外壁塗装後の塗りムラの対処法と防止策

塗装後の塗りムラに関するトラブルは外壁塗装工事によくあるものですが、塗りムラが生じる原因やムラの深刻度はさまざまであり、ムラの症状によって施工業者が行うべき対応も異なります。

外壁塗装の塗りムラの中には、美観を損ねるだけでなくすぐに対処したほうがいいムラもあり、業者の施工失敗による塗りムラなど場合によっては業者が費用を負担して塗り直してもらえるかもしれません。

このページでは、外壁塗装リフォームでよく起こる塗りムラトラブルの正しい対処方法についてご紹介します。

■外壁塗装の塗りムラが深刻なものかどうかを見分ける

高い技術を持つ職人が塗装方法をしっかりと守った上で塗装すれば、目立つ塗りムラが塗膜に生じることはほとんどありませんが、施主側の気持ちとしては目立つ塗りムラを見つけると業者の施工方法になにか問題があったのではないかと疑ってしまうかもしれません。

 

外壁塗装に生じる塗りムラは、

  • 光の当たり方や角度によって見えるような軽度のムラ
  • 美観が損なわれているだけでなく防水・保護力が機能していない深刻なムラ

など深刻度に違いがありますし、どの程度のムラは気にならないかといった個々人の感じ方にも差があります。

 

単に施主の目にムラがどう見える、どう感じるなどといった主観的な見方だけではなく、塗膜に見られるムラの種類やムラが外壁に及ぼす影響などを客観的に判断した上で施工業者に相談すれば、塗りムラトラブルはスムーズに解決できる場合が多いです。

1.ムラが軽度であれば業者負担による塗り直しは期待できない

もし塗装後の仕上がりにムラがあるように見えても

  • 光の当たり方
  • 塗膜を見る角度

で見える程度のムラは光の反射に起因するもので、外壁塗装リフォームの主な目的である塗膜の防水・保護性能は発揮されていますし、美観も損なわれているとはいえないため大きな問題とはなりません。

 

外壁塗装は手作業で行われるリフォーム工事であるため、どんな見方・光の当たり方であっても全くムラが見えない均一な仕上がりにすることは不可能であり、上記のような軽度のムラは許容範囲内のものとして我慢する必要があります。

しかし、ムラに見える箇所が多くどうしても気になるのであれば、なぜムラに見えるのか、塗装に問題はないのかを業者に相談したり尋ねたりすることもできますし、どうしても納得できないのであれば施主負担で塗り直してもらうこともできるでしょう。

2.誰が見ても美観を損ねているムラは防水・保護性能が失われていることがある

外壁塗装工事が終わった後に、

  • 強い光があたっていなくても色の濃淡がはっきり見えるムラ
  • 広範囲に現れているムラ
  • 外壁が傷だらけになっていたりカビが発生したりしているように見えるムラ

などの誰が見ても明らかなムラが発生しているなら、美観が損なわれているだけではなく塗料本来の防水・保護性能が発揮されておらず、

  • 風雨や紫外線のダメージから家屋を守れない
  • 塗料自体の耐久力も下がり、耐用年数より早く寿命が来てしまう

という問題が生じているかもしれません。

 

塗装直後にもかかわらず深刻なムラが発生しているなら、仮に期待耐用年数10年(期待耐用年数とは何も問題なければ維持できるという製造メーカーが定めた年数)の良質な塗料で塗装したとしてもほんの数年で塗料の剥がれチョーキング現象が起こり、すぐに塗り替えなければならなくなるおそれがあります。

■外壁塗装の塗りムラはなぜ生じるか

外壁や屋根の塗装後すぐに現れる深刻なムラのほとんどは、施工方法に問題があったために生じるものです。

ムラの原因になる施工不良は

  • 塗料メーカーの規定どおりに塗装しなかった
  • 下塗り用塗料の選択を誤った
  • 塗装業者の技術に問題があった

などが考えられますので、ひとつずつ詳しく次項で確認していきましょう。

1.細かく規定されている塗料・塗装のルールを守っていなかった

塗料は非常に繊細な製品であり、本来の性能や質感を発揮するためには塗料メーカーが規定した方法にしたがって施工しなければなりません。

例えば施工の際には、

  • 希釈(塗料の原液を水やシンナーで薄めること)する際には塗料メーカーの定めた希釈率をしっかり守る
  • 塗料を混ぜたり希釈したりする際は撹拌(かくはん)機を使って十分に混ぜ合わせる
  • 作業環境が気温5℃以下・湿度85%以上の時には塗装しない

といった一つ一つのルールを守らなければ、ムラが発生する原因になります。

 

その他に

  • 塗装前に高圧洗浄機で外壁を細部までしっかり洗浄する
  • 外壁下地材のひび割れや欠けを補修する下地調整を入念に行なう

といった塗装前の工程で不備や手抜きがあった場合も、屋根・外壁の塗装にムラが発生する原因になることがあります。

参考:外壁塗装の高圧洗浄で知っておきたい作業時間、圧力、費用、水道代
下地処理の外壁塗装費用と相場

2.下地用塗料の選択が適切でなかった

顔料を含まないクリヤー塗料を除いて、ほとんどの外壁用塗料は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りで施工する必要があります。

 

中塗り・上塗りでは仕上げになるメインの塗料(ウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料などの顔料を含んだ塗料)を塗装しますが、その塗装が外壁材にしっかりと密着して十分な防水・保護性能を発揮するためには適切な下塗り塗料を適切な施工方法で塗装するということが欠かせません。

 

「シーラー」や「フィラー」とも呼ばれる下塗り用塗料は外壁塗装において最終的に見えなくなる部分ですが、

  • 外壁材と塗料の密着度を高め、耐久力のある塗膜を形成する
  • 塗膜の劣化した壁面が新しく塗る塗料を吸収しすぎないようにし、塗膜の厚さを均一に保つ
  • 表面に細かな穴や凹凸が多く、ムラになりやすいモルタル壁にも細部まで均一に塗料が行き届くようにする

など、外壁の美しい仕上がりのための重要な役割を果たしています。

 

経験の豊富な優良外壁塗装業者であれば、下地の状態や新しく塗装する塗料の性質などを施工前に十分理解した上で、劣化が激しいサイディングには「油性シーラー」、細かなひび割れの多いモルタル壁には「微弾性フィラー」など、最適な下塗り用塗料を選んでくれるでしょう。

参考:外壁塗装における下塗り塗料の種類と重要性
外壁塗装は三度塗りが基本!手抜き工事を防ぐためには?

●下塗りの手抜きはムラの発生だけでなく重大な欠陥につながることもある。

下塗り用塗料の選択を間違えると、下地が塗料を吸い込みすぎたり、下地の細かな凹凸で塗料の厚みが均一にならなかったりしてムラが発生しやすくなります。

もしこの下塗りを省略して中塗り・上塗りを行なうなら、塗膜が固まったあとも外壁材に密着せずすぐに剥がれてきたり、中塗りの乾燥不足により防水性能の無い塗膜になったりと、塗膜が最低限の耐久力も発揮しないというムラの有無以前の根本的な問題の発生原因となります。

 

このような問題を未然に防ぐために、塗装工事の契約を結ぶ前に業者が提出する見積もり表や工程表をよく見て、下塗りにはどんな下塗り用塗料を使用するか、下塗りとその後の乾燥のために十分な期間が置かれているかなどを確認するようにしましょう。

 

外壁塗装業者が提出する見積もり表や工程表の見方がわからず業者の良し悪しを判断できない場合は、外壁塗装駆け込み寺にて無料で見積もり表の診断を行いますので、ぜひご相談ください。

3.塗装業者の技術に問題があった

外壁塗装には刷毛(ハケ)よりも塗りムラが生じにくく広範囲をすばやく均一に塗装することができるローラーが主に使われていますが、どんなに便利で有用な道具であってもそれを使用する職人の技術が低ければ塗りムラが発生してしまいます。

また、ローラーは広範囲の塗装に向いていますが、建物の外壁塗装工事においては外壁や屋根のの端部や細部など刷毛でなければ塗装できない部分も多く、職人はローラーだけでなく刷毛の扱いにも慣れていなければいけません。

また、刷毛にも「平刷毛」「筋交い刷毛」「隅切り刷毛」などさまざまな種類があり、ムラのない塗装のためには職人が道具ごとの使い方を熟知していることが必要です。

 

そのほかにも、

  • 不安定な足場の上で作業しなければならない
  • 隣家との間に十分なスペースがなく安定した姿勢で作業できない
  • 日の当たらない暗い場所で塗装すると塗料の厚みを確認しにくい

といった作業環境の条件の悪さがムラの原因となることがあります。

依頼する外壁塗装業者が狭いところの施工が得意かどうかや、地域の施工実績が多いかなどを施工事例や口コミなどを見て判断し、自分の家の施工にあった外壁塗装業者を選ぶようにすれば職人の技術力不足によるムラは防ぐことができます。

地域の施工実績が多く口コミ評価が高い業者をお探しの場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

■外壁塗装の塗りムラトラブルを適切に解決する

1.まずは塗り直しが必要なほど深刻なムラか確認する

誰が見ても明らかな塗料の剥がれや、幅・長さ・深さを数値化して深刻度を客観的に判断できるひび割れなどのトラブルとは違い、指標になる基準がない塗りムラは施主と業者の間で意見の相違が生じやすいトラブルです。

「どうしても塗りムラが気になり、仕上がりに納得出来ないので業者負担での塗り直しを依頼したい」という場合は下記の情報をもとに、塗り直しに応じてもらえるかどうかをチェックしてみましょう。

●防水・保護機能を発揮しているかどうかが塗り直しの判断基準になる

外壁塗装の最大の目的は家屋を紫外線や風雨などの外的なダメージから保護することであり、この塗装工事後に外壁や屋根が保護性能を備えているかが最も重視されます。

塗装工事後に下地の色が透けて見えている状態や、同じ塗装面で塗料の濃淡がはっきり異なって見えるような塗りムラであれば、外壁塗装の本来の目的である防水・保護機能が発揮されていない「施工不良」である可能性が高く、業者負担で塗り直してもらえると期待できます。

●業者負担での塗り直しの基準は「施主が不快に思うかどうか」ではない

もし施主が塗装後の外壁に気になる塗りムラを発見しても、塗装面に防水・保護機能が十分備わっていれば「施工不良」とはいえないため、業者負担での塗り直しを求めることは難しいでしょう。

地域住民との関係を重要視している親切な塗装業者であればサービスの一環として部分的な塗り直しや補修に応じてくれる可能性もありますが、その際にも施主側が過剰要求的にならないように注意しましょう。

 

どうしても業者負担で全体の塗り直しをさせたいなら消費者センターや住まいるダイヤルなどの第三者機関に判断を求めることもできますが、第三者機関もあくまで

  • 施工業者に不備や過失があったか
  • 防水・保護性能といった塗装の耐久性に問題があるか

という客観的な観点で施主のクレームが妥当かどうかを判断しますので、上記2つのポイントに問題がなければ、やはり業者負担の塗り直しや補修は認められないでしょう。

参考:外壁塗装について電話で相談できるオススメの相談先と、避けるべき相談方法

2.塗りムラトラブルを避ける最大のポイントは慎重に優良業者を選ぶこと

塗装業者の中には、施工管理を徹底するだけでなく

  • 工事の進捗状況
  • 使用するシーラー・塗料の種類、使用量、規定された希釈率をきちんと守って希釈したか

などを写真撮影して施主に定期的に報告してくれる優良業者もあります。

 

外壁塗装工事を依頼するかどうか検討対象としている業者が、徹底した施工管理を約束するだけでなく、万が一深刻なムラが発生した時にも責任をとってくれるかどうか不安であれば、塗りムラが発生した場合にどのような対応をとってもらえるかを契約前に業者側に確認し、書面で残しておきましょう。

書面に明記した上で業者と契約するなら、塗りムラトラブルが発生した時にも誠意ある対応を求めることができますし、第三者機関に相談することになっても施主側に有利な証拠として利用することができます。

●悪質な業者は責任を取らずに逃げてしまうこともある

悪質な塗装業者はそもそも塗装を美しく仕上げる技術も経験もなく

  • メーカーの規定以上の希釈率で塗料を薄め、材料費を浮かせる
  • 塗装後に十分な乾燥期間を置かず次の塗装を行って人件費を浮かせる

といった利益優先の手抜き工事を行うので、塗りムラを始めとするさまざまな施工不良が起こりやすいです。

当然ながら悪徳業者がアフターサービスとして無償の塗り直しや補修を行ってくれることは期待できず、そのような業者とは工事終了後に連絡が取れなくなるという事も多くあります。

 

施工不良だらけの外壁塗装を放っておくと家屋に深刻なダメージを与えるため、すぐに施主負担での再塗装を行わなければなりません。

それ故、業者を選ぶ際は

  • 塗装工事の営業を行っている地域でどれほどの施工実績があるか
  • 新規顧客からだけでなくリピーターからも多く工事を受注しているか
  • どれほど徹底した施工管理を行っているか

などの情報をホームページやパンフレットからよく調べ、可能ならショールームやオフィスを訪問して相談してみるようにしましょう。

地域で施工実績が豊富な優良塗装業者をすぐに探したい場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

3.深刻な塗りムラを発見したときはすぐに報告する

架設足場を撤去した後に塗り直しとなった場合には、足場設置費用を追加請求されるおそれがありますので、まずは塗装工事が終わって架設足場を解体する前に施主自身の目で仕上がりを観察し、塗装で気になる部分はすべて業者と一緒に確認するようにしましょう。

 

足場を撤去したあとに塗りムラを発見したときは、塗りムラを発見した箇所・範囲・程度などを確認して可能な限り早く施工業者に報告し、塗装業者が再点検にくる日時を取り決めます。

業者が来るまでに時間が空くなら、塗りムラの写真や動画を施主自身で撮影しておけばトラブルの解決が長引いても有利な証拠として役立てることができます。

●問題がこじれるなら第三者機関の援助を求めることもできる

塗りムラの問題が明白であるにもかかわらず業者が塗り直しや補修に応じない場合や対応に納得出来ない場合などは

  • 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
  • 独立行政法人 国民生活センター

などの第三者機関に相談するという解決方法もあります。

これらの第三者機関はリフォーム工事全般に起こりがちなトラブルに精通している上に、弁護士への相談窓口ともなっていますので問題が複雑化しそうなら相談してみましょう。

参考:外壁塗装について電話で相談できるオススメの相談先と、避けるべき相談方法

■おわりに

外壁塗装は職人が手作業で行う工事なので、全く塗りムラの無い完璧な仕上がりを期待することはできませんが、もし許容範囲を超えた塗りムラに気づいたなら、速やかに解決を図るようにしましょう。

深刻な塗りムラは外壁がダメージを受けている可能性がありますし、塗装工事完了後すぐに塗装業者に報告すれば業者自身に施工不良を認めてもらいやすくなります。

 

優良な外壁塗装業者を選ぶことができれば、塗りムラトラブルが発生する可能性は低くなり、万が一塗りムラが生じても納得の行くアフターサービスを期待できます。

優良外壁塗装業者をお探しの場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。

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