サイディングボードのメンテナンス、ひび割れ等の補修方法

外壁に使われる外装材は、昔ながらの塗り壁(モルタル)だけではなくサイディングボードと呼ばれるパネルを貼り合わせて家を守る外装材がよく使われるようになりました。

サイディングボードはメンテナンスフリーなどと言われていたこともありましたが、全くの誤解で、モルタルよりもメンテナンス費用がかかってしまうほど、維持に努力が必要となってきます。

ここではそのサイディングに関しての知識をしっかりと手に入れられるように項目別にまとめました。サイディングに関する基礎知識から、補修方法までしっかりと学んでおきましょう。

なお、サイディングの張替、塗り替えなどで不安なことがあれば、外壁塗装駆け込み寺にて無料相談を承っているので、こちらからお申し込みください

目次

サイディングボードとは

日本の住宅の多くがサイディングボードで出来ており、モルタルの家は少なくなっています。

サイディングボードは家の周りの壁を形成する外装材の種類の一つで、サイディングボードというパネル状の板を何枚も並べて貼ります。

日本サッシ協会が2019年に算出した統計データでは、調査対象の日本の新築戸建ての住宅外壁の89.8%がサイディングボードで、5.7%がモルタルでした。

つまりほとんどの住宅がサイディングボードになっているといっても過言ではありません。

 

モルタルは全面をまんべんなく塗るので境目がないのに対し、サイディングは既製品のパネルを貼り合わせていくものなので、パネルとパネルの間に必ず境目が出来ます。そこを目地といい、コーキング剤という弾力がある薬剤を詰めて雨水などが入るのを防止しています。

サイディングの表面がそのままだと劣化してしまうので、それを保護する目的で塗装をするのが一般的です。それ故、塗料の寿命、サイディングの寿命、コーキングの寿命という三つの寿命に気を遣って、メンテナンスをする必要があるので、定期的なメンテナンス費用はかさんでしまう傾向にあります

サイディングの塗装自体は誰でも出来ますが、適切な相場で、長くもつ外壁を作り出すのは、優良な塗装店にしか出来ません。近所の優良外壁塗装業者をお探しの場合は、外壁塗装駆け込み寺で無料にてご案内しております。

モルタルとサイディングの違い

日本の家のほとんどがモルタルかサイディングのどちらかです。昔はモルタルが主流だったのですが、今現在はサイディングの方が主流です。理由は、サイディングの方が手間がないからです。モルタルは左官職人が塗料を現場で混ぜ合わせ、ムラにならないように手塗りで塗っていかなくてはならないのに対し、サイディングは工場で塗装などの加工をして完成したものを現場に運び込んではめていくだけで良いのです。左官職人不足や、住宅ブームなどによりサイディングが主流となりました。

工法による言い方の違いとして、モルタルが湿式工法で、サイディングボードが乾式工法と説明する場合もあります。モルタルは水やシンナーなど液体に混ぜて壁に塗っていくものであるのに対し、サイディングはすでに乾いた物を家の周りに貼っていくというところから来ている言葉です。

主なモルタルとサイディングのメリット、デメリットは以下の通りです。

  サイディング モルタル
画像 窯業系サイディングボード モルタルの壁
メリット
  • 塗りでは表現できない模様を選べる
  • 様々な種類の柄から選ぶ事が出来る
  • 複数色ある柄もある
  • 軽いものもあり家への負担が少ない
  • 導入するのが安価で品質が安定している
  • 昔ながらの模様などが表現できる
  • 部分的な補修が しやすい
  • 目地(つなぎ目)がない
デメリット
  • メンテナンス費用が高め
  • コーキング部などボード以外の部分も補修対象
  • 意匠性が高いと塗料が限定される
  • 古くなったらサイディングごと替えるので費用増
  • 反る、割れるなどの不具合が出やすい
  • 重いので家への負担が大きい
  • ヘアークラック(ヒビ)が出来やすい
  • 凝ったデザインにすると高い
  • 遠目に見るとデザインが分からない
  • 施工者が下手だと塗りムラが出来る

サイディング、モルタルそれぞれにメリット、デメリットがありますが、基本的には好みで選べばよいと思います。防水性能や断熱性能の違いを指摘する方もいますが、それはピンキリで使うものによるので、気にしなくて良いかと思います。

例えば「家への負担を減らすために金属系サイディングの軽いものが良い!!」と行ってしまうと、もはや選択肢が一つしかなくなってしまいます。そうではなく、好みなどを考えて、完成した家を見たときに「この家で良かったな」と思える家造りを目指しましょう。

サイディングが良いか、モルタルが良いかなどをも含め、自身にあった外壁にしたい方は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。地元の優良塗装店を無料でご案内いたします。

サイディングボードの種類は大きく分けて四つ

サイディングボードにはその原料から、大きく分けて四つの種類があり、それぞれにメリット、デメリットなどが存在します。サイディングボードは単に短くサイディングとだけ言われることがあります。

窯業系サイディングボード(最もポピュラー)

窯業(ようぎょう)系サイディングボードは、サイディングの家の大多数を占める外装材。

日本で最も多く使われているサイディングボードはこの窯業系(ようぎょうけい)サイディングボードです。

単にサイディングボードという場合、ほとんどこの窯業のサイディングボードの事と見なして良いでしょう。先程の日本サッシ協会が2019年に算出した統計データでは、日本の外装材の内、窯業系サイディングボードが78.5%と大多数を占めています。

 

窯業(ようぎょう)とは文字通り窯で作るサイディングボードの事です。とはいえ、窯で作るもの全てが窯業系サイディングボードというのではなく、窯業系サイディングボードの材料は決まっています。

セメントに砂、砂利、水を混ぜるとコンクリートが出来上がりますが、窯業系サイディングボードの場合、セメントに繊維質、混和材を混ぜて窯で焼き上げるのです。繊維質が入ることによって石や砂利にはない強度が生まれ、混和材が入ることによってコンクリートにはない軽さが生まれます。コンクリートに強度アップと軽量化の為に色々混ぜて住宅外壁用に焼き上げたものが窯業系サイディングボードと考えて良いでしょう。

窯業系サイディングボードの最大の特徴は模様の多様性です。加工しやすいので、タイル風、レンガ風、西洋風など様々な模様があります。様々な模様があるが故、上からする塗装には気を遣う必要があるのです。例えば、レンガ風のサイディングボードだった場合、一色で塗りつぶしてしまうと、レンガ風の味が出ないので、凹凸で色を分ける必要があります。そのため、一工程増えて工賃も上がってしまうという事にもなります。

サイディングボードというのは基本的に気温や湿気などによって反ってしまうなど、形が使用するにつれて若干変わっていってしまいますが、窯業系サイディングボードには中が空洞になっているものもあり、この空洞によって反りを防ぐ、など弱点を補うための加工が施してある場合があります。

窯業系サイディングボードのメーカーはニチハ、ケイミュー(セラディールなど)、旭トステム、中越テック、ウベボードなどがあります。以下、このページにおいて特に○系と書いていないものは全て窯業系サイディングボードの事だとご認識ください。それぐらい世の中のものはほとんど窯業系サイディングが主流です。

窯業系サイディングボードの補修は外壁塗装業者だけでは対応しきれない場合があります。サイディングのズレや釘直しなどの作業もあり得るからです。外壁塗装駆け込み寺では様々な作業に対応出来る優良業者を無料で紹介しております(詳しくはコチラ)。

金属系サイディングボード

金属系サイディングボードは、かっこよい反面メンテナンスが重要で、デリケートな外装材。

金属系サイディングボードは、その名前の通り、主な成分が金属のサイディングボードです。金属が凹凸などの加工をされ(エンボス加工といいます)、その裏側に断熱材をつけたものが金属系サイディングボードを使った外壁です。金属系サイディングボードのメーカーは、アイジー工業、東邦シートフレーム、YKKAP、チューオーなどがあります。

金属にはアルミやスチールが使われており、主な金属がなんなのかによって金額が変わります。一般的にアルミよりもスチールの方が安いです。アルミニウム、亜鉛合金などを組み合わせたものが有名なガルバリウム鋼板です。このように様々な金属の性質を組み合わせてさらなる耐久性を得ているものもあります。ちなみにプレハブ小屋などによく使われるトタン外壁も金属系サイディングボードの一つです。

金属系サイディングボードの長所は金属板なので窯業系やモルタルのなどに比べて重量が圧倒的に軽いです(窯業系などはコンクリートが多いので重い)。

一つよくある誤解として「金属系サイディングボードはメンテナンスはほとんど不要のメンテナンスフリー素材です」といわれたりします。金属ですので、ほったらかしにしておくと当然錆びますし、表面の塗装はどうしても塗料なので劣化します。

メンテナンスが必ず大事なものではあるのですが、高圧洗浄機を使ってはいけない、シンナー等の有機溶剤を使ってはいけない、などの制約があるので、使われているサイディングをきちんとハウスメーカーなどに確認しておきましょう。塗装にも日本ペイント「パーフェクトトップ」、関西ペイントの「セラMレタン」などの水性塗料を使用します。

金属系サイディングボードは塗装や設置が非常に難しいです。技術や経験が足りない業者ではまず出来ないので、必ず熟練の業者さんにお願いするようにしましょう。外壁塗装駆け込み寺でも地域の熟練業者を無料で紹介しています。

木質系サイディングボード

木質系サイディングボードは他にはない、木の暖かさを出せますが、燃えやすく、高額です。

木質系サイディングボードはその名前の通り、木で出来たサイディングボードです。他のサイディングには出せない木の暖かさを家につけることが出来ます。

窯業系サイディングボードの中にも木のような模様のものが存在しますが、本当の木の風合いには勝てないでしょう。

しかし、本当の木であるが故、施工費用自体高額になりがちですし、メンテナンスも大変です。金属系に比べれば使用できる塗料は多いですが、塗装の寿命はモルタルや窯業系に比べて短くなる傾向にあります。

樹脂系サイディングボード

樹脂系サイディングボードは海外で普及していますが、日本ではまだあまり見かけません。

樹脂系のサイディングボードは塩化ビニールなどの樹脂を使用しています。樹脂とはいうものの、ペットボトルのようなプラスチックとは違い、非常に強度が強いものとなります。水道用のパイプなど強度と安全性を必要とする場所などに使用されている素材です。メーカーにゼオン化成、信越ポリマーなどがあります。

塩化ビニールをベースにしたサイディングボードは腐食しづらい、クラックが発生しづらい、燃えづらい、と家の外装材としては非常に良い性質を持っています。サイディングボードそのものに色がついているので塗装が必要ない、というのも大きな特徴の一つです。30年という長い保証をつけているメーカーもあるほど耐久性が高いのです。

アメリカやカナダでは50年以上の長い歴史を持っており、現地では金属サイディングボードよりも、こちらの方が普及しています。しかし、まだまだ日本では普及しておりません。

樹脂系サイディングボードはまだ日本では普及しておらず、施工が得意な業者は少ないです。外壁塗装駆け込み寺では優良な施工業者を無料で紹介しておりますので、樹脂系サイディングボードを希望する方はご相談ください。

サイディングボードは日々のお手入れと定期メンテナンスが非常に重要

サイディングボードはメンテナンスがいらないという誤解があるのですが、メンテナンスフリーという言葉は、塗料はもちろん、外装材でもあり得ません。外壁塗装に関する全てでメンテナンスフリーという事はありませんので、メンテナンスフリーという業者は信用しないでおきましょう。サイディングボードにもメンテナンスや日々のお手入れは必要です。

サイディングボード大手のニチハは「サイディングボードを長寿化するためには適切なメンテナンスが必要」として、メンテナンスの重要性を主張しています。業者にお願いして行う大規模なメンテナンスから、日々自分で行うべきお手入れなども欠かさないようにして、家を長持ちさせる努力をしましょう。

外壁塗装駆け込み寺では、塗装後のおつきあいを大事にし、定期的に見回ってくれる優良業者さんなども多数加盟しています。優良業者さんをお探しの場合はご相談ください(詳しくはこちら)。

サイディングに再塗装するのは築何年後?

サイディング、コーキングのどちらも定期的にメンテナンスや塗り替えをする必要があります。

サイディングボードは塗装された状態で工場から出荷されているため、何も保護目的の加工はされていないようで、実は塗料で保護するための加工がされているのです。むき出しの状態で長持ちするというのは基本的にはありません(一部、樹脂系サイディングボードなどは除きます)。

サイディングボード自体の寿命と、塗られた塗料の寿命、そして、目地部分のコーキングのそれぞれのメンテナンスの時期を覚えておきましょう。サイディングボードのメンテナンスサイクルは以下の通りです。

経過年数 ~5年 ~10年 ~15年 ~20年 ~25年 ~30年
サイディング 様子見 塗装 塗装 or 貼り替え
コーキング 様子見 必要に応じて部分的な打ち替え、全体の打ち替えを行う
モルタル(参考) 1回目塗装 2回目塗装 3回目塗装

モルタルは塗料のグレードによる違いはあれ、単純に8~10年ごとに再塗装を行います。メンテナンスに関してサイディングとモルタルとの一番の違いは、目地(サイディングとサイディングの境目の事)に入っているコーキング剤もサイディングそのものと一緒に劣化していってしまう上、コーキングはさらにデリケートなので定期的に様子を見ていく必要があると言うことです。

はじめの5年ほどは様子を見るだけですが、5~10年の期間で家全体を点検しておいた方が良いでしょう。

また、東西南北の面によっても劣化の違いがあるので、家全体を見る必要があります。北側の面は日が当たりづらく、乾きも悪い為、カビやコケが発生しやすい、残った水が凍って凍害が起こるなどがあります。その他、南、西は日の光が長時間あたりますので、膨張等で劣化が他の面よりも早いです。

メンテナンスや塗り替えの感覚は家の環境や外装材で全く変わってきますので一概には言えません。熟練の職人に見てもらう事で適切なメンテナンス方法が分かります。外壁塗装駆け込み寺ではそのような方の為に地域の熟練の職人を無料で紹介しています(詳しくはコチラ)。

サイディングの日々のお手入れの方法について

業者さんにお願いして足場を組み、再塗装やサイディング貼り替え、コーキング打ち替えする間隔は上記の通りですが、それ以外にもサイディングボードは定期的にお手入れをする必要があります。これはモルタルやその他の外装材とも共通することです。ちょっとの汚れに敏感になりすぎることはないですが、清潔に保ってあげた方が長寿化に繋がると考えておきましょう。

特にガルバリウム鋼板などの金属系サイディングボードはデリケートなので特に下記項目には気をつける必要がありますが、その他のサイディングボードの場合でも十分に注意しておきましょう。

水圧が低くても高圧洗浄機は使わない

高圧洗浄機でサイディング壁を洗うと、隙間から壁内に水が入る可能性があります。

外壁塗装の時の洗浄と言えば高圧洗浄機ですが、サイディングの普段のお手入れの時には使ってはいけません(特に金属系サイディングボード)。

なぜならその強すぎる圧力のせいで、サイディングが崩れてしまったり、へこんでしまったり、あるいは塗膜が傷ついてしまうからです。弱い水圧の家庭用高圧洗浄機だったとしても、8MPa(MPaは圧力の単位でメガパスカル)はあり、サイディングのお手入れに向いているのは5MPa未満とされています(関連記事:高圧洗浄機)。

ホースの水をパシャパシャとかけながら、柔らかいブラシなどで汚れを落とすというのが基本的なお手入れ方法です。ホースで水をかけるときは上から下にかけるようにしましょう。下から突き上げるような水に対して、サイディングボードは想定して作られていないので、中に水が入ってしまう可能性があります。

「プロにメンテナンスをお願いしたい」、「お手入れで良いのか、修繕が良いのか分からない」などのお悩みがあれば外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。近所の優良外壁メンテナンス業者を無料でご案内いたします。

カビ、藻、鳥のフンなどの汚れ落としに洗剤を使う時の注意点

鶏の糞、カビ、藻などは出来るだけ早く取り除きます。その際は中性洗剤を使いましょう。

カビを落とすときに関しては、窯業系や金属系のサイディングボードと相性が悪い可能性があるので、アルカリ性、酸性の洗剤は使わないようにし、中性洗剤(台所用洗剤など)を使いましょう。また、中に粒子が入っているクレンザーなどのようなものも傷つく可能性があるので使わない様にしてください。

鳥のフンは関しては出来るだけ早く取り除いてください。水だけで落とせない場合は、中性洗剤、ブラシ、ぞうきんなどを使って丁寧に洗うようにしましょう。

鳥のフンはまず見た目に汚く、美観を損ないます。また、環境省が作成したハトの資料によると、ハトなどの鳥の糞便が乾燥したものをすってしまうと、オウム病やクリプトコッカス症がうつる可能性があるとしています。その他、サルモネラ食中毒、脳炎、ニューカッスル病、トキソプラズマ病、ヒスとプラズマ病、ダニやシラミなどの寄生虫被害にあう可能性もあります。

羽毛が喘息などのアレルギーを引き起こすこともありますし、フンの中のダニで皮膚炎を起こす可能性もあります。鳥のフンが外壁についていて良い事は何もありませんので、すぐに取り除きましょう。掃除するときはマスクやゴム手袋を必ず忘れないようにしてください。

洗剤を使って外壁を洗うときは、一度、目立たないところで試し洗いをしてみて、使っても良いものかどうか確認するのも効果的です。目立つところにいきなり使うと、万が一相性が悪かったときにシミになってしまう事もあります。

高所が汚れていて届かない、素人メンテナンスでは不安という方は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。お住まいの地域の優良業者が適切にアドバイスいたします。

サイディングボードの劣化はどのようなもの?日々の点検について

サイディングの劣化症状を見逃さないように、日々の点検が重要です。特に災害後など。

汚れなどのすぐに分かるものに関しては、上述の通り掃除していくとして、それ以外に日々の点検でどのような所を見て行けば良いのかを確認しておきましょう。サイディング自体の状態、塗装の状態、コーキング部分の状態は定期的に見ておくようにしましょう。

特に台風や地震の後はトラブルが起こっている可能性が高いので、積極的に見て行きましょう。気象庁の定めによると、地震は10段階有り、ほとんどの人が気づくほどの大きさが震度3の地震です。このあたりの地震が起きた次の日にはさらっと外壁の具合を見ておいてもよいでしょう。

サイディングの劣化状況がよく分からない場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。地域の事をよく知る地元優良店が無料でサイディングの診断をいたします(詳しくはコチラ)。

サイディングの各部分の劣化具合について

サイディング自体の状態
  • 割れてしまっていないか(特にクギ部分)
  • サイディングがずれていないか、反っていないか
塗装の状態
  • 触ると手に白い粉がつかないか(白亜化、チョーキング現象)
  • 汚れが落ちづらくなっていないか
  • コケや藻が生えてしまっていないか
  • 塗装が剥がれてしまっていないか
コーキング部分の状態
  • 切れ目が入っていないか
  • 割れてしまっていないか
  • 両端、もしくは片側ががサイディングから離れてしまっていないか

サイディングボードの劣化具合は見たり、触ったりすることでほとんどわかるようになっています。特にコーキング部分は劣化しやすく、見ただけでわかる場合がほとんどです。

家を建ててくれた所や、前回塗装をしたのであれば、定期的に業者さんが見てくれるという場合もありますが、一年に一回以上は見てくれない場合がほとんどなので、日頃から外壁の状態は注意しておくようにしましょう。外壁塗装施工後も定期的に見に来てくれるような優良塗装店を探しているという方は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。お近くの優良塗装店を紹介いたします。

汚れがついても取れないのは、汚れが強力だからではなく、壁の汚れに対する抵抗力がなくなっていると考えた方が良いでしょう。先に書いたお手入れの方法を実践して、きれいな状態を出来るだけ保つようにしましょう。

サイディングボードの補修の種類とやり方

サイディングボードの補修は、業者に頼むべきものは頼み、家を長持ちさせましょう。

お手入れをしたり、お掃除をしたりするだけでは、どうしても補修できないクラックなどの補修はどのように行うべきでしょうかDIYで出来るもの、業者に頼むべきものをきちんとわけ、出来るだけお金をかけないようにしながら、サイディングを良い状態で長持ちさせるようにしましょう。DIYが可能なのかの判断がつかず、とりあえず業者に補修部分を見てもらいたいという場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。地域の優良店を無料でご案内いたします(詳しくはこちら)。

ただ、基本的な考え方として、サイディングに何か異常があった場合は、「必ず理由がある」という事を覚えておいてください。例えば、モルタル外壁の場合は、クラックが出来るのはある程度仕方ないこととしてすまされてしまいます。

しかし、サイディングボードにおいてクラックが出来てしまうのは家自体が非常に動いてしまっている、サイディングをとめる釘打ちが良くない方法で行われている、などの理由があると言うことです(構造クラックと言います)。サイディングの異常になっている原因を解決しないと、また同じ事が起こってしまう可能性が高いという事です。

以上に注意しながら、以下の部分的な補修についての記述をご覧ください。

サイディングにクラックが起こるのには理由がある

サイディング壁にひび割れが起こっている場合は、素人に修理は無理なので必ず業者へ!

ひび割れの事をクラックと言います。モルタルはクラックが入ってしまっても仕方ないと済ませてしまう場合がありますが、サイディングの場合のクラックは地震などが原因でない限りは家のSOSと考えても良いかもしれません。

サイディングは薄い板なので、モルタルに比べればある程度形が変わっていく場合があります。これを「動く」と言います。特に窯業系サイディングボードはコンクリートの性質も兼ねているので、水分をすってしまいます。水分を吸ったり、乾いたりする事で少しサイディングが動いてしまうのです。ただ、それはサイディングが突き詰めると薄い板なので、ある程度は想定して作られています。それ故、サイディングを並べて外装材としたときに、つなぎ目の部分にゴム製のコーキング剤を詰めます。この部分でサイディングの動きなどを許容するように設計されているのです。

コーキングがあるのにも関わらずサイディングボードにクラックが入ってしまう場合は、コーキングの部分だけでは動きを殺しきれずにサイディングボード自体に負荷がかかりすぎている事が上げられます。また、施工する際のクギ止めをサイディングの力の行き場などを考えずに行ってしまったり、メーカー指定のクギ数でとおめていない(六つのクギで一枚のボードをとめるときに四つしかクギを使っていないなど)など力が不安定な時に起こります。サイディングのクギの部分にクラックが入っている場合は、クギの止め方が悪いのではないかと考えてください。

元々の設計ミスという事も考えられますが、サイディングがどのように動くかは日照時間や湿度なの気候にも左右されるので、建ててしばらく経過した後に様子を見ていくという方法を取ることがほとんどかと思います。どのようにサイディングが動いたかを計算に入れながら、今後どのようにクギ止めを行うかなどを考える必要があるのです。家全体のサイディングの状況を見極めて補修していく必要があるので、クラックが酷い場合は、まず業者に相談するのが良いでしょう。

サイディングにひび割れなどの以上がある場合、そのまま放置せずに外壁施工店に相談してください。近隣の優良業者が分からない場合は、外壁塗装駆け込み寺が無料でお探ししますのでご相談ください(詳しくはコチラ)。

クラックを部分的に補修する方法

サイディングの補修は、低価格で出来る場合もあるので、専門業者に相談するのが無難。

家全体を打ち直したりするのは足場が必要な作業ですので、ある程度のお金がかかります。全面のサイディングボードのクギを打ち直す場合、足場代だけで20万円弱のお金が必要となってきます。しかし、ピンポイントでクラック一つだけを修復していくなら、足場もその部分だけで良いので安く済みます。予算の都合やクラックの状態で全面チェックなのか、部分補修なのかを考えてみましょう。

クラックを補修するためには、

  1. まずクラックの表面部分をカッターでV字に削り溝を作ります。
  2. V字の溝部分をブラシで丁寧に掃除し、ゴミなどを取り除きます。
  3. マスキングテープを両側に貼り、V字部分を独立させます。
  4. V字部分にプライマーを塗布し、その後、パテを埋め込んでいきます。
  5. ヘラなどで整形し、最後に補修用の塗料を塗布してパテ部分を保護します。

という手順で補修を行います。

クラックがどんどん伸びていき反対側に到達するのを防ぐ為に、クラックが伸びきる前に補修してしまう方法もあります。クラックが出来ている先っぽにドリルで穴を空けてパテを詰めるという方法です。これなら削る部分はドリル部分のみなので安く済みます。しかし丸い穴のように見えるので、目立たない場所用の補修になってしまうかと思います。

外壁を削るためのカッターやドリルなどは普通持っていないので、業者さんに頼むのが無難な方法です。ただし、クラック補修を適当に済ませてしまう手抜き業者が非常に多いです。良い業者が見つからない場合は、外壁塗装駆け込み寺が近隣の優良業者を代わりに探しますのでご連絡ください(詳しくはコチラ)。

サイディングの反り

サイディングの板が反っている場合は、劣化しているので専門家の補修が必要です。

サイディングの反りは異常な照りつけによる温度上昇や、湿度、入り込んだ水分が凍るなど過酷な気候が続くことでで反り返る場合もありますが、基本的には経年劣化で反ってしまっていると判断しましょう。経年劣化の場合は、クギなどで調節する必要があります。

まず反ってしまっているボードの全体を調査し、クギが外れてしまっていないか、数が少なくないか、浮いてしまっていないかなどクギでとめているボードならクギが正常になっているかどうかを確認します。必要に応じて、端っこや中央に余計にクギをさすことで反りを矯正します。その後、クギの頭には錆止め用の塗料も塗ります。

サイディングの部分取り替え

サイディングボードの取り替えは一部なら安価で可能ですが、専門業者にお願いしましょう。

反りやクラックなど、クギを打ち直したり、V字で溝を作って補修する方法をとるよりも、そのサイディングボードそのものを交換してしまうという方法もあります。家全体のサイディングボードを取り替えるとなると、100~300万円はする高額なリフォームになってしまいますが、一枚だけ替えるのであれば、そこまで高額な工事にはなりません。

しかし、サイディングは何もない状態から一枚一枚重ねながら貼っていくものなので、一枚だけ取り替えるという補修方法が適していない可能性があります。その場合は、取り替えるボードを部分的に削るなどしてうまくはめていく必要があります。サイディングの補修は専門的な知識と、加工が伴いますので、DIYでは出来ません。必ずサイディングの知識を持った専門業者にお願いしましょう。

近所の優良なサイディング補修業者がどこか分からないという場合は、外壁塗装駆け込み寺が代わりにお探しいたします(こちらからご相談ください)。

またサイディングボードがクギでとめるタイプなのか、金具に引っかけていくタイプなのかで若干施工方法がかわります。

金具でとめるサイディングボードの場合

  1. 貼り替えるサイディングボードのコーキングをカッターナイフで剥がします
  2. ボードは不要となるため、電動のこぎりなどで切断して取り外します
  3. 取り替え用のボードははめやすいように部分的に加工して金具に引っかけます
  4. 部分的に取り替えて強度に不安が残るためクギでも固定します
  5. 新しくはめた部分の周辺のコーキングをいれます

クギでとめるサイディングボードの場合

  1. 貼り替えるサイディングボードのコーキングをカッターナイフで剥がします
  2. 取り外すボードのクギを全て外します
  3. バールを使いながらてこの原理でボードを外します
  4. 交換用のサイディングをはめ込みます
  5. クギをうって固定し、周りのコーキングも入れていきます

塗装業者だけでは対応出来ない場合もある

サイディング補修では、塗装業者以外の専門家に補修をお願しなければならない時もある。

サイディングボードはモルタルと違って、塗装をすれば終わり、と出来ない場合もあります。サイディングボードも家の一部なのです。それ故、クギがきちんと入っているかのチェックや、サイディングボードの反りをチェックするなど、業者によっては専門範囲外ということも十分にあり得るのです。一つの業者に頼まずに、複数の業者に見てもらうことで、いろんな角度から補修の規模を見極めましょう。

塗装をする場合でも、軽度のクラックであれば、補修して上から塗装を行えば良い場合もありますが、重度のクラックではそうしたことが出来ずにサイディングボードごと取り替えなければいけない場合があります。塗装とちがって取扱説明書を読めば出来る、というものでもないので、専門の大工さんの派遣が必要となってくるでしょう。

サイディング自体に異常が見られず、上から塗装を行うだけで良い、と言う場合でも、出来ればクギの刺さり具合、反り具合などをチェックしてもらうために専門の大工さんを呼んだ方が良い場合もあります。その時は素人目には判断出来ない問題、表面化していないだけの問題などを早めに見つけることで家を長持ちさせることが出来ます。クギ(ビス)をしっかりと打ち込んで、サイディングの反り等を根本的に解決した後に、塗装業者に塗装をしてもらうなど、大工、塗装業者等それぞれの専門家にタッグを組んで家の補修を行いましょう。

外壁塗装駆け込み寺には塗装業者以外にもサイディング補修が得意な優良業者が複数加盟しています。近所の優良業者をご紹介することも可能なので是非ご相談ください(詳しくはコチラ)。

コーキングの打ち替え、打ち増し、サイディングの補修、サイディングの塗り替え、サイディングの交換、クギのチェックなどモルタルとは違う補修が複数あります。

コーキングの打ち替え

サイディングときっては切り離せないコーキングについての補修方法は次項で基本知識と合わせて解説いたします。

コーキング(シーリング)の基本知識と補修などについて

コーキング材はサイディングがひび割れないようにする大事な役割を持っています。

コーキングはサイディングとサイディングの間の目地という部分に入れる柔らかいゴムのようなもので、コーキングがあることで、堅くて薄い板であるサイディングボードが多少動いても反ってもこの柔らかい部分が代わりに動いてくれるので、サイディングボード自体にはひび割れの原因となるような大きな負荷が行きにくいという役目を持っています。窓やサッシ部分との境目にもコーキングが使われます。

それ故、コーキングはサイディングボードの外装材(特に窯業系、金属系)にとって非常に大事なものとなります。また、コーキングの事をシーリングという場合もありますが、ここではコーキングで統一します。

コーキングの補修は素人には判断しづらいため手抜き業者が横行する傾向にあります。コーキング補修の優良業者に補修を任せたいという場合は外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。近所の優良コーキング補修業者をご案内いたします。

コーキングは原料と特性と混ぜ合わせるかどうかで分けられる

コーキングは万能のものはなく、それぞれの家に合わせたものを選ぶ必要があります。

一口にコーキングと言っても様々な種類があります。特にサイディングのコーキング用に使われるのはウレタン系と変性シリコン系です。コーキング剤自体は非常に種類が多く、ポリイソブチレン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、SBR系、ブチルゴム系、テレケリックポリアクリレート系など非常に細かなたくさんの種類があります。

ノンブリードタイプ、低モジュラスタイプ、高モジュラスタイプなどがあります。外壁用の塗料のように「この塗料で全部塗っておけば間違いない」というような事はなく、適材適所で、それぞれの場所の性質を考えた上でコーキング剤を選ぶ必要があります。主にサイディングに使われるコーキング剤の種類や特性についてまとめると以下の通りです。

コーキングの成分別表

主成分による分類 内容
シリコン系 耐久性が高いのですが上から塗装出来ません。浴室の扉など塗料を塗らない部分に使うものです。
変性シリコン系 外向けに開発されたサイディングの場合に一番オススメできるコーキング剤です。ただし、塗料と相性が良くないので、上から塗装をするのであれば、プライマーを上から塗ってコーキング剤を保護します。またブリード現象が起こりやすいので、ノンブリードタイプを選びましょう。
ポリウレタン系 上から塗装する場合によく使われるコーキング剤です。紫外線に弱いので、むき出しの場合は使われません。つまり目地がむき出しとなるサイディングの場合には使われません。上から全て塗料を覆い被せる工法を採用する場合などに使います。
アクリル系 塗料同様、耐久性が高くないコーキング剤です。新築時によく使われています。自分で選ぶ場合は使用しないようにしましょう。

コーキングの特性別表

タイプ 内容
ノンブリード(NB)タイプ ブリード現象・・・コーキング剤に起こるよくない現象の一つです。コーキング剤の成分が偏ってしまい、それが表面に出ることでべとべとしてきます。それが汚れを吸着してしまう為に黒ずんできてしまうのです。ノンブリードタイプはそういった現象が起こりにくくなっています。
低モジュラスタイプ モジュラスというのは周りのサイディングに合わせて、コーキングが動いてくれるのかどうかを表すものです。厳密に言えば、モジュラスは元に戻ろうとする力の事で、低モジュラスは元に戻らずに柔軟に動いてくれ、高モジュラスは元に戻ろうとするので動く可能性のある部分には使えない、というように考えましょう。低モジュラス、中モジュラス、高モジュラスと分類されます。どれが良い、ということではなく、適材適所で考えます。例えば、サイディングとサイディングの間に塗るのであれば、当然動く可能性があるので、低モジュラスタイプが必要ですが、一枚のサイディングの表面の補修に使用するのであれば、動くことはないので、高モジュラスタイプを使う、というような考え方です。
高モジュラスタイプ

混ぜない1成分タイプと、混ぜる2成分タイプ

コーキング剤は1成分タイプ(1液型)、2成分タイプ(2液型)があります。混ぜずにそのまま使うのか(1成分タイプ)、使う直前に二つを混ぜたものを使うのか(2成分タイプ)で分かれます。

2液タイプの方が優れたものとなりますが、塗る直前に攪拌作業を行うなど手間も非常にかかります(攪拌にも専用の道具が必要)。1液タイプは市販の容器から注入して使い捨て、というような場合もありますが、2液タイプの場合は攪拌したコーキング剤を入れて注入するコーキングガンという専門の道具が必要となります。

メリット デメリット
1成分タイプ 手間なく注入できる 硬化に時間がかかるので大量に使う所には使えない
2成分タイプ 硬化するまでの時間が早い
耐久性が高い
手間が非常にかかる

コーキングにもメンテナンスが必要

コーキング部はサイディングボードの部分よりも劣化しやすいので個別に補修します。

上の項目で、コーキングにもメンテナンスが必要とお伝えしました。外装材であるサイディングボードがたとえ長寿命だったとしても、コーキングは劣化しやすいので、状態によって随時メンテナンスを行う必要があります。

コーキングが劣化して断裂してしまうなどでボロボロになってしまうと、そこから雨水や汚れがサイディングの内側に浸入してしまいます。雨水等が浸入してしまうと、サイディングボードの内側から家ごと劣化していくので、コーキングの劣化具合にも十分に注意しておきましょう。

コーキングの補修は専門的な知識を持つ熟練の職人が行う必要があります。近隣の優良な熟練職人を探す場合は、外壁塗装駆け込み寺で無料で案内しています。

コーキングの補修方法は打ち替えと打ち増しの2種類ある

コーキング補修は打ち替えが良いが、予算や劣化具合で打ち増しの場合もある。

コーキングのメンテナンス方法としては、今あるコーキング剤を完全に除去して新しいコーキング剤を注入する打ち替えと、表面を少し切り取って上からかぶせてしまう打ち増し(増し打ち)があります。基本的には、打ち替えで全部コーキング剤を取り替えてしまうのが良いのですが、打ち増しよりも打ち替えの方が費用がかかります。

上の絵は、コーキングの溝を拡大したもので、左側が打ち替え工法、右側が打ち増し工法を説明したものです。

  単価
打ち替え費用 850~1,800円/㎡
打ち増し費用 600~1,050円/㎡

業者によって幅がありますが、打ち増しの方が安いのは間違いありません。打ち増しで数年しのぎ、数年後に足場を組んで家全体をリフォームするときに打ち替えをするという流れでも良いでしょう。もちろんコーキング材を一度削り取り、全部新しいものに替えてしまう打ち替え補修の方が、寿命が長くなります。

ただし、気をつけなければいけないのは、打ち替えも打ち増しも後から見たらどっちで補修したのかはコーキングを切断しないと分からないという点です。そこにつけ込んだ悪徳業者や手抜き業者も存在するので気をつけましょう。

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コーキングの補修工程

  1. 雨樋等は外す(重要)
  2. コーキングカッター、インパクトドライバーなどで両側をそぐ
  3. ニッパーのような金具等を使って剥がしていく
  4. 残りのコーキングもカッターなどできれいに剥ぐ
  5. ダスターハケなどでチリ、ゴミを取り除く
  6. マスキングテープを使ってコーキングの両側を養生(重要)
  7. コーキングガンを使って注入する
  8. ヘラ(仕上げバッカー)で押し込むように平らにする
  9. 養生テープを乾く前にすぐ剥がす

悪徳業者や、良くない業者の場合、雨樋などを外さずに作業を行ったり、そもそも雨樋の後ろのコーキングを省略する場合もあります。雨樋の後ろにあるコーキングはやらなくても良いなんて事があるわけないので、しっかりとやっているかどうかを確認しておきましょう。

もう一点、意外と重要なのがコーキングを注入するときに、溝の両側にマスキングテープをしているかどうか、という事です。マスキングテープをしておかないと、溝の端にもコーキングが付着し、結果としてコーキングが劣化しやすくなります。そういったことを避けるため、どんな場所であっても、マスキングテープをしっかりして、コーキング注入を行うという工程をきちんと行っているかチェックしましょう。

コーキング補修に不安がある場合は、外壁塗装駆け込み寺にご相談ください。適切な工事が出来る専門業者が訪問し、状況を診断することも可能です。

全面改修か、部分改修か

全部交換?それとも一部だけ交換?劣化していない部分まで交換すると余計なお金がかかるので、一部交換が良い時もある

全面改修の方が足場代を支払うのが一度で良いから安く済むという業者も居ますが、全ての方に当てはまるとは限りません。

なぜなら、東西南北と太陽が当たる面、当たる時間の違いで、コーキングの劣化具合は全く異なってくるからです。一面だけ劣化していて、他の面は次の全面塗装の年まで持ちそうなのに、全面のコーキングの打ち替えをしていたら、余計なお金が発生してしまいます。コーキングの補修だけ全面行うという事は基本的にはないのではないかと思います。それなら全面の塗装も合わせてしてしまった方が良いです。サイディング、塗膜、コーキングの劣化具合を見定めましょう。劣化していない部分までコーキングを補修する必要はありません。

家全体のコーキングを一度に全部替えてしまうと非常にお金がかかりますし、別で足場代等も発生してしまいます。サイディングの塗装も同時に行う場合は、家全体のコーキング剤も打ち替えた方が良いのですが、もしサイディングの塗装が伴わない場合は部分的な打ち替えで全面塗装の日までもたせるのが良いでしょう。部分的に足場を組むだけなので、足場代の節約にもなります。

最近、不要な部分の補修までわざと引き受けて、高額な工事費用を請求するという手口が横行しています。不要な工事は不要と言える優良業者に補修をお願いしましょう。

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どうしてもコーキングがすぐ割れてしまう場合

部分的に補修しても、どうしてもすぐにコーキングが割れてしまう場合は、家の構造的に問題があるかもしれません。必ずその旨を業者さんに説明し補修をお願いしましょう。特にコーキングをかえてから数年でさけてしまう場合はその可能性が高いです。サイディングのクギ等が適切な本数打たれているか、反ってしまっていないかなども合わせて確認しましょう。

それでも解決しない場合は、ドリームコート、Zウォールなどの分厚い塗料をコーキング、サイディング関わらず全部に塗って覆い隠してしまうという大胆な工法もあります。

適切な補修を行っておかないと、余計にお金がかかるばかりか、大切な家を傷つけてしまう事になりかねません。補修して数年でコーキングが割れた場合は放置せずに専門家に見てもらいましょう。外壁塗装駆け込み寺でも地域の優良業者から専門家を訪問させ診断してもらう事が出来ますのでご利用ください。

サイディングボードの構造

サイディングボードとコーキング材は、家の最も外側を雨水などから守っています。

サイディングの構造について簡単にご説明いたします。サイディングの構造自体はそこまで難しいものではなく、サイディングボード、木材、防水シート、絶縁材、クギ(または金具)、コーキングが使われています。

家の内側から、下地の木材→防水シート→サイディング用木材→絶縁材→サイディングボードとコーキングの順で設置されます。サイディング用の木材にクギで打ち付けるタイプとついている金具に引っかけるタイプがあります。

意外に重要な絶縁材の役割

コーキング材は絶縁材によって二面接着しており、三面接着してしまうと寿命が短くなる

サイディングボード自体は一枚の分厚いコンクリートや金属の板なので、そこから水が入ってきたり汚れが入ってきたりする事は通常ありません。それ故、一番の弱点はコーキング部分であることが多いです。このコーキング部分で重要な役割を果たすのが絶縁材です。

コーキングは二面接着といって、サイディングと反対側のサイディングにのみ接着しているのが良いとされています。まれによくない施工として、下地にもコーキングが接着してしまっている三面接着というものがあります。三面に接着してしまっていると、サイディングが動いたとき下地にもくっついているのでコーキングが強く引っ張られ裂けてしまうのです。この三面接着を防ぐ為に、下地とコーキング剤の間に入るのが絶縁材というわけです。

絶縁材は工法によって変わります。ハットジョイナーと呼ばれる水漏れ防止材がサイディングの内側にある場合は、そのハットジョイナーの表面にボンドブレーカーというポリエチレン製のテープを貼って絶縁材とします。ハットジョイナーがない工法の場合は、ボンドブレーカーを貼ることができないので、その代わりにバックアップ材と呼ばれる細長いウレタン製のスポンジのようなものを絶縁材として詰めてからコーキング剤を注入するのです。

まれに「コーキングが割れた中に青いものが見えた。防水シートではないのか」というご質問をいただきますが、青いものが見えていたのであれば、防水シートではなく、ボンドブレーカーのテープであることが多いです。

手抜き業者はコーキング補修において、絶縁材(ボンドブレーカーやバックアップ材)を使わずにコーキング材を充填し三面接着施工でコーキングの持ちが悪い施工をする可能性があります。専門知識をもったコーキングが得意で優良な業者に施工をお願いしましょう。外壁塗装駆け込み寺では地域の優良なコーキング施工の出来る業者を無料で紹介しておりますので、コチラからお申し込みください。

サイディング補修の工程について

サイディングの補修、塗装の工程はモルタルとほとんど同じ流れです。

サイディングの工程を簡単に説明します。サイディング補修、塗装の流れはモルタルの塗装の流れと同様です。各課程の詳しい単価相場についてはこちらの記事をご覧ください。

サイディングの補修は、技術力の無い業者には難しく、外壁塗装業界には悪徳業者や手抜き業者が複数存在します。必ず優良塗装店にお願いするようにしましょう。近隣の優良サイディング業者が分からない場合は、外壁塗装駆け込み寺がお探ししますので、ご相談ください。

足場設置、飛散防止シートの設置、養生

家全体に足場を設置し、その周りから飛散防止シートをかけます。周りに車などがある場合はシートをかぶせて塗料が飛ばないようにします。

高圧洗浄と下地処理

クラックがある部分などを補修したり、汚れを徹底的に落としたりします。古いサイディングボードだとこの高圧洗浄に耐えられない場合があります。そこまで老朽化してしまった場合は、サイディングボードごと交換する事も選択しに入れましょう。

下塗りと二回の上塗り

モルタルと同様に、下塗り×1回、上塗り×2回の合計3回塗りが基本です。

上塗りは二回行いますが、一回目のことを中塗りと言う場合があります。どちらにせよ、塗料の定着率を高める為の一回目の塗りがあって、上から強度を高めるために二回塗装をすると覚えておきましょう。

元々サイディング自体にきれいな色で多彩な色が入っている場合、塗料は基本的に単色しか出来ないので、多彩なサイディングの上から塗る事は出来ません。その場合は、透明な保護だけが目的の塗料を塗布することでサイディングそのもののきれいさを見せるという工法があります。しかしこの場合、元のサイディングの色がすでに劣化してしまっている場合は劣化したまま保護することになるので、自身でサイディングの劣化具合が許容範囲かどうかを確認しましょう。

ちなみにこの透明な塗料の事をクリヤー塗料といい、大手メーカーからも複数製品が出ています。日本ペイントのUVプロテクトクリヤー、ピュアライドUVプロテクトクリヤーなどです。

透明な塗料を使用した場合は、コーキング剤はその色に合わせるようにしましょう。通常の白いコーキング剤だと、外壁が違う色の場合、印象が変わってしまいます。

そして透明な塗料で保護するという方法はサイディングが劣化しすぎていると使えません。サイディングの着色が色あせている場合はそのまま保護してしまうことになるので、見た感じ古びた印象になってしまいます。色あせが酷いときはサイディングごとかえるか、塗料で再現できそうであればきれいに塗り直してしまいましょう。

下塗りや上塗りの回数をごまかすような悪徳業者が横行しているため、業者選びは慎重に行いましょう。外壁塗装駆け込み寺では、地元の優良業者を無料で紹介するサービスも行っておりますので、ご相談ください。

レンガ調塗りならもう一回違う色で塗り

レンガ調の壁の場合は、凹部三回塗り、凸部四回塗りで塗り分けるか、クリアー塗装。

外壁のどんなところで三回塗ることで耐久性をもたせることが出来ますが、レンガ調の2色で仕上げたいのであれば、違う色にしたい凸の部分だけ上からさらに塗っていきます。凹凸部どちらも三回塗りたいので毛足の長いローラーを使って塗ります。凸部のみ塗りたい場合は毛足が短いローラーやハケ、筆などを使って丁寧に塗ります。

凹の部分を二回塗り、凸の部分を三回塗りにしてしまう悪徳業者がいますが、それでは凹の部分は二回塗りとなり耐久性が低くなってしまうので、凹の部分は三回塗り、凸の部分は四回塗りというのがレンガ調塗りの正解です。

もしくはレンガの色が複雑な場合は、クリアー塗装で元の色を生かしたまま保護層を作る事も出来ます。

コーキングを注入するのは塗装をする前?後?

コーキング注入が塗装の先か後かは状況にもよりますが、後が耐久性を保持出来ます。

塗装をする前にコーキングを打ち替えるのを「先打ち」、塗装した後にコーキングを打ち替えるのを「後打ち」と言い、どちらが良いかと問題になる場合があります。塗装とコーキングが全く別の場所であれば、先にしようが後にしようが問題にはならないはずなのですが、先打ちの場合は、その上から塗料を塗る事になりますし、後打ちの場合はコーキングがむき出しとなるという事になりなります。そういった面でメリットデメリットが出てきてしまいます。

塗料メーカーなどは後打ちを推奨しますが、塗装業者の中には先打ちをすすめる業者さんも存在します。耐久性などを考えると、コーキングは後打ちが良いでしょう。

先打ちをして塗料を上から塗るとサイディングが動いて塗膜が割れたときに下のサイディングが見えてしまいます。塗膜が割れたらそこからどんどん割れてくるので、それを塗料メーカーは嫌います(保護、美観の観点から)。故に塗料メーカーはコーキングの上には何も塗料は塗らない「後打ち」を勧めます。さらに言えば、サイディング用の塗料はコーキング用の塗料と異なるので、コーキング用でない塗料をコーキングに塗る事になります。専用でない塗料を塗ってしまえば、お互いに劣化が早くなる、と考えるのでしょう。そしてコーキング等を全部ひっくるめて塗って保護すると考える塗装業者も居ます。

コーキング後打ちだと、上からサイディングと同じ塗料を塗らないので、コーキング剤の色を塗料の色とあわせる必要があり、怠るとコーキングだけ色が違うという事態になるので後打ちを選んだ場合でもコーキングの色に注意しましょう。

コーキング部の補修は難しい点が多く、熟練の業者でないと出来ません。工事をお願いする際は近隣の熟練業者にお願いしましょう。心当たりがない場合は、外壁塗装駆け込み寺で無料でご案内いたしますので、お気軽にご相談ください(詳しくはコチラ)。

サイディングボードに関するその他の注意事項

サイディングボードは新築時に注意

新築のサイディングボードは塗料が安価、釘が少ないなどの手抜きがある場合があります。

新築時、特に建て売り住宅の場合、美観やコストを優先するあまり、施工があまり可能性があります。例えば塗料は最も安いアクリル系塗料が使用されていたり、サイディングを固定するためのクギが少なかったり、見た目が悪いと言うことで湿気が発生しやすい地域にもかかわらず通気栓の数が少なかったりと様々です。

新築時に関しては、出来るだけ点検頻度を多くし、悪い部分がないかを常にチェックしてください。特にクギの数が少ないなどは力がうまく分散しておらず、すぐにひび割れに繋がる可能性がありますし、通気栓がついていないと言う事で内側にカビが発生する可能性があります。

新築や、前回の補修からあまり時間が経っていないのにサイディングボードに関して不安な点がある場合は、優良サイディング専門店に相談してください。心当たりがない場合は、外壁塗装駆け込み寺でもご案内しておりますので、ご相談ください。

二回目の塗装の場合は一回目の塗装にも注意

前回のサイディングの塗装(初回の場合は新築時)にどのような塗料を塗ったのかを調べておく必要があります。例えば、水性の塗料を塗った場合は、10年経って再塗装する場合でも水性を選ぶ必要があります。前回のどのような塗装をしていたのかをしっかり業者さんに伝えて、今回どのような塗料にするべきかを教えてもらいましょう。

サイディングボードは何年保証?

サイディングの保証

サイディングボードはモルタルと違って10年ごとに交換をしたりしません。通常は数十年もつような製品です。そこまで長い保証はありませんが、サイディングはメーカーから、保証されている期間があります。大手メーカーを例にあげておきます。

※ちなみに変褪色とは、変色、退色の事で変色は色が変わってしまう、退色は色あせてしまう事を指します。

メーカー 保証内容 期間
ニチハ 外壁材本体の割れ、欠損、反り 10年
外壁材本体の亀裂、反り 2年
外壁材本体の塗膜の著しい剥離、変褪色
ケイミュー 外壁材本体の著しい変褪色 15年
材質に起因する著しいひび割れ
アイジー工業 穴あき・赤さび 10年
旭トステム 著しい変褪色 15年

保証は10~15年と非常に長いように思いますが、これらは製品そのものに不具合があって発生したひび割れ、穴あき、変褪色などを保証するというものです。つまり、ぶつかって壊してしまった、洗剤をかけたら変色したなど、製品自体が原因じゃない場合は保証を受けることは出来ません。カビ、藻、コケなど保証対象でない事象も複数あります。

例えば、「著しい変褪色」の定義として「建築後の年数を考慮した上で外観が見苦しく、社会通念上、明らかに補修が必要な場合」をさしています。問題なく使用していれば見苦しい外観にはなり得ませんし、社会通念上明らかに補修が必要というのはやや曖昧なようにも思えます。

台風、地震などの天災により発生した不具合、損傷等も保証されません。つまり、通常通りの使い方をしてればあまり受けられない保証となってしまうでしょう。

また、沖縄県で施工された場合は保証されません。紫外線が非常に強いと言う事と、海に近いことに依る塩害、台風による塩害、風害など住宅にとっては厳しい環境だからです。

サイディングボードまとめ

非常に長い記事となってしまいましたが、それだけサイディングボードは難しい建材と言えます。張り替え、補修だけでなく、コーキング部の補修や打ち替え作業もあり、ランニングコストは高くなってしまう場合がほとんどです。

しかも、サイディングボードは日本の多くの家屋に使われている事から、それを狙う悪徳業者や手抜き業者や訪問業者も非常に多いです。そのような業者にだまされないためにも、きちんと近所で評判の優良サイディング店に相談するようにしましょう。

もし、近所の優良店が分からない場合、外壁塗装駆け込み寺でも無料でお探しいたしますので、お気軽にお問い合わせください(詳しくはコチラから)。

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