本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「う」から始まる用語を解説しています。
目次
- ALCパネル【えーえるしーぱねる】
- A版塗料用標準色【えーばんとりょうようひょうじゅんしょく】
- エアーサンダー【えあーさんだー】
- エアーダスター【えあーだすたー】
- エアスプレー塗装【えあすぷれーとそう】
- エアレススプレー塗装【えあれすすぷれーとそう】
- エイジング塗装【えいじんぐとそう】
- H版塗料用標準色【えいちばんとりょうようひょうじゅんしょく】
- エキスパンションジョイント【えきすぱんしょんじょいんと】
- エクステリア【えくすてりあ】
- エコ塗料【えことりょう】
- SOP【えすおーぴー】
- エステル系溶剤【えすてるけいようざい】
- エッグシェル【えっぐしぇる】
- エッチングプライマー【えっちんぐぷらいまー】
- FRP防水【えふあーるぴーぼうすい】
- F版塗料用標準色【えふばんとりょうようひょうじゅんしょく】
- エフロレッセンス【えふろれっせんす】
- エポキシ樹脂塗料【えぽきしじゅしとりょう】
- エマルション樹脂塗料【えまるしょんじゅしとりょう】
- エラスタイト【えらすたいと】
- 塩害【えんがい】
- 塩化ゴム系樹脂塗料【えんかごむけいじゅしとりょう】
- 塩化ビニールシート防水【えんかびにーるしーとぼうすい】
- 縁切り【えんぎり】
- えんじ色【臙脂色】
- 鉛丹【えんたん】
- 塩ビ鋼板【えんびこうはん】
ALCパネル【えーえるしーぱねる】
(引用:一般社団法人ALC協会)
ALCパネルとは、珪石・セメント・石灰・発泡剤のアルミ粉末を主原料とした住宅建材です。
ALCパネルは、高温高圧蒸気養生(高い圧力と高温の蒸気によって、対象物の強度を強くする養生の方法)という製法で生成され、主に住宅の外壁・間仕切り壁・屋根・床などに使用されます。
ALCパネルには、
- 燃えにくい材料の不燃材が使用されており、火災が発生した時でも被害の拡大を防ぐことができる
- 金網状の鉄筋が補強材として組み込まれているため、耐久性に優れている
- 断熱効果が高まり、部屋の中の気温が外の気温の影響を受けにくくなる
- アスベストやホルムアルデヒドなどの人体に対して有害な物質が含まれていないため、住んでいる人にシックハウス症候群などの健康障害が起こりにくい
- 他の建材と比較して防水性が低いため、塗装を行って防水性の高い防水層を作る必要がある
などの特徴があります。
A版塗料用標準色【えーばんとりょうようひょうじゅんしょく】
A版塗料用標準色とは、日本塗料工業会が2001年に発行した色見本帳のことです。
エアーサンダー【えあーさんだー】
(引用:ヨコタ工業株式会社)
エアーサンダーとは、圧縮された空気を動力とする工具で、取り付けた器具を振動させたり、回転させたりすることができます。
例えば、エアーサンダーは、サンドペーパー、ベルト、ディスクとよばれる器具を取り付けて、
- 木材や金属の表面を削り、表面をなめらかにする
- 木材や金属を切断する
- 経年劣化した塗膜を剥がす
- 金属の表面に発生した錆をこすり落とす
など、さまざまな用途に使用されます。
エアーサンダーは、同じ用途の電動工具と比較して小型で軽量のため、作業がしやすいというメリットがあります。
しかし、作業をおこなう時に大量の粉塵が発生するというデメリットがあり、このデメリットを解決するために、
- 粉塵を集める機能を持ったエアーサンダー
- 粉塵を集める集じん機に接続することができるエアーサンダー
なども販売されています。
エアーダスター【えあーだすたー】
(引用:藤原産業株式会社)
エアーダスターは、圧縮した空気を電動で吹き出す機械です。
エアーダスターは、
- 塗装面に付いたゴミやホコリを吹き飛ばす
- 塗装面に付いた水滴を飛ばして、塗膜を乾燥させる
- 木材や鉄などを研磨した時に発生した粉を吹き飛ばして掃除を行う
などの役割があり、主に外壁塗装工事やリフォーム工事で使用されます。
ブラシなどの毛先が付いた道具で塗装面の掃除を行うと、毛先で塗装面を傷つけてしまう可能性がありますが、エアーダスターは空気を利用してゴミやホコリを吹き飛ばすため、塗装面を傷つけずに掃除を行うことができます。
また、エアーダスターを使用することで、ブラシの毛先が届かない場所にあるゴミやホコリも吹き飛ばすことができます。
エアスプレー塗装【えあすぷれーとそう】
(引用:藤原産業株式会社)
エアスプレー塗装とは、圧縮した空気を利用して塗料を霧状にして吹き付ける工法です。
エアスプレー塗装は、
- 圧縮した空気を利用して塗料を霧状にする空気圧縮機
- 霧状になった塗料を外壁に吹き付けるスプレーガン
が一体化したエアスプレーという機材を使用して施工されます。
エアスプレー塗装のメリットは、
- 塗料を霧状にして吹き付けるため、手塗り工法と比較して効率よく塗装することができる
- スプレーガンの手元にある圧力を調整つまみで塗料を吹き付ける圧力をかんたんに調節できるため、部品を交換して調節するエアレススプレー塗装と比較して、簡単に圧力を調節することができる
という点です。
一方、エアスプレー塗装のデメリットは、
- 塗料の飛散が多いため、塗料のムダが多い
- 風が強い状況下では作業しにくい
- 適正な霧状で噴出できるように塗料の粘度(ねばり具合)を低くする必要があるため、他の塗装方法と比較して塗膜が薄く仕上がってしまう
という点です。
エアレススプレー塗装【えあれすすぷれーとそう】
(引用:精和産業株式会社)
エアレススプレー塗装とは、圧力を加えた塗料を霧状にして吹き付ける工法です。
エアレススプレー塗装は、
- 塗料に圧力を加えて霧状にするポンプ
- 霧状になった塗料を外壁に吹き付けるスプレーガン
が一体化したエアレススプレーという機材を使用して施工されます。
エアレススプレー塗装には、
- エアスプレー塗装と比較して塗料の飛散が少ないため、作業が風の影響を受けにくく、効率よく作業をすることができる
- エアスプレー塗装と比較して、粘土(ねばり具合)が高い塗料を使用することができる
- エアスプレー塗装と比較して、1回の塗装で厚みのある塗膜を作ることができる
- 塗料を吹き付ける圧力を調節するには、スプレーガンの先にあるノズルチップを変える手間がかかる
などの特徴があります。
エイジング塗装【えいじんぐとそう】
エイジング塗装とは、外壁塗装やDIYなどで、外観をあえて古く見えるように仕上げる塗装方法です。
エイジング塗装は、アンティーク調仕上げの時によく見かけられるようなサビ・剥がれ・傷・汚れなどの古さを感じさせられる症状を塗料や材料を用いて表現します。
エイジング塗装の例として、
- 塗膜のムラ感やひび割れがわざと出るように重ね塗りを行う
- 塗膜を部分的に剥がして、何年も使い込んだように見せる
などが挙げられます。
エイジング塗装には、用いられる塗料や施工方法にはっきりとした決まりがあるわけではなく、素材や仕上がりによって使用する塗料の種類や施工方法が異なります。
決まりのない塗装方法であるため、業者にエイジング塗装を依頼する場合は、エイジング塗装の経験が十分にある塗装業者に依頼することが望ましいです。
H版塗料用標準色【えいちばんとりょうようひょうじゅんしょく】
A版塗料用標準色とは、日本塗料工業会が2015年に発行した色見本帳のことです。
エキスパンションジョイント【えきすぱんしょんじょいんと】
(引用:エービーシー商会)
エキスパンションジョイントとは、切り離した建物のすき間を埋める金具のことです。
大規模な建物は、安全のために建物を複数に切り離して設計されており、その切り離した建物同士のすき間に使用されるのがエキスパンションジョイントです。
エキスパンションジョイントは、伸縮して動きを受け止める役割があるため、エキスパンションジョイントを切り離した建物のすき間に使用することで、建物が地震を受けても、地震の揺れを吸収して、地震の被害を最小限に抑えることができるのです。
エキスパンションジョイントは、主にステンレスやアルミなどの金属を素材として作られますが、樹脂を素材として作られたものなど、様々な種類のエキスパンジョイントも開発・販売されています。
エクステリア【えくすてりあ】
エクステリアとは、住宅の周りを構成する構造物のことをさします。
エクステリアは、
- 住宅でどのような生活をしたいか
- 見る人にどのような印象を与えたいか
によって、外観や配置が決められる住宅の第一印象ともいえる部分です。
エクステリアにデザイン性を求める場合もあれば、住宅内の機能性や防犯性を求める場合もあるので、エクステリアの選び方は住む人によって様々です。
住宅の周りのエクステリアには、
- 住宅の出入り口に設ける門扉・門柱
- 住宅の周りを囲うフェンス
- 門扉・門柱から住宅の玄関まで続くアプローチ
- 住宅の外に設置されるデッキ・テラス
- 車を駐車させる場所のカーポート・ガレージ
- 庭やアプローチ周りに植えられた樹木や草花
- 玄関や門扉・門柱周りの照明
などが挙げられます。
エコ塗料【えことりょう】
エコ塗料とは、
- 人体や環境に対して有害な化学物質を含まない人体や環境に配慮した塗料
- 遮熱や断熱の効果を持ち、部屋の中の気温が外の気温の影響を受けにくくなるため、省エネ効果がある塗料
などのことを指して使われる言葉です。
環境を配慮した塗料はエコ塗料と呼ばれることがあり、
- 塗料の中に太陽光を反射させる樹脂が含まれている「遮熱塗料」
- 塗料の中に太陽熱による熱伝導を抑える材料が含まれている「断熱塗料」
などがエコ塗料の例として挙げられます。
住宅の遮熱効果と断熱効果が高まると、住宅内において冷暖房の使用を節約できるため、結果として冷暖房から排出されるCO2の削減に繋がり、環境に配慮することができるのです。
その他にも、太陽光で汚れを分解して雨水で洗い流す機能をもつ「光触媒塗料」などもエコ塗料として扱われる場合があります。
SOP【えすおーぴー】
SOPとは、アルキド酸樹脂に油を調合して作られる塗料Synthetic Oil Pant(合成樹脂調合ペイント)を省略した言葉です。
SOPは、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料などの外壁塗装用塗料のように合成樹脂を主成分とした塗料ではないため、耐久性に優れておらず、住宅内の木部や鉄部などの塗装に使用されます。
SOPで塗装するメリットは、
- 光沢やツヤのある仕上がりにできる
- 塗装後に比較的早く乾く性質を持つため、短時間で作業ができる
- 他の塗料と比較して価格が安い
という点です。
一方、SOPで塗装するデメリットは、
- 他の塗料と比較して耐久性が低いため、外壁塗装用塗料には不向きである
- 耐アルカリ性が低いため、ラッカーやシンナーなどの薬品に触れると劣化しやすい
という点です。
エステル系溶剤【えすてるけいようざい】
エステル系溶剤とは、酸とアルコールを含む化合物のエステルを使用した有機溶剤です。
エステル系溶剤は、樹脂を溶かす性質を持ちながら、悪臭と毒性がなく安全に取り扱うことができるため、
- 塗料
- 印刷インク
- 接着剤など
の溶剤として使用されます。
エッグシェル【えっぐしぇる】
エッグシェルとは、3分ツヤぐらいのあまりツヤのない状態の仕上げをさした言葉です。
エッグシェルという言葉は、ツヤ消しをした外壁が卵の殻ぐらいのツヤであることに由来しています。
エッチングプライマー【えっちんぐぷらいまー】
エッチングプライマーとは、ウォッシュプライマー【うぉっしゅぷらいまー】と同様の言葉です。
FRP防水【えふあーるぴーぼうすい】
(画像引用:FBK防水材工業会)
FRP防水とは、
- 硬化剤を混合したポリエステル樹脂
- ガラス繊維などの補強剤
を混合した塗料を使用する塗膜防水工法の一つであり、FRP防水のFRPとは、Fiberglass Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)を省略した言葉です。
FRP防水は、工程の中でガラス繊維のマットが用いられており、軽量かつ耐久性に優れた防水層をつくることができます。
他の防水工法と比べた時のFRP防水のメリットは、
- 塗膜の乾燥が早いため、施工時間が早い
- 防水シートを使用する防水と違い、継ぎ目がない防水層を作ることができる
- 耐熱性に優れているため、高温に耐えることができる
- 防水層が軽量なので住宅に負荷をかけにくい
という点です。
一方、他の防水工法と比べた時のFRP防水のデメリットは、
- ポリエステル樹脂特有の刺激臭がある塗料を使用するため、施工中に悪臭がする
- 紫外線の影響を受けやすいため、塗膜が変色しやすい
という点です。
F版塗料用標準色【えふばんとりょうようひょうじゅんしょく】
F版塗料用標準色とは、日本塗料工業会が2011年に発行した色見本帳のことです。
エフロレッセンス【えふろれっせんす】
エフロレッセンスとは、コンクリートやモルタルの表面に白い物質が発生する現象のことであり、白華現象(はっかげんしょう)、鼻垂れなどとも呼ばれます。
エフロレッセンスは、コンクリートの中に含まれる石灰などの原因物質がコンクリートの中の水分によって溶けてコンクリートの表面に移動し、コンクリートの表面に白い粉として発生したものです。
気温が高くなる夏はコンクリートの中の水分が蒸発するため、エフロレッセンスが発生しにくく、気温が低くなる冬はコンクリートの中の水分が蒸発しにくいため、エフロレッセンスが発生しやすいのです。
エフロレッセンスはコンクリートの表面で発生する現象であるため、コンクリートを使用した構造物の強度に悪影響を与えるものではありませんが、建物全体の外観を損ねてしまいます。
エポキシ樹脂塗料【えぽきしじゅしとりょう】
(引用:アトミクス株式会社)
エポキシ樹脂塗料とは、エポキシ樹脂を主成分とする塗料です。
エポキシ樹脂塗料は、
- すれても消耗しにくい(耐摩耗性)
- 塗った下地に密着しやすい(接着性)
- さびにくい
という性質を持つエポキシ樹脂を主成分としているため、サビが発生しやすい場所や摩耗しやすい場所に使用されます。
エポキシ樹脂塗料には、
- さびにくい性質を持つため、塗装面のサビの発生を抑える
- 高い接着性を持つため、金属やコンクリートにも塗装が行えて、塗膜の剥がれが発生しにくい
- 塗膜が硬いため、塗装面に傷が付きにくい
- 塗膜が油・熱・薬品に触れても劣化しにくい
- 紫外線の影響を受けやすいため、塗膜が変色しやすい
- 塗膜の上に紫外線に強い塗料(トップコート)を塗装する必要がある
エマルション樹脂塗料【えまるしょんじゅしとりょう】
エマルション樹脂塗料とは、水性と油性の成分が混合した塗料の一つです。
エマルション樹脂塗料には、
- 塗料の主成分の油や樹脂に水を溶かした「水性エマルション樹脂塗料」
- 塗料の主成分の油や樹脂にシンナーなどの有機溶剤を溶かした「溶剤系エマルション樹脂塗料」
の2種類があります。
昔は、溶剤系エマルション樹脂塗料が外壁塗装に多く使用されていましたが、施工時に劇物であるシンナーなどの有機溶剤を使用する必要があったため、人体や環境への悪影響が懸念されていました。
そのため、今ではシンナーなどの有機溶剤の替わりに水を希釈液として使用することができる水性エマルション樹脂塗料が主流です。
エマルション樹脂塗料には、
- 水性エマルション樹脂塗料は、悪臭を持つ気体が発生しにくいため、人体や環境に優しい
- 他の塗料と比較して価格が安い
- 接着性が弱いため、塗膜の剥がれが発生しやすい
などの特徴があります。
エラスタイト【えらすたいと】
(引用:アオイ化学工業株式会社)
エラスタイトとは、アスファルトを主成分とした板状の材料です。
エラスタイトは、伸縮性に優れるため、主にコンクリート同士の間の目地に使用され、コンクリートが伸縮した時の歪みを吸収して、コンクリートのひび割れの発生を抑える役割を持ちます。
エラスタイトは、防水性・耐久性・耐腐食性に優れているため
- コンクリートを使用した床
- 道路
- ダム
- 貯水池
- 水路
- 建物の屋上
などの目地に使用されます。
エラスタイトは、コンクリートからの圧力や経年劣化が原因で、コンクリート同士の間の目地から盛り上がってしまうことがあるため、劣化した後は新しいエラスタイトやコーキング材で補修されます。
塩害【えんがい】
塩害とは、住宅の屋根や外壁が塩を含んだ水や空気に触れて劣化する現象のことです。
住宅の屋根や外壁などが塩害の被害を受けると、屋根や外壁に錆びや劣化が発生してしまいます。
塩害の原因は、海に含まれた塩分の潮風であるため、海に近い地域の住宅は塩害対策が必要です。
海に近い地域の住宅が塩害の被害を受けないためには、
- 屋根や外壁の清掃を定期的に行うことで屋根や外壁に付いた塩分を除去する
- 外壁の塗料に耐塩性や耐久性に優れるフッ素塗料やシリコン塗料を使用する
- 外壁に腐食やひび割れが発生しにくい塩化ビニール樹脂を使用した樹脂系サイディングボードを使用する
などの対策が必要です。
塩化ゴム系樹脂塗料【えんかごむけいじゅしとりょう】
塩化ゴム系樹脂塗料とは、ゴムを塩素化させた塩化ゴム樹脂を主成分とする塗料です。
塩化ゴム系樹脂塗料は、主に船舶・コンクリート・橋梁などの塗装に使用されます。
塩化ゴム系樹脂塗料には、
- 塗膜の乾燥が早いため、施工時間が早い
- 低温の時でも他の塗料と比較して塗膜を乾燥させやすい
- 付着する力が高いため、重ね塗りが行いやすく、塗膜が剥がれにくい
- 塗膜が油・熱・薬品に触れても劣化しにくい
- 耐塩水性に優れているため、塩害の被害を受けやすい地域に適している
などの特徴があります。
塩化ゴム系樹脂塗料には、
- 日本ペイントのハイラバーEスーパー
- 関西ペイントのラバテクト
- エスケー化研のEXシーラー
などがあります。
塩化ビニールシート防水【えんかびにーるしーとぼうすい】
塩化ビニールシート防水とは、塩化ビニール樹脂(塩ビ、塩化ビニルともいう)シートを下地に貼りつけて防水層をつくる屋根の防水工事の工法です。
塩化ビニールシート防水は、塩化ビニール樹脂シートを貼り付ける工法であるため、下地の表面に多少の凹凸があっても均一な仕上がりにすることができます。
塩化ビニールシート防水の工法には、
- 塩化ビニール樹脂シートを下地に直接接着剤で貼り付ける接着工法
- 塩化ビニール樹脂シートを鋼板器具やビスなどで固定していく機械的工法
の2種類があり、どの工法を選択するかは用途や屋根の種類によって異なります。
また、塩化ビニールシート防水の工法は、断熱材を入れるかどうかで、
- 断熱工法
- 非断熱工法
縁切り【えんぎり】
縁切りとは、塗装工事後に屋根材が重なり合うすき間の塗膜を切る作業です。
屋根材が重なり合うすき間を塗膜が塞いでしまうと、屋根の内部に溜まった雨水の通り道も塞がれてしまうため、溜まった雨水が住宅内に侵入して雨漏りが発生する可能性があります。
そのため、縁切りを行って屋根の内部に溜まった雨水の通り道を確保することで雨水を屋根の内部から外部に排水して雨漏りを防ぐのです。
縁切りは屋根材が重なり合うすき間の塗膜をすべてカッターナイフなどの工具を使用して切る作業のため、大変な手間がかかる作業ですが、住宅に雨漏りが発生させないために必要な作業です。
屋根の塗装工事が終わって、塗膜が完全に乾燥していない状態で縁切りを行っても、すき間付近の塗料が再びくっついてしまうため、縁切りは塗膜が完全に乾燥した段階で行われます。
えんじ色【臙脂色】
鉛丹【えんたん】
(引用:ナカガワ胡粉絵具株式会社)
鉛丹(えんたん)とは、四酸化三鉛を主成分とする赤みがかったオレンジ色の顔料であり、光明丹(こうみょうたん)、赤鉛(せきえん)、赤色酸化鉛(せきしょくさんかえん)とも呼ばれています。
鉛丹は、古くから建築物の塗料や日本画で使用されてきた塗料の一つです。
鉛丹は、鉛を加熱して酸素と結合した一酸化鉛を、長時間加熱して生成されます。
また、鉛丹は酸素を遮断する性質があり、鉄が酸素と水に触れることで発生する錆の発生を防ぐため、現代においても錆止め塗料として使用されてきました。
しかし、鉛丹に含まれている鉛は毒性がある劇物に該当しており、人体や環境への悪影響が懸念されているため、現代では鉛丹や鉛を含まない錆止め塗料に切り替えている業者が多いです。
塩ビ鋼板【えんびこうはん】
塩ビ鋼板とは、表面にポリ塩化ビニール樹脂を施した鋼板です。
塩ビ鋼板は、住宅の屋根や外壁にて雨水の侵入を防止する建材、電子機器の部材などに使用されています。
塩ビ鋼板には、
- ポリ塩化ビニール樹脂を施した保護層により、鋼板のサビを防ぐ(雨水などでさびにくい)
- 屋外の自然環境下でも変化しづらい性質を持つため、外気にさらされる建材に適している
- 耐薬品性に優れているため、アルカリや酸類などの薬品がかかっても溶けにくい
という特徴があります。
塩ビ鋼板に対して塗装を行う時は、一般的な金属用塗料では塩ビ鋼板に塗料が付着しにくい場合があるため、塩ビ鋼板に適した塗料を選ぶ必要があります。