フッ素塗料の価格相場やメリット、デメリットを確認しよう

高層ビル画像
フッ素塗料の価格相場やメリット、デメリットを確認しよう外壁塗装の塗料において、最も高額で、最も耐久性が高い塗料がフッ素塗料という塗料です。

ただ、その高額さから、今はまだ一般家庭で使用することは少なく、耐久性を重視する必要があり何十年もの耐久性を求められる都市部の大きなビルなどで主に使われています。

今後、塗料の価格が下がってくれば一般家庭の塗装工事にも使用されるようになるでしょう。

高額ではあるものの、最も耐久性が高い塗料なので、多少工事費用が高いとしても、家を長期間保護したい場合にはフッ素はオススメの塗料と言えます。

しかし、悪徳業者がそこに目をつけ、低品質なフッ素塗料を売りつける場合もあります。

引っかからない為には正しいフッ素に関する知識が必要です。

また、自分の家はフッ素塗料を使用するべきなのかをフッ素塗料のメリットとデメリットをきちんと理解し、選択肢に入るかどうかを考えましょう。

外壁塗装駆け込み寺でもフッ素塗料の選び方に関するご相談を無料で承っておりますので、お悩みの方はこちらもご覧ください。

■フッ素塗料とは

フッ素塗料は東京都港区にある六本木ヒルズなどの有名な建築物などにも使われている、耐久性が非常に高く価格も高額な塗料です。

 

フッ素塗料は最も長持ちする塗料であることから、主に高層ビルやマンション用に開発されていました。

しかし現在では、「多少施工費用が高くなってもできるだけ塗装を長持ちさせたい」と考える方が増え、一般家庭の塗装でもフッ素塗料が使われるケースが増えています。

  • この家から住み替えたくない
  • 外観を今のまま長期間維持したい
  • 外壁リフォームの予算をしっかり確保している

などの事情があれば、多少施工価格が高くなっても家を長持ちさせられるフッ素塗料を選んでおくとよいでしょう。

■フッ素塗料の特徴

ここでは一般的にフッ素塗料が持つとされる特徴や機能性をまとめています。

同じフッ素塗料でも入っている成分や比率が違いますので、以下に記載している特徴が全てのフッ素塗料に共通するわけではないという点に注意ください。

1.高い耐久性

フッ素塗料の一番の特徴は高い耐候性です。

耐久性が高い塗料ということは、時間が経っても塗装した面の強度が落ちにくく品質が高いままということを意味し、フッ素塗料は「高耐久性塗料」とも呼ばれます。

 

フッ素樹脂塗料はしっかりと外壁に密着する性質(密着性)を持っているため、長期間紫外線や雨風などに晒されても隙間を作らずしっかり家を守ることが可能です。

そのため次の塗替えの時期を示す耐用年数(耐久年数)がフッ素塗料は塗料の中で最も長く、15年~20年は耐久性が続くとされています。

現在人気のシリコン塗料の耐用年数は10~15年ほどですので、フッ素塗料はその1.5倍の耐久年数を持っています。

2.耐候性

耐候性とは紫外線や雨水のダメージを受けにくい力のことで、外壁や屋根を守る塗料にとって非常に重要な要素です。

フッ素塗料は耐候性が特に高いことで知られ、色あせしにくく紫外線を浴び続けても劣化しにくい塗料です。

3.耐熱性

耐熱性とは、塗料自体の熱や紫外線に対する性能のことです。

外壁や屋根は常に太陽光で熱せられ続けていますので、耐熱性は当然必要となります。

 

なお、家の中に熱を通さない「遮熱性」や、暖かい空気を屋外に逃がさない「断熱性」とは異なります。

(遮熱性を兼ね備えた塗料には日本ペイントのサーモアイウォールなどがあります)。

4.親水性(低汚染性、耐汚染性)

親水性とは「水と親しい」という意味であり、水に濡れやすく密着しやすい性質ということを意味します。

 

鳥のフンや空気中の汚染物質が外壁の塗膜表面にくっつくことがありますが、フッ素塗料で塗装された外壁の表面は親水性の高い親水性塗膜がありますので、汚れと塗膜の間に雨水がするりと入り込み、汚れを洗い流して美観を保ってくれます。

 

この性質は汚れが落ちやすいという意味で「低汚染性」と呼ばれることもあります。

5.防藻性、防カビ性

建物の美観を損なう大きな原因となるのが藻、カビです。

周りの湿度が高い壁や太陽の光があまり当たらない北側の壁は藻やカビが繁殖しやすく、緑色っぽく変色してしまうので、非常に古く、汚らしく見えてしまいます。

 

フッ素塗料には塗膜自体に防かび性、防藻性を持っているものが多いため、藻、カビに悩まされる心配が他の塗料よりは少なくなるでしょう。

もちろん完全に防いで殺菌するほどの威力はフッ素塗料単体にはありませんのでご注意ください。

6.防水性(耐水性)

フッ素の中には「弾性」というゴムのような特性を持つ塗料もあり、商品名に「弾性」と付けられています。

弾性フッ素塗料は紫外線などを浴びて膨張と収縮を繰り返す外壁の変形に柔軟に対応し、ヒビ割れ(クラック)が生じても塗膜が伸びて割れを塞ぎ、外壁内部に入り込もうとする水から守ってくれます。

■フッ素塗料のメリット

フッ素塗料の最も大きなメリットは、耐用年数の長さです。

耐用年数は「何も問題が起きなければ、その年数のあいだは外壁を保護してくれる」という目安の期間で、塗料の寿命と考えても良いでしょう。

1.フッ素塗料の耐用年数は信用性が高い

フッ素は一般的な塗料の中ではダントツの耐用年数を誇っています。

セラミック塗料や(参考:セラミック塗料について)光触媒塗料など、耐用年数が20年を超える塗料もありますが、大手メーカーが作っていない、作っているメーカー自身が期待耐用年数を設定している、そもそもその塗料ができてから20年も経っていないなど、やや信用性に欠ける部分は否めません。

その点、フッ素の15年~20年というのは大手も認めた信用性のある数値と言えます。

2.メンテナンス回数を減らすことができる

塗料の耐用年数が長ければ、塗装工事の回数が減らせる、足場代を節約できるなどの恩恵も受けられます。

なぜ工事の回数を減らした方が良いかは、以下の表で確認できます。

例えば家の寿命が残り40年だったとして、シリコン塗料の耐用年数は15年ですので、最初の塗装、15年後、30年後で合計3回工事を行う必要があります。

一方、フッ素塗料は最初の塗装と20年後の塗装という合計2回の工事で済みます。

 

30坪の家で装をしたと仮定した場合、

シリコン塗料を使用した工事費用の相場は約80万円ですので、

80×3=240万円

となりトータルのメンテナンスコストは240万円になります。

 

フッ素塗料を使用した工事費用の相場は約110万円ですので、

110×2=220万円

となり、塗料の種類が違うだけで生涯的な工事費用の差は20万円も発生することになります。

 

ただし、これは家の寿命が40年後と想定した場合です。

もし寿命が30年ほどの家であれば、シリコンでもフッ素でも工事回数は2回ですので、シリコン塗装を使って160万円で済ませた方がお得になります。

 

このように、家の残存年数や取り壊す予定の有無によってお得な塗料は変わりますので、業者とよく相談して塗料を選びましょう。

3.工事保証期間が長く設定されている

フッ素塗料は耐用年数が長い分、塗装後の工事保証期間も長い傾向にあります。

 

たとえばシリコン塗料なら保証期間が5年でも、フッ素塗料であれば10年の保証期間としている業者もいます。

ただし工事保証期間は施工する業者によって設定内容が異なりますので、契約前に塗料別の保証期間の違いをチェックしておくとよいでしょう。

(参考:外壁塗装の保証について)。

■フッ素塗料のデメリット

近年登場したばかりでまだ発展途上のフッ素塗料は、いくつかのデメリットも抱えています。

耐久性が最も高い塗料を使いたいという理由でフッ素塗料を選ぶ場合は、以下のデメリットもきちんと把握しておきましょう。

1.価格が高い

フッ素は最も高級な塗料ですので、塗料の中で最も価格が高いです。

塗料には

  1. アクリル塗料
  2. ウレタン塗料
  3. シリコン塗料
  4. ラジカル塗料
  5. フッ素塗料

の順にグレードが存在し、フッ素樹脂塗料は最も高いグレードに位置します。

 

グレード別の塗料の価格相場は以下の通りです。

※下塗り塗料の種類や施工方法などによって価格は変動するため、目安としてお考えください

塗料の種類 ㎡あたりの価格相場
アクリル樹脂塗料 1,500~1,800円/㎡
ウレタン樹脂塗料 1,800~2,200円/㎡
シリコン樹脂塗料 2,500~3,200円/㎡
ラジカル塗料※ 3,000~3,800円/㎡
フッ素樹脂塗料 4,000~4,500円/㎡

※名前のラジカルは樹脂の種類ではなく、「ラジカルという劣化因子を制御する」という意味で付けられたもの

耐用年数が20年と非常に長いフッ素塗料は、確かに家にかかるトータルのリフォーム回数は減ります。

しかし30坪の住宅でも100万円を超えるほど施工金額が高いという点を考えると、誰でもカンタンに手を出せる塗料とは言えません。

2.下手な業者が施工すると塗料の威力を発揮できない

どれだけ良い塗料を使っても、施工する職人がしっかりと下地処理を行い、使用方法をきちんと守って塗料を塗らなければ長い耐用年数にはなりません。

 

例えば、旧塗膜(古い塗料)をしっかりと落とさなかったり、下地調整材を雑に塗った上からフッ素塗料を塗ったりすると、いかに丈夫なフッ素の塗膜でも質の悪い下地と劣化した旧塗膜ごと剥がれ落ちてしまいます。

剥がれ落ちた塗装はいったん全て除去して塗り直さなければなりませんが、フッ素塗料は高額な塗料ですので失敗は許されません。

●フッ素塗料の施工はどのような業者に依頼すべきか

技術・知識ともに優れた「信頼できる業者」にお願いしたいことは言うまでもありませんが、信頼できる業者は必ずしも「大手業者」とは限りません。

 

フッ素塗料における「信頼できる業者」とは、フッ素塗料を使った施工実績が豊富であり、かつ、過去のその業者が施工した家が今でも問題なく綺麗なままの業者と言えます。

施工を依頼する業者のこれまでの実績を直接見せてもらうなどして、確実に施工してくれることを確認しておきましょう。

●ひび割れはフッ素塗料が原因で起きるわけではない

ちなみに「フッ素塗料はヒビが入りやすい」と説明してフッ素による施工を断る業者もいるようですが、技術がない業者の可能性もありますので選択肢から外してもよいでしょう。

 

そもそも家は振動や地震、風や建材の乾燥収縮などで常に動いていますので、フッ素だからヒビが入りやすくなるという理由にはありません。

ヒビが入りやすいモルタル壁なども確かにありますが、ひび割れを保護できる弾性のフッ素塗料なども大手メーカーから出ていますので、そのような外壁の場合はそちらを選択することもできます。

 

明らかに相性が悪くメーカーが施工を禁じている組み合わせでなければ、施工業者の技術次第でカバーすることは可能です。

耐久性が必要な箇所なら2液型を選ぶ、耐久性をそこまで求めないのであればアクリルシリコン樹脂塗料を勧めるなど、臨機応変に提案できる業者に相談しましょう。

3.一般家庭向けとしての実績は少ない

フッ素塗料は非常に高額で敬遠する人が多いため、まだまだ一般家庭向けとは言えません。

フッ素塗料が世に出てきた当初は、一般住宅用というより高層ビルなど寿命が長い建物に使われていました。

有名な六本木ヒルズ内の「六本木ヒルズ森タワー」では『デュフロン4FII』という日本ペイントのフッ素塗料が使われていますが、2003年の完成から今なおその美観は高く、外観の高級感を維持し続けています。

 

しかし一般的な戸建て住宅であれば、フッ素塗料ではなくシリコン塗料を使った施工で全く問題ありません。

0から建築士と建てた愛着のある家や、二度と建てられないであろう資産価値の高い家屋など、どうしても家の寿命を長引かせたいときや、家のメンテナンス回数を減らしたいときなど、少しでもフッ素を選ぶメリットがあるときに検討すべき塗料と言えるでしょう。

●フッ素塗料もリーズナブルになる可能性はある

現在最も主流で使われているシリコン塗料も、企業努力によってどんどん低価格化に成功しました。

シリコン塗料の価格は、今では一つ下のグレードのウレタン塗料レベルにまで落ち着いていますが、10年ほど前までは非常に高額で「伝説的な塗料」とまで言われるほど一般向けではありませんでした。

シリコンとウレタンの塗料比較についてはこちら

 

フッ素樹脂塗料に関しても、技術の進歩により低価格化する可能性は十分にあります。

とはいえ、今はまだフッ素塗料は一般的ではないと言う事に変わりはありません。

4.屋根に使用したときの耐用年数が短い

屋根は外壁以上に強い紫外線を浴び続けており、雨や雪が降ったときは真っ先に当たる部分ですので、非常に劣化が早い箇所です。

屋根用のフッ素樹脂塗料も存在しますが、外壁用のフッ素塗料に比べると耐用年数が低い傾向にあります。

例えば、同じ塗料でも外壁用なら20年持つ所が、屋根用だと15年ほどの耐用年数しかないなどです。

 

屋根だけ耐用年数が短いとき問題になるのが、家全体をフッ素塗料で塗装したときに、屋根の耐用年数だけ先に来てしまうということです。

家の塗装は、外壁と屋根を同時に行った方が足場代や人件費も節約できるのですが、外壁と屋根の耐用年数が大きく違ってしまうと、屋根だけ先に塗装をし直さなければならず、その都度諸費用が発生してしまいます。

同じフッ素塗料でも、フッ素樹脂の割合によって品質が大きく変わることもありますので、屋根の塗料は外壁と揃えるためにできるだけ耐用年数が高いものを使うようにしましょう。

●シーリングの耐用年数にも注意

ちなみに、屋根だけでなく外壁目地部分のシーリング材の劣化にも注意が必要です。

外壁のフッ素塗料がどれだけ長持ちしても、目地に充填されたシーリング材は10年周期で打ち替え補修が必要になります。

 

高寿命なフッ素塗料を使って塗装する時は、屋根やシーリングなど発生建物全体の耐用年数も考慮しなくてはなりません。

5.建物の老朽化を防げるわけではない

フッ素の耐用年数が長いからといって、建物の寿命が伸びるわけではありません。

極端な例を挙げますと、寿命が残り5年の家に耐用年数20年の塗料を塗ったとしても、寿命が25年になるわけではなく、5年後には塗装した塗料もろとも使い物にならなくなるでしょう。

 

フッ素塗料をはじめ、外壁塗装用の塗料には家の寿命を延ばす力はありません。

そのため、今後の家の寿命を考えたうえで、適した耐用年数の塗料を選ばなくてはなりません。

老朽化を防ぐことはできませんが、ご自身が建てた家の残りの寿命はどのくらいかを考え、シリコン系塗料とフッ素系塗料など塗料別の総塗装回数を調べるなどして家の寿命を考えながら塗料を選びましょう。

6.質が悪いフッ素塗料もある

フッ素塗料はシリコン塗料やセラミック塗料と同様に、少しでもフッ素が入った樹脂を含んでいれば「フッ素塗料」と言えてしまいます。

そこに目をつけた良くないメーカーや悪徳業者が、ごくわずかしかフッ素が入っていないフッ素塗料を利用して「耐用年数が非常に長いので安心」というセールストークでアプローチして、全く違うグレードの低い塗料で塗装される可能性があります。

しかしどの塗料が良いフッ素塗料か悪いフッ素塗料かを見抜くのは簡単ではなく、実際に使用したあとで質の悪い塗料だったとわかっても意味がありません。

 

最も安全な方法は、国内の大手メーカーのフッ素塗料を使用することです。

反対に絶対避けたいのは、ホームページが存在しない、または取り扱い実績が不明な塗料メーカーや、塗装業者が用意したオリジナル塗料などです。

オリジナル塗料や有名ではないメーカーの塗料の中にも良い塗料があるかもしれませんが、判断する術がない以上、不確定なものを試すわけには行きません。

 

三大大手メーカーではありませんが、山本窯業化工では『ファインローラーF』や『セラキャストF』、『ハイシーセラF』、『ユーネックス御影バーナー』、『ユーネックス御影びしゃん』では、天然石調に仕上がる石材調フッ素樹脂塗料を販売しています。

このような石材調フッ素塗料は大手メーカーからはあまり出ていませんので、石材調に仕上がるフッ素塗料をどうしてもお望みの場合は検討してみてもよいでしょう。

7.ツヤを完全に抑えられない

フッ素塗料は非常に強いツヤを持つ塗料です。

艶のキラキラした見た目が好きな方であれば問題ありませんが、「安っぽく見える」とツヤを嫌う方も少なくはありません。

 

ツヤに関しては調整剤を入れることである程度抑えられますが、フッ素の場合はつや消し塗料がないため、消すことができても3分ツヤまでしか抑えられないものが多いです。

しかし、ツヤには汚れや雨を弾く効果があるため外壁が汚れにくくなる効果があり、艶消しの調整剤を加えることによって塗料自体もやや耐久性が低くなってしまいます。

 

ツヤ自体はそのまま放置しても数年で消えていきますので、せっかくの高耐久性を持つフッ素塗料であれば、ツヤは消さずに耐久性残しておいた方が賢明かもしれません

(参考:ツヤについて

■フッ素塗料とシリコン塗料を比較

現在塗料の中で最も人気がある塗料は「シリコン塗料」です。

外壁塗装のお悩みとして多いのが、「定番のシリコン塗料で塗装すべきか、高額でも耐久性が高いフッ素塗料を使うべきか」というものです。

そこでこの項目では、フッ素塗料とシリコン塗料の、塗料の価格も含めたメリット・デメリットと価格に対する費用対効果について比較しています。

1.価格、メリット・デメリットの違い

シリコン塗料とフッ素塗料の価格の違いやメリット・デメリットなどを下記の表にまとめました。

フッ素系塗料 シリコン系塗料
価格相場(30坪の場合)
80110万円 7090万円
外壁耐用年数
1520 1015
屋根耐用年数
815 68
メリット
  • 耐候性が非常に高い
  • 汚れがついてもすぐ流せる
  • 生涯リフォーム回数を減らせる
  • 耐候性が高い
  • 汚れがつきにくい
  • 色あせしにくい
デメリット
  • 価格が高い
  • ひび割れを起こしやすい
  • 塗料の善し悪しを見分けづらい
  • 一般家庭に普及していない
  • 塗料が密着しづらい
  • ひび割れを起こしやすい
  • 木部などに塗装できない

2.費用対効果の違い

次に、フッ素にした場合とシリコンにした場合でどれくらい費用対効果が良くなるのかシミュレーションをしてみましょう。

定期的なお手入れなどを行い、耐用年数を最大まで伸ばすことができたフッ素とシリコンの家があったとすると、フッ素塗料の家は20年、シリコン塗料の家は15年耐久性が続きます。

耐用年数 施工費用
シリコン 15年 80万円
フッ素 20年 110万円
フッ素のシリコンに対する倍率 1.33倍 1.27倍

つまり、フッ素塗料の家はシリコン塗料の家に比べて1.33倍耐用年数が長いことになります。

価格面ではフッ素はシリコンの1.27倍ですが耐用年数の倍率よりも低いことがわかります。

よって、フッ素塗料にした方が費用対効果は良いと考えることができます。

■大手塗料メーカーのフッ素塗料

以下は、三大・大手メーカーと呼ばれる日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研のフッ素塗料をまとめた表です。

1.日本ペイント

塗料名

(タイプ、価格単価)

※価格記載のないものは「–」表記

何処に使うか
1液ファイン4Fルーフ

(弱溶剤・1液、3,460円/㎡)

鋼板屋根、トタン屋根、住宅用化粧スレート屋根、波形スレート屋根
スーパーオーデフレッシュF

(水性・1液、 3,490円/㎡)

 コンクリート、モルタル、ALC、リシン・吹付けタイル
ピュアライド UVプロテクト4Fクリヤー

(弱溶剤・2液、3,100円/㎡)

意匠性の高いサイディングボード
ファインサーモアイウォール4F

(弱溶剤・2液、4,320円/㎡)

  コンクリート、モルタル、ALC、スレート、各種サイディングボード
DANエクセル水性フッ素上塗

(水性・1液、5,690円/㎡)

 コンクリート、 モルタル、ALC、リシン・吹付けタイル
デュフロン100ファイン中塗U

(弱溶剤・2液、–)

旧塗膜適性と防食性が要求される個所
水性デュフロン100中塗

(水性・2液、–)

鉄、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム、ステンレスなど
水性デュフロン100上塗

(水性・2液、–)

 鉄、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム、ステンレスなど
水性サーモアイウォールF

(水性・1液、3,750円~/㎡)

コンクリート、モルタル、ALC、スレート、金属パネル、各種サイディングボード
デュフロン100ファインHB

(弱溶剤・2液、–)

鉄部・非鉄金属部
サーモアイ4F

(弱溶剤・2液、4,350円~/㎡)

スレート・波形スレート屋根、金属屋根・トタン、住宅用化粧スレート屋根
デュフロン4FIIスーパーフレッシュ

(溶剤・2液、5,140円~/㎡)

コンクリート、モルタル、鉄面、亜鉛めっき面、ステンレス、アルミ
デュフロン4FII中塗
デュフロン4FIIソフト中塗(溶剤・2液、–)
コンクリート、モルタル、鉄面、亜鉛めっき面、ステンレス、アルミ
デュフロン4FIIフレッシュ

(溶剤・2液、3,080円/㎡)

コンクリート、モルタル、鉄面、亜鉛めっき面、ステンレス、アルミ
Duflonファイン4Fセラミック

(弱溶剤・2液、2,670円/㎡)

コンクリート、モルタル、 鉄面、ステンレス、アルミ、硬質塩ビ、FRPなど
ハナコレクション300UVファイン

(弱溶剤・2液、–)

コンクリート、モルタル、窯業系サイディングボード、鉄部
ファイン4Fベスト

(弱溶剤・2液、–)

住宅用化粧スレート屋根、波形スレート
オーデフレッシュF100III

(水性・1液、3,460円~/㎡)

コンクリート、モルタル
水性4Fプーレシステム

(水性・1液、2,480円/㎡)

コンクリート
プーレシステム

(溶剤・2液、4,700円/㎡)

コンクリート
デュフロン100ファイン

(弱溶剤・2液、–)

橋梁、タンク外面、集合煙突、鉄塔、屋外鉄骨、水門扉、プラント、建築鉄部
デュフロン100ファイン中塗

(弱溶剤・2液、–)

橋梁、タンク外面、集合煙突、鉄塔、屋外鉄骨、水門扉、プラント、建築鉄部
デュフロン100フレッシュ

(溶剤・2液、–)

橋梁、タンク外面、集合煙突、鉄塔、屋外鉄骨、水門扉、プラント
デュフロン100中塗K

(溶剤・2液、円/㎡)

橋梁、タンク外面、集合煙突、鉄塔、屋外鉄骨、水門扉、プラント
デュフロン4Fルーフ

(弱溶剤・2液、3,710円/㎡)

トタン屋根

2.関西ペイント

塗料名

(タイプ、価格単価)

※価格記載のないものは「–」表記

何処に使うか
アレスアクアセラフッソ上塗

(水性・2液、4,300円~/㎡)

コンクリート、モルタル、スレート板
アレスアクアフッソII上塗

(水性・1液、3,600円~/㎡)

コンクリート、モルタル、スレート板
セラMフッソ

(弱溶剤・2液、–)

コンクリート、モルタル、鉄、亜鉛めっき、アルミなど
アレスクール2液F

(弱溶剤・2液、–)

トタン、新生瓦、波型スレート
アレスクール水性F

(水性・1液、4,300円~/㎡)

新生瓦、波型スレート
スーパーフッソルーフペイント

(弱溶剤・2液、3,350円/㎡)

トタン

3.エスケー化研

塗料名

(タイプ、価格単価)

※価格記載のないものは「–」表記

何処に使うか
水性セラタイトF

(水性・2液、 2,600円/㎡)

コンクリート、モルタル、ALC、スレート、GRC
水性弾性セラタイトF

(水性・2液、2,800円/㎡)

 コンクリート、モルタル、ALC、各種サイディング材の防水仕上げ、 防水形複層塗材の上塗り
スーパーセラタイトF

(水性・1液、2,900円/㎡)

 コンクリート、モルタル、ALC、スレート、GRC
クリーンマイルドフッソ

(弱溶剤・2液、2,800円/㎡)

コンクリート、モルタル、ALC、スレート、GRC、各種サイディングボード
鉄部、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属
クリーンマイルドフッソCR

(弱溶剤・2液、2,800円/㎡)

 コンクリート、モルタル、ALC、スレート、GRC、各種サイディングボード
弾性クリーンマイルドフッソ

(弱溶剤・2液、3,000円/㎡)

 防水形仕上げ塗材や可とう形改修塗材の上塗り
セラタイトF

(溶剤・2液、3,100円/㎡)

コンクリート、モルタル、スレート、鉄鋼、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムなど
フッソロンエナメル

(溶剤・2液、2,900円/㎡)

 コンクリート、モルタル、スレート、鉄鋼、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム
弾性セラタイトF

(溶剤・2液、3,400円/㎡)

コンクリート、モルタル、ALC各種サイディング材の防水仕上げ、 防水形複層塗材の上塗り
弾性フッソロンエナメル

(溶剤・2液、3,200円/㎡)

 コンクリート、セメントモルタル、PC部材、ALCパネル、各種サイディング材
クリーンマイルドフッソST

(弱溶剤・1液、3,100/㎡)

 鉄部、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属
クールタイトF

(弱溶剤・2液、4,300円~円/㎡)

薄型塗装瓦、トタン屋根、スレート屋根
水性クールタイトフッソ

(水性・1液 、3,900円/㎡)

薄型塗装瓦、スレート屋根
ヤネフレッシュF

(水性・2液 、4,050円/㎡)

カラーベスト、コロニアルなど薄型塗装瓦、トタン屋根
水性ヤネフレッシュフッソ

(水性・1液 、3,600円円/㎡)

カラーベスト、コロニアルなど薄型塗装瓦
ルーフスターF

(弱溶剤・2液、3,400円/㎡)

カラー鋼板、カラートタン、ガルバリウム鋼板

施工業者から提案されたフッ素塗料が、上記の大手メーカーのものではくその他の塗料メーカーだった場合は、大手メーカーの塗料を使ったときの見積もりも作ってもらうようお願いてみましょう。

両方の商品名をインターネットなどで調べてみて、価格の差や信用性、施工実績などを比較し、納得できる塗料を選ぶようにしましょう

■おわりに

フッ素塗料には、従来の塗料以上の高い耐久性と長い耐用年数という大きなメリットがあります。

しかし、効果の分価格は非常に高額ですので、使用するときは他の塗料に比べてどのくらいメリットがあるのか、慎重に比較して選びましょう。

また、フッ素塗料の効果を確実に引き出せる優良業者を選ぶことも、フッ素塗料で家を長持ちさせるための大切なポイントです。

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建物の一部である玄関ドアもいつかは劣化してしまいますが、外壁と同じように塗装してしまうと、わずか1~2年で塗装が剥がれてしまいます。

玄関ドアの塗装は、専門技術を持った職人が丁寧にやって初めて完成するほど難易度が高い外装リフォームです。

 

この記事では、木製ドアと金属製ドアそれぞれのメンテナンス方法をご紹介します。

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軒天(軒下・軒裏)塗装の単価相場や材料の種類に関して

軒天画像

軒天(軒裏、軒下)部分の塗装は面積が小さくても、景観に関わる大事な部分です。しかし、湿気などでもろくなりやすい部分でもあります。剥がれていたりするだけで他のところがどのように素敵だったとしても、良くない印象を与えてしまうでしょう。

ここでは軒天に使われている材料がどういったものなのか、どのように補修していけば良いのか、塗装などであれば相場はいくらぐらいかなどを細かくまとめました。

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雨樋の塗装は本当に必要?目的に応じて塗装か交換を判断する

雨樋

雨樋(あまどい)は雨期がある日本において設置されていない家はほとんどないでしょう。家の周りにあえて水の通り道を作ることで、屋根や外壁の排水に非常に役に立っている部分です。

果たして雨樋は外壁や屋根と同様に塗装や補修が必要なものなのでしょうか?必要だとすれば正しい補修方法、正しい塗装方法はどういったものなのかをわかりやすくまとめています。

相場や予算を考えながら、必要な補修工事を行いましょう。

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外壁塗装の部分補修は箇所と材質によって適切な方法がある

コーキング補修

家というのは外壁や屋根を含めて全ての箇所が同時に劣化するわけではありません。少しずつ劣化していき、劣化具合がある一定基準を超えたときに、ひび割れや剥がれなどになって現れます。

補修箇所が出てきたときにすぐに補修していたり、大きくなる前に対処していれば、大規模な補修までの時間をのばして、家の寿命を長くすることも可能です。

外壁塗装における部分補修というのはどのようなものがあるでしょうか。様々な補修下地と合わせて確認しておきましょう。

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