本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「ぬ」から始まる用語を解説しています。
目次
貫【ぬき】
貫とは、木造住宅の柱と柱の間を貫通して水平に設置する木のことです。
貫を設置することで、より頑丈な壁を作り上げることができます。
貫は設置する場所に応じて、
- 天井貫(天井付近の貫)
- 胴貫、腰貫(柱の中央部の貫)
- 根がらみ貫(柱の下部の貫)
布基礎【ぬのきそ】
布基礎とは、建物の下部構造である基礎の一つです。
布基礎では、建物の外周や部屋の仕切り部分に鉄筋とコンクリートを打設することで建物を支えており、床部分は薄いコンクリートが敷かれています。
布基礎には、
- 使用するコンクリートや鉄筋が少ないため、費用を抑えることができる
- 建物の床部分に湿気が溜まりやすい構造であり、結露やカビが発生しやすいため、防湿シートを施工する必要がある。
などの特徴があります。
ちなみに建物の地面全体にコンクリートと鉄筋を入れることで建物を支える基礎のことをベタ基礎といい、「ベタ基礎と布基礎のどちらの方が良いか」という質問をよく見かけますが、どちらかが優れているということではなく、地盤などによってどちらが良いかを選ぶ必要があります。
(ベタ基礎)
布伏せ【ぬのふせ】
布伏せとは、左官作業において、ひび割れを防止する目的で
- 麻の布
- グラスファイバー
- 蚊帳(かや)の切れ端
などを貼る作業のことです。
布伏せは、主に窓の周りなどのひび割れが発生しやすい開口部などに行われ、通常はその上からモルタルが塗られます。
布掘り【ぬのほり】
布掘りとは、住宅の基礎工事の時に、住宅の壁などに合わせて細長い溝状に地面を掘ることです。
塗り壁【ぬりかべ】
塗り壁とは、住宅の下地の上に、セメントや漆喰などを職人が手作業で塗って仕上げた壁のことです。
塗り壁は、サイディングボードの外壁と比べて、
- オリジナリティがある(同一模様にはならない)
- サイディングボードやタイルなどのような目地(つなぎ目)がない
などのメリットがありますが、
- 施工する職人の技術によって、出来や耐久年数が左右される
- ひび割れが発生しやすい
などのデメリットもあります。
塗り残し【ぬりのこし】
外壁塗装工事における塗り残しとは、塗料が塗られるべき場所に塗られていない状態のことです。
外壁や屋根に塗り残しがあると、まず建物の美観が損なわれます。
しかし、それだけではなく、塗り残しがあるということは、建物が塗料で保護されていないということであり、塗り残された部分は、雨水や紫外線が直接建材に当たるため、建材自体が劣化してしまいます。
塗り残しは、ほとんどが外壁塗装を行った業者のミスで発生するため、塗り残しを発見した場合は、塗装リフォームを行った業者に早急に連絡して、補修を行ってもらいましょう。
塗り残しを発生させないように、塗装リフォームの下塗り、中塗り、上塗りのそれぞれにおいて少し違う色を使用するなどの工夫をしている外壁塗装業者もいます。
塗り残し窓【ぬりのこしまど】
塗り残し窓(下地窓ともいう)とは、土壁の一部を塗らずに開けた状態にし、そこに竹や葦(あし)などで格子を付けた窓のことです。
竹や葦を住宅の骨組みとしていた時代に、そこだけ塗り壁を塗らずに窓にしたことから塗り残し窓といわれています。
塗り残し窓は、主に茶室の窓などとして設置されます。
塗りムラ【ぬりむら】
外壁塗装工事における塗りムラとは、塗った塗膜が均一ではないという施工不良の一つです。
明らかに見た目が悪いムラである場合は、美観だけではなく、塗膜による保護も機能していない可能性があるため、補修が必要です。
ただし、「光の当たり方によってはムラに見える」程度の塗りムラはどのような業者による施工でも起こりえるものであり、施工不良とはいえません。
塗りムラに関してさらにお知りになりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
塗床【ぬりゆか】
塗床(塗り床)とは、コンクリートなどの下地に塗料を塗って仕上げた床のことです。
塗床塗装で使用される塗料には、外壁塗装と同様にアクリル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料などの分類がありますが、それだけではなく
- 車などがよく通る工場なら耐衝撃性が高く、ひび割れにくい塗料
- 人がよく通り、清潔さが求められる商業施設なら抗菌性、防汚性が高い塗料
など、場所の用途や求める性能も考えながら塗料が選ばれます。
ちなみに、塗り床を仕上げる塗料を「塗床材」といい、塗床材を塗装する工事を「塗床工事(もしくは単に「塗床」)」といいます。
濡れ色現象【ぬれいろげんしょう】
濡れ色現象とは、石材の表面の濡れた色のシミが長時間残る現象のことです。
通常、コンクリートやモルタルなどの石材が雨に濡れた場合、濡れた箇所が少し暗い色になりますが、石材が劣化していなければ、含まれた水分が乾き、石材は元の色に戻ります。
しかし、石材が劣化するなどしていた場合、石材に含まれる水酸化ナトリウムなどの物質が水分に溶けてゲル化し、それが石材に滞留することで長時間石材が濡れたままになる「濡れ色現象」が発生します。
濡れ色現象が発生しても、時間をかければ乾く場合もありますが、濡れ色現象が何度も発生しているうちに、石材に含まれているいろいろな成分が溶けだして表面に白く残る「エフロレッセンス(白華現象)」も発生し、さらに景観を悪くしてしまうため、濡れ色現象が発生した段階で外壁塗装業者などに調査を依頼することをおすすめします。
また、石材の裏側の水分を吸い上げても濡れ色現象は起こるため、雨が降らない屋内でも濡れ色現象は発生します。
濡れ縁【ぬれえん】
濡れ縁とは、住宅外の屋根や壁がない場所に設置した縁側のことです。
濡れ縁には雨水を避けるための雨戸や壁がないため、雨水が当たってもすぐに乾くようにすき間の空いた板が使用されます。
濡れ縁の材料には天然の木が使われていましたが、雨ざらしで劣化しやすいため、
- 劣化しにくいアルミ製
- 劣化しにくく、木の雰囲気もある樹脂製
などが使用されます。
濡れ縁とウッドデッキがよく対比されますが、明確な定義があるわけではないため、
- 和風住宅であれば濡れ縁、洋風住宅であればウッドデッキ
- ウッドデッキは濡れ縁よりも大きさや形が自由で、段差を設置したり、机や椅子を置いたりすることができる
などの考え方があります。