外壁塗装の知識

外壁塗装のことを相談するならどこにするべき?

外壁塗装工事について詳しくない方は、見積もり依頼の方法や工事前に済ませておくべき準備などについてわからないですし、工事中や工事が終わった後も不安や疑問が生じる可能性が高いため、外壁塗装工事を安心して終わらせるためには、信頼できる相談先を見つけておく必要があります。

 

この記事では、外壁塗装工事に関して外壁塗装駆け込み寺に寄せられる相談事例をご紹介しながら、相談先の候補や相談するときの注意点などを解説します。

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外壁塗装を格安にする方法と注意点を徹底解説!

「外壁塗装をできるだけ格安で業者に依頼したい」と考える方は少なくありません。

戸建て住宅の外壁塗装は高額になりがちですが、工夫次第で費用を安く抑える方法があります。

 

一方で、あまりに安い外壁塗装には、思わぬ落とし穴が潜んでいる場合もあるため、注意が必要です。

本記事では、外壁塗装の費用相場や格安にする具体的な方法、そして、安すぎる業者に依頼する際の注意点や避けるべき行動について詳しく解説します。

外壁塗装を安く済ませたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

外壁塗装の費用相場と格安工事の目安

外壁塗装にかかる適正な費用相場を知ることは、格安かどうか(安すぎるか、お得なぐらいかも含めて)を判断するうえで重要です。

一般的な戸建て住宅(2階建て・延床30坪前後)で、外壁のみを塗装する場合、おおよそ80~150万円程度が相場とされています。

もちろん、建物の大きさや劣化状況、選ぶ塗料の種類によって費用は上下し、小規模な住宅であれば50万円前後で収まるケースもあります。

 

外壁塗装の見積もり費用には、足場設置費・洗浄や下地処理費・塗料代・施工人件費・諸経費などが含まれます。

特に足場代は、全体の1~2割程度を占めることが多く、一般的な2階建て住宅では10~20万円程度が必要です。

 

そのほか、高圧洗浄や下塗り・上塗りの材料費と人件費、付帯部(雨樋や軒天井など)の塗装費用、廃材処理費なども積み上がって総額が決まります。

こうした適正価格の範囲を把握したうえで、相場より極端に安い価格提示には注意しなければなりません。

 

例えば。相場の半額以下となるような格安工事は、何らかの工程省略や粗悪な施工につながる可能性が高いです。

「他社よりも異常に安い」見積もりを提示された場合には、その理由を必ず確認することが大切です。

外壁塗装の費用を安く抑える方法

ここからは、外壁塗装の費用をできるだけ抑えるための具体的なポイントを解説します。

以下に挙げる方法を組み合わせることで、適正品質を維持しつつ、工事費用を節約できる可能性があります。

複数の業者から相見積もりを取って比較する

外壁塗装で費用を抑える基本は、相見積もり(複数業者からの見積もり取得)です。

1社だけの見積もりでは高いか安いか判断しにくいため、少なくとも2~3社には見積もりを依頼しましょう。

複数社の価格や提案内容を比較することで、適正価格の範囲が見えてきます。

 

また、業者側も競合他社の存在を意識すると、多少の値引きに応じてくれる場合があります。

例えば、「他社でも検討している」と伝えることで、最終的に見積額が下がるケースもあります。

 

なお、相見積もりを依頼する際は、それぞれの外壁塗装業者に依頼する条件(塗装面積や使用する塗料グレードなど)を統一してもらうことが大切です。

それぞれに依頼した外壁塗装の条件がバラバラだと単純比較ができず、適正な比較検討が難しくなります。

チラシやネットのキャンペーン情報を活用する

塗装業者が期間限定で実施しているキャンペーンや、割引プランを利用するのも有効な手段です。

地域の新聞折込チラシや、インターネット広告に目を通し、お得なキャンペーン情報を見逃さないようにしましょう。

 

例えば、工事が閑散期の時期に「足場代半額」「◯◯円引き」などの割引を提供している業者もあります。

タイミングが合えば、通常より安い価格で塗装工事を依頼できるでしょう。

 

気になったキャンペーンは、切り抜きやスクリーンショットで保存しておくと、複数業者の見積比較の際に参考資料として使えます。

外壁塗装の閑散期(オフシーズン)を狙う

塗装業界には、塗装リフォーム工事の繁忙期と閑散期があります。

一般的に、春や秋にかけては依頼が集中しますが、梅雨時期や真冬など工事依頼が少ない時期は、閑散期となります。

閑散期には仕事が減る分、価格交渉がしやすかったり、割引サービスが提供されたりすることがあります。

 

例えば、梅雨時期や1~2月頃に塗装を依頼すると、通常より安く対応してもらえる可能性があります。

ただし、真冬の寒すぎる日や長雨が続く梅雨時期は塗料が乾きにくいため、工期が延びる可能性がある点には注意が必要です。

 

工期に余裕を持てる場合には、あえてオフシーズンに依頼することで費用面のメリットが得られるでしょう。

大手より地元の自社施工業者に依頼する

外壁塗装工事を依頼する業者の選択も、費用に影響します。

一般的に、ハウスメーカーやリフォーム会社などの大手企業は、実際の塗装作業を下請け業者に発注するケースが多く、中間マージンが発生するため、費用が高めです。

 

一方、地域の塗装専門店など、自社施工で工事を行う業者であれば、中間マージンがかからず、比較的安価になる傾向があります。

例えば、足場設置を自社で行える業者であれば、足場を足場専門業者などに外注する必要がないため、その費用が不要となり、リフォーム工事費用を抑えることが可能です。

 

ただし、大手企業は、割高な分、保証やアフターサービスが充実しているという利点もあります。

費用重視であれば、地元の業者も検討しつつ、各社から見積もりを取り内容と保証条件を比較するとよいでしょう。

工事範囲を必要最小限にする(不要な作業を省く)

塗装業者に出してもらった見積書に、無駄なサービスが含まれていないかチェックすることも大切です。

提示された見積書をよく確認し、「高級すぎる塗料を使っていないか」、「塗装しなくてもよい箇所まで含まれていないか」などを見極めましょう。

 

例えば、普段あまり目につかない場所や、劣化が少ない部分まで無理に塗装すると、その分、費用は増えてしまいます。

必要最低限の範囲に絞って施工すれば、無駄な出費を避けられます。

 

ただし、劣化している箇所を工事の対象から外してしまうと、後々不具合が出るため、本当に塗装が不要かどうかは、プロと相談して決めることが重要です。

見積内容で不明な点があれば、遠慮せず、業者に確認し、「何にいくらかかっているか」を明確に把握しておきましょう。

外壁塗装と屋根塗装を同時に行う

外壁だけでなく、屋根の塗装も近いうちに必要な場合は、いっしょに施工してしまう方がお得です。

外壁と屋根を、別々に時期をずらして塗装すると、足場を二度も組む必要があり、その度に足場代がかかってしまいます。

同時に塗装すれば、1回の足場設置で両方の工事が完了するため、足場費用を1回分節約できます。

 

また、外壁と屋根は、どちらも定期的な塗装メンテナンスが必要な点は変わりません。

外壁塗装のタイミングで、屋根も一緒に塗装してしまうことを検討してみましょう。

塗料のグレードを調整して費用をコントロール

使用する塗料の種類やグレードによっても、塗装工事の費用は変わります。

一般的に、耐久性が高く高級な塗料ほど価格も高くなるため、予算に応じて塗料のグレードを下げれば、工事費用を安くすることは可能です。

 

ただし、塗料のグレードを下げると、耐用年数も短くなる点には注意が必要です。

安価な塗料を使うと、再塗装までのサイクルが早まり、トータルでは割高になる恐れもあります。

現在、主流のシリコン塗料は、価格と耐久性のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れる塗料とされています。

予算内でどのグレードの塗料を選ぶかは、業者と耐用年数と費用のバランスを相談しながら決めましょう。

(塗料の種類ごとの価格や特徴については、こちらの記事も参考にしてください)

自治体の補助金・助成金を活用する

お住まいの自治体によっては、住宅の外壁塗装やリフォーム工事に対する補助金・助成金制度が用意されている場合があります。

自治体の条件を満たせば、工事費用の一部について10~30万円程度の補助が受けられることもあります。

 

たとえば、省エネ性能向上を目的とした断熱塗料・遮熱塗料の使用や、一定規模以上のリフォーム工事を対象に、助成金が出るケースがあります。

補助金を利用するには、着工前に申請が必要で、地元業者への依頼を行っているかや、税金滞納がないことなど、各自治体で条件が異なります。

 

まずは、お住まいの市区町村の公式ホームページや窓口で、利用できる制度がないか確認してみましょう。

条件に当てはまる場合は、是非、活用を検討したいところですね。

リフォームローンを利用して負担を平準化

どうしても手元にまとまった資金がない場合は、リフォームローンの活用も検討しましょう。

リフォームローンを利用すれば、一度に大金がなくても、工事費用を分割して支払うことができます。

金融機関でローンを組む方法や、リフォーム業者と提携ローンを利用する方法があります。

 

ローン利用には金利負担がありますが、月々の支出を平準化できるメリットがあります。

また、一定の条件を満たせば、住宅ローン減税などの優遇策を受けられる場合もあります。

すでに住宅ローン返済中の方は、同じ金融機関でリフォームローンを組めば一本化できるケースもあるため、まずは取引をしている金融期間に相談してみましょう。

火災保険が適用される場合は有効活用する

意外に見落としがちですが、アパートの外壁塗装工事では、条件次第で火災保険を活用できるケースもあります。

火災保険は火事だけでなく、台風や雹(ひょう)などの自然災害による外壁の損傷も補償対象となる場合があるのです。

 

例えば、台風で飛来物がぶつかり、外壁に破損が生じた場合などは、火災保険で修繕費用がカバーされる可能性があります。

保険金が下りれば、実質的に自己負担をゼロか、少なく外壁補修ができるため、まずは加入中の保険内容を確認しましょう。

 

注意点として、保険請求には、被害発生から3年以内など期限があること、意図的な破損や経年劣化は対象外であることが挙げられます。

申請には写真や書類が必要になるため、該当しそうな場合は、早めに保険会社や施工業者に相談すると良いでしょう。

支払い方法を工夫し値引き交渉する

見積額からさらに安くしてもらいたい場合、支払い方法の工夫によって値引きを引き出せる可能性があります。

たとえば、現金一括払いや短期での支払いを提示すれば、業者によっては多少の割引に応じてくれることがあります。

クレジットカード払いでは、手数料が業者負担となるため、現金払いの方が歓迎される傾向があります。

 

また、「他社では○○万円と言われた」といった情報を伝え、価格交渉してみるのも一つの手段です。

ただし、あまりに過度な値引き要求はマナー違反となります。

しつこく無理な値下げ交渉をすると敬遠される恐れもありますので、常識の範囲内で交渉しましょう。

格安の外壁塗装業者に依頼する際の注意点

相場を大きく下回る格安料金を掲げる業者に工事を依頼する場合、いくつか注意すべきポイントがあります。

安さだけに飛びつくと、結果的に施工不良や追加費用の発生など、後悔する事態になりかねません。

 

ここでは、格安業者によく見られる手口やリスクと、その対策について解説します。

極端に安い見積もりの裏にあるもの

外壁塗装はオーダーメイドの工事であり、元々材料費や人件費がかかるため格安価格には限界があります。

企業努力による一定の値引きは可能ですが、相場の半額以下など大幅な値下げは通常不可能です。

極端に安い金額には、何らかの理由が潜んでいると考えるべきでしょう。

 

安さが適正な経費削減によるものであれば良いですが、多くの場合は必要な工程を省略したり、品質を落とした結果である可能性が高いです。

他社より見積額が著しく低い場合には、「なぜそんなに安いのか」を業者に確認してください。

明確な説明ができなかったり、言葉を濁すようであれば、何か後ろ暗い理由があるかもしれません。

安い業者にありがちな手抜き工事の例

格安業者の中には、コスト削減のために施工の質を落としてしまうケースがあります。

以下に主な例を挙げます。

  • 塗料を過度に希釈する – 塗料を薄めて使うことで材料費を減らす。塗膜が薄くなり耐久性が著しく低下する。
  • 下地処理や乾燥時間の省略 – 高圧洗浄や、ひび割れ補修を十分に行わなかったり、塗料の乾燥時間を短縮したりする、仕上がり不良や早期剥離の原因となる。
  • 不十分な足場・人員 – 安全対策費を削減するために、不安定な簡易足場で作業したり、極端に少人数で工事を行ったりすると、事故や品質低下のリスクが高まる。
  • 低品質な塗料の使用 – 耐久性の低い安価な塗料を使って材料費を下げる。数年で劣化が進み再塗装が必要となる。

このような手抜き工事を防ぐためにも、契約前に施工内容を詳細に確認し、疑問点は業者に尋ねるようにしましょう。

契約後に追加料金を請求されるリスク

悪質な業者の中には、契約後に追加工事を持ちかけて追加料金を請求してくるケースもあります。

初回見積もり時には格安な価格を提示し、契約を取っておいてから「やってみたら追加の補修が必要だった」などと言って当初想定外の費用を求める手口です。

 

実際に、劣化状況によって追加工事が発生することは、優良業者であってもあり得ることですが、事前説明もなく、契約後に次々と費用が増えるというような被害に遭われた方もいます。

追加料金の対策として、契約前に追加工事の可能性と、の際の費用目安を確認しておきましょう。

 

また、「塗装してもらえると思っていた箇所が見積範囲外だった」ということのないように、外壁以外の付帯部分(門扉、雨樋、軒天井など)の塗装範囲も含め、見積書に何が含まれているか確認することが大切です。

悪徳業者を見分けるポイント

ここまで述べたようなリスクを避けるため、業者選びの段階で悪徳業者を見抜くことも重要です。

以下のような特徴が見られる業者には注意しましょう。

  • 訪問営業で契約を急かす – 突然自宅に訪ねてきて「今契約すれば○○円にします」などと即決を迫る業者は要注意です。
  • 会社名や実績をはぐらかす – 名刺を出さなかったり具体的な実績を示せない業者は信頼性に欠けます。
  • 異常な大幅値引きを提示 – 相場からかけ離れた値引き(○○%オフなど)を持ちかけるのは不自然で、どこかで帳尻を合わせる可能性があります。
  • 高額な前払いを要求 – 工事代金の全額を契約時に払わせようとするのはリスクが高く、避けるべきです。
  • 「足場代無料」を強調 – 足場代は必ずかかる費用なので、それを完全無料とする宣伝には裏があることが多いです。
  • 独自の塗料を強く勧める – 聞き慣れない「当社開発の塗料」などを売りにする場合、市販品と比べて性能が不明確なことがあります。

契約前に以上の点をチェックし、少しでも不信感があれば契約を見送る勇気も必要です。

外壁塗装を安くするためにやってはいけないこと

最後に、費用を節約したいあまりに絶対にやってはいけない行動を確認しておきましょう。

以下のような行動は、かえって損失やリスクを招くため要注意です。

  • 外壁塗装自体を先延ばしにする – 塗装時期を過ぎて放置すると外壁の劣化が進み、雨漏りや構造腐食を招いて逆に高額な修繕費がかかります。
  • 極端に安い業者に飛びつく – 安さだけで業者を選ぶと、手抜き工事や追加費用請求などのトラブルに見舞われる可能性が高いです。
  • 必要な工程を省略する – 下塗りを省く、部分的な補修で済ませる等の妥協は、結局すぐに不具合が生じて再工事が必要になり、割高になります。
  • 耐久性の低い塗料で妥協する – 安価だが耐用年数の短い塗料を選ぶと頻繁な塗り替えが必要になり、生涯コストは高くつきます。
  • 十分な知識もないままDIYする – 高所作業の危険や仕上がりの難しさから、素人のDIY塗装は失敗やケガのリスクが大きいです。
  • 業者の言いなりで焦って契約する – 「今だけ格安」等の謳い文句に急かされて判断すると、後から後悔するケースが多いため冷静な検討が必要です。

以上の点を踏まえて、適切なタイミングで適切な施工を行うことが結果的に一番の節約につながります。

(費用がないときについやりがちなNG行動については、こちらの記事も参考にしてください)

まとめ

外壁塗装を格安に行いたい場合でも、適正な相場観を持ったうえで方法を検討することが大切です。

費用を安く抑えるには、複数社の相見積もりやキャンペーン活用、時期の工夫、塗料や工事内容の調整、各種制度の利用など、様々な手段があります。

これらを組み合わせることで、質を落とさずにコストを削減できる可能性が高まるでしょう。

 

一方で、相場とかけ離れた激安価格には注意が必要です。

格安を売りにする業者に依頼する際は、施工品質や契約内容を十分に確認し、後々のトラブルを防ぐようにしてください。

 

結果的に、適切なメンテナンスを適切な価格で行うことが、一番の節約につながります。

本記事の内容を参考に、ご自身の条件に合った賢い外壁塗装を実現してください。

外壁塗装の施工例を見る時に知っておきたい注意点とは

外壁塗装リフォーム工事では、ホームページや業者さんの営業の時などに実際に施工した実例、料金例などの例を見る機会があり、その業者を信用するかどうかの材料として、例を見る方も多いかと思いますが、実は外壁塗装工事の例を偽装することはとても容易く、例を偽装している悪質な塗装業者もたくさんいます。

もちろん、評判を上げるために良い例しか載せないなど、多少の誇張は問題ない範囲もあるかもしれませんが、許容範囲を超えている虚偽の例も多数あります。

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外壁塗装の材料費を節約しても工事費用は安くならない

外壁や屋根の塗装工事では、塗料、養生シート、マスキングテープ、コーキング材など多くの材料が使われており、これらは材料費として工事費用に含まれています。

外壁塗装費用全体の内訳を見てみると材料費の割合は20%前後であり、外壁塗装工事費用が100万円ほどだとすると、材料代は意外にも20万円ほどしかかかっていないのです。

 

この記事では、

  • なぜ材料費があまりかからなくても外壁塗装工事費用が高額になってしまうのか
  • 外壁塗装における材料費とは何の費用なのか
  • 見積書から適正な材料費かどうか判断する方法

などを解説していきます。

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外壁を汚れにくくするには?塗料・色・素材の選び方とお手入れガイド

外壁の美観を長持ちさせ、建物を守るためには、「汚れにくい外壁」にすることが重要です。

外壁がすぐに汚れてしまうと、見た目が悪いだけでなく、汚れが塗膜を劣化させて、建物本体にも悪影響を与えます。

 

そこで本記事では、外壁を汚れにくく保つための塗料・色・素材の選び方やメンテナンス方法について、詳しく解説します。

専門家の視点からポイントを整理し、どんな外壁にすれば汚れが付きにくいか、そして付いた汚れをどう対処すれば良いかを丁寧に説明します。

一般の方にも分かりやすい言葉でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

汚れにくい外壁とは?その定義と重要性

「汚れにくい外壁」とは、外壁にホコリや雨だれ、コケなどの汚れが付きにくく、付着しても落ちやすい外壁のことです。

家の外壁は、常に風雨や大気中の汚染物質にさらされていますが、素材や塗料によっては、汚れが表面に残りにくい工夫がされています。

例えば、特殊なコーティングにより、雨水で汚れが洗い流される「セルフクリーニング機能」を持つ塗料や、表面が平滑で、汚れが溜まりにくい外壁材などが該当します。

 

外壁を汚れにくく保つことは、単に見た目の問題だけではありません。

汚れが少ないということは、塗膜の劣化を遅らせ、外壁材そのものの寿命を延ばすことにもつながります。

美観(見た目の美しさ)と保護(建物を守る役割)という外壁塗装の目的を両立するために、防汚性は欠かせない要素です。

新築時の美しさを長く維持できれば、建物の資産価値も保ちやすく、メンテナンス費用も削減できます。

 

では、何を基準に「汚れにくさ」を評価すれば良いのでしょうか。

以下に、外壁の汚れにくさを決める主な評価軸と、その重要度の目安を示します。

評価項目 汚れにくさへの影響度
塗料・コーティングの防汚性能 約40%
外壁材の表面性状(平滑さ・吸水性の低さ) 約20%
外壁の色(汚れの目立ちにくさ) 約20%
仕上げの艶(光沢の有無) 約10%
定期的なお手入れ(清掃・点検) 約10%

上記のように、まずは塗料やコーティングの持つ防汚性能が汚れにくさを左右します。

次に、外壁材そのものの性質(表面がツルツルかザラザラか、水を吸いにくいかどうか)も影響が大きいです。

また、選ぶ色によって汚れの目立ちやすさが変わり、さらに塗装の仕上げ(艶ありか艶消しか)によっても汚れの付着しやすさが変わります。

最後に、いくら高性能な外壁でも全く汚れないわけではないため、定期的に点検・清掃して早めに汚れを除去することも大切です。

これらの要素を総合的に考えて、汚れにくい外壁づくりを目指しましょう。

外壁が汚れる主な原因と汚れの種類

そもそも、外壁にはどのような汚れが付くのでしょうか。

外壁が汚れてしまう原因は一つではなく、さまざまな種類の汚れが存在します。

代表的な外壁や屋根の汚れの種類と、その原因を把握しておきましょう。

雨だれ(雨筋汚れ)

雨だれとは、雨水が伝った跡に沿って黒ずんだ筋状の汚れが残る現象です。

窓枠や換気口の下など、雨水が集中して流れる箇所で起きやすく、ほとんどの住宅で見られる厄介な汚れです。

 

外壁には、空気中の埃や排ガス由来の油分が、普段から外壁表面に溜まります。

そして、雨が降った際に、それらが一緒に流れ落ちますが、一部の箇所(出っ張りの下など)では、雨水が集中するため、汚れが筋状に残ってしまうのです。

 

雨だれは、放置すると筋がどんどん濃く長くなり、建物全体が黒ずんだ印象になってしまいます。

雨だれ汚れを防ぐには、軒や水切りを適切に設置して、雨水の流れをコントロールすることが有効です。

それでも雨だれを完全には防ぎきれないため、雨だれができてしまったら、中性洗剤を薄めた水や家庭用高圧洗浄機で早めに洗い流すようにしましょう。

塗装から時間が経っていない雨だれであれば、水洗いで比較的簡単に落とせます。

コケ・藻・カビ

コケや藻、カビは、外壁表面に緑色や黒色の斑点状の汚れとして現れます。

これらは、湿気の多い環境で発生しやすく、特に日当たりが悪く風通しの悪い北側の外壁によく見られます。

雨水や湿気がなかなか乾かないと、外壁に繁殖したコケ・藻類がどんどん広がって汚れとなります。

さらに、カビは黒っぽい汚れとなり、美観を損ねるだけでなく胞子が飛散すると健康にも良くありません。

 

外壁材や塗料の吸水性が高い(壁が水を吸いやすい)と、表面に水分が残りやすいためコケやカビの温床になります。

そのため、防藻性・防カビ性の高い塗料を使ったり、そもそも吸水しにくい外壁材を選ぶことが有効な対策です。

 

また、コケや藻が生えてしまった場合は、早めに除去することが大切です。

発生初期であれば、家庭用高圧洗浄機の水圧でも落とせます。

落ちない場合は、市販の屋外用のコケ取り剤・カビ取り剤を使ってブラシで洗い落としますが、使用後は薬剤成分が外壁に残らないよう十分に水で洗い流しましょう。

薬剤が残留すると、塗膜を傷めたり変色の原因となることがあります。

排気ガス・埃・油汚れ

車の通りが多い道路沿いの住宅では、排気ガスや工場の煙などによる煤煙汚れが外壁に付着して、黒ずむことがあります。

これらは、大気中の微粒子(カーボンや油分を含む粒子)が、壁面に少しずつ積もった汚れです。

また、乾燥した土埃(ホコリ)も、風で舞い上がって外壁に付着し、うっすらと汚れの膜を作ります。

さらに、換気扇から出る調理油煙が、近くの外壁につくとベタついた油汚れになることもあります。

 

排気ガスや埃による汚れは、色としては灰色〜黒っぽく外壁全体をくすませます。

特に、白い壁では目立ちやすい汚れです。

親水性の高い塗料で塗装しておけば、雨が汚れを洗い流しやすくなりますが、完全には防げません。

 

定期的な水洗いや、台風の後など、ホコリが溜まったタイミングでホースで水をかけて流すなど、こまめな清掃がおすすめです。

油汚れについては、中性洗剤を使った拭き掃除で対応できます。

大気汚染由来の汚れは、蓄積すると落ちにくくなるため、「なんだか壁が黒ずんできたな」と感じた段階で、早めに洗い流すことが肝心です。

錆(さび)汚れ

錆(さび)汚れは、金属部材から発生した錆が、雨水で流れて外壁に付着することで起こる赤茶色の汚れです。

たとえば、トタン屋根や金属製手すりなどが錆び、その錆粉が雨で流されて壁に筋状の汚れを作るケースがあります。

また、大気中のごく微量の金属イオン(酸性雨に含まれる鉄分など)と、コンクリート成分が反応して錆色になる現象もあります。

 

錆汚れが発生した場合、早めに対処しないと、錆成分が壁に染み込んで落ちにくくなります。

錆自体は、金属ブラシなどで元の発生源からしっかり落とし、必要に応じて錆止め塗装を施すことが大事です。

外壁についた錆筋汚れは、専用のサビ落とし剤で洗浄して落とせますが、高所で作業する場合は、危険ですので、無理をせず、業者に依頼する方が安全でしょう。

なお、ガルバリウム鋼板など、金属系の外装材をお使いの場合は、錆が発生すると急速に広がる可能性があるため特に注意が必要です。

 

錆汚れは、放置すると見た目が悪いだけでなく、周囲に錆が広がり被害が拡大します。

錆びやすい金属部分は定期点検し、異常があれば、早めに塗替えや補修を行いましょう。

塗料の劣化(変色・チョーキングなど)

汚れとは少し異なりますが、外壁塗料自体の劣化による変色も外壁が汚れて見える原因になります。

紫外線や雨風の影響で塗膜が劣化すると、色あせて本来の色が変わってしまったり、表面に白っぽい粉(塗料の粉)が吹くチョーキング現象が起こります。

チョーキングが起こると、外壁を触ったときに手に白い粉が付着し、壁も白っぽくくすんで見えます。

 

変色やチョーキングは、経年による塗膜の劣化現象ですが、見た目には「壁が汚れて白けている」ように映ります。

この状態になると、いくら掃除をしても元の鮮やかな色には戻りません。

そのため、適切な時期に塗り替えを行う必要があります。

一般的なシリコン塗料であれば、約10年ごと、耐久性の高いフッ素塗料や無機塗料なら15~20年ごとが塗り替えの目安です。

早めの再塗装により新しい塗膜を作れば、外壁の美観と保護性能を取り戻すことができます。

 

なお、こちらの記事でも触れていますが、外壁の色によっては経年劣化での色あせが特に目立つものもあります(原色系の赤や青などは色抜けが顕著です)。

汚れと塗膜劣化は密接に関係しますので、色選びや塗料選びの段階で耐久性にも配慮することが大切です。

汚れにくい外壁にするためのポイント

上記のような汚れをできるだけ防ぐには、外壁の「素材」「色」「塗料」選びの段階から工夫することが重要です。

また、仕上げ方(ツヤの有無)によっても汚れの付き方が変わります。

ここでは外壁を汚れにくくするための具体的なポイントを3つに分けて解説します。

汚れにくい外壁材を選ぶ

外壁の仕上げ材には、

  • サイディング
  • タイル
  • モルタル塗り壁
  • ALCパネル
  • 金属サイディング

など様々な種類があります。

この中でも、比較的、汚れが付きにくいと言われるのが、「サイディング」と「タイル」です。

理由は、これらの表面が、ツルツルとして平滑であり、水を弾きやすい(撥水性がある)ためです。

表面に凹凸や隙間が少ないため、埃やコケが付着しにくく、雨水も落ちやすいという性質があります。

 

サイディングボードは、工場で表面処理された外壁板で、デザインが豊富でコストパフォーマンスにも優れるため、日本の戸建てで最も一般的な外壁材です。

最近の窯業系サイディングには、親水性コートや光触媒コートが施され、雨で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を持つ商品もあります。

高圧な試験では、15~20年美観を保つものもあり、メンテナンスフリーに近い性能を謳うものもあります。

サイディングボードに関して、詳しくは、サイディングボードの外壁の基礎知識の記事もご覧ください。

 

タイル外壁は、サイディングに比べ、初期費用は高いですが、硬質で汚れが染み込みにくく、表面の光沢が長持ちします。

タイル自体は、セラミック質なので、カビや藻も付きにくく、30年以上色褪せず汚れにくいという圧倒的な耐久性を持ちます。

ただし、タイル目地部分には、多少汚れが溜まることがあるため、目地材にも防汚性の高いものを使用することが望ましいです。

タイル外壁に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

 

一方、モルタル塗り壁や、吹き付け仕上げは、表面に細かな凹凸があるため汚れが引っかかりやすくなります。

また、ALCパネル(軽量気泡コンクリート板)は、素材自体が多孔質で塗装が必要なため、塗膜が劣化するとコケ汚れが発生しやすくなります。

金属系外壁(ガルバリウム鋼板など)は、表面は比較的滑らかですが、傷が付いて錆びると、汚れが広がるリスクがあります。

 

特にこだわりがなければ、汚れにくさ重視で選ぶなら、サイディングやタイルがおすすめです。

ただ、それぞれメリット・デメリットがあり、意匠性(見た目の風合い)も異なりますので、耐久性とデザインのバランスで選ぶと良いでしょう。

汚れにくい塗料を選ぶ

外壁塗装を行う場合は、塗料選びが汚れにくい外壁づくりの鍵となります。

塗料にはさまざまな種類がありますが、特に汚れが付きにくく、耐久性が高いとされる塗料は、以下の通りです。

  • シリコン塗料 – 現在の外壁塗装の主流の塗料。カビや藻に強い成分が含まれた製品が多く、塗膜表面に親水性を持たせることで、雨で汚れを流しやすい性質があります。価格と耐久性のバランスが良好です。詳しくは、シリコン塗料の外壁塗装費用と相場をご覧ください。
  • フッ素塗料 – 高耐久の高級塗料。塗膜表面が非粘着性(汚れを弾きやすい)で、さらに親水性も併せ持つため、汚れが非常に付きにくいです。耐候性(紫外線への強さ)も優れており、15~20年程度美観を保ちやすいですが、価格は高めです。詳しくは、フッ素塗料の外壁塗装費用と相場をご覧ください。
  • 無機塗料 – セラミックやケイ素など無機成分を含む塗料。紫外線で劣化しにくく、色あせしにくいことが特長で、塗膜がチョーキングしづらいため、汚れが粉化して流れる現象が少ないです。多くの無機塗料は、親水性も高く、防カビ・防藻性を付加したものもあります。非常に高耐久ですが、価格も非常に高く、扱いが難しい面もあります。詳しくは、無機塗料を使う場合は欠点や有機塗料との違いを確認しようをご覧ください。
  • 光触媒塗料 – 最新技術を使った機能性塗料。塗膜に含まれる光触媒(主に酸化チタン)の働きで、有機物の汚れを紫外線で分解し、さらに超親水性によって雨水で汚れを洗い流します。セルフクリーニング機能により、外壁を長期間きれいに保てる可能性があります。ただし非常に高額で、光が当たらない場所では、効果が発揮できないなどの制約もあります(詳細は後述)。詳しくは、光触媒塗料の外壁塗装費用と相場をご覧ください。
  • ナノテク塗料 – 微細な粒子で塗膜を構成し、超平滑な表面を作ることで、汚れを付きにくくした塗料です。例えば、シリカ(ケイ素)粒子をナノレベルで配列し、塗膜と汚れの間に水が入り込みやすくする技術などがあります。しかし、商品数が少なく価格も高いため、普及はこれからの塗料です。

 

塗料を選ぶ際のポイントは、「低汚染型」と呼ばれる機能を持つ塗料を選ぶことです。

近年では、各塗料メーカーが、「超低汚染」「セルフクリーン」などの名前で、親水性技術や特殊コーティングを使った防汚性能の高い塗料を販売しています。

これらは、外壁に雨が当たるたびに、付着していた汚れを浮かせて洗い流すため、通常の塗料に比べ格段に汚れにくさを発揮します。

メーカーが行っている実験では、雨筋汚れ(雨だれ)の発生が大幅に抑えられ、藻やカビの繁殖もしにくくなるなどのアピールがされています。

 

また、塗料選びでは、「艶(つや)あり」か「艶消し(マット)」かも考慮しましょう。

実は、艶あり仕上げの方が表面が滑らかで水を弾きやすく、汚れが付きにくい傾向にあります。

一方、艶消し塗料は、表面に微細な凹凸を持つため、見た目の質感は落ち着きますが、その凹凸に汚れ粒子が溜まりやすくなります。

 

艶の有無は、見た目の好みにも関わる部分ですが、「汚れにくさ」を優先するのであれば、艶ありを選ぶのが無難です。

ただし、注意点として、艶は経年で徐々に失われていくものです(数年~十数年で艶が薄れていきます)。

塗装直後の艶があるうちは、防汚効果が高いですが、時間が経てば、艶は徐々に失われて艶消しの状態に近づくため、その頃合いで次の塗り替え時期と考えるのが良いでしょう。

艶に関して、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

 

以上のように、塗料選びでは、耐候性と防汚性のバランスを考えることが重要です。

「全く汚れない塗料」は存在しませんが、優れた塗料を選ぶことで、汚れの付き方や落ちやすさに大きな差が出ます。

汚れが目立たない外壁の色を選ぶ

どんなに防汚性能を高めても、外壁が完全に汚れないわけではありません。

そこで「汚れても目立ちにくい色」にしておくのも一つの賢い選択です。

実は、外壁の汚れが目立つかどうかは、色によって大きく左右されます。

汚れにくさばかり気にしてしまい、理想と違う色にするという必要はもちろんありませんが、もし色にこだわりがなければ、以下のような色が、汚れの目立ちにくい定番色です。

  • グレー系 – 汚れがもっとも目立ちにくい色とされています。埃や排気ガスによる黒っぽい汚れとも馴染み、鳥のフンなどの白っぽい汚れも灰色の壁ならコントラストが弱く目立ちにくいです。淡いグレーは人気色で、景観にも馴染みやすいメリットがあります。
  • ベージュ・アイボリー系 – やや黄味がかったベージュやクリーム色は、砂ぼこりやコケによる薄茶色・緑がかった汚れと調和しやすいです。真っ白ではなく少し色味があることで汚れとの境界がぼやけ、多少の汚れでは気になりません。
  • ブラウン系 – 濃い茶色ではなく中間的なダークブラウンは、土埃や黒カビ汚れを効果的に隠してくれます。重厚感があり、経年で色あせしても変化が目立ちにくいという利点もあります。
  • グリーン系 – 落ち着いたモスグリーンや淡い緑は、苔や藻など緑系の汚れが発生しても同系色のため目立ちにくいです。ただし周囲の景観との調和も考える必要があります。

 

逆に、汚れが目立ちやすい色は、白・黒などの極端な色や赤・青などの原色系です。

真っ白な壁は、ほんのわずかなシミやホコリでも目につきますし、真っ黒な壁も乾燥した埃が白っぽく積もればすぐに分かります(こちらの記事の色選び注意点もご参照ください)。

その他、原色に近いビビッドな色は、紫外線による退色も目立つため、汚れとは別に、古びた印象になりやすいです。

 

ただし、家の外観は長年愛着を持つものですから、汚れにくさだけで色を決めるのではなく、自分の好みやデザインとの調和も考慮しましょう。

例えば、「どうしても白い外壁にしたい」という場合は、

  • 純白ではなく少しクリームがかったオフホワイトにする
  • 汚れが付いたらマメに水洗いすることを覚悟する

といった対策で対応できます。

最近では、外壁に試し塗りをしてくれる業者もありますので、実際の明るさや、汚れの見え方を確認してから決めるのも良いでしょう。

汚れにくい外壁でも必要なメンテナンス

たとえ防汚性に優れた外壁を選んだとしても、全くノーメンテナンスで良い外壁は存在しません

長年の風雨で少しずつ汚れは付着しますし、想定外の汚れ(例えば植物のヤニや鳥のフンなど)が付くこともあります。

そこで、汚れにくい外壁であっても定期的なチェックとお手入れを行うことで、その効果を最大限に発揮させることができます。

 

以下では、外壁の汚れに気付いたときの対処法と、普段からのメンテナンスのポイントを紹介します。

自分でできる外壁の汚れ対処法

外壁の汚れがうっすら付いてきた程度であれば、ご自身で簡単にお掃除することも可能です。

以下のような方法で対処しましょう。

  • ホコリや排気ガス汚れ – ホースで水をかけ流して洗い流します。柔らかいブラシやモップを使って軽くこすれば落ちる場合もあります。
  • コケ・藻・カビ汚れ – 手の届く範囲であれば、スポンジや柔らかいブラシで擦り落とします。水洗いだけで落ちない頑固なものは、市販の外壁用洗浄剤(カビ取り剤やコケ落とし剤)を併用すると効果的です。
  • 鳥のフン・虫の汚れ – 早めに水で湿らせて柔らかくしてから拭き取ります。放置するとシミになるため見つけたらすぐに除去しましょう。

お掃除の際は、外壁を傷つけないようにすることが大切です。

硬いブラシや高圧洗浄機を使うと、特に古い塗膜の場合は塗装を痛めてしまう恐れがあります。

 

洗剤を使った後は、必ず充分な水ですすぎ洗いをしてください。

 

また、脚立やはしごを使って高所を掃除するのは転倒の危険があります。

安全を確保した上で、無理のない範囲で行いましょう。

業者に依頼すべき場合と費用の目安

広範囲に渡る頑固な汚れや、自力では手が届かない高所の汚れについては、外壁の専門業者に洗浄を依頼することを検討しましょう。

プロは、高所用の足場や専用機材を用いて、安全かつ効率的に外壁をきれいにしてくれます。

 

一般的な戸建て住宅で業者に外壁洗浄を依頼した場合、高圧洗浄のみならおおよそ1~3万円程度が相場です。

さらに、洗浄効果を高めるバイオ洗浄(薬剤洗浄)を行う場合は、3~5万円程度になることもあります(こちらの記事も参照)。

 

ただし、これは、足場を組まずに洗浄だけ行うケースの目安であり、高所でかつ汚れが酷い場合は、足場を設置して念入りに作業する必要があり、その場合は、数十万円規模になることもあります(外壁塗装工事とセットで依頼すれば割安になるケースもあります)。

 

プロに依頼するメリットは、汚れをしっかり落としてくれるだけでなく、外壁の状態を点検してもらえる点です。

洗浄時に、ひび割れや塗膜剥離などが見つかれば、対処法などを教えてくれるでしょう。

 

また、自分で無理に作業してケガをしたり、外壁を傷つけたりするリスクを避けられる安心感もあります。

費用はかかりますが、長い目で見れば、外壁の寿命を延ばし、補修費を抑えることにもつながります。

定期点検と予防清掃のススメ

汚れにくい外壁とはいえ、年に1~2回程度は定期点検を行うことをおすすめします。

遠目に外壁全体を見渡して、雨だれの発生やコケの有無、色あせの具合などをチェックしましょう。

気になる汚れを早期に発見すれば、軽度のうちに対処できます。

点検の際に写真を撮って記録しておけば、経年変化も把握しやすくなります。

 

また、「予防清掃」という考え方も重要です。

汚れがこびりついて落ちなくなる前の、まだ軽いうちに洗い流してしまうという考え方です。

具体的には、雨が少ない季節の終わりなど、ほこりが蓄積した頃合いに、ホースの散水で壁全体をすすぎ洗いするだけでも効果があります。

特に、軒下や窓枠下など、雨だれしやすい部分は、重点的に水をかけておくと良いでしょう。

こうした予防的なお手入れを習慣づけることで、結果的に外壁の美観維持に大きな差が出ます。

 

なお、高性能な防汚コーティングでも、年月とともに効果は薄れていきます。

そのため、10年程度経過したら、再塗装時に防汚コートを重ね塗りすることも検討しましょう(※多くの高機能塗料はm定期的な再塗布で性能維持することが推奨されています)。

市販の撥水剤やコーティング剤を自身で塗る方法もありますが、外壁全体に均一に施工するのは難しく、専門技術が求められるため、DIYは、おすすめできません。

 

結局のところ、汚れにくい外壁とは、「塗装時、施工時に良い素材・塗料を選び、その後も定期的に汚れを落とすなど、手をかけた外壁」と言えるでしょう。

過度なメンテナンスは不要ですが、何もしないでいると、徐々に汚れてきます。

適切なタイミングでの点検清掃を行い、いつまでも美しい外観を保ちましょう。

汚れにくい塗料・外壁材の最新技術動向

最後に、近年注目されている外壁の防汚技術について触れておきます。

塗料や外壁材の分野では日々新しい技術が開発されており、「汚れにくさ」をさらに追求した製品も登場しています。

特に話題に上ることが多い、光触媒技術ナノテクノロジー塗料について、そのメリットと注意点を簡単に整理します。

光触媒塗料・光触媒コーティング外壁

光触媒とは、光(主に紫外線)を受けると活性化して化学反応を促す物質です。

外壁用では、酸化チタン(二酸化チタン)が代表例で、塗料に混ぜたり、外壁材表面にコーティングしたりして利用されています。

 

光触媒の外壁が汚れにくい理由は、主に2つあり、

  • 光触媒が有機物の汚れを酸化分解する(排気ガス中のNOxやカビの有機成分などを光で分解)。
  • 光触媒により塗膜表面が超親水性になる(※光触媒に紫外線が当たると表面に水になじみやすい親水層が形成されます)。

が挙げられます。

これらの結果、外壁に付着した汚れが分解されて定着しづらくなり、さらに雨水が汚れの下に入り込み、雨が汚れを洗い流すセルフクリーニング効果を発揮します。

 

例えば、国の研究機関である産業技術総合研究所の報告によれば、アパタイト被覆酸化チタン塗料(光触媒塗料の一種)を外壁に塗布すると、外壁に付着する有機汚染物質が光触媒作用で分解され、ビル外壁の清掃周期を延ばせることが示されています。

また、光触媒工業会などの団体でも、光触媒技術は「紫外線を当てることにより、「分解力」と「親水性」の作用を発揮する」と紹介されています。

 

光触媒塗料は、そのように画期的な性能を持つ一方で、注意点や制約もあります。

第一に、光(紫外線)が当たらない面では効果が発揮されないことです。

北側の壁や、軒下の陰になる部分では、光触媒の分解機能が働かず、通常の塗料と変わらない汚れ方をする可能性があります。

 

第二に、施工価格が非常に高額である点です。

光触媒塗料は、材料費も高価で、施工にも高度な技術が必要なため、一般的なシリコン塗料などに比べて、費用が数割増しになります。

それだけ費用をかけても、残念ながら「全く汚れない」わけではないため、コストに見合うかを慎重に判断する必要があります。

さらに、製品によっては、屋根など、外壁以外の場所には塗れないものもあります。

 

現時点では、光触媒塗料は、まだ発売から年数が浅く、実績が蓄積されているとは言えません。

大手塗料メーカーも、外壁用として光触媒塗料に本格参入している例は少なく、信頼性の評価はこれからです。

しかし、今後、価格が下がり、多くの施工例が増えてくれば、光触媒技術は、外壁の防汚において有望な選択肢となるでしょう。

光触媒塗料を導入を検討する際は、メリットとデメリットを理解し、光触媒の効果が活きる環境(十分な日当たりがあるか等)かどうかも踏まえて、検討することをおすすめします。

詳しくは、光触媒塗料の外壁塗装費用と相場の記事もご覧ください。

ナノテク塗料(超低汚染型塗料)

ナノテク塗料とは、その名の通りナノ(10億分の1メートル)レベルの微粒子技術を活用した塗料です。

汚れにくさとの関連で言えば、塗膜の組成をナノ粒子で緻密に構成することで、塗膜表面の凹凸や隙間を極限まで小さくし、汚れが付着する余地を減らすことを目指しています。

 

ナノテク塗料のメリットは、技術的に非常に滑らかな塗膜が得られるため、チョーキングもしにくく、長期に渡って超低汚染性を発揮できる可能性があることです。

親水性を付与する製品もあり、雨でのセルフクリーニング効果も期待できます。

 

理論上は、かなり優秀な性能ですが、こちらも製品ラインナップがとても少ないのが現状です。

塗料メーカー各社が、ナノテクノロジーを謳った塗料を出し始めていますが、広く普及するにはもう少し時間がかかるでしょう。

 

また、新技術ゆえに、高額な費用や施工リスクも無視できません。

高価であることはもちろん、施工方法に高度な管理が必要な場合もあります。

 

エスケー化研というメーカーには「セラミファイントップ」というナノテク塗料がありますが、これは透明なトップコート塗料で、意匠性サイディングボードの柄を活かしつつ、防汚性能を持たせるものです。

このように特殊な用途向けが多く、透明ではない「一般の塗りつぶし用の塗料」として主流になるには、今後の展開次第です。

 

ナノテク塗料については、導入する場合は実績や評判を十分確認し、信頼できる業者と相談して決めることが重要です。

新しい物好きで飛びついたものの思ったほど効果が出なかった、とならないよう、冷静に判断しましょう。

まとめ:汚れにくい外壁で美観と寿命を伸ばそう

本ページでは、外壁を汚れにくくするためのポイントを総合的にご紹介してきました。

最後に重要な点をおさらいしましょう。

まず、外壁が汚れる主な原因には、雨だれ、コケ・カビ、排気ガス・埃、錆汚れ、塗膜劣化などがありました。

それぞれに適した対策があり、汚れが発生する前提で、早め早めに対処することが肝心です。

 

そして、汚れにくい外壁にするには「素材」「色」「塗料」選びが非常に重要です。

表面が平滑で、撥水性のあるサイディングやタイルは、汚れが付きにくく、外壁の色はグレーやベージュなど汚れと調和する色味を選べば、多少の汚れは目立ちません。

塗料は、低汚染機能を持つシリコン・フッ素・無機塗料などを検討し、可能なら「艶あり」で仕上げて、防汚効果を高めましょう。

革新的な光触媒塗料なども魅力的ですが、費用対効果や条件を見極めて採用することが大切です。

 

さらに、日頃のメンテナンスも忘れてはいけません。

どんな高性能外壁でもノーメンテナンスではいずれ汚れますので、

  • ホースで水洗いする
  • 手の届く汚れを拭き取る

などの簡単なお手入れを年に一度でも行うと良いでしょう。

 

汚れがひどくなる前にプロに洗浄を依頼すれば、外壁をある程度きれいにリフレッシュさせられます。

定期点検によって外壁の問題を早期発見・対処する姿勢が、結果的に外壁の寿命を伸ばし、美観を長持ちさせることにつながります。

 

「汚れにくい家」は、見た目に美しいだけでなく、耐久性の面でもメリットがあります。

今回ご紹介した知識を活かし、塗料選びや色決めの際にぜひ役立ててください。

そうすれば、ご自宅の外壁を長くきれいに保ち、周囲からも一目置かれる素敵な家を実現できるでしょう。

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