外壁塗装リフォーム工事を行う時は、職人が作業をしやすくするために設置する仮設足場が家の周りをぐるりと囲んでおり、その上からさらに塗料の飛散防止シートが貼られます。
10日間〜2週間ほどの外壁塗装工事期間中、住民はこの仮設足場と飛散防止シートが家の周りにはられた状態のまま過ごさなければならないため、ベランダ、バルコニー、庭などに洗濯物を干すことが難しくなります。
この記事では、外壁塗装工事期間中に洗濯物をどのように扱うべきか、どうしても干したい場合はどうするかなどを解説します。
目次
■外壁塗装工事時中、洗濯物はどう扱うべきか
乾燥機等を使って洗濯物を乾かすよりも、外に干すほうが洗濯物の乾きが早いですし、衣類を傷めにくいと考える方もいますが、外壁塗装工事中はに洗濯物を外に干すとどうなってしまうのでしょうか。
1.外壁塗装工事中に屋外で洗濯物を干すと塗料や泥水が付着する
外壁塗装工事は塗料を外壁や屋根に塗ることが中心となる工事であり、ベランダや庭先に洗濯物が干してあると、どんなに避けようとしても飛び散った塗料が付着してしまいます。
塗料を塗る以外の工程でも、
- 高圧洗浄の工程で外壁を洗い流した泥水がはねて洗濯物に付着する
- 下地補修の工程で削り落とした鉄粉や木くずが洗濯物に付着する
などの場合があります。
一部の外壁塗装業者が施主を気遣い、「ローラーによる塗装を行うので、塗料が飛ぶことはありませんので、干しても大丈夫ですよ」という場合があります。
ローラーや刷毛による塗装は塗料があまり飛び散らないイメージがあるのですが、吹き付け塗装に比べて塗料が飛び散らないというだけであり、どのような塗り方であっても塗料は飛び散るため、洗濯物を汚す原因になってしまうのです。
また、弱溶剤塗料や溶剤塗料のようなにおいが強い薬剤を使用する塗料の場合、シンナー臭が洗濯物に付いてしまう可能性もあります(水性塗料でも多少臭いがします)。
2.洗濯物が干されていると職人が気を遣ってしまって作業の邪魔になる
庭先やベランダに洗濯物が干してある状態だと、外壁塗装業者の施工職人たちは洗濯物に塗料が付いてしまわないよう細心の注意を払う必要があります。
それ故、洗濯物がない状態で行えばすぐに終わるような作業も、塗料が出来るだけ飛び散らないようにそっと塗ったり、刷毛で細かく塗装を行ったりする必要があるため時間も手間もかかってしまうのです。
外壁塗装工事中は、洗濯物を家のどこでどのようなタイミングで干したとしても、職人たちの作業の邪魔になるので、業者側から許可が出たとしても出来るだけ洗濯物を屋外に干すのはやめましょう。
3.近隣住宅に洗濯物を干している人がいたら伝えに行く
外壁塗装工事をしている時は、自身の家だけなく、近隣の家にも水、泥、塗料が飛び散る可能性があるので、もし近隣の家のベランダや庭に洗濯物が干してある場合、すぐにその家の住民に洗濯物を片付けるように伝えましょう。
近隣の建物がアパートやマンションである場合は、泥や塗料などが洗濯物についたことによるクレームやトラブルを防ぐためにも、予めそのアパートの管理会社に外壁塗装工事を行うことを説明しておく必要があります。
●外壁工事の前には施主自身も近隣に挨拶をする
優良業者に外壁塗装工事を依頼している場合、外壁塗装工事前の挨拶を欠かすことはありませんし、その挨拶の際に塗料や水しぶきが飛び散って洗濯物や車に付着する可能性も説明してくれます(参考:外壁塗装前の挨拶)。
ただし、外壁塗装業者が挨拶するのとは別に、施主自身でも事前に挨拶に行くことで何かあったときにトラブルに発展する可能性をより下げることができるのです。
多くの外壁塗装業者がトラブルに備えて請負業者賠償責任保険という保険に加入しており、塗装工事によって周辺の住宅、車、洗濯物などに損害を与えた場合には保険金で賠償することができますので、万が一のトラブルの際の保険について業者に確認しておいてもよいでしょう。
ただし、塗料が近隣の家の人の洗濯物などに付着してしまった場合は、服を保険金などで弁償したとしても近所関係が悪化してしまう可能性があるため、業者が保険に加入しているかどうかに関わらず、近隣の人には洗濯物をしまうようにお願いする必要があります。
もし、塗料が付着した衣類がお金には替えられない大切なものだった場合、当然お金で解決できず、それが原因で、ご近所トラブルが外壁塗装後も続く可能性もあるのです。
4.塗料が付いてしまった服は捨てない
庭先などに洗濯物を干し、外壁塗装工事の塗料が付いてしまった場合、もう着られなということで捨てようと考えてしまいますが、外壁塗装業者が入っている先述した保険の範囲で保障してもらえる可能性もあるため、汚れた洗濯物は捨てずに取っておくようにしましょう。
参考:外壁塗装の保証は業者や団体で内容が全く異なるので注意!
■どうしても外壁塗装中に洗濯物を干したい場合
- 浴室に乾燥機が付いていない
- ドラム式乾燥機能付き洗濯機を持っていない
- 服を干すための部屋が確保出来ない
などの理由から、どうしても屋外に洗濯物を干したいという場合の方法をいくつか紹介します。
1.どうしても洗濯物を干してはいけない工程を避けて洗濯物を干す
外壁塗装工程中には、
- 洗濯物を干せる工程
バルコニー、ベランダ防水工事、破風板塗装などの小さい部分の塗装 - 絶対に洗濯物を干してはいけない工程
高圧洗浄、屋根塗装、外壁塗装、仮設足場設置、足場解体
があるため、業者さんに工程表などをもらい、洗濯物を干していいかどうかを確認した上で干すようにしましょう。
参考:外壁塗装の工程
2.家の塗装していない側のベランダや庭に干す
屋根の塗装は、屋根の上から水や塗料などの様々な飛散物があるので、洗濯物を干すのは難しいですが、外壁の塗装作業であれば、家の反対側に洗濯物干し場があれば干すことが可能です。
ただし、基本的には洗濯物は外壁塗装中に干すべきではないということを念頭に置き、施工している業者さんに都度確認しながら干すようにしましょう。
3.コインランドリーやクリーニングを利用する
洗濯機で洗った衣類を浴室の乾燥機能を使って乾燥させたり、日当たりの良い部屋に室内用の物干しを利用して干したりすることもできますが、そのようなことが難しい場合、コインランドリーを利用するという方法があります。
コインランドリーの利用には、一回の洗濯に数百円〜千円ほどかかってしまいますが、外壁塗装の必要経費と考えて、外壁塗装工事期間中だけ利用するのがオススメです。
乾燥機を使うことができないデリケートな衣類を持っている場合、コインランドリーの乾燥機は使えないので、ドライクリーニングなどを利用しましょう。
近隣にクリーニングを受け付けてくれる店舗がない場合でも、インターネットで配送してくれるクリーニングサービスもあります。
■まとめ
外壁塗装工事中は基本的には洗濯物を外に干さない方がよいですが、どうしても干さなければ生活に差し支えるようなもののみ、比較的飛散物の少ない工程を業者さんに聞いて洗濯物を干す、ということもできます。
ただし、施工している業者の職人さんたちに品質の良い工事をしてもらうためにも、外壁塗装中は、
- コインランドリーやクリーニングサービスを使う
- 親戚や友人の家の洗濯機を借りる
- 室内干しで乗り切る
など外に洗濯物を干さなくても良い選択肢を考えてみて、どうしても難しい場合のみ、業者さんに相談するようにしましょう。