
外壁塗装の保証は、年数だけを見ても判断できません。
同じ「10年保証」でも、保証される症状、対象部位、免責事項、施工記録の残し方が違えば、実際に受けられる補修内容は大きく変わります。特に外壁塗装では、
- 施工会社の工事保証
- 塗料メーカーの保証
- リフォーム瑕疵保険
が混同されやすいです。
ここを取り違えると、「10年保証と聞いていたのに対象外だった」「メーカーが直してくれると思っていたのに施工会社の保証だった」といった認識違いが起きやすくなります。
この記事では、外壁塗装の保証の種類を整理したうえで、保証書、見積書、契約書、工程表、施工写真で何を確認すべきかを順番に解説します。
外壁塗装の保証は年数より書面の中身が重要

外壁塗装の保証で失敗しないための結論は明確です。
見るべきなのは、「何年保証か」よりも、「何を、どこまで、どんな条件で直してもらえるか」です。
年数が長く見えても、外壁本体の塗膜剥離だけが対象なら、シーリング、付帯部、鉄部、木部の不具合は別扱いになることがあります。
その場合、施主が「家全体の10年保証」と思っていても、実際には一部の症状しか補修対象にならないことがあります。
保証で判断すべき五つの条件

契約前に確認したいのは、保証書の見本に次の内容が書かれているかです。
- 対象部位が分かれている
- 保証の対象になる不具合が具体的に書かれている
- 免責事項が広すぎない
- 使用塗料と施工仕様を後から確認できる
- 施工会社が倒産した場合の相談先が確認できる
この五つが書面で確認できれば、工事後に不具合が出たとき、施主が感覚だけで交渉せずに済みます。
保証書、見積書、工程表、施工写真を見比べながら、「この不具合は保証対象なのか」「どの工程が関係しているのか」を整理しやすくなるからです。
反対に、保証書に「外壁塗装10年保証」とだけ書かれていて、対象部位や対象症状が分からない場合は、契約前にそれらの内容を確認してください。
期待耐用年数と保証年数は同じではない

塗料のカタログや製品ページに書かれる「期待耐用年数」は、次回の塗り替え時期を考えるための目安です。
期待耐用年数が、そのまま保証年数になるわけではありません。
例えば、日本ペイントの期待耐用年数に関する説明では、期待耐用年数は、塗膜劣化が進み、下地を保護する機能が期待できなくなる時期の目安とされています。
同時に、立地条件、環境、施工条件によって劣化の進み方は変わるため、期待耐用年数は保証値ではないとも説明されています。
つまり、「期待耐用年数15年」と書かれていても、「15年間、どんな不具合でも無償で直してもらえる」という意味ではありません。
塗料ごとの年数の違いを見るときも、分類名だけで判断しないことが大切です。
例えば、エスケー化研のクリーンマイルドシリコンCRは、期待耐用年数が12〜15年とされています。
一方で、同じエスケー化研のクリーンマイルドフッソは、期待耐用年数が15〜20年とされています。
このように、シリコン系かフッ素系かによって、期待耐用年数の目安には差があります。
ただし、どちらの塗料の場合も、実際の保証は、製品ページの期待耐用年数だけでは決まりません。
保証を判断するときは、塗料の期待耐用年数とは別に、施工会社が発行する保証書を確認してください。
保証書では、次の内容を見る必要があります。
- 保証年数
- 保証対象の部位
- 保証対象の症状
- 免責事項
- 補修を依頼するときの手続き
例えば、塗料の期待耐用年数が15年でも、施工会社の保証が10年の場合があります。
また、10年保証と書かれていても、外壁本体の剥がれだけが対象で、色あせ、シーリング、鉄部、木部、付帯部は対象外という内容もあります。
この場合、期待耐用年数が長い塗料を使っていても、保証で直してもらえる範囲は限られます。
見積書では、「シリコン塗料一式」「フッ素塗料一式」といった書き方だけで契約しないようにしてください。
分類名だけでは、実際にどの製品を使うのかわかりませんし、その塗料の性能をメーカー仕様書などで確認できないためです。
製品名が曖昧なままだと、外壁塗装工事後に
- 「契約した塗料と違うのではないか」
- 「メーカーの仕様にそって適切に施工していないのではないか」
などと感じても、確認しにくくなります。
契約前には、見積書と保証書の見本で、次の項目を確認してください。
- 塗料メーカー名
- 上塗り材の製品名
- 下塗り材の製品名
- 塗装回数
- 塗装面積
- 使用量や使用缶数の考え方
- 保証書に書かれる保証年数
- 保証対象になる部位と症状
期待耐用年数は、塗料選びの参考になります。
しかし、工事後に保証を受けられるかどうかは、保証書に書かれた対象部位、保証の対象になる不具合、免責事項で決まります。
塗料の年数と保証書の年数を混同せず、別々に確認することが大切です。
保証の種類を分けて理解する

外壁塗装の保証は、一つの言葉でまとめると誤解しやすい分野です。
実際には、
- 施工会社の工事保証
- 塗料メーカーの保証
- 第三者検査が入るリフォーム瑕疵保険
を分けて考えると、契約内容を整理しやすくなります。
| 種類 |
主な責任主体 |
主な対象 |
施主が確認すべき書類 |
| 工事保証 |
施工会社 |
施工不良に起因する不具合 |
保証書、見積書、施工写真 |
| メーカー保証 |
塗料メーカー |
製品不良や指定条件内の不具合 |
製品名、保証条件、認定施工条件 |
| リフォーム瑕疵保険 |
保険法人 |
保険対象工事部分の瑕疵 |
保険加入証明、登録事業者確認、検査記録 |
この三つは、責任を持つ相手も、対象範囲も、確認する書類も違います。
「10年保証」と聞いたときは、まずそれが施工会社の工事保証なのか、メーカー保証なのか、保険を使った保証なのかを確認してください。
次項以降、それぞれの項目について解説します。
施工会社の工事保証

工事保証において特に確認したいのは、年数ではなく中身です。
良い工事保証は、対象部位、保証の対象になる不具合、免責事項、連絡方法、補修方法が具体的に書かれています。
例えば、次のように書かれていれば、施主は保証の範囲を判断しやすくなります。
「外壁本体の塗膜について、施工不良に起因する著しい剥がれ、膨れを保証対象とする。保証期間は工事完了日から10年間とする。ただし、地震、台風、飛来物、建物の構造的な動き、下地の劣化、他業者の工事に起因する不具合、通常の色あせや汚れは対象外とする。」
この書き方であれば、保証される部位が外壁本体なのか、保証の対象になる不具合が剥がれや膨れなのか、色あせや自然災害は対象外なのかを契約前に確認できます。
さらに、シーリング、鉄部、木部、付帯部を別の保証期間にする場合は、部位ごとに分けて書かれている必要があります。
例えば、「シーリングは5年、鉄部は3年、木部は対象外」などと書かれていれば、外壁本体の10年保証と混同しにくくなります。
反対に、「自社保証10年」とだけ書いてあり、何を保証するのか読めない保証書では、実際に補修を頼むときに話が進みにくくなります。
例えば、外壁の色あせを相談したときに「色あせは保証対象外です」と言われたり、シーリングの割れを相談したときに「外壁本体だけが対象です」と言われたりする可能性があるのです。
工事業者の保証に関しては、契約前に、「10年保証ですか」と聞くだけでは足りません。
「外壁本体、シーリング、鉄部、木部、付帯部のうち、どの部位のどの症状が保証対象ですか」と確認する必要があるということを覚えておきましょう。
塗料メーカーの保証

メーカー保証は、塗料メーカーが出す保証です。
ただし、すべての塗料にメーカー保証が付くわけではありません。
また、メーカー保証がある場合でも、家全体の不具合を保証するものではありません。
メーカーは塗料を供給する立場であり、現場ごとの下地状態、洗浄、乾燥時間、塗布量、職人の施工品質まで一律に管理できないからです。
そのため、メーカー保証は、施工会社の工事保証より対象範囲が狭いことがあります。
認定施工店による施工、指定された下塗り材、決められた塗装回数、所定の塗布量や乾燥時間などが条件になる場合もあります。
例えば、メーカー保証が「外壁本体に使用した上塗り材の塗膜の著しい剥がれ」を対象にしている場合、保証の対象はその塗料を使った塗膜です。
シーリングの割れ、下地のひび割れ、鉄部のさび、雨樋の剥がれなどは、メーカー保証ではなく、施工会社の工事保証や別の保証条件で扱う内容になることがあります。
つまり、メーカー保証があるからといって、外壁まわりの不具合をすべて直してもらえるわけではありません。
メーカー保証があると説明されたら、次の点を確認してください。
- どの塗料が保証対象になるのか
- どの部位が保証対象になるのか
- どの症状が保証対象になるのか
- 保証を受けるための施工条件は何か
- メーカー保証の対象外になった場合、施工会社の工事保証で対応できるのか
メーカー保証の有無だけで、外壁塗装を依頼する業者を決めないでください。
メーカー保証は塗料や塗膜に関する保証、施工会社の工事保証は現場の施工内容に関する保証として、分けて確認することが大切です。
リフォーム瑕疵保険

保証に関して、第三者による検査も重視したい場合は、リフォーム瑕疵(かし)保険(国土交通省)も確認しておきたい制度です。
リフォーム瑕疵保険は、リフォーム工事の検査と保証がセットになった保険です。
ただし、国土交通省が直接保険を引き受けるわけではありません。
実際には、住宅あんしん保証、住宅保証機構、日本住宅保証検査機構(JIO)、ハウスジーメン、ハウスプラス住宅保証などの、国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人が保険を引き受けます。
外壁塗装業者やリフォーム業者は、その保険法人に事業者登録したうえで、工事ごとに保険の申し込みを行います。
つまり、「その業者が保険法人に登録している」だけでは、今回の外壁塗装工事が保険に入っていることにはなりません。
今回の工事について、実際にリフォーム瑕疵保険へ加入するのか、保険付保証明書が発行されるのかを確認する必要があります。
保険付保証明書とは、その工事がリフォーム瑕疵保険の対象になっていることを、発注者が確認するための書類です。
リフォーム瑕疵保険では、工事中または工事完了後に、建築士などの第三者検査員による現場検査が行われます。
後日、保険対象工事部分に欠陥が見つかった場合は、補修費用等の保険金が事業者に支払われます。
事業者が倒産している場合は、条件を満たせば、発注者が保険法人へ直接請求できる仕組みもあります。
例えば、JIOリフォームかし保険では、リフォーム工事を請け負う事業者が被保険者となり、JIOがリフォーム工事部分の検査を行い、保険を引き受けると説明されています。
また、JIOの保険内容では、保険対象工事部分のうち、雨水の浸入を防止する部分は5年間、それ以外の通常性能部分は1年間の保険期間とされています。
つまり、リフォーム瑕疵保険に入っていても、外壁塗装全体がすべて長期間保証されるわけではありません。
外壁塗装の広告で見かける「10年保証」と、リフォーム瑕疵保険の保険期間や対象範囲は別物として確認してください。
リフォーム瑕疵保険への加入を検討する場合は、見積もり段階で次の点を確認してください。
- どの保険法人の保険を使うのか
- 今回の外壁塗装工事で実際に保険へ加入するのか
- 保険付保証明書が発行されるのか
- どの工事部分が保険対象になるのか
- 保険期間、免責金額、対象外条件はどうなっているのか
リフォーム瑕疵保険は、契約後や工事後に追加で加入しようとしても、間に合わない場合があります。
そのため、「瑕疵保険に対応しています」という説明だけで判断せず、今回の工事で実際に加入するのかを契約前に確認しておきましょう。
保証書で必ず確認する記載項目

外壁塗装業者からもらった保証書は、もらえば終わりではありません。
保証書の内容の何を確認すれば、工事後の補修相談に使える書面になるのかを知っておく必要があります。
| 確認項目 |
見るべき内容 |
不足すると起きやすいこと |
| 対象部位 |
外壁、屋根、シーリング、付帯部、鉄部、木部の切り分け |
補修を頼んだ部位が対象外といわれやすい |
| 対象症状(保証の対象になる不具合) |
剥がれ、膨れ、亀裂、著しい白化、著しい白亜化、変退色などの明記 |
色あせやひび割れを保証対象と思い込んでしまう |
| 起算日 |
工事完了日、引渡日、完了確認日などの定義 |
保証期間の数え方でもめやすい |
| 免責事項 |
自然災害、構造上の問題、他業者施工、経年変化など |
原因の切り分けで交渉が長引く |
| 請求方法 |
連絡先、必要写真、現地確認の流れ |
申請手順が分からず初動が遅れる |
| 倒産時対応 |
リフォーム瑕疵保険が使えるか |
会社廃業で保証が止まる |
これらの項目を順に見ていきましょう。
対象部位

もし保証書に「外壁塗装一式保証」と書かれていた場合、これだけでは、部位の切り分けが足りません。
最低でも、外壁本体、シーリング、雨樋、破風板、鼻隠し、軒天、水切り、シャッターボックス、鉄部、木部がどう扱われるかを確認してください。
また、部材ごとに劣化しやすい原因が違うため、保証年数が同じとは限りません。
例えば、外壁本体は7年保証でも、雨樋や鉄部は3年から5年という設定は十分あります。
ここが曖昧だと、施主は「家全体が同じ保証年数」と受け取りやすく、補修時に話が食い違います。
保証書では、部位ごとの保証年数と対象症状を分けて確認しましょう。
対象症状

対象症状とは、つまり、保証の対象になる不具合のことです。
保証書では、対象となる症状がどのようなものかまで確認する必要があります。
塗装保証でよく出る表現は、剥がれ、膨れ、亀裂、著しい白化、著しい白亜化、変退色などです。
ここで注意したいのは、似た言葉でも範囲が違う場合があるということです。
例えば、「亀裂」と書いてあっても、塗膜表面の亀裂だけを指すのか、下地のひび割れまで含むのかで意味が変わります。
また、色あせや艶引け(経年劣化で塗面の艶がなくなること)は、保証されないことがあります(免責に関しては次項で解説)。
施主が最初に気づく変化ほど、保証対象外になるケースもあるため、保証書では対象症状と対象外症状の両方を確認するようにしましょう。
例えば、
などが対象症状とされやすい一方で、
- 通常の色あせ
- 艶の低下
- 汚れ
- カビや藻
- 地震や台風による損傷
- 建物の動きによるひび割れ
などは、対象外にされることがあります。
免責事項

免責事項とは、保証期間内であっても、施工会社が無償補修の対象にしない条件のことです。
つまり、「10年保証」と書かれていても、免責事項に当てはまる不具合は、保証で直してもらえない場合があります。
保証書を見るときは、保証される内容だけでなく、保証されない内容も必ず確認してください。
典型的な免責には、自然災害、火災、地盤変動、建物の構造上の問題、他業者の工事、施主支給材(施主が用意した材料で施工するなど)、不適切な使用方法などがあります。
例えば、台風で飛来物が外壁に当たった場合や、地震で建物が動いて外壁にひび割れが出た場合は、塗装工事の施工不良とは別の原因として扱われることがあります。
また、塗装後に別の業者が外壁へ設備を取り付け、その周辺から不具合が出た場合も、元の施工会社の保証対象外になることがあります。
このような免責事項があること自体は珍しくありません。
ただし、免責の書き方が広すぎる場合は問題があります。
特に注意したいのは、「経年変化」「通常劣化」「その他当社が対象外と判断したもの」などの表現だけで、具体的な範囲が分からない保証書です。
このような書き方だと、塗膜の剥がれや膨れが起きても、「経年変化です」と説明され、保証対象かどうかを判断しにくくなります。
免責事項は、短ければ、少なければ良いというわけではありません。
重要なのは、どのような原因なら対象外になるのか、不具合の原因を切り分けられる書き方になっているかです。
契約前には、「どの不具合が保証対象で、どの不具合が免責になるのか」を保証書の見本などを見せてもらって確認してもよいでしょう。
起算日と請求手続き

保証期間は、いつから数えるのかで結果が変わります。
工事完了日、引渡日、施主の完了確認日、最終入金日のどれを起算日にするのかを確認してください。
完工日と保証書発行日がずれる場合もあります。
保証期間は、いつから数えるのかで終了日が変わります。
保証の開始日が曖昧なまま、保証書を受け取ると、施主と施工会社の間で「まだ保証期間内かどうか」の認識がずれることがあります。
例えば、工事の流れが次のようになっていたとします。
- 施工会社が工事完了日として扱う日:6月1日
- 足場を外した日:6月10日
- 施主が完了確認をした日:6月20日
- 保証書を受け取った日:6月30日
施主は「保証書を受け取った6月30日から10年保証が始まる」と思っていたとします。
しかし、保証書に「保証開始日は工事完了日とする」と書かれていれば、施工会社は6月1日から保証期間を数えることがあります。
この場合、施主の感覚では6月30日まで保証が残っていると思っていても、施工会社は6月1日の時点で保証期間が終わっていると判断する可能性があるのです。
そして、その結果、不具合が出たときに、保証期間内かどうかで揉めることも考えられます。
そのため、保証書においては、保証年数だけでなく、具体的な保証開始日と保証終了日も確認しましょう。
あわせて、保証を請求する手続きについても確認しておきましょう。
電話だけでよいのか、メールや写真提出が必要なのか、現地確認までどのように進むのかを確認します。
不具合を見つけたときに、何を用意して、どこへ連絡すればよいかが分かっていれば、初動が遅れにくくなるでしょう。
業者が倒産したら保証はどうなる?

施工会社の自社保証は、その会社が営業を続けていて初めて使える保証です。
保証期間中に施工会社が倒産、廃業、連絡不能になった場合、その会社が出した保証書だけでは補修を頼めない可能性が高くなります。
つまり、外壁塗装の「10年保証」は、保証書の年数だけでなく、10年後もその会社に連絡できるかどうかも重要です。
施工会社の倒産は、極端な話ではありません。
企業信用調査や倒産情報を扱う調査会社である帝国データバンクの建設業倒産動向では、2025年の建設業の倒産は2,021件で、過去10年で最多とされています。
同資料では、塗装工事業や防水工事業も、2000年以降で最多となったことが説明されています。
もちろん、この数字だけで、目の前の外壁塗装業者が倒産しやすいのか、などと判断することはできません。
ただし、外壁塗装の保証は5年、7年、10年と続くことがあるため、会社の継続性は確認しておきたいポイントです。
会社の継続性を見るときは、次の点を確認してください。
- 会社名、所在地、固定電話、代表者名がはっきりしているか
- 営業年数や施工実績を確認できるか
- 見積書、契約書、保証書の発行に対応しているか
- 工事後の点検や連絡先が明確か
- 極端な値引きや高額な前払いを急がせていないか
これらを確認したからといって、将来の倒産を完全に防げるわけではありません。
それでも、長期保証を重視するなら、保証年数だけでなく、会社情報や書類対応まで見ておくほうが安全です。
さらに、施工会社が倒産した場合の備えとして確認したいのが、先述したリフォーム瑕疵保険です(詳しくはこちら)。
ただし、リフォーム瑕疵保険は、外壁塗装の自社保証で見るような10年保証とは別物で、保険対象になる工事部分、保険期間、免責金額、対象外条件があるため、加入する場合は内容を事前に確認しましょう。
契約前には、「自社保証の年数」だけでなく、「会社が継続して対応できそうか」「リフォーム瑕疵保険に加入するのか」「保険付保証明書は発行されるのか」を確認してください。
長期保証を見るときは、保証年数だけでなく、会社の継続性と、万が一のときに使えるリフォーム瑕疵保険の有無まで確認することが大切です。
契約前に確認する書類と見方

保証内容を正しく確認するには、保証書だけでは足りないことがあります。
見積書、契約書、工程表に保証の根拠が残っていなければ、工事後に「何を約束していたか」を証明しにくいからです。
国民生活センターも、リフォームでは相見積もりを取り、工事範囲、工事項目、仕様、数量、単価、保証内容、契約書面を確認するよう案内しています。
ここからは、保証を適用しやすくするために、「契約前に確認する書類」について解説します。
見積書と現地調査報告書

保証を機能させる出発点は見積書です。
見積書が曖昧だと、後から「別の仕様で施工した」「その工程は契約に入っていない」といわれても確認しにくくなります。
保証を受けるためには、どの材料を、どの部位に、どの数量で使う契約だったのかを見積書で追えることが重要です。
ここからさらに見積書の中の項目についても解説します。
塗料名と塗装仕様

見積書の「外壁塗装」「上塗り」「仕上げ塗装」などの項目に、「シリコン塗料」「フッ素塗料」とだけしか書かれていない場合は、不十分な見積書と考えましょう。
これらの欄で確認したいのは、次のような項目です。
- メーカー名(例:日本ペイント、エスケー化研、関西ペイントなど)
- 製品名(例:パーフェクトトップSi、クリーンマイルドシリコンCR、アレスダイナミックTOPなど)
- 下塗り材(例:パーフェクトフィラー、マイルドシーラーEPO、アレスダイナミックフィラーなど)
- 上塗り回数(例:「中塗り1回、上塗り1回」、「上塗り2回」など)
- 塗装面積(例:外壁上塗り 180㎡、外壁下塗り 180㎡など)
- 艶の指定(例:艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、艶消しなど)
見積書に書ききれない場合は、別紙の仕様書や提案書に、これらの内容が記載されている場合があるため、併せて確認しましょう。
見積書で製品名が確定していれば、メーカーのホームページなどで公開されている仕様書と照合できます。
そして、塗料の使用量、乾燥時間、塗り重ね条件などが妥当に行われているかを確認しやすくなります。
万が一、不具合が発生し、保証書で仕様を確認する時、実際にどの塗料を使ったのかが分からなければ、施工条件を追いにくくなると考えておきましょう。
シーリング

シーリングは、外壁材の継ぎ目やサッシまわりのすき間を埋める、ゴム状の防水材です。
シーリングが経年劣化により、ひび割れたり、剥がれたり、細くやせたりしていると、外壁と外壁材の継ぎ目やサッシまわりから雨水が入りやすくなります。
劣化したシーリングをそのまま残して上から塗装しても、奥のすき間がふさがっていなければ、雨水の入り口は残ります。
そのため、見た目だけをきれいにするのではなく、塗装前にシーリングをどう補修するのかを確認することが大切です。
見積書では、シーリング工事が
- 打ち替え(古いシーリングを撤去して、新しいシーリング材を入れ直す方法)
- 増し打ち(既存のシーリングの上から新しいシーリング材を足す方法)
のどちらで施工されているかを確認してください。
部位や状態によって適した方法は変わるため、すべての場所で同じ方法になるとは限りません。
見積書では、
- 施工箇所
- 長さ
- 使用するシーリング材
- シーリング用プライマー(シーリング材を密着させるために、先に塗る下地材のこと)
の有無まで確認しましょう。
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下地補修

下地補修とは、塗料を塗る前に、外壁のひび割れ、欠け、浮き、さびなどを直す工事です。
外壁に傷みがあるまま塗装すると、仕上がり直後はきれいに見えても、数年後にひび割れ、膨れ、剥がれなどが出やすくなることがあります。
そのため、下地補修は、塗装の前に外壁の状態を整える重要な工程です。
見積書で注意したいのは、
- 下地補修一式
- クラック補修(外壁のひび割れを補修する工事)一式
- ケレン(鉄部のさびや古い塗膜、外壁表面の弱くなった部分を落として、塗料が密着しやすい状態にする作業)一式
のように、「一式」と内容がまとめて書かれている場合です。
「一式」とだけ書かれていると、どの場所を、どの方法で、どの程度補修するのかが分かりません。
見積書では、ひび割れ補修が何mあるのか、欠損補修が何か所あるのか、鉄部のケレンがどの範囲に含まれるのかを確認し、記載してもらうようにしてください。
数量や施工箇所が分かる見積書であれば、工事後に不具合が出たときも、塗装の問題なのか、下地の問題なのかを確認しやすくなります。
保証の話になったときにも、どの下地補修を行ったのかが分かるため、原因の切り分けがしやすくなります。
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現地調査報告書

現地調査報告書とは、工事前の外壁の状態を、写真や説明でまとめた資料のことです。
外壁塗装の保証を使うときは、保証書だけでなく、工事前にどの部分が傷んでいて、どの補修を予定していたのかを確認できる資料があると役立ちます。
工事後に不具合が出た場合、施工会社は「施工の問題か」「工事前からあった外壁の傷みが原因か」「その部位が見積もりに含まれていたか」を確認します。
そのときに現地調査報告書があれば、工事前の状態を写真で確認できるのです。
例えば、外壁の一部に膨れや剥がれが出たとします。
その場所が工事前の調査写真に写っていて、見積書にも補修対象として書かれていれば、施工会社へ状況を説明しやすいです。
反対に、現地調査報告書がなく、見積書にも「下地補修一式」としか書かれていない場合は、どの場所を補修する契約だったのかを後から確認しにくいです。
その結果、施工会社から「その部分は保証対象外です」「もともとの下地の問題です」と説明されたときに、施主側で確認できる資料が不足してしまうのです。
契約前には、現地調査報告書で次の点を確認してください。
- 劣化している場所の写真があるか
- 建物のどの部分か分かるように記録されているか
- ひび割れ、剥がれ、膨れ、シーリングの劣化など、症状が具体的に書かれているか
- その劣化に対する補修方法が書かれているか
- 調査報告書の内容と、見積書の補修項目が対応しているか
現地調査報告書は、保証対応を依頼するときに必ず提出する書類とは限りません。
ただし、工事前の状態と補修予定を確認できるため、保証対象かどうかを話し合うときの重要な資料です。
見積書の付帯部の扱い

見積書では、付帯部が外壁本体とは別に書かれているかも確認してください。
付帯部とは、雨樋、破風板、鼻隠し、軒天、水切り、雨戸、シャッターボックスなど、外壁本体以外の部位です。
付帯部は面積が小さいですが、外壁本体と素材や劣化要因が違うため、保証も一律にしにくい部分です。
見積書で付帯部が外壁本体の項目にまとめられていると、どの部位を施工するのか分かりにくくなります。
ただ、それだと、外壁塗装工事で、どこまで施工し、どこまで保証するのかを確認しづらいのです。
見積書と保証書における付帯部の「施工範囲」と「保証年数」をそれぞれ確認しておきましょう。
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契約書と約款

外壁塗装の保証対応を依頼するときは、保証書だけでなく、契約書、約款、見積書、打ち合わせ記録も確認材料になります。
保証書には保証年数や対象部位が書かれますが、「どの工事を契約したのか」「どの材料を使う約束だったのか」「どの補修まで見積もりに含まれていたのか」までは、保証書だけでは確認できないことがあります。
そのため、契約時の書類を残しておくことが、あとで保証対象かどうかを確認するときに役立ちます。
契約書には、工事内容、工事金額、工期、支払い時期など、今回の外壁塗装工事の基本条件が書かれます。
約款とは、契約書に書ききれない細かなルールをまとめた書類のことです。
外壁塗装では、約款に、追加工事、工期変更、契約解除、引渡し後の不具合対応などの扱いが書かれていることがあります。
建設業法第19条では、建設工事の請負契約について、工事内容、請負代金、工期、支払時期などを記載した書面の交付が求められています。
外壁塗装でも、契約内容を書面で残しておけば、工事後に不具合が出たときに、今回の工事範囲に含まれていた部位かどうかを確認しやすくなります。
また、リフォーム推進協議会が作成した住宅リフォーム工事標準契約書式集では、請負契約書、請負契約約款、見積書、打ち合わせ記録、工事内容変更合意書、完了確認書などの書式が整理されています。
大切なのは、これらの書類を「契約から完了までの記録」として残しておくことです。
保証書だけでは分からない工事内容や変更内容を、契約書、見積書、打ち合わせ記録で確認できるからです。
外壁塗装の保証を考えるうえでは、契約書や関連書類で次の項目を確認してください。
- 工事範囲
- 使用する材料名
- 追加工事の承認方法
- 施工写真や使用材料一覧の提出有無
- 引渡し後の不具合対応
- 保証書の発行時期
これらは、将来不具合が出たときに「今回の工事に含まれていた部位か」「保証対象として相談できる内容か」を確認するために必要です。
特に注意したいのは、追加工事の承認方法です。
追加工事の承認方法とは、工事中に予定外の補修が必要になったとき、施主が内容と金額を確認してから工事を進めるためのルールです。
外壁塗装では、足場を組んだ後に、地上から見えなかったひび割れ、下地の傷み、シーリングの劣化などが見つかることがあります。
このとき、追加工事を口頭だけで進めると、あとから「なぜ必要だったのか」「いくら増えたのか」「本当に承認したのか」を確認しにくくなります。
保証の面でも、追加で補修した場所や内容が書面に残っていないと、工事後に不具合が出たときに、その部分が保証対象かどうかを判断しにくくなります。
追加工事が必要な場合は、補修箇所の写真、工事内容、追加金額、工期への影響を書面で説明してもらい、施主が確認してから着手する流れを契約前に決めておきましょう。
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工程表

外壁塗装の工程表は、工事の予定を確認するための書類です。
保証の面では、工程表は、見積書に書かれた工事がどの順番で行われる予定だったのかを確認する資料です。
例えば、見積書に下地補修やシーリング工事が入っているのに、工程表ではその作業日が分からない場合は、いつ施工する予定なのかを確認し、記入してもらうようにしてください。
工事後に不具合が出たとき、工程表があれば、下地補修、シーリング、下塗り、中塗り、上塗りなどの作業が、どの順番で行われた予定だったのかを確認しやすくなります。
ただし、工程表は予定を確認する資料であり、実際にその通り施工されたかは施工写真や完了報告と合わせて確認します。。
また、保証を受けるときの資料としては、工程表だけでなく、施工写真、使用材料一覧、塗料缶や空缶の写真もあわせて残しておくことが大切であることを覚えておきましょう。
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工事中と完工後に残すべき記録

保証は、現場記録が残っていてこそ機能します。
外壁塗装工事後に不具合が出たとき、どの材料を使い、どの工程を踏み、どの部位をどう補修したかが分からなければ、不具合の原因を切り分けにくいからです。
保証書だけでなく、施工写真、塗料缶、空缶写真、完了確認書をそろえて保管しましょう。
ここでは、保証を受けるために用意するべき書類が、それぞれどのようなものなのかを解説します。
施工写真

施工写真は、工事が完了した際の外観写真だけでは足りません。
外壁塗装では、仕上がると見えなくなる工程が多いからです。
最低でも、着工前、洗浄後、シーリング撤去、プライマー塗布、充填後、下地補修前後、下塗り、中塗り、上塗り、完了の写真を部位別にもらうようにしましょう。
特に重要なのは、補修前後が同じ場所だと分かる写真です。
ひび割れ補修をしたのに全景写真しかないと、どこを直したのかを後から確認できません。
補修前、補修中、補修後が、同じ向き、同じ角度の写真で残っていれば、不具合が出たときに、どのような施工をしていたのかを確認しやすいです。
塗料缶と空缶写真

塗料缶は、製品名、色番号、ロットが確認できる面を撮ってもらってください。
見積書に書かれた製品名と、現場で使われた塗料缶のラベルが一致しているかを確認するためです。
それに加えて、使用後の空缶をまとめた写真があると、見積数量との照合もしやすくなります。
「契約した塗料と違う製品を使われたのではないか」という疑念を防ぐ資料にもなります。
なお、空缶写真の枚数だけで施工品質を断定することはできません。
塗装面積、下地の吸い込み、希釈率、施工方法によって必要な量は変わるためです。
ただし、見積書の使用数量やメーカー仕様と大きく違う場合は、施工業者に理由を説明してもらいましょう。
完了確認書と保証書の受け取り

外壁塗装工事が完了したら、保証書、完了確認書、施工写真、使用材料一覧を業者から受け取ってください。
追加工事や仕様変更があった場合は、最終見積書や変更合意書もあわせて受け取り、保管しておきます。
完了確認書とは、工事が完了したことを施主と施工会社で確認するための書類です。
保証期間の開始日や、工事完了日の確認に関わることがあるため、日付も確認してください。
保証書を受け取ったら、契約前に説明された保証内容と、正式な保証書の記載が合っているかを確認します。
特に、保証年数、対象部位、対象症状、免責事項、保証開始日が、事前説明と違っていないかを見てください。
説明と保証書の内容に違いがある場合は、その場で理由を確認し、必要であれば書面で修正してもらいましょう。
受け取った資料は、保証期間が終わるまで一式で保管してください。
保証書だけを残しても、見積書や施工写真がないと、どの範囲を施工したのか、どの材料を使ったのかを確認しにくくなります。
保証で失敗しやすい典型例

外壁塗装の保証で失敗しやすいのは、「保証があるかどうか」だけを確認して、保証の中身を確認しないケースです。
保証期間内であっても、保証書に書かれていない不具合は無償補修の対象にならないことがあります。
また、契約書や施工写真が残っていないと、工事範囲や使用材料を後から確認しにくくなります。
ここでは、外壁塗装で起こりやすい保証まわりのトラブルと、契約前に防ぐための確認点を整理します。
長い保証年数だけを見て契約してしまう

外壁塗装の保証関連でよくある失敗は、「10年保証」「15年保証」という年数だけを見て、何を直してもらえる保証なのかを確認しないことです。
保証書によっては、外壁本体の塗膜の剥がれだけを対象にしている場合があります。
この場合、色あせ、色ムラ、艶の低下、細かなひび割れ、シーリングの割れ、雨樋や鉄部の不具合は、保証で直してもらえないことがあります。
このような行き違いを防ぐには、保証年数だけでなく、保証で直してもらえる不具合と、直してもらえない不具合の両方を確認してください。
契約前に保証書の見本を見せてもらい、「色あせは対象ですか」「ひび割れは対象ですか」「シーリングは対象ですか」と具体的に質問し、書類に残してもらうと良いでしょう。
ひび割れや色あせをすべて保証で直せると思ってしまう

外壁にひび割れや色あせが出ると、「保証期間内だから無償で直してもらえるはず」と考えたくなります。
しかし、実際には、ひび割れや色あせがすべて保証対象になるわけではありません。
理由は、「何が不具合を引き起こしたか」で保証の扱いが変わるためです。
例えば、塗装工事に起因する原因で、塗膜の剥がれや膨れが起きている場合は、施工会社の保証で相談できる可能性があります。
一方で、建物自体の動き、外壁材そのもののひび割れ、古い下地の傷みなどが原因の場合は、塗装工事の保証だけでは対象外になることがあります。
つまり、同じように見えるひび割れでも、塗装の問題なのか、外壁材や下地の問題なのかで、保証の扱いが変わるということです。
色あせや艶の低下についても同じです。
日当たり、雨風、紫外線などによる通常の経年変化と判断される場合は、保証で補修してもらえないことがあります。
実際に、住まいるダイヤルの相談事例でも、15年保証付きの外壁塗装で変色や色ムラが出たものの、施工業者から「塗装剥離は保証対象だが、変色・色ムラは対象外」と説明されたケースが紹介されています。
また、国民生活センターの外壁塗装に関するFAQでも、数年前に塗装した部分がひび割れてきた場合は、まず、契約書面などで保証内容を確認するよう案内されています。
これは、「ひび割れが出たら必ず保証で直せる」という意味ではなく、保証期間内かどうかだけでなく、その不具合が保証書に書かれた対象に入っているかを確認する必要があるということです。
そのため、契約前には「ひび割れは保証対象ですか」と大まかに聞くだけでなく、次のように具体的に確認しておくことが大切です。
- 塗膜の剥がれや膨れは保証対象か
- 細いひび割れは保証対象か
- 外壁材や下地の動きによるひび割れは対象外か
- 色あせ、色ムラ、艶の低下は保証対象か
- シーリングの割れや剥がれは外壁塗装の保証に含まれるか
これらの点を契約前に確認しておくと、「保証期間内なのに直してもらえなかった」という行き違いを防ぎやすくなります。
雨漏りまで外壁塗装の保証で直せると思ってしまう

雨漏りは、外壁や屋根の塗装だけで直せる不具合ではありません。
雨漏りの原因は、外壁のひび割れ、シーリングの劣化、サッシまわり、屋根、板金、バルコニー防水など、複数の場所に分かれます。
そのため、外壁塗装業者の保証書に「雨漏りを保証する」と書かれていない限り、雨漏りまで補修してもらえるとは考えないほうがよいでしょう。
逆に、営業担当者から「雨漏りまで保証します」と説明された場合は、どの部位からの雨漏りを、どの期間、どの条件で保証するのかを書面で確認してください。
口頭説明のまま契約すると、工事後に雨漏りが出たとき、「外壁塗装の問題ではありません」「屋根やサッシが原因です」と説明され、保証の話が進みません。
雨漏りが不安な場合は、外壁塗装の保証だけでなく、シーリング、防水、屋根、サッシまわりの工事範囲も見積書で確認しておきましょう。
保証書はあるが施工内容を確認できる資料がない

保証書だけを受け取り、施工写真や使用材料一覧が残っていないケースも注意が必要です。
保証書には保証年数や補修条件が書かれていても、
- 実際にどの塗料を使ったのか
- どの場所を補修したのか
- 下塗りやシーリングをどの範囲で施工したのか
などは確認できないことがあります。
国民生活センターの外壁塗装に関するFAQでも、作業後すぐに塗り残しや塗りムラに気づいた場合は、契約書面などで作業範囲、使用塗料、塗装方法を確認し、問題箇所の写真を撮っておくよう案内されています。
保証対応を相談するときも、考え方は同じです。
不具合が出た場所の写真、契約書、見積書、施工写真、使用材料一覧があれば、施工会社に状況を説明しやすくなります。
反対に、保証書だけしか手元にない場合、「その部分は施工範囲外です」「その不具合は下地(もともとの外壁)が原因です」などと説明されたときに、施主側で確認できる材料が少ないのです。
保証を使いやすくするには、保証書を単独で保管するのではなく、見積書、契約書、工程表、施工写真、塗料缶や空缶の写真、使用材料一覧と一緒に残しておくことが大切です。
外壁塗装の保証についてよくある疑問

最後に、外壁塗装の保証で契約前に迷いやすい疑問を整理します。
保証は、「あるか、ないか」だけで判断するものではありません。
どの部位の、どの不具合を、どの条件で直してもらえるのかを確認することが大切です。
新築の10年保証と同じ感覚で考えてよい?

外壁塗装の保証を、新築住宅の10年保証と同じ感覚で考えるのは避けましょう。
新築住宅の10年保証は、住宅品質確保法に基づく制度で、主に構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分が対象です。
国土交通省の住宅品質確保法の解説でも、新築住宅の取得契約では、基本構造部分について10年間の瑕疵担保責任があると説明されています。
少し難しい言い回しですが、わかりやすくいうと、新築住宅では、柱や基礎など建物の強さに関わる部分や、雨水の浸入を防ぐ部分に欠陥があった場合、売主や施工会社が10年間責任を負うことが定められているのです。
一方で、既存住宅の外壁塗装は、施工会社の工事保証、塗料メーカーの保証、リフォーム瑕疵保険などを組み合わせて確認する工事です。
「新築と同じように10年間すべて保証される」と考えず、外壁塗装の保証書で、対象部位、補修してもらえる不具合、対象外になる条件を確認しましょう。
保証書がない会社とは契約しない方がよい?

原則として、保証書を出せない会社との契約は慎重に判断したほうがよいでしょう。
保証書がないと、工事後に不具合が出たとき、どの部位を、どの症状まで、どの期間補修してもらえるのかを確認しにくくなります。
ただし、保証書があるだけで安心というわけでもありません。
「外壁塗装10年保証」とだけ書かれていて、対象部位、補修してもらえる不具合、対象外になる条件がよくわからない保証書では、実際に相談するときに話が進みにくいです。
契約前には、保証書の見本を見せてもらい、保証年数だけでなく、対象部位、補修対象になる不具合、免責事項、保証開始日、連絡先まで確認してください。
どこに相談すればよい?

見積書や契約内容が分かりにくい場合は、住まいるダイヤルに相談できます。
住まいるダイヤルは、国土交通大臣指定の住宅専門の相談窓口です。
契約トラブルや保証対応で不安が強い場合は、消費者ホットライン188も相談先になります。
消費者庁は、消費者ホットライン188について、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する全国共通の電話番号として説明しています。
相談するときは、見積書、契約書、保証書、施工写真、業者とのメールやメッセージの記録を手元にそろえておきましょう。
手元の資料が多いほど、いつ、誰と、どの内容で契約し、どの不具合が出ているのかを説明しやすくなります。
また、もちろん、当サイト「外壁塗装駆け込み寺」でもご相談を承っておりますので、こちらからお申込みください。
本ページのまとめ
[フラットデザイン横長。上部に「本ページのまとめ」という見出し文字だけを入れる。保証書、見積書、契約書、施工写真を一つのファイルに整理し、施主が安心した表情で確認している場面を描く。背景に塗り替え後の住宅外観写真、チェックマーク、書類ファイルを配置する。書類には読める文字を入れず、線、枠、チェックマークだけで表現する。]
外壁塗装の保証は、年数の長さだけで判断しないことが大切です。
同じ「10年保証」でも、保証される部位、対象になる不具合、免責事項、保証開始日、施工会社が倒産した場合の扱いによって、実際に受けられる補修内容は変わります。
契約前には、施工会社の工事保証、塗料メーカーの保証、リフォーム瑕疵保険を分けて確認しましょう。
特に、工事保証は施工会社ごとに内容が異なるため、保証書の見本を見せてもらい、外壁本体、シーリング、付帯部、鉄部、木部がどこまで対象になるのかを確認してください。
また、保証を受けやすくするには、保証書だけでなく、見積書、契約書、工程表、施工写真、使用材料一覧、塗料缶や空缶の写真を残しておくことも重要です。
これらの資料がそろっていれば、不具合が出たときに、どの範囲を施工したのか、どの材料を使ったのか、保証対象として相談できる内容なのかを確認しやすくなります。
外壁塗装の保証で迷ったときは、「何年保証か」ではなく、「何を、どこまで、どんな条件で直してもらえるか」に戻って確認しましょう。
もし、外壁塗装の保証内容や見積書の確認でわからないことがあれば、外壁塗装駆け込み寺にお気軽にお問い合わせください。
参考リンク