンケート用紙を撮影した直筆の文章だから大丈夫」と思っていても、筆跡を変えて第三者が書いている可能性もあり、顔も見たことがない人にお仕事を頼むことも可能なので、様々な方法で直筆のお客様アンケートを用意することは可能です。

 

家の写真は個人情報なのでホームページには載せてほしくないが、アンケートの文章だけなら構わないという方も多くいらっしゃいますが、良い業者さんに施工してもらった客はその業者に恩返しをしたい、集客のお手伝いをしてあげたいという思いから、写真掲載をOKする場合も多いです(もちろん写真掲載を許可した方には謝礼を支払っている業者もあります)。

業者側はすべての客から画像をもらえなくても、写真掲載を許可してくれた一部の客さえいれば施工例を持つことができるので、全員が写真なしのアンケートのみしかホームページに掲載されていない、というような業者さんは、善し悪しを判断出来る情報が少ないと言うことで施工をお願いする選択肢から外してしまっても良いでしょう。

3.写真があっても小さく画質が低いものでは意味がない

写真は文章と違って信憑性が高く、掲載されていない例に比べるとあった方が具体性は増しますが、どんな写真でもいいわけではありませんし、特に、非常に小さい画像があっただけではその業者の善し悪しを判断する材料にはなり得ません。

その証拠に、以下の2枚の画像をご覧ください。

これぐらいの小さいビフォーアフターの写真を貼っている業者さんがいますが、これぐらい小さく画質が低い画像であれば、フォトショップなどの画像編集ソフトを使えばどこが編集されたかわかりづらく、加工されていてもほとんどの人は気づかないため、これではその業者さんの良し悪しの判断はつかないのです。

今はデジタルカメラがなくてもスマートフォンなどで大きな写真(画素数が高い写真)を誰でも撮れるようになっていますので、デジタルに詳しくなくホームページも持っていない業者さんだとしても、ホームページに掲載できる程度の大きな写真の撮影はやろうと思えば可能なはずです。

外壁塗装駆け込み寺の加盟店で例を出させていただくと、ホームページに載っている例の写真はこれぐらいの大きさが良く、これぐらいの大きさであれば、かなりの手間をかけなければ偽装はほぼ不可能です。

これぐらい大きいと軒天、破風板、雨樋、庇、周りの塀などの細部まで塗装されている事が分かりますし、ホームページのレイアウトに余裕があれば、もっと大きい画像を掲載することも可能でしょう。

 

そうは言っても、機械関係に疎い業者であればデジカメのデータをパソコンに取り込む方法がわからなかったり、少数精鋭で現場を回しているので施工写真の保管に時間を割けなかったりする業者さんがいらっしゃることも事実です。

もしインターネット上に小さく見づらい施工例の画像しか掲載していない業者さんだったとしても、写真のみであれば自社で保管していることがありますので、もしその業者の施工例写真を見て実績を確認したいという場合は、直接業者の事務所を訪問して確認させてもらうと良いでしょう。

4.細部の写真がない、全体の写真しかない、施工中の写真がない

建物の一面の写真だけだと仕上がりの全体像が分かりづらく、一面だけなら画像編集ソフトで偽造をしても加工が目立ちませんので、ホームページやチラシに掲載されている事例の写真がビフォーアフターで一枚ずつしかない、というのは残念ながら信用には足らないと考えましょう。

もちろん悪気があって一面のみを載せている業者ばかりではありませんが、施工例の写真としては、できるだけ建物を違う角度から撮影した写真や、施工した外壁を接写した写真まで掲載している業者の方が信用度は高くなります。

特に鉄部や木部の塗装、軒天、屋根の破風板や鼻隠し、雨戸などの付帯部を設備ごとに接写して撮影している施工例写真があれば、その業者が付帯部までムラなく丁寧に塗装してくれる優良業者かどうかがわかりますし、天気が良く、光が反射するような写真ならさらに信用でき、業者さんがムラなく塗れているかどうかまで確認出来るでしょう。

また、出来れば塗装している工程途中の画像があった方が信頼出来ますし、その他、塗り職人や代表親方が笑顔で作業している写真があった方が尚良く、現場で作業を行う職人の仕事へのモチベーションが高いほどその業者さんの施工品質が高い傾向があります(もちろん施工中の写真のほとんどが真剣な顔つきではありますが)。

5.写真に関する説明がない・少ない

例を確認する際は、そのおうちの方とどういう経緯で契約にいたったのかなどが記載されているかどうかを確認しましょう。

塗装した外壁の材質がモルタルだったのか、金属サイディングや窯業系サイディングだったのか、下塗り用の塗料はシーラーやプライマー、フィラーなどのうち何が使われたのか、上塗り塗料はどのメーカーの何という商品を使って何回塗られたのかなど、塗装の工程に関する説明をきちんと記載している業者ほど丁寧で信頼性が高いと言えます。

もし塗装作業をすべて下請け業者や孫請け業者に丸投げしているような業者であれば、塗装の基本の作業内容もよく理解できておらず、施工例写真に詳細な説明を加えることができないからです。

なお、現場で使用した塗料の説明は、シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料などのランクや種類の記載に留めている業者もありますが、具体的に塗料メーカーと塗料名まで詳細に掲載している所もあり、後者の方が具体的な塗料名が分かるので相場を調べやすいです。

できれば、施工例写真やその写真に関する説明の他にも、実際にその現場用に作成した見積書も掲載し、「最初は特に機能がないシリコン塗料を希望されたが、外壁のコケに悩んでおられたので最終的に防藻タイプのシリコン塗料に変更され、高圧洗浄も通常の水洗いではなくバイオ洗浄を選択された」など、その価格になった経緯まで記載されているとなお良いでしょう。

6.ビフォーアフターの写真の角度が違う、天候が違う

なかなか現実的には難しいお話しですが、ビフォーアフターの写真で、天候が違うという事はよくあり、天候は人為的に変えることはできませんので、撮影日によって天候が違っても仕方がありませんが、色選びの過程でもお伝えした通り、色などの見え方は太陽の高さ、天気によって全く違って見えてしまいます。

ビフォーが明るい晴天の日で、アフターが曇天だった場合、アフターの方をビフォーと思ってしまうほど印象が変わってしまいますし、逆にビフォーが曇り空で、アフターが快晴だった場合、たいした工事じゃなくてもしっかりと工事した感じがしてしまいます。

天候はどうしようもないですが、出来ればビフォーとアフターの天候がそろっている方が明るさなどが合っていて、業者の力がわかりやすいです。

また、同様に、全く同じ角度というのは難しいですが、ビフォーとアフターの写真の角度が違う場合、変わった印象になってしまうので、参考にならない場合もあります。

光の当たり具合によって外壁の色味や艶は全く異なるため、天候が違う日に撮影すると、同じ建物でも全く別の家に見えてしまったというケースもあるほどなので、しっかりと見比べる場合は、角度や天候も同じぐらい写真でないと参考にはならない、とおぼえておきましょう。

しっかりと業者さんの力を見たい場合は、遠慮なくその家に連れて行ってもらって確認するのが一番良く、ホームページに掲載OKをしている方であれば、業者さんに外から軽く見るぐらいはOKをくれているかもしれませんので頼んでみましょう。

7.塗装直後の写真はあっても参考にならない

ここまで読み進めていただいたのに申し訳ないのですが、実は塗装直後の写真は、「きちんと工事をする事が出来る業者」という証明にはなりますが、優良業者である事の証明にはならないのです。

塗装工事業は許可証や資格がなくても営業できますので、会社をスタートさせること自体はできるのですが、肝心の塗装工事を行うためには、建物の周りに組む足場をレンタルしている会社と業務契約を交わし、業務用の高圧洗浄機を購入し、職人を集めて、現場を一棟分回せるだけの機材と人員を集めなくてはならず、写真はそういった機材や人員の有無に関しては誤魔化すことができてしまうのです。

実際にあった信じられない施工写真の例をお伝えすると、高圧洗浄機で壁に水を勢いよく噴射する施工例写真を掲載しておきながら、よく見ると吹付け塗装の際に使用するスプレーガンに水を入れて噴出していた画像で、高圧洗浄機から出ている水ではなかったというケースもあります。

専門家が見ると明らかにそれはスプレーガンなのですが、外壁塗装の工程を見たことがない人にとって、そのような違いに気づくことは難しく、そもそも外壁塗装工事で高圧洗浄が行われること自体ご存じないかもしれません。

 

結局の所、写真で判断出来るのは、一応は外壁塗装工事をする事が出来る業者であるという証明のみなので、どのような写真があろうと、会ってみて、話してみて良い業者かどうかを判断しましょう(判断に困った場合は外壁塗装駆け込み寺もお手伝いいたします)。

良い業者の探し方はこちらをご覧ください

■外壁塗装の事例はこのように載っていたら良い

ホームページやチラシ、DMに掲載されている事例写真は先述の通り判断がつきにくいため、100%信じるのはオススメ出来ませんが、あると良いという事例写真の条件を挙げてみました。

ご紹介している条件はいずれも、揃えるハードルが高いものばかりですので、すべてを満たしている業者はほとんどいないかもしれませんが、条件に当てはまる数が多いほど信頼できる塗装業者と言えますので、ホームページなどから業者の質を見極めるときの参考としてお役立てください。

1.塗装を行った作業員と施主が家の前で撮った写真

満足そうに笑みを浮かべる顧客と作業員が一緒に映っている写真があると信憑性が高いといえ、施工をした客がその業者の対応や施工品質に満足していなければ、絶対に撮影できない写真です。

もし工事中に施工不良が起きていたり、いい加減な対応ばかりで常に施主を不安にさせ続けたりしていれば、施主は業者との記念撮影を望むことはまずなく、ホームページへの掲載を許可するはずがありません。

 

ただし、知人や自社のスタッフに客のような恰好をさせているケースもありますので、100%信用できるわけではありませんし、写真撮影後に工事後の施工不良などが発覚する可能性もあります。

2.施工例の現場で実際に作られた見積書

外壁塗装工事の施工例に、その現場の見積書もセットで掲載している業者はあまり多くはないかもしれませんが、工事費用がいくらかかったかという点は、その業者への依頼を検討している方が最も知り合い部分であり、実際の見積書が掲載されていれば金額がわかるだけでなく、打ち合わせのイメージも掴みやすくなります。

金額と使った塗料のみを掲載している場合もありますが、それでもどのような塗料を使えばいくらぐらいの工事がしてもらえるのかという目安になるので良いでしょう。

3.直筆のアンケート画像

アンケートは、その業者が過去に施工した客からどれだけ信頼されているかを知るツールでもあり、写真と一緒に掲載されていればかなり信憑性は高いです(アンケートだけ、というのは先述の通り信憑性は高くありません)。

塗装業者のアンケートでは、

  • 作業員の対応
  • 作業時間の長さ
  • 説明のわかりやすさ
  • 工事を依頼した決め手

などがよく質問項目になっています。

 

ただし、アンケートは数枚だけでは信憑性に欠け、1枚や2枚だけであればスタッフが代筆して良い内容ばかり書かれた直筆のアンケートを捏造することも可能ですので、直筆のアンケートの画像は、筆跡が異なるものが写真付きで10枚以上はあった方が信頼できると考えておきましょう。

4.1年後、3年後、5年後、10年後と塗装済み家の時間が経った写真もある

よくあるビフォーアフターは塗装直後の写真ですが、塗装直後の家の写真というのはどのような工事であってもだいたいが新築のように綺麗に見えるものですが、手抜き工事や良くない工事の不具合が露見するのはほとんどが数ヶ月後から数年後となります。

5年後、10年後経っても塗膜の剥がれや目立った色あせなどが起きていなければ、その時に初めて「施工不良もなく長持ちする良い塗装をしてもらえた」と断言できます。

■おわりに

今後、ホームページやチラシなどで業者の施工例、事例を見る際はこのページに書いてある事を少し頭に入れながら見ると見方が変わるでしょう。

 

外壁塗装駆け込み寺では、施工事例の良し悪しだけではなく、見積書からその業者が優良かどうかを判断するお手伝いもしています(見積書の例について知りたい方は、こちらの記事も併せてお読みください)。

 

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