外壁塗装で使われる塗料の種類とご自宅に合った塗料の選び方

外壁塗装用の塗料は含まれている樹脂成分の違いでグレードが分かれており、それぞれ特徴や機能、価格が違えば、耐用年数の長さにも違いがあります。

この記事では、豊富にある外壁塗装用塗料の種類と特徴を解説しながら、工事の費用対効果なども踏まえて、どんな塗料を選べば良いかについてもご紹介します。

■塗料の種類と特徴

主な外壁塗装用塗料の特徴をまとめると、以下のようになります。

塗料名 特徴
アクリル系塗料 耐久性が最も低い。
頻繁に塗りかえる場所の塗装に向いている
ウレタン系塗料 柔らかいため木部、雨どいなどの細部に適している

耐久性はあまり高くない

シリコン系塗料 価格と機能のコストパフォーマンスが最も良い
防汚性能が高い。
ラジカル塗料 ラジカルという劣化因子を抑制する新型塗料
耐久性が高く紫外線で劣化しにくい
フッ素系塗料 耐久性が非常に高く紫外線に非常に強い
価格は高額だが長い目で見るとお得な塗料
光触媒塗料 紫外線に反応して汚れを分解する

屋根には使用できない(2018年時点)

セラミック塗料
ナノテク塗料
商品によって様々な効果がある

断熱性が高いものや石材調仕上げになるものなど

なお、塗料には

  • 1液型・2液型
  • 水性・溶剤(油性、シンナー系塗料)
  • ツヤの有無

といった違いがあり、上記の種類からさらに細かく分類されますが、液タイプの違いについて詳しく知りたい方は、「塗料タイプは何が良い?」の記事をご覧ください。

また、これらの塗料をどういう手順で外壁に塗るのかについては「下塗り、中塗り、上塗りなどの塗りの役割は?」の記事を、仕上げ方や模様にはどのような種類があるかなどについては、詳しくは「外壁塗装における仕上げの種類」の記事をご覧ください。

1.アクリル樹脂系塗料(おすすめできない)

最も安価ですが、汚れやすい、耐久性が低い(耐久年数も短い)、紫外線に弱い、湿気を通しやすいなどの特徴の為、本来は外壁材や屋根材の塗装などには不向きな塗料です(詳しくは「アクリル塗料」の記事をご覧ください)。

今はもっと高機能で安価な塗料が多数出現していることから、外壁塗装ではあまり使われなくなっていますが、「5年以内に家を建て替えるため、長持ちしなくて良いので塗装だけ安く済ませておきたい」というときや、「屋外の簡易的な小屋を塗り替えたい」というときなどにはアクリル塗料を使うことも考えられます。

2.ウレタン樹脂系塗料(おすすめできない)

ウレタン塗料はアクリル系塗料に比べるとやや紫外線に強いため、耐用年数も少し長く、また、塗料が柔らかいため外壁に対する密着性が高いので、鉄部や木部など様々な素材にもしっかり密着し、雨樋や雨戸など細部の凹凸が多い付帯部の塗装に適しています。

シリコン塗料が登場する前までは、戸建て住宅の外壁塗装ではウレタン塗料がスタンダードでしたが、今はウレタン塗料の一つ上のグレードである「シリコン系塗料」が広く普及したことにより値段が下がってきたため、シリコン塗料を選ぶ方が圧倒的に多くなり、ウレタン塗料を外壁に塗装するケースは非常に少ないです(参考:外壁塗装で使うのはシリコン塗料ウレタン塗料どちらが良い?)。

3.シリコン樹脂系塗料(最もおすすめ)

シリコン樹脂系塗料は汚れに対して強く紫外線に対する耐久性も高く、その効果によって10~15年と非常に長い耐用年数を発揮することから、現在、戸建て住宅の外壁塗装で最も使われている塗料です。

 

シリコン樹脂塗料と呼ばれている種類は、厳密には「アクリルシリコン」というアクリルにシリコンを配合した成分が主になっていますが、塗料メーカーや外壁塗装店のほとんどはアクリル塗料との混同を避けるために、「シリコン樹脂塗料」または「シリコン系塗料」と表記しています。

戸建て住宅の外壁塗装工事によく使われるシリコン塗料としては、

  • エスケー化研の「水性セラミシリコン」
  • 関西ペイントの「アレスアクアシリコンACⅡ」
  • 日本ペイントの「水性シリコンセラUV」

などがあります。

 

シリコン塗料には水で薄めて使用できる「水性タイプ」があり、水性タイプのシリコン塗料は「水性シリコン塗料」と呼ばれます。

水性塗料は、シンナーなどの強い刺激臭で薄めて使う「溶剤系塗料」に比べると、作業員や家の中にいる人への負担が非常に少なく環境にも優しいことから、戸建て住宅の塗装ではスタンダートな塗料になりつつあります。

 

外壁塗装で塗料に迷った場合は水性シリコン樹脂系塗料を選んでおけば間違えありませんが、塗装する家の劣化症状や外壁の素材、一年間の気候の特徴などによって、使用すべき塗料の種類というものは変わってきます。

例えば、水性塗料は金属への密着力が弱いタイプがあるため、金属製の雨戸や塩化ビニール素材の雨樋などは溶剤系塗料を使わざるを得ないこともあるでしょう。

手抜き業者や悪徳業者は施工する現場に適した塗料を選ぼうとしないばかりか、施主が指定した塗料だと偽って別の安価な塗料を使うこともあり、そういった手抜きによって施工から数年で塗装が剥がれてしまったというトラブルは非常に多く起きています。

もし適切な塗料を選んでくれる業者か不安な場合は、外壁塗装駆け込み寺までご相談ください。

4.ラジカル制御塗料(2番目におすすめ)

ラジカル制御型塗料は、2010年代に登場したばかりの非常に新しい種類で、人気が高いシリコン塗料よりも耐久年数が長く、最も高額なフッ素塗料よりも価格が安いため、塗料のグレードとしてはシリコンとフッ素の中間に位置します(参考:ラジカル塗料ニッペパーフェクトトップは良い?)。

 

塗料の中には「酸化チタン」という白色を作り出す成分が含まれており、酸化チタンは紫外線を吸収すると「ラジカル」を発生させてしまいます。

このラジカルは塗料の中にある樹脂成分を破壊してしまうため「劣化因子」とも呼ばれており、これが紫外線によって塗料が劣化してしまう原因なのですが、このラジカルの発生を抑えるしくみ作りに成功したのが、「ラジカル制御型塗料(単にラジカル塗料とも呼ばれます)」です。

ラジカル塗料は酸化チタン由来のラジカルを捉えて包み込む構造になっているため、紫外線が当たってもラジカルが塗料にダメージを及ぼさず、長時間樹脂の耐久性を保ち続けることができます。

ラジカル制御型塗料は開発されたばかりでまだ数が多くありませんが、人気が高いものとしては、初めてラジカル塗料として開発された、日本ペイントの「パーフェクトトップ」が有名です。

その他には、

  • エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」
  • 関西ペイントの「アレスダイナミック」

など三大メーカーでもラジカル塗料は販売されています。

ラジカル制御型塗料で出来るだけ価格を抑えながら高品質な工事をしたい場合は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

5.フッ素樹脂系塗料

フッ素塗料は、外壁塗料の中では最も長い15~20年という耐久年数を持つ塗料で、六本木ヒルズやスカイツリーなどの高層ビルにも使われているほど、高機能かつ高耐久のハイグレード塗料です。

 

フッ素塗料は一回の施工価格が高いためご自宅の塗装には贅沢なように感じてしまいますが、耐用年数が15~20年と非常に長いため、長い目で見ると安い塗料で塗装したときよりもお得なのです(参考:フッ素塗料)。

 

ただし、フッ素塗料は良い塗料ではあるのですが、塗料代が高い為、業者の施工技術が低いと大損をしてしまう可能性があります(良くない施工を行った場合、高性能な塗料でもすぐに剥がれてしまうため)。

「絶対に失敗せずフッ素塗料で塗装をして外壁を長持ちさせたい」という方は、外壁塗装駆け込み寺が無料でフッ素塗料塗装の実績が豊富なお近くの業者を紹介します。

6.光触媒塗料

光触媒塗料はセルフクリーニング機能を持った機能性塗料で、汚れが外壁に付着しにくく塗料自体の耐久年数も長いため、長い間お住まいの美観を保てるとされています。

 

光触媒塗料は塗装すると表面に酸化チタンの層を作りますが、紫外線に反応すると汚れを分解し、「親水性」という水と非常にくっつきやすい性質を持っているので、外壁に汚れが付いてしまっても隙間に雨水が入り込み、分解した汚れを浮かせて落とすことができます。

 

光触媒塗料の塗装は非常に難しく、製造しているメーカー側が施工可能と認定した業者でしか施工できないため、お近くで光触媒塗料の塗装が行える業者をお探しの方は、外壁塗装駆け込み寺までご相談ください。

7.セラミック塗料(無機塗料)

セラミック塗料とは、塗料の中にセラミック(磁器)が入った塗料全般を指す言葉で、シリコン塗料やフッ素塗料などのグレードを指す言葉ではありません。

セラミック塗料に含まれている磁器は無機質なので、無機塗料の一種と解説されることもあります(参考:無機塗料セラミック塗料)。

 

石材のように見えることから意匠性(見た目、かっこよさなど)を高めるという目的の塗料や、セラミックの特性を生かすことで断熱して冷房効果をアップさせてくれるガイナのような特殊な塗料があり、基本的には割高なものが多いのですが、耐久年数も15年と長めに設定されています。

見た目が良いため利用する方も多く、悪徳業者が低品質なセラミック塗料で施工するという被害が急増していますので、ご心配な場合や良いセラミック塗料工事を行いたい方は外壁塗装駆け込み寺までご相談ください。

8.ナノテク塗料(ナノテクノロジー塗料)

ナノテク塗料はアクリルシリコン塗料の一つですが、非常に効果が高く独自の機能が打ち出されている塗料で、他の塗料に比べると粒子の粒が非常に小さくなっており、粒子の中にはガラスの微粒子(超微粒子シリカ)が配合されています。

塗料の粒子は小さいほど汚れが入り込みにくくなり乾燥が早くなりますが、さらに無機質のガラス粒子が配合されていることによって、燃えにくく紫外線で劣化しにくい効果ももたらされます。

汚れにくい、変色しづらい、燃えづらい、カビ・藻が発生しづらい、シックハウス対策、速乾するので作業が早く済むなどのメリットがありますが、まだまだメジャーな塗料ではなく、価格も高めです。

ナノテク塗料として代表的なものは、水谷ペイントというメーカーの「ナノコンポジットW」ですが、ナノテク塗料というジャンルを打ち出したのもこの商品です。

ナノテク塗料のような施工例が少ない塗料でも、失敗せずに安全に施工したいという方は、外壁塗装駆け込み寺までご相談ください。

■ご自宅に合った塗料を選ぶポイント

家には、

  • 家の状況(築年数、方角、地形など)
  • 外壁の状態(ひび割れ、塗膜の異常、外壁材の劣化など)
  • 外壁の材質(モルタル壁、窯業系・金属系サイディング、タイルなど)
  • 屋根の材質(セメント瓦、スレート、金属など)

などの様々な条件があるため、「すべての家で使用できて絶対に失敗が起きない塗料」というものはありませんし、ただ単に商品の性能を比較しただけで選ぶことはできません。

しかし、ご自宅の外壁や屋根でいま起きている症状を専門家にしっかり調査してもらい、ご自宅に現在最も適した塗料を見つけてもらうことは可能です。

 

以下からは、豊富な種類の塗料からご自宅の外壁塗装に合ったものを選ぶポイントをご紹介します。

1.長い目で見た時のコストパフォーマンスを重視する

高耐久の塗料が開発されるまでは、アクリル塗料という種類が外壁塗装では主に使われており、今でもアクリル塗料を使って塗装をすることは可能ですが、アクリル塗料で塗ってしまうと、塗料の防護膜(塗膜)の劣化が早く、すぐに外壁が防水性(耐水性)を失ってしまい、次の塗装までのスパンが短くなってしまいます。

 

以下は外壁塗装用の塗料をグレード別に並べ、耐久年数と一般的な大きさの住宅の工事費用をまとめた表です。

塗料名 耐久年数※1
アクリル系塗料 耐久年数:5~8年

費用※2:60万円

ウレタン系塗料 耐久年数:7~10年

費用:70万円

シリコン系塗料
耐久年数:10~15年

費用:87万円

ラジカル塗料 耐久年数:15年前後

費用:100万円

フッ素系塗料 耐久年数:15~20年

費用:111万円

光触媒塗料 耐久年数:15~20年

費用:129万円

セラミック塗料 耐久年数:10~20年

費用は塗料のグレードに依存する

ナノテク塗料

※1…耐久年数とは次の塗り替えまでどれくらいの期間があるかという塗料の耐久度を表す言葉で耐用年数、期待耐久年数とも言います。

※2…「費用」は30坪の2階建て住宅で、外壁のみを塗装したときの相場金額です。

次に、施工費用を耐用年数で割って、塗料別の一年分の施工費用として算出した費用を以下にまとめました。

塗料名 1年あたりの費用
アクリル系塗料 7.5万円~12万円
ウレタン系塗料 7万円~10万円
シリコン系塗料 5.8~8.7万円
ラジカル塗料 6.6万円
フッ素系塗料 5.6万円~7.4万円
光触媒塗料 6.5万円~8.6万円

1年あたりの費用で比べてみると、低価格を売りにしているアクリル系塗料やウレタン系塗料は、耐用年数が短いため塗装をしてもすぐに塗替えが必要になってしまい、コストパフォーマンスはあまり高くないことがわかります。

 

そして、フッ素塗料は一回あたりの施工費用が高いため、無理をして選ぶと塗装工事後の生活にも支障をきたしますので、コストパフォーマンスを考えてシリコン塗料かラジカル塗料を選んでおいた方が良いでしょう。

この2つはフッ素よりもグレードが低い種類ですが、フッ素に比べて耐久性が激減することはなく、10年以上は紫外線で劣化しにくく汚れにくい外壁を保つ力を十分持っています。

2.まずはシリコン塗料で見積もりを作ってもらう

「塗料に沢山の種類があってよくわからない」という時は、まずはシリコン塗料で見積もりを作ってもらい、その後に「価格を下げたいのでウレタン塗料」「少し予算に余裕があるのでフッ素塗料」という順番に別の見積もりを作ってもらい、最もコストパフォーマンスに優れているシリコン塗料をベースにして外壁塗装の予算を立てることをおすすめします。

 

しかし、「シリコン塗料」は多くのメーカーから製造されており、同じシリコン塗料でも金属に塗装できるものとそうでないもの、セラミックが配合されているもの、伸縮性がありサイディングには塗装できない弾性タイプなど、様々なタイプがあります。

中にはシリコン塗料中のシリコン含有量が多い、少ないで高品質、低品質を語る業者さんもいますが、品質に関して言えば、基本的に大手メーカーである日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研(SK化研)のシリコン塗料にしておけば間違いありません。

 

ただし先述している通り、適切な塗料というのは、家の立地、地域の気候(日当たり、湿度、雨が多いかなど)、予算などによって大きく変わるため、ご自宅の劣化症状に合うベストな塗料を見つけたいときは、業者に現地調査を依頼して見積もりを出してもらい、なぜその塗料を選んだかについて、塗料の専門家である塗装業者に尋ねるのが最も効果的です。

可能であれば2~3社に現地調査と見積もりを行ってもらい、見積もりの金額や提案内容を比べて最も説明に納得できる業者を選ぶようにすると安全です。

優良業者を探す場合は、外壁塗装駆け込み寺でも地域の優良店を無料でお探ししていますので、ぜひご利用ください。

■おわりに

塗料は日々新しい種類や商品が開発されており、昔スタンダードだったウレタン塗料がシリコン塗料の普及によってあまり使われなくなったように、時代とともに人気の商品も遷移しています。

現在外壁塗装リフォームをするのであれば、コストパフォーマンスに優れ耐久性も高いシリコン塗料やラジカル制御型塗料などがおすすめで、実際に多くの現場でもこの2種が使われています。

しかし、塗料にはどの家で使っても絶対に長持ちするような種類というものは存在せず、ご自宅の塗装に最も相応しい塗料を選ぶ確実な方法は、優良業者に自宅の現地調査をしてもらい、調査の結果にもとづいた見積もりを作ってもらうことです。

外壁塗装駆け込み寺では、お住まいの近くで豊富な施工実績を多く持つ優良外壁塗装業者を無料でお探ししておりますので、外壁塗装リフォームを成功させるためにぜひお役立てください。

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