レンガ調タイルや本物のレンガを外壁にする場合の基礎知識

レンガ造りの住宅は、

  • 断熱性に優れている
  • メンテナンスをあまり行う必要がない
  • 見た目がオシャレ

であるため非常に人気がある外壁の一つです。

 

しかし、レンガ造りの外壁を一から作り上げるためには、元の外壁を解体し、レンガ職人が一つ一つのレンガを積み上げたり、貼り付けたりしながら作るという手間のかかるリフォーム工事を行う必要があるため、高額な費用が発生します。

 

街中を歩いていると、レンガ造りのような戸建て住宅を見かけることがありますが、レンガを積み上げて作られた外壁の家はほとんどなく、多くの場合、レンガ調サイディングボードやレンガ調タイルといった外壁材を使うことでレンガ造りのような雰囲気を作り出しているのです。

 

この記事では外壁で人気があるレンガの風合いを出すことができる外壁材やレンガに関して解説しています。

■レンガ調サイディングボードはレンガの模様を最も気軽に表現できる施工法

レンガ調サイディングボードとはレンガのような模様がつけられた窯業系サイディングボードのことを指し、このサイディングボードで施工を行うと、レンガを積んで作った外壁のような風合いを出すことができます。

しかし、サイディングボード同士の境目にコーキング材(シーリング材)というゴム製の樹脂を注入する必要があるため、レンガの模様によってはそのコーキング材部分が目立ち、レンガの風合いを損なう場合があります。

参考:サイディングボードのメンテナンス、ひび割れ等の補修方法

1.レンガ調サイディングボードの外壁塗装リフォーム

●レンガ調サイディングボードはどのように劣化するか

レンガ風外壁の家のほとんどで使われているレンガ調サイディングボードは、時間が経つと、

  • ボードの境目にあるコーキング材がひび割れる、細くなる(痩せる)
  • サイディングボード自体が反る、欠ける、割れる
  • チョーキング現象
  • レンガの模様が色褪せる、カビが発生する

などの劣化が発生します。

●レンガ調サイディングボードのリフォームではクリアー塗料を使う

レンガ調サイディングボードで塗り替えリフォームを行う際には、元のタイル模様をそのまま生かすために、透明なクリアー塗料を使います。

なぜならクリアー塗料ではない色のついた塗料を使ってリフォームを行ってしまうと、外壁全体が同じ色になってしまい、レンガ模様が潰されてしまうからです。

 

クリアー塗料はその名前の通り透明な塗料なので、元の外壁が色落ちしてしまっている場合は、その色落ちした状態のまま外壁を保護してしまいます。

そのため、クリヤー塗料でレンガ調サイディングボードの塗替えリフォームを行う場合は、外壁に色褪せや色落ちが発生する前に塗装を行うことが大切です。

参考:クリヤー塗料を使った外壁塗装のメリット、デメリット

オススメのクリアー塗料は日本ペイントのUVプロテクトクリアー

レンガ調サイディングボードでは、日本ペイントのUVプロテクトクリアーというクリアー塗料がよく使われており、この塗料はデザイン性が高いレンガ調サイディングボードなどを模様を残したまま保護するために開発された塗料です。

シリコン系樹脂塗料(セラミック系と表記)とフッ素系樹脂塗料があり、

  • 耐久性が高い
  • カビを防ぐ
  • 紫外線に強い

などの外壁面劣化を防ぐような効果を持っています。

あえてクリアー塗料でない塗料を使って立体感を出すこともできる

レンガ調サイディングボードの塗装リフォームでは、もともとのレンガ調の風合いを生かすようなクリアー塗装が基本ですが、レンガ調のサイディングボードのレンガ部分とレンガの間の部分とを2種類の塗料で塗り分けて、立体感を出すような日本ペイントのダイヤモンドコートという塗料もあります。

画像引用元:http://diamondcoat.jp/about/design/

この塗料を使うと、タイル調の外観は変えずに異なる外壁色にすることができますので、

  • 茶やベージュ系の明るい色に変える
  • オレンジ色やブルー系などのオリジナリティのある色に変える

など、今の家のイメージを外壁塗装工事の機会に大きく変えたい時などにおすすめです。

■レンガ調タイルは湿式と乾式の二つがある

画像引用元:https://www.karucera.jp/features/

レンガ調サイディングボードがいくつものレンガが集まった一枚のパネルであるのに対し、レンガ調タイルは上記の画像のようにレンガの風合いを持ったレンガぐらいの大きさのタイルです。

レンガと同じように壁面に貼り付けて施工するので、本物のレンガと見間違えてしまうような仕上げ方にすることも可能で、人気のある外壁材です。

 

レンガ調タイルには二つの種類があり、モルタルなどの壁に貼り付けていく湿式工法のレンガタイルと、サイディングボードに引っ掛けて設置する乾式工法のレンガタイルがあります。

1.湿式工法レンガタイルは外装、内装で利用される

画像引用元:https://www.karucera.jp/features/

湿式レンガ調タイルはこの写真のように、接着剤を含ませた外壁にレンガ調タイルを貼り付けることで施工します。

湿式レンガ調タイルは本物のレンガと違って非常に軽くて丈夫なため施工が簡単で、外壁はもちろん、内壁の雰囲気づくりのためにも利用されています。

 

玉川窯業株式会社のカルセラなどが湿式レンガ調タイルの有名な製造メーカーですが、楽天などで湿式レンガ調タイルを購入し、DIY(業者に頼まず自分で施工する)で内装の一部に貼り付ける人も増えているようです。

2.乾式工法レンガタイルはサイディングにはめていく工法

画像引用元:https://www.lixil.co.jp/lineup/tile/exterior_wall/berparch/

乾式工法のレンガタイルは、レンガタイルというよりはどちらかというとサイディングボードのような工法で施工します。

家の外壁にベースサイディングという後からレンガタイルを引っ掛けるための器具がつけられたボードを貼り付け、その器具と接着剤を使用してタイルを接着するのです。

 

乾式工法のレンガタイルは、サイディングボードと違って一つ一つのタイルが独立しているので、配色を変えることで自分の希望に合わせた模様にすることができます。

参考:LIXIL ベルパーチシリーズ

 

湿式工法でも、乾式方法でもレンガ調タイルは時間が経つと、カビや苔の発生やタイルの割れ、剥離などが発生してくることがありますので、その場合、その部分のタイルを外して新しいタイルに付け替える、などの補修が可能です。

■本物のレンガの外壁にしたい場合

1.レンガを積んで外壁を作るブロックレンガ(レンガ積み)

誰もが思い浮かべるブロック状のレンガを使った外壁の工法は、日本ではあまり使われていません。

粘土や岩石を窯の中で高温で焼き上げたレンガは非常に高い耐久性を持っているのですが、レンガ自体が重く、外壁全体に常に負担がかかっている状態となり、地震などで簡単に崩れてしまう可能性があります。

施工できる業者が少なく、地震が多い日本ではあまり普及していないブロックレンガですが、本物のレンガを使った工法にも様々あるので、自身の家に合ったブロックレンガ施工方法を探してみましょう。

●ブロックレンガの湿式工法

上記の写真のように、モルタルを塗りながらレンガを積み上げていく壁だけで外壁を作り上げるイメージですが、それだけでは外の暑さや寒さをそのまま家の中にまで伝えてしまうため、実際のブロックレンガの湿式工法では、断熱材などで作り上げた壁に少し空間を作ってその外にレンガの壁を作るという工法が一般的です。

画像引用:http://www.fujiyogyo.co.jp/business_service/tile_block/block.html

 

ただし、このようなブロックレンガ湿式工法で外壁を施工できる業者は非常に限られているため、まずは根気よく相性の良いレンガ施工業者を探す必要があります。

その上で、希望のレンガの色、形などを相談して価格に納得できてから依頼するようにしましょう。

 

地域のブロックレンガ湿式工法の施工が可能な業者をお探しの場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

●ブロックレンガの乾式工法

モルタルを使ってレンガを組み合わせて行くのが湿式工法でしたが、乾式工法の場合はモルタルを使わずに接着剤や枠を使ってレンガを組み合わせます。

ただ、ブロックレンガの乾式工法は、守るための外壁に使われることは少なく魅せるための壁や柱としてのみ使われることがほとんどです。

画像引用:http://www.fujiyogyo.co.jp/business_service/tile_block/block.html

魅せるためのレンガの柱や壁を作りたい、という方は、外壁塗装駆け込み寺で施工できる業者をお探ししますので、こちらのページからご相談ください。

2.レンガを貼り付けて外壁を作るスライスレンガ

スライスレンガは前項で説明したブロックレンガを薄くカットしたものです。

本物のレンガをカットしただけなので、見た目は本物ですし、カットした分軽く、外壁にも負担をかけにくいです。

 

ブロックレンガと同様にスライスレンガにも湿式工法と乾式工法がありますが、スライスレンガの場合は、どちらの工法でも外壁として機能させることができます。

 

レンガ調タイルはあくまで「レンガのようなタイル」でしたが、こちらの場合は本物のレンガですので、価格はレンガ調タイルよりも高めで割れやすいので施工も難しいです。

●乾式工法

画像引用:http://smartbricks.co.jp/wp-content/uploads/2016/07/2015-h4.pdf

スライスレンガの乾式工法では、まず断熱材などを設置した上にシートを取り付け、その上からレールを釘で固定し、スライスレンガをはめていきます。

レンガとレンガの隙間には目地材としてモルタルを流し込んでレンガを固定するという工法です(スマート・ブリック社の乾式工法を例に挙げています)。

 

スライスレンガの乾式工法はブロックレンガを積む工法よりは簡単ですが、それでも十分な技術が必要であるため、失敗せずにスライスレンガの外壁を作りたいという方は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

●湿式工法

スライスレンガの湿式工法はレンガ調タイルの湿式方法とほとんど同じで、モルタルの下地の上にスライスしたレンガを貼り付けていくという工法です。

スライスレンガと違って本物のレンガをスライスしたスライスレンガは重く、モルタルに貼り付けるだけでは接着が不十分で剥がれ落ちる可能性もあるため、DIYで一部だけ施工するという場合を除きおすすめできません。

3.本物のレンガ外壁のメリット・デメリット

レンガ調のタイルはレンガの見た目のメリットなどを取り入れながら、重いというデメリットを解消した外壁材として使われていますが、本物のレンガ外壁のメリット・デメリットはどのようなものかまとめてみました。

●本物のレンガ外壁のメリット1 見た目

レンガの見た目は奥ゆかしい、情緒がある、異国感があるなど様々な表現ができますが、最も大きなメリットはやはり見た目で、レンガにしか出せない雰囲気があります。

レンガ調タイルにもある程度レンガの見た目を再現できるのですが、それでもよく見ると本物のレンガとレンガ調タイルは違うため、本物のレンガの質感を求める場合は、ブロックレンガか、スライスレンガの工法を使って外壁を作るしかありません。

 

逆にある程度の質感さえあれば本物にはこだわらないという場合は、レンガ調タイルで十分希望を叶えられるでしょう。

●本物のレンガ外壁のメリット2 長い間使うことができる

日本の屋根によく使われていた和瓦と同様にレンガは数十年以上使うことができます。

地震や何かがぶつかって割れてしまわない限りは外壁としての機能は長期間維持できますし、ぶつかって割れてしまったところがあればそこだけレンガをつけ直すことも可能です。

 

ただし、レンガとレンガの隙間に注入してあるモルタルは経年劣化でヒビが入ったり欠けたりする場合があるのでメンテナンスフリーということではなく、定期的に調査し、修繕する必要があります。

●本物のレンガ外壁のデメリット1 施工価格が高い

家の形や希望のレンガによって様々であるため幅が大きくなってしまいますが、本物のレンガの施工の場合、ブロックレンガ、スライスレンガのどちらであっても、最低10,000円〜35,000円/㎡以上の予算が必要であり、これは最高級塗料であるフッ素塗料の3,500~4,500円/㎡とは比べ物にならないぐらい高額です。

レンガ調タイルであっても全面張り替える場合は、10,000円〜20,000円/㎡以上の予算が必要です。

 

ただご自身の家の形がどのようなものであるか、希望するレンガ、施工方法によって大きく変わりますので、外壁塗装駆け込み寺でご相談いただき、実際にレンガ施工のプロに調査してもらった上で費用を算出するのをおすすめします。

●本物のレンガ外壁のデメリット2 地震に弱い

レンガの素敵な見た目などのメリットにもかかわらず、日本でほとんど普及しないのはレンガが地震に弱いという大きなデメリットを持っているからです。

レンガ自体が非常に重く、外壁に負担をかけている上に衝撃に弱いため大きな地震がくれば崩れてしまいます。

関東大震災で日本にあるレンガ造りの家は大きな被害を受けてしまいましたし、地震の頻度が減ったわけでも、レンガ造りの家の耐久度が飛躍的に上がったわけでもないため、今現在、レンガで外壁を作ろうという日本の方は少ないです。

■まとめ

外壁をレンガの風合いにしたい場合は、

  • レンガの風合いのサイディングボードを使う工法
  • レンガの風合いのタイルをサイディングの枠にあわせてはめていくタイル乾式工法
  • レンガの風合いのタイルをモルタル壁に貼り付けていくタイル室式工法
  • 本物のレンガをモルタルと一緒に積み上げていく積みレンガ工法
  • 本物のレンガをスライスしたものを枠にはめていくスライスレンガ乾式工法
  • 本物のレンガをスライスしたものを貼り付けるスライスレンガ湿式工法

など、本当に様々な方法が存在します。

 

絶対に本物のレンガを使いたい、レンガ風に見えれば本物のレンガでなくても良い、できるだけ予算を節約したいけどレンガっぽい模様にしたいなど、希望している仕上がりや予算を業者に伝えることで納得がいくレンガ調外壁を目指しましょう。

 

地域のレンガ調外壁のリフォームが得意な業者をお探しの方は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

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