本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「さ」から始まる用語を解説しています。
目次
- サーフェイサー【さーふぇいさー】
- サーモコントロール断熱【さーもこんとろーるだんねつ】
- 材工【ざいこう】
- サイディングボード【さいでぃんぐぼーど】
- 彩度【さいど】
- 材齢【ざいれい】
- 左官【さかん】
- 先打ち【さきうち】
- 下げ缶【さげかん】
- 砂骨ローラー【さこつろーらー】
- ささら桁【ささらげた】
- サッシ【さっし】
- 錆【さび】
- 錆止め塗料【さびどめとりょう】
- サフォーム【さふぉーむ】
- サブコンストラクター【さぶこんすとらくたー】
- 桟瓦【さんかわら】
- 酸性雨【さんせいう】
- 酸洗浄(酸洗い)【さんせんじょう(さんあらい)】
- サンダー【さんだー】
- サンディングシーラー【さんでぃんぐしーらー】
- サンドペーパー【さんどぺーぱー】
- 三面接着【さんめんせっちゃく】
- サンルーム【さんるーむ】
サーフェイサー【さーふぇいさー】
サーフェイサーとは、外壁塗装工事の中塗り工程(下塗りと上塗りの間)で使用する塗料の一つです。
サーフェイサーには、塗装面の凸凹を緩和する役割があるため、劣化で表面に凸凹やひび割れが多くなった外壁に使用されます。
そして、サーフェイサーを使用して中塗りを行うことで、塗膜と下地の密着性が高まるため、新しく塗った塗膜に剥離やひび割れが発生しにくくなります。
サーフェイサーをはじめ、下塗り塗料についてさらに詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事もご覧ください。
サーモコントロール断熱【さーもこんとろーるだんねつ】
サーモコントロール断熱とは、建物の屋上部分の防水工法の一つです。
サーモコントロール断熱は、建物の屋上部分に
- 断熱材
- 防水層
- 遮熱塗料(高反射塗料)
の順で施工することで、防水のみの施工よりも、建物の中を快適な温度環境にすることができる防水工法です。
(画像引用:田島ルーフィング株式会社)
サーモコントロール断熱は、防水のみの屋上防水施工と比べて、
- 断熱材があるため、夏の暑さや冬の寒さが室内の温度に影響しにくい
- 遮熱塗料が塗装されているため、太陽光を反射する。そのため、防水層が劣化しにくく、太陽光による熱が室内に影響しにくい。
などのメリットがあります。
材工【ざいこう】
外壁塗装工事における材工とは、
- 工事で使用する材料費
- 工事を行う職人の人件費や手間賃などの施工費
を合計した費用のことで、材工共(ざいこうとも)ともいいます。
サイディングボード【さいでぃんぐぼーど】
サイディングボードとは、日本で主流の外装材の一つです。
日本サッシ協会が2019年に発表した調査データによると、調査対象の日本の新築住宅の89.8%がサイディングボードの外装材を使用していました。
工場で製造されたサイディングボードというパネルを、建物の外壁に張り合わせていくという施工方法です。
サイディングボードの基礎に関してはこちらのページをご覧ください。
サイディングボードのメンテナンスなどに関してはこちらのページをご覧ください。
彩度【さいど】
彩度とは、色の鮮やかさを表す属性のことです。
彩度が高くなることで、色は鮮やかな色味になり、彩度が低くなると、色はくすみがかった落ち着いた色味になります。
外壁や屋根の色として彩度が高い鮮やかな色を選んでしまうと、近隣の家や街並みの景観を損ねてしまう可能性があるため、できるだけ彩度が低い落ち着いた色を選ぶことが求められます。
参考:外壁塗装の色選び方法の注意点と絶対に失敗しないコツと流れ
材齢【ざいれい】
材齢(材令)とは、コンクリートを打設してから経過した日数のことです。
材齢は、打設した日は含まれず、打設した次の日から数えられます。
コンクリートは、水とセメントの反応で固まる建築材料であり、時間が経過するにつれて反応が進み、コンクリートの強度が上がっていきます。
材齢は、
- 時間の経過に伴うコンクリートの強度の変化
- 様々なコンクリートの強度を比べる
- 温度によって強度が増す速度が異なるか
などを考える時に使用されます。
材齢は7日、28日、91日などの7の倍数が使用されることが多く、中でも28日(4週)が特によく使用され、基準とされることも多いです。
(画像引用:太平洋セメント株式会社)
左官【さかん】
左官とは、建物の壁、床、塀などを塗り上げて仕上げる作業のことで、この作業を行う職人のことを左官とよぶ場合もあります。
左官では、下地処理や下塗りによって下地を調整した後に、
- 土
- モルタル
- 漆喰
などの左官材料といわれる材料を、建物の壁、床、塀などにコテを使用して塗り上げます。
左官には、
- 外壁表面に光沢や模様を付けるなどの意匠性を持たせることができる
- 左官材料を重ねて塗ることで、断熱効果が高まるため、部屋の中の気温が外の気温の影響を受けにくくなる
- 左官材料に化学薬品を含まない自然素材を使用すれば、不快な臭いを発しない外壁などを作り上げることができる
- ローラーや刷毛による塗装と比較して、時間や手間がかかる(費用も高い)
- 職人の技術によって、仕上がりに差が出る
などの特徴があります。
先打ち【さきうち】
先打ち(前打ちともいう)とは、コーキング充填作業で、外壁を塗装する前にコーキング材を充填する工法のことです。
逆に、外壁を塗装した後にコーキング材を充填する工法のことを後打ちといいます。
先打ちは、コーキング材の上に塗膜があるので、
- コーキング材に紫外線が当たらないため、コーキング材が紫外線による劣化を起こしにくい
- コーキング材が劣化して収縮すると、塗膜がひび割れる可能性がある
などの特徴があります。
どのような時にコーキング材の先打ちを行えばよいか、後打ちを行えばよいかという使い分け方はこちらの記事をご覧ください。
下げ缶【さげかん】
下げ缶とは、刷毛塗装を行う時に塗料を入れておく小さな缶のことです。
下げ缶の材質は、缶といっても金属製のものだけではなく、プラスチック製のものなどもあります。
- 塗料を水などに溶かして撹拌する
- 撹拌した後の塗料を下げ缶に入れる
- その下げ缶を塗装する箇所に持っていって刷毛で塗る
という手順で使用されます。
砂骨ローラー【さこつろーらー】
砂骨ローラーとは、塗膜を厚くしたい時や粘度が高い塗料の塗装を行う時に使用するローラーのことです。
砂骨ローラーは、スポンジ状のローラーの中にたくさんの空洞があり、塗料を一度にたくさん吸い上げられるため、塗膜を厚くする厚塗りを行うことができます。
また、砂骨ローラーには、大小様々な目のローラーがあるため、使い分けることで
- さざ波模様
- ゆず肌模様
などの様々な模様を塗装することもできます。
ただし、砂骨ローラーを使用して塗装を行うと、塗装面にそれまでとは違う模様が付くため、砂骨ローラーは、もともとの外壁の柄や模様を生かす塗装には不向きであり、新しい模様を付けるための塗装に使用されます。
ささら桁【ささらげた】
ささら桁とは、階段の踏み板を設置するために、斜めに架ける材料のことです。
ささら桁には、踏み板を乗せる段が切り込まれており、そこに踏み板を設置することで支えて、階段を形成する役割があります。
サッシ【さっし】
サッシとは、ガラス窓や網戸を固定するために窓部の周りに設置されている枠のことです。
サッシの素材には、木材、アルミ、樹脂などが使用されており、経年劣化によって外壁や屋根と同じように汚れやひび割れなどが発生します。
以前は、そのような経年劣化が発生した場合、リフォーム工事時に新しいサッシに交換していましたが、最近ではアルミや樹脂のサッシにも塗装が行える耐久性の高い専用塗料が開発されたため、劣化時にサッシを交換するのではなく、サッシに塗装を行うリフォームも増えています。
ちなみに、アルミ製サッシは、木材や樹脂でできたサッシに比べて熱伝導率が非常に高いため、アルミ製サッシを使用している家では、断熱効果が下がり、暖房や冷房を使用する頻度があがってしまいます。
そのため、地球環境を考えて樹脂製サッシへの切り替えるべきだとする動きもあります(アメリカの25の州でアルミ製サッシが使用を禁止されるなど)。
(各国の樹脂サッシの使用率。画像引用:YKKAP株式会社)
錆【さび】
錆とは、金属の表面に発生する劣化現象の一つです。
錆は、金属の表面に酸素と水が触れることで金属が酸化した物質であり、放っておくと、錆周辺の部分もどんどん酸化し、錆が広がっていきます。
金属製の外壁や屋根の表面にも錆が発生する場合があり、これらの錆を修繕せずに放置してしまうと、
- 錆が外壁や屋根上で大きくなる(見た目が悪くなる)
- 外壁や屋根に穴が開いてしまう
- 空いた穴から住宅内に雨水が侵入し、雨漏りが発生する
など、被害が大きくなってしまう可能性があります。
また、錆を取り除かずに、上から塗装を行った場合、塗膜の内側で錆が進行し続けるため、錆によって塗膜が腫れたり、茶色いシミが拡がったりする場合があります。
そのため、外壁や屋根に錆が発生している場合は、塗装を行う前に、ケレン作業によって錆を根本から除去し、錆止め塗料を塗布してから塗装するなどの対策が必要です。
鉄部の塗装に関して詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事もご覧ください。
錆止め塗料【さびどめとりょう】
錆止め塗料とは、金属の表面に錆が発生しにくくする塗料のことです。
錆止め塗料には、
- 油性タイプ…施工費用が安く、丈夫な塗膜を形成するが、錆を抑える力が弱い
- エポキシ樹脂タイプ…下地への密着力が高く、錆を抑える力が強い
などの種類があり、住宅の種類や錆の進行度に応じて使い分けられます。
また、錆止め塗料は、一般的な合成樹脂塗料(
シリコン樹脂塗料など)の塗装と同様に、下塗り、中塗り、上塗りの合計3回の重ね塗りで塗装を行います。
サフォーム【さふぉーむ】
(画像引用:Stanley Black & Decker, Inc.)
サフォームとは、いくつもの穴が空いた合金の刃で
- プラスティック
- 金属
- 木材
などの様々な材料を削りながら平坦にすることができるヤスリのことです。
サブコンストラクター【さぶこんすとらくたー】
サブコントラクターとは、下請け業者のことです。
桟瓦【さんかわら】
桟瓦(引掛け桟瓦ともいう)とは、波状の形をした瓦のことで、現在の日本の瓦屋根において主流の瓦です。
昔は、住宅の屋根に瓦を敷き詰める際、平瓦(長方形の瓦)と丸瓦(筒を縦に割った形の瓦)を交互に葺く本瓦葺きという手法が使われていましたが、瓦の枚数が多いため、屋根自体の重量が重く、建物に負担がかかる手法でした。
しかし、桟瓦を使用した場合、桟瓦のみで屋根葺きできるため、本瓦葺きに比べて、屋根が重くなりにくく、手間もかかりません。
その他、桟瓦には、
- 瓦に厚みがあるため、防音性が高い
- 防火性が高いため、火災が発生した時でも被害が広がりにくい
- 断熱効果が高いため、部屋の中の気温が外の気温の影響を受けにくい
- 瓦自体が重いため(本瓦葺きよりは軽いが)、強度の高い住宅にしか使用できない
などの特徴があります。
酸性雨【さんせいう】
酸性雨とは、強い酸性を含む雨のことで、環境問題の一つとされています。
酸性雨は、
- 石炭や石油が燃やされる
- 1から二酸化硫黄、窒素酸化物などが発生する
- 2の物質が大気中で化学反応を起こし、硫酸や硝酸に変化する
- 3の物質が雨に溶け込む
- 4の雨が酸性雨となる
という順序などで発生します。
酸洗浄(酸洗い)【さんせんじょう(さんあらい)】
酸洗浄とは、塩酸やリン酸などを主成分とする薬剤をかけることで金属の表面に発生したサビやスケール(酸化皮膜)などを洗い落とす作業のことです。
酸洗浄を行うと、金属の表面に発生したサビやスケールが落ちるだけでなく、金属の表面に新しい皮膜が作られ、赤サビの発生を抑止することができます。
また、金属部に塗装する前に酸洗浄を行えば、塗料をより密着しやすい状態にすることもできます。
サンダー【さんだー】
サンダーとは、木材や金属の塗装前の塗装面を研磨する電動工具のことです。
サンダーは、
- 木材や金属の表面を削り、表面をなめらかにする
- 経年劣化した塗膜を剥がす
- 金属の表面に発生した錆をこすり落とす
などの作業で使用します。
サンダーには、
- オービタルサンダー…正方形のプレートのサンダー。面をなめらかに仕上げる。
- マルチサンダー…三角形のプレートのサンダー。四角い隅なども研磨できる。
- ランダムサンダー…丸形のプレートのサンダー。曲面などの研磨もできる。
などの種類があり、使い道に応じて使い分けられます。
(オービタルサンダー。画像引用:ボッシュ株式会社)
サンディングシーラー【さんでぃんぐしーらー】
(画像引用:和信ペイント株式会社)
サンディングシーラーとは、下塗りとして木材に使用する透明色の塗料です。
木材は、吸収性がよい建材であり、そのまま塗装すると、塗料が木の中に吸い込まれて塗料の保護機能がうまく発揮されませんが、サイディングシーラーを使用することによって、上から塗る塗料が木の中に吸い込まれることを防ぐことができます。
サンドペーパー【さんどぺーぱー】
サンドペーパーとは、研磨紙のことです。
三面接着【さんめんせっちゃく】
三面接着とは、サイディングボードの目地をコーキング材で充填する時に、コーキング材が両隣のサイディングボードと下地の三面すべてに接着している状態のことで、避けるべき施工ミスの一つです。
目地部に充填されたコーキング剤が三面接着の状態だと、サイディングボードが動いた時にコーキング材がサイディングボードと下地の三方向から引っ張られてしまい、コーキング材に破断やひび割れなどの破損が生じやすくなってしまいます。
そのため、コーキング材は下地には接着しない二面接着による施工が推奨されています。
三面接着によるコーキング材の破損を防ぐために、下地の上に
などの絶縁材を詰めてからコーキング充填作業を行います。
サイディングボードの目地補修についてより詳しくお知りになりたい方は、
などもご覧ください。
サンルーム【さんるーむ】
サンルームとは、屋根や壁などをガラス張りにした部屋のことです。
サンルームを設置することのメリットは、
- 雨や風の日でも洗濯物を干すことができる
- 干した洗濯物に花粉や虫が付きにくい
- 太陽光を多く取り入れることができるため、晴天の日の昼間などは冬でも温かい
- サンルームの内側に位置する部屋は外の気温の影響を受けにくい
という点です。
逆に、サンルームを設置することのデメリットは、
- 導入コストが高い(およそ40万円以上)
- 全面ガラス張りで断熱性が低いため、夏は暑く、冬は寒い
- ガラスの汚れが目立ちやすく、拭き掃除などをまめにしないと見栄えが悪い
- 干した洗濯物が外からよく見える
という点です。