季節ごとの天候の特徴は外壁塗装工事の進行や仕上がりに影響するため、どの季節に外壁塗装を行うかは塗装工事を成功させる上でとても重要です。
この記事では、外壁塗装を成功させるために、
- 外壁塗装を行うベストシーズンといえる季節があるか
- 季節が外壁塗装にどのような影響を与えるか
- どんな季節でも外壁塗装を上手に仕上げてくれる優良業者の選び方
などについてご紹介します。
目次
■外壁塗装のベストシーズンはいつか
外壁塗装工事は野外で行われる工事なので、塗装工事の進み具合や品質、安全に作業ができるかなどは気温や天候の影響が非常に大きいです。
外壁塗装を行う時期を検討する際には、それぞれの季節の気温や天候によって工事が遅れたり、作業が中断したりする可能性があることを理解しておかなければなりません。
ただ、それぞれの季節の特徴が外壁塗装にどう影響するかを理解しておけば、季節が塗装リフォーム工事に与えるデメリットを最小限におさえることができるのです。
1. 外壁塗装工事は季節を問わず行える
外壁塗装は基本的に季節を問わず一年中施工できる工事ですが、どの季節に行っても全く同じ工事というわけではありませんし、どの季節で外壁塗装リフォームを行ったとしても悪天候で工事を中断しなければならなくなるというリスクがあります。
外壁塗装を行うのに最適な時期を検討する際には、
- どの季節にも外壁塗装工事を行う上でメリット・デメリットがある
- 季節から受ける影響の種類や程度は地域によっても異なる
という点を覚えておきましょう。
●施工可能かどうかは地域性にも左右される
厚生労働省の公共工事の施工ガイドラインや各塗料メーカーの取扱説明書によると、外壁塗装は、
- 気温が5℃未満
- 湿度が85%以上
という作業環境では、施工後に塗膜の剥離(はくり)やひび割れといった施工不良が起きるリスクが高まるため、工事を行えません。
そのほか、塗装作業の安全性を確保するため、
- 強風
- 積雪や凍結
- 雷雨
などの悪条件下でも作業を中断しなければならないことがあります。
そのため、
- 積雪や低温になる日が多い日本海側・東北・北海道など
- 台風の接近が多い沖縄・九州・四国など
の地域では、外壁塗装を行いにくい時期がその他の地域に比べて長い傾向にあり、工期の調整が難しかったり、工事費用が割高になったりする可能性があります。
そのような地域では、同じ内容の塗装工事でも季節によって工事費用が全国平均より割高になることがありますので、外壁塗装リフォームを希望しているのであれば、まずは地域の外壁塗装業者に問い合わせてみましょう。
●豪雪地帯では、冬場の工事依頼を受け付けない業者もある
冬の外壁塗装は低温や積雪などの影響を受けやすく、スケジュールが乱れやすい季節ですが、冬場の施工に慣れた外壁塗装業者であれば天気予報や長年の経験を元に適切なスケジュール管理をしてくれるため、冬場でも問題なく外壁塗装工事を施工することができます。
しかし、豪雪地帯の外壁塗装業者の中には冬季の工事依頼の受注を行わない業者もいますので、塗装するお住まいが豪雪地帯にあるなら、十分な余裕を持って冬が始まる前に屋根や外壁の点検を済ませておくようにしましょう。
■外壁塗装を行う季節ごとのメリットとデメリット
春・夏・秋・冬それぞれの気候の条件は全く異なっていますが、外壁塗装を行う季節ごとのメリットとデメリットを理解しておけば、
- 外壁塗装をいつ行えばよいか
- どんな業者を選べばよいか
を考える上で参考になるでしょう。
1. 春の外壁塗装の特徴
春は一年間で気候が非常に穏やかで屋外の作業が問題なく行える外壁塗装に適した季節といわれていますが、いくつかのデメリットも存在します。
●春のメリット
春は急激に天候が変わることが少なく、湿度が低い状態で安定している外壁塗装に適した季節であるため、春に外壁塗装を行うと、
- スケジュールが立てやすい
- 施工不良が起きにくい
というメリットがあります。
また、春は年度始めで塗装業者やリフォーム業者が営業に特に力を入れる時期でもあるため、キャンペーンや優待価格などの外壁塗装を考えている人にとってお得な情報も手に入りやすくなります。
●春のデメリット
春の中でも外壁塗装に不向きな梅雨が始まる前の時期は、外壁塗装の需要が高まり、多くの外壁塗装業者が繁忙期に入るため、春は現地調査・見積もりの予約が取りにくくなることがあります。
また、5月からは最高気温が25℃を超える日が増えはじめますが、外壁塗装工事中は窓や室外機が養生シートで覆われるため、室内が暑くなってもエアコンが使えないため、温度調整が難しいということも覚えておきましょう。
参考:外壁塗装工事中にエアコンは使える?業者や状況で異なります
2. 夏の外壁塗装の特徴
梅雨が終わって夏が始まると、地域によっては最高気温が連日30℃を超えるようになるところもでてきます。
夏の強い日差しや高温は、外壁塗装に下記のような影響を与えます。
●夏のメリット
塗装の作業効率を左右する要素の一つに「塗料の粘度(ねばり具合)」がありますが、気温が低いと塗料の粘度は高くなり(ねばりが強い)、気温が高いと粘度は低く(ねばりが弱い)なります。
気温が高い夏の外壁塗装を行うと、
- 塗料の粘度が低く(ノビが良く)、扱いやすくなるため、作業スピードが上がる。
- 塗料が乾燥しやすく、施工不良が起きにくい
などのメリットがあります。
●夏のデメリット
屋根・外壁塗装の作業は、屋外で真夏の暑さや直射日光にさらされながらの作業になるため、
- 日中の作業環境が非常に過酷である時
- 屋根や鉄部が触れられないほど高温になる時
などは職人の健康や作業効率に与える影響を配慮して作業を中断することがあり、塗装工事のスケジュールが延びてしまう可能性があります。
また、外壁塗装工事を行う時は窓やエアコンの室外機も養生シートで覆われるため、窓からの換気ができず、エアコンも使えません。
住民がエアコンが使用できない高温の室内にとどまっていると熱中症になってしまう恐れがあるため、
- 塗装工事中はなるべく外出しておくよう計画する
- 居室のエアコンが使えない期間を最小限に抑えられるよう業者に相談する
などの工夫が必要です。
夏場はエアコンの室外機に通気性のある特殊な養生シートを使用したり、室外機周りの塗装を先に終わらせたりして、工期中もなるべくエアコンを使えるようにしてくれる業者もいます。
参考:外壁塗装工事中にエアコンは使える?業者や状況で異なります
3. 秋の外壁塗装の特徴
秋は春と同様に気温が安定し外壁塗装工事の作業がしやすい季節ですが、台風や秋雨前線の影響で降水量が増える季節でもあります。
特に9月は例年、月間降水量が梅雨の6、7月より多くなるほど雨が多いです。
●秋のメリット
秋の気温は塗料にとって適温で、湿度も低い日が多いため外壁塗装工事に適しています。
ほとんどの地域で、秋の外壁塗装は春と同じくスケジュール管理がしやすく施工不良が起きにくいというメリットがあります。
●秋のデメリット
秋は台風が多く発生する季節ですが、台風が接近すると強風による足場倒壊のリスクを最小限に抑えるため、足場に張られた飛散防止シートを撤去し、台風通過後に張り直すという作業に時間を取られることがあります。
また、台風通過後は地域一帯に雨漏りの被害が発生することが多く、屋根の防水補修工事も請け負っている外壁塗装業者やリフォーム業者の多くは点検・修理で急に忙しくなり、予約が取りにくい期間が長く続くこともあります。
外壁塗装工事はすぐにしないと危険であるということはあまりないので、秋に外壁塗装工事や無料点検を依頼する場合は十分前もって行うようにしましょう。
4. 冬の外壁塗装の特徴
冬の特徴である雪と低温は外壁塗装工事に大きく影響するため、冬に外壁塗装を計画する際は、雪深い地域でなくても雪と低温への対策を十分に講じておく必要がります。
●冬のメリット
冬は一年のうちで最も降水量が少なく湿度も低い日が続くため、外壁塗装を行う際に塗料が壁面に密着しやすく施工不良が生じにいというメリットがあります。
また、冬は窓やエアコンの室外機が養生シートに覆われて換気や空調調節ができなくなっても夏の暑さとは違い、衣服で防寒するなどで比較的快適に過ごせるでしょう。
●冬のデメリット
気温5℃未満で塗装を行うと、
- 寒さで塗膜の硬化不良が生じ、乾燥後の塗膜の耐久性が下がる
- 乾燥不良で塗りムラが生じる
などのリスクがあるため、冬の気温が低い時には塗装作業を中断しなければなりません。
真冬でも日中の気温が5℃まで上昇すればその時間帯は塗装作業を行えますが、冷え込む朝・夕方は塗装作業を行えないことが多く、また作業のための十分な日照時間を得られないため、他の季節に比べて工期も長くなります。
冬の外壁塗装にはそのほかにも、
- 冬の寒さで職人の手指がかじかみ、施工ミスが生じるリスクがやや高くなる
- 屋根や仮設足場に凍結・積雪がある状態での作業は危険であるため、安全に作業できるようになるまで工事が中断されることがある
- 塗装面に霜・露が発生すれば、乾燥するまで待つ必要があるため工期が伸びてしまう
などのデメリットがあります。
また、エアコン室外機が養生シートで覆われて使用できなくなるためその他の暖房器具を用意しておく必要がありますが、用意する暖房器具が換気の必要なものである場合、工事中も換気方法を確保できるように業者と相談しておきましょう。
■業者選びのポイントは季節ごとの適切な対応ができること
先述の通り、外壁塗装工事は基本的に一年中施工できますが、どの季節に塗装工事を行うとしても、
- 季節ごとのメリットを十分に活かす
- デメリットの影響を最小限にとどめる
ための知識と技術を持った経験豊富な外壁塗装業者に工事を依頼する必要があります。
さらに、季節ごとの気候条件だけでなく、雪や雨が多い・日照時間が少ないなどの地域性に応じた塗装やスケジュール管理ができる業者を選ぶことが、外壁塗装を成功させる秘訣です。
1. 施工エリアの気候の特徴に通じた地元密着業者
同一地域内でも気候条件が一定とは限らず、例えば、
- 北海道・東北などの北日本内でも一年のほとんどが雪に覆われている豪雪地帯と雪の少ないエリアがある
- 関東より南の地域でも、山間部・日本海側には年間積雪量の多い豪雪地帯がある
など、市町村レベルで気候条件は大きく異なることがあります。
また、ほかにも地域ごとに、
- 海が近く塩害が考えられる
- 一日の内の寒暖差が大きい
といった塗装工事に影響する特性があることも多いため、塗装業者を選ぶ時には、営業エリア内の気候条件や地域特性に精通した地域密着型の塗装業者を探すようにしましょう。
地元で塗装業を長年営業している優良業者であれば、塗装する物件の立地条件や気候条件、地域特性などに応じて適切な塗料や塗装方法、現実的なスケジュールなどを提案してくれるでしょう。
ただ、「今がベストシーズンなので、今すぐ外壁塗装をしたほうがいいですよ!」といった契約を急がせるような営業トークを行う外壁塗装の飛び込み営業には十分警戒し、契約は慎重に検討する必要があります。
2. 季節の影響を考慮して適切なスケジュールを組める業者
どんな季節でも適切に外壁塗装工事を施工できる業者は、
- 積雪や台風の影響などをある程度予測したスケジュールを立てる
- 予定外の悪天候になっても、行える工事を進める
など、スケジュール管理能力にも長けています。
経験豊富な塗装業者は予測される様々な可能性を検討した上で現実的な工程を計画するため、季節によっては工期が少し長めになることもありますが、短い工期日程に無理に工事を進める業者よりむしろ信頼度は高いということを覚えておきましょう。
無理なスケジュールで工事を進める業者は、施工品質よりも契約を結ぶことや工期短縮による経費削減を優先している可能性が高く、そのような業者と契約すると契約後に追加工事が発生して余計な費用がかかったり、手抜き工事による施工不良が起こるというリスクが考えられますので、契約は慎重に検討する必要があります。
3. 施主の心情に配慮し、こまめな連絡をくれる業者
どんなに経験の豊富な塗装業者であっても天候を完全に予測することはできないため、天気の悪化・気温の低下・多湿などによって予定外に工事を中断しなければならないこともありますが、優良業者は工事を進めるか中断するかの判断も適切で迅速に行います。
また、自宅の塗装工事が進行しているときに悪天候になると工事が進められるかどうか施主が不安に感じるということも理解している優良業者は、天候の影響で工程に変更が生じたならすぐに施主に連絡を入れてくれます。
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■おわりに
季節ごとの天候の特徴は、外壁塗装工事に様々な影響を与え、どの季節にも塗装工事を行う上でのメリットやデメリットがあるため、外壁塗装を行うタイミングについて「この季節がベスト」という明確な答えはありません。
しかし、どんな季節に外壁塗装を行うにしても、それぞれの季節が外壁塗装に与える影響や地域の特性をよく理解した上で施工やスケジュール管理を行ってくれる業者を見つけるなら、外壁塗装が失敗するリスクは低くなります。
地元で十分な実績を持ち、信頼できる優良業者を探して満足のいく外壁塗装を行いましょう。