外壁塗装は非常に高額で、少しでも減額したいという気持ちは誰にでもあります。しかし、業者に無理を言って安くさせてしまうと、後で手を抜かれかねません。
工事費用自体を安くするのではなく、住んでいる自治体に補助金・助成金を出してもらうと言う事を考えてみましょう。もらえる助成金は工事費用の10~15%と、そこまで大きくはないですが、十分に高額です。
補助金を受け取る、または減税を受ける際の条件や注意点などもまとめているので参考にしてください。
目次
住んでいる自治体によって全く制度が違います
お住まいの都道府県や市区町村によって外壁塗装、屋根塗装リフォームで受けられる補助金は全く違います。そもそもやっていない自治体もあります。必ず住んでいる自治体のホームページなどで補助金制度を確認することを忘れないでください。以下は外壁塗装をはじめとするリフォーム工事で助成金を受けることが出来る自治体例です。
平成27年度に実際に補助金制度を導入している自治体例(一部)
いくら以上の工事 | 工事費用の何%を助成 | 助成金上限 | その他の条件 | |
岐阜県 各務原市 |
20万円以上 | 10% | 10万円 |
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群馬県 太田市 |
30% | 15万円 |
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東京都 世田谷区 |
10% | 20万円 |
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東京都 八王子市 |
10万円以上 | 20% | 20万円 |
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山形県 | 10% | 20万円 |
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茨城県 土浦市 |
10万円以上 | 10% | 10万円 |
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鹿児島県 薩摩川内市 |
20万円以上 | 20% | 20万円 |
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埼玉県 上尾市 |
10万円以上 | 10% | 20万円 |
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千葉県 印西市 |
10万円以上 | 10% | 20万円 | |
静岡県 | 100万円以上 | 一律 | 10万円 |
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各自治体に共通する補助金をもらうための条件と注意点
施工前に申請し、許可をもらってから施工を開始する
勘違いされがちなのが、リフォーム工事を開始してしまった後、あるいは工事が完了した後に申請をしようというケースです。補助金ははじめに自治体に希望の旨を申請し、希望者多数の場合は抽選により交付者を決定し、その後、初めて工事を始めることが出来ます。
それ故、工事開始のタイミングは業者さんに補助金の事情を説明した上で決めるようにしておきましょう。
同じリフォーム業者が行った工事費用が対象となります
自治体によりますが、例えば補助金の上限が20万円だったとして「今現在の外壁塗装の工事費用では10万円しかもらえない。せっかくだから他の工事もしておくか」と思って他のリフォーム工事を行った場合、施工をする業者が同一でないと交付が受けられない場合があります。
「200万円使わないと補助金の上限の20万円をもらえない」という事があらかじめわかっている場合は、外壁塗装工事だけで200万円もかかることはまれなので、同じ業者が内装などの他の工事が出来るのであれば、合わせてお任せするのも良いでしょう。しかし、補助金がほしいが為に必要ないリフォームまで行ってしまっては本末転倒ですので、必要な範囲での工事にしましょう。
工事前、工事後の写真、見取り図、平面図、立面図が必要な自治体もあります
申請する自治体によって異なるのですが、補助金を申請する際にリフォームを行う場所の写真や、平面図、立面図等を用意する必要があります。リフォーム前の写真でしたらすぐに撮ることは可能かと思いますが、見取り図、平面図、立面図に関しては、準備にある程度時間がかかると思いますので、どのようなものを用意すれば良いのか、自治体とよく相談しておきましょう。
ちなみに平面図や立面図をプロに新たに作成してもらう場合は10,000~15,000円はかかりますので、自作の物でも問題ないかも確認しましょう。
自治体内に施工する住居がある必要があります
当たり前の事ですが、補助金をうける自治体内に家がある必要があります。自己所有以外の借家でも補助金を受けられる自治体もありますし、借家の場合は所有者が親族の場合にのみ対象など、条件付きで認められる場合もあります。
また、自治体内に塗装する建物はあるものの、そこにはまだ住んでいないという場合でも対象となる場合があります(基本的にはそこに住んでいないとダメです)。転入後のリフォームの場合に補助金の上限をあげてくれる自治体もあるので、引越後の家にリフォームを行う場合は、引越後に住む方の自治体に確認してみましょう。
税金を滞納していると補助金を受けられません
当たり前の話ですが、補助金は税金などから出来ていて、税金等を滞納している人は補助金を受けることは出来ません。これはどのような補助金であっても共通の事ですし、どこの自治体であっても認めてくれないでしょう。県民税、市民税、保険、年金など、納める物は納めておく必要があります。
断熱、遮熱塗料を使った塗装工事のみ認める自治体があります
シリコンやウレタンなどの一般的な塗料による塗装リフォームではなく、地球環境に配慮した省エネリフォームを行うという条件を出す自治体もあります。これはヒートアイランド現象や地球温暖化に歯止めをかけるためのものなので、断熱塗料、遮熱塗料を使った工事でないと補助金がおりません。屋根一面に遮熱塗料を使えば外壁は通常の塗料で良い、という場合もあるので、確認しておきましょう。
この「断熱塗料か遮熱塗料を使う」という条件があった場合、どの塗料が断熱塗料で、どの塗料が遮熱塗料なのか、といった判断は基本的に自治体にゆだねられるので注意しましょう。
例えば、悪徳業者が作ったオリジナルの遮熱塗料があったとして、「これは非常に遮熱性が高いので補助金を受けられますよ」といわれて工事に使ったとします。しかし、その塗料が補助金対象の遮熱塗料なのかといえば、業者が言っているだけで自治体は認めていないので補助金を受けられない可能性があるのです。
「断熱塗料」「遮熱塗料」を使う場合はその塗料の性能が記載されている試験結果報告書などを申請の段階で提出し、助成金対象の省エネ塗料かを確認する必要がありますので注意しましょう。
自治体に「この塗料は断熱性と言っていたけど試験結果が不十分なので補助金の対象にはならない」と言われて補助金を受けられない、なんてことにならないように、塗料選びは慎重に行いましょう。大手メーカーが断熱、遮熱と銘打っている塗料は問題ありませんが、その他のメーカーの塗料や、業者のオリジナル塗料の場合は、補助金が受けられない可能性もあります。
ちなみに一般的にいう断熱塗料、遮熱塗料の定義は以下の通りです。
断熱塗料と遮熱塗料の定義
断熱塗料 | 塗料の中に含まれているガラス、セラミック、樹脂等の断熱層により内側に熱が伝わりにくい塗料の事。(断熱塗料の効果に関する記事はこちらから) |
遮熱塗料 | 太陽光には紫外線、可視光線、赤外線に分かれており、温度が上がりやすい近赤外線(赤外線周辺)を大きく反射する塗料の事。正式には「高日射反射率塗料」といいます。 |
施工する外壁リフォーム業者にも条件があります
補助金をもらうためには、施工主(リフォームをお願いする側)が条件を満たすだけでは足りない場合があります。外壁リフォームを行う業者にもいくつか条件がある自治体もあるのです。
主にリフォーム業者側に求められる条件は。補助金を出してくれる自治体内に本店がある法人業者か個人事業主であることです。さらに補助金を受けられる組合がしていされており、その組合に所属していないと補助金を受けられない、という場合もあります。