外壁塗装でスタッコ仕上げにするときや再塗装の注意点

スタッコとは塗り壁の種類のひとつで、リシン、吹き付けタイル等と並んで、戸建住宅の定番・外壁仕上げ材です。

 

多くの凹凸とランダムな模様を持つスタッコは、高級感を出す仕上げ方法としても知られていますが、その高級感を維持するためには、定期的な外壁塗装メンテナンスが欠かせません。

お住まいの外観を美しく長持ちさせるためにも、スタッコ仕上げ外壁の特徴や、劣化の症状、外壁塗装時の注意点について知っておきましょう。

■外壁仕上げの定番『スタッコ』とは

スタッコは、昔からある建築材料のひとつで、主に建物の外壁や内装の仕上げ材として使われてきました。

現在でも、その施工費用の安さや安定した耐久性から、多くの住宅の外装仕上げ材として活躍しています。

1.スタッコは外壁の定番仕上げ材

スタッコは、化粧漆喰(しっくい)とも呼ばれ、セメント・砂・石灰・水を混ぜて作る素材です。

顔料を加えて色を調節することもでき、近年では、強度を高めるためにガラス繊維やアクリルを混ぜたものや、意匠性を出すために人工大理石を混ぜたものなども登場しています。

 

スタッコは、外装を守る素材として相応しい耐久性も備えており、施工費用も手頃で、耐用年数は約10年と安定している素材です。

そのため、サイディングボードやガルバリウム鋼板など、様々な外装材が登場した今でも、外壁仕上げの定番素材として重宝されています。

2.オーソドックスな塗り壁の一種

外壁の仕上げ方法には、「湿式工法」と「乾式工法」の2種類があり、このうちスタッコなどの仕上げ塗材を使うものは、湿式工法に分類されます。

ちなみに、サイディングボードなどのパネルを張って仕上げるものは、乾式工法になります。

 

体表的な塗り壁としては、主に、吹き付けタイル、リシン、そして今回ご紹介するスタッコの3種類があります。

 

吹付けタイル リシン スタッコ
 
不規則なパターンの凹凸を持ち、タイルのようにつるつるした質感をもつ 表面に沢山の粒を吹き付けたような見た目をしている ざらざらしているがリシン仕上げよりも凹凸が多く立体感がある

●スタッコ仕上げは意匠性が高い

他の工法よりも凹凸の隆起が激しく、厚みを持つスタッコは、外壁に使うことで、重厚感のある外観を作ることができます。

その意匠性の高さは、これまでに、世界中の歴史的な建築物や壁画の装飾にも使われてきたほどです。

 

スタッコ仕上げの工法には、スタッコ吹付工事のあと何も手を加えない「吹き放し仕上げ」と、吹き付けたスタッコの凹凸を、固まらないうちにローラーで押さえつけて潰す「凸部処理仕上げ」があります。

(このスタッコは「吹き放し仕上げです」)

■スタッコ仕上げ外壁で起きやすい劣化症状

スタッコ仕上げは、その凹凸の高さゆえに、スタッコ独特の劣化症状を引き起こすことがあります。

また、塗り壁仕上げの宿命とも言える、剥がれやひび割れも対策しておかなければなりません。

1.隙間に入り込んで落ちない汚れ

表面に多くの凹凸を持つスタッコは、凹凸のあいだに汚れが溜まりやすい形状をしています。

そのため、凹凸の奥や隙間に、土埃や排気ガス、雨だれ、カビやコケなどの異物が入り込んで蓄積されていくと、スポンジや水洗いではカンタンに落とせない状態になってしまいます。

 

外壁塗装の工程では、塗装の前に高圧洗浄機の水圧で汚れを落としますので、スタッコ仕上げ外壁の汚れが気になってきたら、外壁の点検を依頼して、汚れの除去も検討するとよいでしょう。

2.塗膜の膨れ

スタッコに膨れが生じる原因の大半は、施工ミスによるものです。

スタッコの特徴である凹凸は、汚れだけでなく、空気も溜め込みやすい存在です。

そのため、弾性塗料などで表面から塗装すると、凹凸部分の隙間に残った空気が塗膜を押し上げて膨れさせることがあります。

あるいは、弾性スタッコを、サイディングボードなど断熱性が高い素材の上に施工してしまうと、外装材の熱が塗膜を膨れさせてしまいます。

膨れてしまった塗膜は、塗料が外壁を守れなくなってしまうため、耐用年数よりも先に劣化が生じてしまうでしょう。

 

スタッコに限らず、外壁材には、種類ごとの適切な施工方法が存在します。

スタッコの凹凸が多いという特徴を見据え、然るべき施工方法を見抜けるような、優良業者に依頼しておきましょう。

3.剥がれ

塗料は、耐用年数を過ぎたころに、耐久性が落ちて剥がれてくることもありますが、これはどのような塗料にも生じる正常な劣化です。

しかし、施工時になんらかの手抜きや施工ミスがあると、施工から数カ月で剥がれてくることがあり、耐用年数を待たずに劣化してしまいます。

 

スタッコが剥がれる原因は、主に塗料の密着不足によるものです。

塗料の密着不足は、下塗り材との相性が悪いときに起こります。

例えば、過去に油性塗料が塗られた外壁などは、モルタルが密着しにくいため、塗装してもすぐに剥がれてしまうことがあります。

あるいは、相性がいい下塗り材を使っていても、下塗り材が下地のモルタルに吸収されてしまい、上塗り材を密着させられないこともあります。

 

外壁塗装においては、塗装作業以上に、塗装前に適切な下地処理を行うことが、塗装の耐久性を長持ちさせるためにも非常に重要視されています。

スタッコ仕上げの場合も、剥がれないように下地処理をしっかり行える業者を探すことが大切です。

3.ひび割れ

スタッコなどの塗り壁仕上げは、ひび割れが起きやすい外壁です。

そのため、スタッコ仕上げの施工では、完成時にひび割れが生じないようにすることが鉄則です。

しかし、施工から数年経つと、地震の揺れやわずかな振動が外壁にダメージとなって蓄積され、徐々に細いひび(ヘア―クラック)が走るようになります。

場合によっては、深い割れの「構造クラック」が生じることもあるでしょう。

ヘアークラック、構造クラックなどについて詳しくは、「外壁塗装におけるクラック補修の重要性」を御覧ください。

 

基本的に、スタッコ仕上げ外壁の内部には防水シートが敷かれていますので、ひび割れが生じたからと言って、すぐに雨水が外壁内部に浸水することはありません。

しかし、年月が経ち防水シート自体の耐久性が落ちてしまうと、雨水の浸水を防げなくなってしまいます。

 

スタッコ外壁にひび割れが起きているときは、塗装する前に、ひび割れ箇所を削り取り、シーリングやセメントで埋める作業が加わります。

■スタッコを再塗装するときの注意点

スタッコ外壁の耐用年数は約10年と言われますので、約10年経ったころには、点検、または再塗装リフォームが必要です。

 

しかし、スタッコ仕上げの塗り替えは、他の外壁にはない注意点があります。

業者の見積もりを見たとき、予想以上の結果になって驚かないよう、どのような注意点が存在するのか知っておきましょう。

1.スタッコは再塗装に多くの塗料を消費する

通常、凹凸が何もないつるつるした面と、凹凸やしわが多い面を塗装するときでは、前者のほうが、作業効率は圧倒的に楽であることはカンタンに想像できるかと思います。

つまり、凹凸が激しく、その隙間までしっかり塗装で埋めなくてはならないスタッコは、他の外壁に比べると入念に塗装しなければならないのです。

そのため、スタッコ仕上げに必要な塗料は、他の外壁の約3倍と言われています。

●塗装前の入念な下準備も必要

スタッコの表面には、劣化した成分がパウダー状になって付着していることがあります。

この粉を残したまま塗装すると、後から塗る塗料が外壁に密着できませんので、塗装の前に、凹凸内部の他の汚れと一緒に、高圧洗浄作業で徹底的に粉を落としておかなければなりません。

2.塗料を薄めすぎる悪徳業者に注意

粘り気のある硬い塗料よりも、水に近いサラサラの塗料のほうが、凹凸の隙間まで入り込むため塗りやすさが増します。

悪徳業者は、塗料代と作業時間を節約するために、わざと多めに薄めた塗料で塗装して、あたかも、他の業者よりも作業が早く行えたかのように演出することがあります。

ところが、外壁の保護という重要な役目を持つ塗料は、絵の具や洗剤のように自由に薄めるわけにはいきません。

そのため、各塗料には、品質を落とさないための希釈率の基準が、メーカーによって定められています。

悪徳業者が希釈率以上に薄めて塗装した外壁が、本来の耐用年数まで耐久性を維持できないことは、言うまでもありません

 

悪徳業者の手口に引っかからないためには、「スタッコ仕上げの外壁なので、多くの塗料が必要です」と、初めから正直に教えてくれる優良業者を探しましょう。

■おわりに

独自の重厚感と装飾性を持つスタッコ仕上げの外壁は、お家の外観を演出してくれる頼もしい存在です。

しかし、どのような外壁もいつかは塗替えの時期を迎えますので、スタッコの意匠性を長持ちさせるためには、10年後の外壁塗装工事を、常に視野に入れておかなければなりません。

再塗装時に多くの塗料を使うこと、下地処理と塗装作業に丁寧さを要することの2点を知って、両方を把握して適切なプランを考えてくれる、優良業者を見つけていきましょう。

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