外壁や屋根の塗装工事では、塗料、養生シート、マスキングテープ、コーキング材など多くの材料が使われており、これらは材料費として工事費用に含まれています。
外壁塗装費用全体の内訳を見てみると材料費の割合は20%前後であり、外壁塗装工事費用が100万円ほどだとすると、材料代は意外にも20万円ほどしかかかっていないのです。
この記事では、
- なぜ材料費があまりかからなくても外壁塗装工事費用が高額になってしまうのか
- 外壁塗装における材料費とは何の費用なのか
- 見積書から適正な材料費かどうか判断する方法
などを解説していきます。
目次
■外壁塗装における材料費の割合
1.外壁塗装費用の内訳
どのような外壁塗装業者であっても(もちろん悪徳業者や手抜き業者は除きます)、外壁塗装工事費用の内訳は、
- 塗料などの材料費20%ほど
- 人件費30%ほど
- 運営費30%ほど
- 足場代20%ほど
です。
外壁塗装工事の費用の中のどこを削っても外壁塗装が失敗する原因になりうるため、
- 架設足場を設置せずに塗装工事をしてほしい
- 塗料のグレードも施工内容も最低限のものにしてほしい
- 人件費を節約するためにあまり職人さんを呼ばないでほしい
などといった無理な要求は控えましょう(参考:値切ると失敗する)。
●大手会社は材料費など以外に中間マージンなどが発生する
大手のハウスメーカーや工務店などは、上記費用にさらに「宣伝広告費」「中間マージン」費用が上乗せされるため、外壁塗装工事全体の費用も高額になります。
それ故、外壁塗装工事を下請け業者に丸投げして自社は中間マージンを得るような大手のハウスメーカーなどに外壁塗装リフォーム工事を依頼するのは避けたほうが工事費用は安くすませられるでしょう。
大手ハウスメーカーや工務店を避けて外壁塗装工事を依頼したい、という方は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。
2.材料費は工事費全体の2割程度なので節約してもそこまで安くならない
先述の通り、塗料などの材料費は塗装工事費用全体の2割ほどで、工事費用の合計金額に大きく影響するものではありません。
例えば、グレードが近いシリコン樹脂塗料とウレタン樹脂塗料のどちらで外壁を塗装するかで悩んだ末、価格が若干安いウレタン塗料を選んだとしても、外壁塗装工事費用が大幅に安くなるわけではないのです。
参考:外壁塗装で使われる塗料の種類とご自宅に合った塗料の選び方
■材料費には何が含まれるのか
外壁塗装工事費用の中の材料費には、
- 養生部材…マスキングテープ、マスカー、ビニールシートなど
- 下塗り塗料…3回塗りのうち、1回目である下塗りの工程で使われる塗料のこと。上塗り塗料の外壁への密着性を高めるために塗る、シーラーやフィラーなどの下塗り材。
- 上塗り塗料…3回塗りのうち、2回目、3回目で塗られる塗料のこと。塗装の仕上げで使う塗料。
- 下地処理用の部材…モルタルパテ、エポキシ樹脂、サビ落とし剤、シーリング材(コーキング材)
などが含まれており、塗装だけでなく塗装前の各工程でも様々な材料が使用されます。
1.交換リフォームは、塗装リフォームに比べて材料費が高額
もしお住まいの外壁に張られているサイディングボードなどが、表面を塗装するだけでは補修ができないほど劣化していると、塗装リフォームではなく外壁そのものの交換リフォームを行わなくてはなりません。
塗装を行うだけであれば塗料などの材料費のみの負担で済ませることができますが、外壁材自体を交換するリフォームでは
- 新しく貼るサイディングボードなどの材料費
- ボードを交換する手間賃
- 古いサイディングボードを業者が引き取る際の廃材処理費用
などが発生し、工事費用が塗装リフォーム時よりも高額になってしまうため、外装材自体が劣化してしまう前の段階で業者に塗装リフォームの相談を行いましょう。
参考:外壁塗装の必要性は?放っておくとどうなるかと追加工事費用
■見積書の材料費に関する注意点
訪問販売業者の営業マンが訪問した際に短時間で作った見積書は、材料費の記載が曖昧な表現になっていることが多いですが、優秀な外壁塗装業者であれば材料費の項目も含めて素人が見ても分かるような見積書を作ってくれます。
外壁塗装業者からもらった見積書で材料費が適切に計算されているかを判断できるように、見積書の材料費を見るときの注意点や基礎知識について知っておきましょう。
1.材料となる塗料の名前まで記載されているか
見積書に記載されている塗料名、製造メーカー名は材料費がいくらなのかを判断するために必要な情報であり、塗料名と製造メーカー名が記載されていれば、そのメーカーのホームページに書かれている価格表から相場を確認できます。
しかし、使用する塗料の名前や製造メーカー名の記載がない見積書では、算出されている費用が妥当なのかどうかの判断ができないため、工事に使われる塗料はどこのメーカーの何という塗料なのかを外壁塗装業者に記載してもらうようにしましょう。
2.「一式」という表記だと材料費がわからない
まれに「施工代 一式○○円」などと表記されている見積書を作る業者がおり、このように「一式」と表記されてしまった場合、どのような作業をどれくらい範囲で行うのかがわからないため、見積書に記載されている材料費が適切な金額であるかを調べることができません。
顧客が詳細な見積書で混乱しないために業者側が気を使ってあえて「一式○○円」という表記を使っている可能性もありますが、インターネットなどで材料費の相場を調べられないようにそのような記載にしている場合ももちろんあります。
それ故、外壁塗装駆け込み寺などの第三者機関からの紹介など、信頼できるところから紹介された外壁塗装業者以外の業者が一式などという表現を使ってきた場合は、別の業者に頼むか、相見積もりなどをして家の工事費用の相場を確かめるようにしましょう。
3.定額プランは材料費をしっかり調べよう
外壁塗装業者の中には、施工価格を申込者にとってわかりやすいものにするために、「コミコミ価格」や「パック価格」といった定額料金で工事を行うプランを用意している所もあります。
「30坪でシリコン樹脂塗料による工事費用45万円」などと表記し、その中に足場代、養生費用、高圧洗浄費用、下地処理費用、材料費など工事に最低限必要な費用をすべて含んでいるというプランです。
定額料金プランは細かな計算などがないため、工事全体の費用はわかりやすいかもしれませんが、個別の材料費などが判断しづらく、各工程の費用が相場よりも高いのか安いのかがわからなくされている可能性があります。
●材料費がわからない定額プランは要注意
良心的な外壁塗装業者の中には、塗装工事費用がわからない顧客が安心して見積もりを依頼するきっかけづくりの一つとして定額料金プランを提示している業者もいます。
しかし、悪質な外壁塗装業者が提示する定額料金プランの中には「一軒49万円!」というような施工面積の計算をせずにざっくりとした料金だけ記載しているものもあります。
このようなざっくりとした定額料金プランでは、材料費がいくらなのかなどの内訳が分からず、工事に使われる塗料の種類や相場などを調べることができません。
安いほうが良いから定額プランを選びたいという場合でも、材料費などの費用の内訳や塗料の具体的な商品名などを見積書に書いてくれる外壁塗装業者に依頼するようにしましょう。
■材料費が適切かどうか不安なら大手メーカーの塗料を使う
もし外壁塗装業者から提案された塗料と材料費が適切かどうか判断できない場合は、大手三大塗料メーカーの塗料を使って工事をしてもらう方がよいでしょう。
大手三大メーカーというのは日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研のことで、これらのメーカーはホームページ上で塗料の具体的な名前と、それを使った工事がどれくらいの費用がかかるのかといった情報を公開しています。
中小の塗料メーカーでも材料費を公開しているところもありますが、もし契約を検討している業者の見積書で材料費などが適切かどうか判断できない場合、外壁塗装駆け込み寺にご相談いただければ、業者の見積書の費用が適正かどうかを無料でお調べします。