モルタル、サイディングなどの壁の種類について

どのような外壁であっても、保護をするために塗料を塗る必要があります。しかし、元々の外壁がどのようなものなのかによって、適切な塗料は変わってきます。

ここでは様々な外壁材の種類について簡単にまとめています。

今現在の外壁材は何なのか、それに合った適切な塗料は何なのかなど、外壁塗装駆け込み寺にて無料相談を承っておりますので、ご利用ください。

様々な外壁材があり、それに合う塗料多いので、適切な塗料を選ぶには経験が必要。

モルタル壁とサイディングボードのメリット・デメリット

モルタル壁とサイディングボード壁のメリットデメリットをまとめました。

種類 メリット デメリット
モルタル壁
  • 暖かみがあるデザイン
  • 自由なデザインが可能
  • デザインを凝るとコストが高い
  • 家の形を選ばない
  • 補修しやすい
  • クラック(ヒビ)が入りやすい
  • 水が浸入するリスクが高い
  • デザインを凝るとコストが高い
  • 通気性が悪い
サイディングボード
  • 軽いものが多い(家の負担が少ない)
  • 通気性が良い
  • 工期が短い
  • 種類が豊富
  • 安っぽく見える可能性がある
  • コーキングも気にする必要がある
  • オリジナリティを出しづらい
  • 補修がしづらい

ただし、どちらの壁の種類であっても、アクリル塗料(アクリル系塗料、アクリル樹脂塗料ともいう)、ウレタン系塗料、シリコン系塗料(アクリルシリコン樹脂塗料、シリコン塗料ともいう)、ラジカル制御型塗料(ラジカル塗料)、フッ素系塗料などの塗料で塗る事はかわりません。

これらの塗料の中でモルタル用、サイディング用、木部用の弾性系塗料、複数色の外装材用のクリヤー塗料などに分かれます。下塗り用塗料、中塗り用塗料、上塗り用塗料などにも分かれます。例えば、ひびが入りやすい状態のモルタルであれば、「複層弾性塗料を利用する必要がある」「これぐらいなら微弾性フィラーを使うか」などと判断します。

主に使う塗料は大手塗料メーカーの塗料ですが、業者によっては懇意にしている塗料メーカー等の塗料を使う場合もあります。

モルタル壁

モルタル壁は暖かみがある反面、ひび割れがおきやすく、メンテナンスにも手間がかかる。

セメントと砂を混ぜたものがモルタルで、それをラス(網状金属)に塗り外壁にしたのがモルタル壁です。サイディングボードが出てくるまでは、日本のほとんどがモルタル壁の家でした。

サイディングは工場である程度完成した物を家に持ち込んで貼り付けるのに対し、モルタルは左官職人がその場で塗る事で完成させます(左官仕上げなどという)。手作業による作業で塗っていくものなので、暖かみのあるデザインや、自由度の高いデザインが可能です。また、吹きつけ塗装によるリシン仕上げやスタッコ仕上げなどの模様仕上げ方法もできます。

しかし、時間が経ち、家の形が変わるなどすると、ヘアークラックと呼ばれるひび割れが出来やすいという事や、それにより水が入り込みやすいという事、左官職人の手作業によるものなので手間とお金がかかるというデメリットもあります。

新築時に塗り上げたモルタル壁は10〜15年ほどたつと外壁の表面の塗膜がはがれ、防水効果などが切れてしまうなどの劣化現象が起こるので、そのタイミングで塗替えを行います。触ってみて手に粉がつく、ひびが入る、ふくれる、はがれるなどの劣化症状があれば塗装を考えましょう。

サイディングボード

日本の多くの家がサイディングです。模様が多様で、現場作業が少ないので安上がり。

モルタル壁が主流だった日本に昭和40年代から新しい外壁として誕生したのがサイディングボード(単にサイディングといったり、サイディング基材といったりします)です。

工場で成型し、建築現地に運び込み、縦横に並べて貼り付け、間の目地にはシーリング材(コーキング材、コーキング剤とも)を充填することで、中に水やゴミが入らないようにして施工します。モルタルと違い、このシーリング部分の劣化やひび割れにも気を配る必要があります。(参考記事:サイディングボード基本知識

もしコーキング部にひび割れが生じており、それを補修しないまま高圧洗浄を行うと、家の内部にまで入ることはありませんが、外壁の内部構造には水が浸入します(防水シートがあるので大丈夫ですが、水が入ることで劣化します)。

コーキング材の補修、バックアップ材と呼ばれる絶縁材の取り替えなど適切な順序、適切な補修方法で下地処理を行い、適切な乾燥時間で塗装をする必要があるのです。

サイディングは塗装を行うだけではなく、補修等も必要な場合があります。外壁塗装駆け込み寺にはサイディング補修から塗り替え、張り替えまでを請け負う優良業者が加盟していますので、失敗しない適切な工事をする事が可能です。無料でご案内しておりますので、是非お問い合わせください。

サイディングボードはその原材料によって様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

種類 メリット デメリット
窯業系サイディングボード
  • 豊富な柄から選べる
  • 比較的安価
  • コーキング張り替えがある
  • たわみが生じやすい
金属系サイディングボード
  • 耐火性能が高い
  • 断熱性が非常に高い
  • 比較的高価
  • コーキング張り替えがある
  • サビが発生する
木質系サイディングボード
  • 木の模様に暖かみがある
  • 断熱性が高い
  •  コーキング張り替えがある
  • メンテナンスに手間がかかる
樹脂系サイディングボード
  • 耐久性が非常に高い
  • 劣化や変色が少ない
  • コーキングを使わない
  • 弾力性があるので衝撃に強い
  • 非常に軽量で家の負担が少ない
  • 比較的高価
  • デザインが少ない
  • 必要に応じて下地が必要

窯業系サイディングボード

窯業系はサイディングの大多数を占めます。塗りでは表現出来ないような多彩さが特徴。

サイディングボードの中でも戸建て住宅の七割を占め、最もポピュラーな外壁材となったのが窯業系サイディングボードです。窯業サイディング材とも言います。

窯業(ようぎょう)というのは聞き慣れない言葉ですが、セメント、ガラス、石灰岩、ケイ砂(石英を主成分とする砂)、陶磁器などの非金属原料を高熱処理して製造します。窯(かま)を使用して製造される為、窯業という名前がついています。

サイディングボードの主成分もモルタル壁と同じセメントで、そこに繊維質の原料(木片など)と混和材を混ぜて作ります。

砂以外のものがたくさん入っているため、当然、砂ばかりのモルタルよりは軽くなっており、さらに含まれている繊維質原料のおかげで強度が非常に強くなっています。

シェアが最も多いため、作られている柄の数も色の種類も豊富です。単色ではないサイディングボードは上から色つき塗料で塗ってしまうと模様が塗りつぶされてしまうので、クリヤー塗料を使って塗装することが望まれます。

金属系サイディングボード

金属系は軽く、メタリックなので人気がある。しかし、錆びやすいのでメンテナンスが重要。

金属板を貼り合わせたサイディングボードの事を金属系サイディングボードと言います。

金属が主な為、セメントが主成分の窯業系と違い、非常に軽いため、家への負担が少ないです。また見た目にもメタリックで人気があります。

金属系サイディングボードの中には非常に有名な外壁材である「ガルバリウム鋼板」があります。金属系の弱点としては、やはり金属なので錆びる可能性が考えられます。また金属板を使用しているので原材料も高いです(参考:ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット)。

その他のサイディングボード

木質系、樹脂系は日本ではあまり使われませんが、海外では人気があります。

窯業系と金属系の他に、木質系と樹脂系などのサイディングボードが存在します。

木質系は原料が木なので趣のあるサイディングボードになる反面、火事になる時に燃え広がるなどのリスクがあります。

樹脂系サイディングボードはコーキングを使わない、ボードそのものに顔料が含まれている為、長期間の使用にも耐える反面、デザインが少ない、比較的高額などのデメリットがあります。

ALCパネル(ボード)

ALCパネルは耐火性が高く、軽いため外壁材として良いが、メンテナンスが重要。

高温高圧多湿の処理を施された「軽量気泡コンクリート」で作ったパネルのことを英語の頭文字からALCパネルと言います。autoclaved lightweight aerated concreteの頭文字を取っています。(参考:ALCパネル

日本工業規格上は薄型パネルに分類されます。簡単にメリットデメリットを書くと以下のようになります。

メリット デメリット
  • 耐火性が高い
  • 断熱性が高い
  • 軽い(コンクリートの1/4)
  • デザイン性が高い
  • 高価
  • 必要時応じて仕上げ材が必要
  • 欠けやすい
  • コーキングのメンテナンスが必要
  • 吸水性が高い

コンクリート壁

コンクリートはおしゃれですが、しっかりとした塗装と定期的なメンテナンスが欠かせません。

モルタル成分のセメントと砂にさらに砂利を混ぜたものがコンクリート壁です。

コンクリート打ち放しというのがデザイン的に良い、という声も聞きますが、しっかりと表面を塗装処理しておかないと、非常に古びた印象の建物になってしまいます。

メンテナンスを怠るとすぐに雨シミが出来てしまいます。

また、一般的に言えば、夏暑く、冬寒い為、住みやすい外壁とは言えないかもしれません。

GRC板

ガラス繊維で補強されたコンクリート壁の事(厳密に言うと耐アルカリガラス繊維で補強したセメントモルタル)で、1970年代にイギリスから入ってきたものです。Glassfiber Reinforced Cementの頭文字を取っています。

コンクリート打ち放し調仕上げ、タイル仕上げ、曲がった模様、木目調などが可能で非常に意匠性が高い外壁です。不燃材料なので、耐火性も高く、断熱性も高いです。

しかし、一般家庭にとってはメジャーではなく、価格も非常に高いです。かなり長い目で見れば、ランニングコスト等でメリットがあります。

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