私たちは外壁用の塗料に何を求めて居るのでしょうか。全てそろったオールマイティな塗料はありませんので、家の状況に合った塗料の選択が必要です。
性能が低い塗料を選んでしまうと、数年ではがれてしまったり、補修が必要になったりする場合もあります。通常、完全に自分で塗料を選んで、外壁塗装業者に塗ってもらうという事はありませんが、塗料にどのような機能があるのかということぐらいは、知っておいても良いでしょう。
「この塗料は○○性が高いので良いです」という意味の言葉を塗料のカタログや、外壁塗装業者の説明で聞くことがあります。ただ、○○性といわれても素人にわかる言葉は少ないです。
ここでは塗料の性能にある○○性に関して詳しく解説していきます。
難しい事はあまり考えたくない、あるいは高性能な塗料を適切な相場で利用したいだけなのだという方は外壁塗装駆け込み寺にて無料で現地調査を行っておりますのでご相談ください。
主に塗料に求められている性質は以下の通りです。細かく言えばまだあるかもしれませんし、業者さんによって言い方が違う性能もありますが、だいたいは以下のような機能とです。
耐候性(耐久性・耐候形)
耐候性(耐候性)は耐久性と言い換えるとわかりやすいと思います。要は塗料を外壁に塗装してからどれくらいその状態を保つことが出来るか、という事です。耐候性は高ければ高いほど塗料としては優れていると言う事になりますが、JIS(日本工業規格)にて明確に等級が決められています。
促進耐候性試験によって測定します。3種、2種、1種と数字が少ない順に優れた塗料となります。
1種・・・2,500時間経過後に光沢の保持率が80%以上維持しているもの。シリコン、フッ素塗料に多い。
2種・・・1,200時間経過後に光沢の保持率が80%以上維持しているもの。アクリル、ウレタン塗料に多い。
3種・・・600時間経過後に光沢の保持率が80%以上維持しているもの
ちなみに耐候性が高い塗料で、次の塗装まで何年ぐらいなのかを表す数字として耐用年数(期待耐用年数)で表すこともあります。例えば、このフッ素塗料の耐用年数は15年ほどです、などと使います。
防カビ・防藻性
カビや藻を生えにくくする力です。これにより外壁をきれいに保ってくれます。
カビや藻が生えていると、建物が古くさく見えたり、手入れをしていない印象を与えたりしてしまうため、日頃外壁を見て、カビが生えていないかなどのチェックも重要です。
カビ、藻が生えてきたら外壁の保護機能が低下しているということなので、次の塗装の目安にもなります。
耐アルカリ性
耐アルカリ性は名前の通り、アルカリ性に耐える事が出来るという性能の事です。
コンクリートなどの外壁は基本的にアルカリ性なので、アルカリ性の耐性を持っていないものが触れると、アルカリ性の外壁の影響を受けて色が変わるなどの変質の化学変化が起こる場合があります。
そのようなことが起こるのを防ぐための耐アルカリ性が求められます。ただ、大手メーカーなどの信頼の置けるところが作った塗料などは耐アルカリ性とわざわざ書いていなくても「どこに塗る用の塗料か」というのが記載されていますので、塗料のカタログでその項目を見ればまず間違えません。
耐酸性
酸性雨によって外壁や屋根が酸性化しすぎてしまうとこれも良くない影響が出てしまいます。外壁が中性化してしまったり、鉄部のサビなどが出てしまうという事です。
耐酸性の性質をしっかりと持っていれば、酸性のものが接触しても変質(サビ等)を防ぐことが出来ます。
透湿性
外気に常にさらされており、雨風に当たっている外壁内に湿気はたまるものなので、それを外に逃がす力が透湿性です。
湿気がたまりすぎてしまうと、塗装面が中性化し、塗膜が崩れてしまう可能性があります。
透湿性が高い(空気を通しやすい)塗料であれば、壁の内部構造に湿気がたまりません。
防汚染性(低汚染性、耐汚染性など)
汚れをつきにくくする力です。ナノテク塗料や、光触媒塗料に顕著なものですが、一般的なシリコン、フッ素塗料にも防汚染性に着目した塗料はあります。(参考記事:汚れにい家を作るには?)
カタログによっては防汚染性、低汚染性、耐汚染性など様々な言い方をされますが、汚れにくいという事です。
弾性(ヒビ対策)
家というのは不動のものではなく、常に少しずつ変形しており、それに耐えられなくなってひび割れ等が起こります。どんなにきれいに塗ったとしても、家の変形は止められないので、ひびが入る事は防げません。
しかし、ゴムのような少し伸びる性質の塗料であれば、ひび割れようとする力に塗料も追従してのびるのでひび割れにくくすることが可能です。伸びる性質の事を弾性というのです。
弾性があることによってひび割れ等を防ぐ事が出来ます。難しい言い方だと可撓性(かとうせい)とも言います。(参考記事:弾性塗料について)
遮熱性
外壁にもある程度求められますが、特に屋根用塗料に求められるものの一つで、遮熱性が高いと熱を遮断することで家の中の温度が上がらないようにしてくれます。
しかし、家の中に関しては屋根と部屋の間に断熱材が存在するためわかりづらい場合もあります。
また、結局断熱は断熱材の役割で有り、厚さ数ミリの塗料に遮熱性を追い求めすぎても一戸建ての場合は効果が感じにくいです。
断熱性
断熱は例えば塗料の内容物によって熱を内部まで伝わりにくくすることで温度を下げる効果があるものです。遮熱と違うのは断熱は暑さ、寒さの両方に対応してくれるという点です。
つまり夏は涼しく、冬は暖かくする事が可能です。ただし、遮熱と同様で、本当に断熱を求めるのであれば、外壁の中に断熱材を入れた方が遙かに断熱になります。大がかりな工事にならないようにするのには断熱塗料が役に立ちます。
断熱性が高い塗料としては、ガイナなどが有名です。(参考記事:断熱効果)
親水性
親水性は、要は水と仲が良いか、という事になります。逆の言葉は撥水性で水をはじくという意味です。
親水性が高い外壁だと、水は壁の表面に広がって汚れなどを洗い落としやすくしてくれます。しかし、雨が酸性だと、外壁が中性化してしまうので、耐酸性の性質も持っておく必要がありそうです。
光触媒塗料がこの親水性をよく利用した塗料の一つです。
耐水性
水に対して耐性があると言う事となります。水が塗料を突き抜けないような性質のことですが、基本的に外壁塗装は雨漏り等を防ぐためのものなので、耐水性は標準的についていると考えても良いでしょう。
意匠性(美観)
意匠性(いしょうせい)とはかっこよさのことです。外壁塗装は家を守るだけではなく、見た目にも楽しいものでなくてはなりません。
見た目のきれいさの事を意匠性といい、きれいな模様や形の外壁を意匠性が高い、と表現します。
耐衝撃性
地震や台風のような非常に大きな力が加わったときに耐えることが出来る力を指します。
ただ、そもそもの家の構造等で衝撃に対する強さは変わってきますので、断熱性などと同様に数ミリの塗装に耐衝撃性を求めることはあまりありませんし、メーカーの塗料カタログにも強調されることはあまりありません。
耐洗浄性
洗浄しても耐えることが出来る力です。メンテナンスはどのような外壁でも必要なので、水で流したり、ブラシでこすったりする事もあるかもしれません。その際に、洗浄に耐えられるかどうか、の性質を指します。
まとめ
外壁、屋根の塗装リフォーム用の塗料には上記の通り様々な性能が書かれています。
先に書いていますが、どの性能さえあれば良いと言うことではなく、あくまで今現在の外壁の状態や材質等で適切な塗料は変わってくるので、適切な塗料を選ぶ際はプロに家を見てもらうのが絶対確実です。
外壁塗装駆け込み寺では、失敗しない外壁塗装工事の為、近所の優良な外壁塗装業者を無料でご案内しておりますので、お気軽にお問い合わせください。