- 「一見頼もしくて親切に見えるけど、信用していい業者かわからない」
- 「業者から提出された見積もりが適切価格かわからない」
と悩んで、業者選びがストップしてしまう方も少なくありません。
この記事では、悪徳業者とのトラブルを避けるために知っておくべきポイントを解説します。
目次
■相場を知ることが悪徳業者とのトラブルを回避する
悪徳業者は、費用相場以上の価格を請求したり、独自のメーカー塗料を使用して相場をわからなくしたりする手口をよく使ってきます。
あるいは、中間マージンをたくさん取って格安価格で下請けに工事を丸投げしたり、価格以下の質の悪い塗料を使ったりする業者もいるでしょう。
このように、相場を無視したり相場以下の費用で工事をしたりする業者は、優良業者と思わない方がいいでしょう。
言い換えれば、外壁塗装の相場を知っておくことは悪徳業者とのトラブルを避ける手段にもなります。
相場を無視する悪徳業者の手口としては、主に以下の3つが挙げられます。
- ありえない値引きや足場無料サービス
- 訪問販売
- 正体がわからないオリジナル塗料
まずは、相場を無視する業者がなぜいけないのか、その理由について知っておきましょう。
■相場を無視する悪徳業者の手口とは
悪徳業者と聞くと「相場以上に高額な費用を請求してくる業者」とイメージする方のほうが多いかもしれません。
ところが実際は、悪徳業者は「値引き」や「無料」を駆使してきます。
値引きや無料という普段なら喜ばしいはずのサービスが、なぜトラブルの元になるのか知っておきましょう。
1.ありえないほどの大幅な値引きは危険
相場の倍以上の高額な料金を請求されれば誰でも警戒してしまいます。
しかし、相場から大きく値引きされた料金も外壁塗装においては同じくらい危険です。
大抵の悪徳業者は、最初に非常に高い金額を提示し、客の顔色があまり良くなかったときに大幅に値下げするという方法を使います。
このように値下げされれば誰でも「太っ腹な業者さんだな」と油断してしまうでしょう。
値引きしてくる業者に遭遇した方の中には、50~100万円以上の信じられない値引きを経験した方もいます。
しかし、この値下げされた金額が、実は相場より高いケースがあるので注意しなければなりません。
平均的な30~40坪の戸建て住宅であれば外壁塗装の費用相場は70~100万円です。
値下げを利用する悪徳業者は、当初の価格設定を相場に100~200万円プラスして提示します。
この方法を使うと、「本来300万円かかる外壁の塗装が、当社なら半額の150万円でできますよ!」といういかにも太っ腹な値引きをしたかのように見えるわけです。
外壁塗装の費用は選んだ塗料の種類や建物の大きさにもよりますが、一般的な30~40坪の戸建て住宅で200~300万円以上になることはありえません。
このような悪質な値下げに対抗するためには、やはり外壁塗装の相場を知っておくことが最も効果的です。
2.「足場代無料」は典型的なトラブルの原因
足場の設置費用は外壁塗装費用の約2~3割を占めます。
戸建て住宅一棟なら足場設置費用だけで10~20万円はかかるでしょう。
そのため、足場代を無料にすれば当然、外壁塗装費用は大幅に下がります。
しかし、足場は部材代や部材を組み立てる作業員の人件費がかかりますので、絶対に無料では設置できません。
ではなぜ悪徳業者は足場代を無料にするのでしょうか?
それは、さきほどの値下げの手口と同様に、全体の金額がそもそも安いか高いかわからなくするためです。
また、仮に「いまなら足場がタダですよ!」と言われたとしても、その価格は確実に他の工事項目にプラスされています。
つまり悪徳業者から無料と言われても、実際は全然お得ではないのです。
工事に詳しい方なら、「足場はレンタルタイプもあるから、無料にできるのでは?」と思ってしまうかもしれません。
ですが、足場を入手するためにはレンタルでも絶対にお金がかかります。
一時的にレンタルする費用でもしっかり見積もりに含めるのが、まともな経営をしている業者です。
■訪問販売業者は相場を無視して見積もりを作る
訪問販売業者とは、「外壁の塗装をしてみませんか」と言って突然自宅にやってくる業者のことです。
外壁塗装や家のリフォームでは、訪問販売業者とのトラブルが特に多く報告されています。
1.訪問販売業者の手口の傾向
訪問販売業者は、
「見積もりは今すぐ無料で計算できます」
「お宅の外壁にぴったりの見積もりはこのプランです」
と言ってその場で即座に見積書を渡してきます。
そのように即席で作られた見積もりは、家の建坪や外壁面積、屋根面積などもすべて概算で作られているため警戒しなくてはなりません。
雑な計算がされているかどうかを判断するためには、やはり外壁塗装の費用相場を知っておくことが最も効果的です。
また、こちら側が「そんな費用はすぐに用意できません」や「少し考えさせてください」というように難色を示すと、訪問販売業者は「本日までのキャンペーンがあります!」や「今回だけ特別に値引きさせていただきます!」など、特別感を演出しながら大幅に値引きをしてきます。
つまりここでも初めは高額な見積額を提示しておき、後から大胆な値引きをしてお得な気持ちにさせて契約させようとしてくるのです。
このような特別感を演出する手法は悪徳業者が使う基本のテクニックで、昔からほとんど変わっていません。
つまり知識があれば絶対に避けることは可能です。
もっとも、見積依頼をしてもいないのに突然現れて「お客様のため」と言ってくるような訪問販売業者はそもそも信用しないことをおすすめします。
2.訪問販売業者のモニター商法に要注意
もうひとつ、訪問販売業者が信頼性に欠ける理由として「モニター商法」を使ってくる点が挙げられます。
モニター商法とは「今ならモニター価格で格安で工事ができますよ」「モニターになれば工事代を安くしますよ」などと言って、お得感をアピールして工事を勧めてくる手法のことです。
なぜこれが悪質かというと、モニター価格と言えば多くの人は自分だけお得になるかのように感じて、その業者と契約したくなってしまうからです。
悪質業者はとにかく契約を急がせようとしてきます。
- 「この価格は本日までですよ」
- 「今契約しないとこの価格では二度とできませんよ」
- 「他にも待っているお客さんがいるので、今日決めてもらわないとそちらを優先しますよ」
などといったセールストークをしてきますので、惑わされないように覚えておきましょう。
もしここまで読んで、「先日来た訪問販売業者、悪徳業者かもしれない」と少しでも不安になられた場合は、外壁塗装駆け込み寺まで業者とのやり取り内容や業者からもらった見積書などの資料をお見せください。
悪質な業者かどうか無料で診断し、対処法についてアドバイスさせていただきます。
■相場がわからないオリジナル塗料には手を出さないこと
まれに、塗装業者やリフォーム会社が「当社開発のオリジナル塗料です」といって塗料を紹介してくることがあります。
このような、メーカーではない施工店が独自に開発して販売しているオリジナル塗料には手を出さない方がいいかもしれません。
1.オリジナル塗料は情報が少ない
オリジナル塗料が危険な理由としてよく「業者がオリジナルといっているだけで、塗料メーカーの塗料と効果に大差はない」と言われます。
しかしその点については、オリジナル塗料を製造した会社がしっかりした所であれば、塗料の品質に支障はありません。
オリジナル塗料の危険性は、品質が良いか悪いか以上に、「得体が知れない」という所にあります。
大手塗料メーカーは、塗料の色見本や色味の違い、サイディングや鉄部など塗装できる下地の種類、塗りの回数など、塗料に関する様々な情報をホームページに掲載しており、目安の施工費用相場もしっかり公開しています。
2.オリジナル塗料は費用相場がわからない
塗装会社やリフォーム会社が独自に開発したオリジナル塗料は、大手メーカーのような情報が掲載されていません。
施工費用の相場を知っているのも、販売している塗装業者だけです。
大手メーカーの塗料であれば「この現場では〇〇万円かかった」、「あちらのエリアでは△△円だった」などのように比較することができます。
ところが、オリジナル塗料は塗料代の比較対象がありません。
つまり費用相場がわからないので、見積もりを見ても高いか安いか判断できないのです。
決してすべてのオリジナル塗料が悪いというわけではありません。
ですが、価格相場がわからないようであればオリジナル塗料は避けた方がよいでしょう。
塗料の知識に不安があれば、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研という、三大塗料メーカー製の塗料を選ぶことをおすすめします。
■おわりに
悪徳業者との外壁塗装のトラブルは、費用相場を知っていれば避けられるものがほとんどです。
悪徳業者は相手が相場を知らないことに付け込んで、ありえない値引きやモニター商法を使ってきます。
費用相場だけでなく、トラブルの原因となる悪徳業者の手口についても、ねらいや内容を知っておきましょう。