本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「の」から始まる用語を解説しています。
目次
脳天打ち【のうてんうち】
脳天打ちとは、材料の上部から釘を打つことであり、脳天釘打ちともいわれます。
住宅において屋根材などを固定する時に脳天打ちを行うと、部材の上部に釘によって穴が開いてしまい、そこから雨水が部材内に侵入してしまう恐れがあるため、脳天打ちは、屋根材を固定する時には行ってはいけない工法とされています。
軒【のき】
軒とは、屋根の一部で、住宅の外壁から突き出た部分のことです。
軒は、住宅から突き出ているため、雨、雪、日差しなどから外壁や住宅を保護することができますし、軒下に排気口などがある場合は、大雨などの際にそこから住宅内に雨水が入るのも防ぐことができます。
軒桁【のきげた、のきけた】
軒桁とは、軒の下に使用される部材の一つです。
軒先【のきさき】
軒先とは、軒の先端部分のことです。
軒反り【のきそり、のきぞり】
軒反りとは、建物の軒を軒先に向けて、少し上向きに反らせた建築様式のことです。
軒反りは、神社やお寺などの伝統建築でよく見られます。
軒高【のきだか】
軒高とは、地面から軒桁の上端までの高さのことです。
軒高は、建築基準法施行令第二条七「軒の高さ」にて定められています。
七 軒の高さ 地盤面(第百三十条の十二第一号イの場合には、前面道路の路面の中心)から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。
(引用:e-Gov)
この軒の高さが7mを超える場合は、周りの建物が日陰に入りすぎないかどうかなどを検討しなくてはならない「日影規制」という規制の対象になる場合があります。
軒天【のきてん】
軒天は、上げ裏と同じ意味で使われる言葉です。
軒樋【のきとい、のきどい】
軒樋とは、雨樋を構成する部位の一つであり、屋根に降った雨水を受け止める部位です。
軒樋は、勾配が付いた屋根の先にある軒先に設置されており、勾配が付いた屋根に沿って流れる雨水を受け止めます。
その後、雨水は集水器や縦樋などの他の雨樋の部位を通じて最終的に排水溝に送られます。
軒樋は、
- 塩化ビニール製
- 銅製
- ステンレス製
- ガルバリウム鋼板製
- アルミニウム製
などでできた製品があり、形にも
- 半丸型…円筒を半分に切った形状。数十年前の家によく使われている。
- 角型…四角筒を半分に切った形状。半丸型より多くの水を流せる。
などがあります。
軒樋には落ち葉などのゴミが溜まりやすく、雨樋が詰まってしまう可能性もあるので、近くに木などが生えている家は、軒樋部分にネットを付ける場合もあります。
(画像引用:積水化学工業株式会社)
雨樋の塗装についてお知りになりたい方は、こちらの記事をご覧ください。
鋸【のこぎり】
(引用:木島精工株式会社)
鋸とは、薄い金属板の側面に複数の刃が付いた工具で、主に木材を切断する時に使用されます。
鋸の側面についたギザギザの刃で木材を削りながら切断することができます。
鋸には、
- 両刃鋸・・・側面の両方に刃が付いているもの
- 片刃鋸・・・側面の片方に刃が付いているもの
があり、
- 横挽き刃…木目に対して垂直、もしくは斜めに使用する
- 縦挽き刃…木目に対して平行に使用する
などの種類があります(両刃鋸の場合は両方ついている)。
その他、
- 糸鋸(いとのこ)・・・刃がとても細く、細かな木工細工などに向いている
- チェーンソー・・・電動で動く鋸。林業などに使用される。
野地板【のじいた】
野地板とは、屋根で使用される板状の下地材です。
住宅の屋根は、垂木の上に野地板を敷き、その上に防水シート、屋根材を固定することで構成されています。
熨斗瓦【のしがわら】
熨斗瓦とは、瓦屋根の大棟を構成する瓦の一つです。
瓦屋根は大棟の部分から雨が入りやすいため、熨斗瓦と漆喰を数段重ね、その上に冠瓦が積むことで大棟の防水性を高めています。
上の画像の熨斗瓦は三段ですが、熨斗瓦が何段必要と決まっているわけではありません。
昔は、
- 一枚の熨斗瓦が台風や地震で飛ばされたり、落ちたりしても、他の熨斗瓦が屋根を守ってくれるため防水機能が維持できる
- できるだけ多くの段をずらして積むことで、雨水が屋根内に入るのを防げる
- より多く熨斗瓦を積んでいる方が、家が裕福であることがアピールできる
などの理由から複数段の熨斗瓦を設置していました。
しかし、現代では、
- 屋根防水技術が発達し、熨斗瓦を多く積まなくても、防水シートによって防水機能が維持できる
- 日本は地震や台風などの災害が多いため、多く熨斗瓦を積むと崩れやすさや重量による家への負担につながる
などの理由から、熨斗瓦はあまり積まない方が良いとされています。
ちなみに熨斗瓦は、真ん中に割りやすいように切れ目が入っており、半分に割って大棟に貼り付けられます。
野垂木【のだるき】
野垂木とは、屋根を構成する部材の一つで、裏から見ても見えない部分に使用されている垂木です。
野垂木は、主に伝統建築などの大きな屋根で使用されており、軒裏を見た時に見える部分にある垂木が化粧垂木といわれ、そのさらに内側の屋根材のすぐ下にある垂木を野垂木といいます。
野丁場【のちょうば】
野丁場とは、大手ゼネコンなどの元請け業者がいくつもの下請け業者に依頼して行う鉄筋コンクリート造のマンションやビルなどの大規模な工事の現場ことです。
野根板【のねいた】
(画像引用:小林へぎ板店)
野根板(へぎ板ともいわれる)とは、杉、ヒノキ、サワラなどの木を薄くはいだ板のことで、主に天井、壁、ふすまなどの室内の装飾として使われます。
また、野根板を貼り付けて仕上げられた天井のことを野根板天井といいます。
野縁【のぶち】
野縁は、天井板などを張るために天井に設置される棒状の部材のことです。
- 天井に野縁受けといわれる部材を数本取り付ける
- 野縁受けに垂直になるように野縁を等間隔で設置する
- 野縁に天井板を貼り付ける
という手順で天井が構成されます。
ちなみに、野縁は木製だけでなく、金属製のものも存在します。
(画像引用:株式会社第一金属製作所)
延床面積【のべゆかめんせき】
延床面積とは、建物の各階の床面積の合計のことで、建物面積と同じ意味の言葉です。
延床面積の計算には、
- ベランダやバルコニー
- ロフト
- 吹き抜け
- 車庫や自転車置場
- 地階(地盤面よりも下にある階)
などが含まれないため、各階の面積の合計がそのまま延床面積になるわけではありません。
延床面積は、容積率などの計算に使用されます。
登り桟橋【のぼりさんばし】
(画像引用:日綜産業株式会社)
登り桟橋とは、外壁塗装工事の仮設足場などで、作業員が昇り降りするために利用する斜路のことです。
登り桟橋の設置には、道具や作業員の落下を防止し、作業員や工事現場周辺の住民の安全を確保するために、
- 丈夫であること
- 勾配は30度以下
- 滑り止めを設置する
- 桟橋内にできるだけすき間がないようにする
- 高さ85cm以上の位置に手すりを設置
などの決まり事があります。
(労働安全衛生規則第五百五十二条(仮設通路)を参考に作成)
登り梁【のぼりばり】
登り梁とは、屋根勾配に合わせて斜めに設置された梁(はり)のことです。
登り梁を使用した工法の家は、屋根の高さまで天井を高くすることができるため、
- 広い空間に見せたい、開放感がほしい
- 梁による圧迫感をなくしたい
という場合などに採用されます。
ただし、登り梁を採用した場合、
- 空間が広く、冷暖房が効きづらいため、冷暖房費用がかさむ
- 高所の掃除や電球の取り替えに手間がかかり、危険も伴う
などのデメリットも考えられます。
登り淀【のぼりよど】
登り淀とは、妻側の破風板の上あたりに位置している部材です。
登り淀には、
- 湾曲した瓦を固定する
- 端部を保護する
などの役割があります。
登り淀の「登り」は、屋根の勾配で上に傾いている(登っていく)ことから来た言葉であり、傾いている淀という意味で「登り淀」といわれます。
ちなみに、平側に設置する同様の部材を広小舞(ひろこまい)といいます。
広小舞の上にさらに淀と呼ばれる部材を設置して、瓦の角度を調整することもありますが、平側は斜めではなく水平であるため、登り淀とはいわれません。
鑿【のみ】
(画像引用:有限会社五百蔵)
鑿とは、主に木材や石膏の加工に使われる道具で、
- 削る
- 穴をあける
- 整形する
などの様々な加工を行うことができます。
鑿には、
- 叩き鑿…柄の頂点を槌で叩く
- 突き鑿…手で押す
があり、加工するものの大きさややりたいことに応じて様々な大きさの鑿が使い分けられます。
ちなみに、彫刻などの作成で使われる鑿は追入鑿(おいいれのみ)といわれ、複数本セットで販売されています。
(画像引用:有限会社五百蔵)
のみ切り仕上げ【のみきりしあげ】
(画像引用:三国産業株式会社)
のみ切り仕上げとは、石の表面を鑿(のみ)で削る仕上げ方法のことです。
のみ切り仕上げは、職人の手で石の表面を削るため、人の手による暖かみやオリジナリティのある模様に仕上げることができます。
ノロ【のろ】
ノロとは、セメントと水を混合した建築材料で、セメントペーストやセメントミルクともいわれます。
ノロは、きめが細かく、ある程度の粘度があるため、
- タイル貼りの接着剤
- モルタルのひび割れ補修
などに使用されます。
セメントからできる建材には、
- ノロ・・・セメント、水を混ぜ合わせる
- モルタル・・・セメント、水、砂を混ぜ合わせる
- コンクリート・・・セメント、水、砂、砂利を混ぜ合わせる
などがあり、ノロが最もきめが細かいですが、強度は低いです。
ノンスリップシート【のんすりっぷしーと】
(画像引用:大塚刷毛製造株式会社)
外壁塗装でいうノンスリップシート(NSシートと書かれる場合もある)とは、滑り止め加工が施されたビニールシートのことです。
外壁塗装工事を行う際、塗料がついてはいけない
- 窓
- エアコンの室外機
- 木
などにビニールシートがはられますが、この内の人が歩く部分に関しては、滑って転倒することがないようにノンスリップシートが使用されます。
また、プールサイト、ベランダ、屋外の階段などの床面が滑らないように貼り付けられる床材もノンスリップシートといいます。
(画像引用:東リ株式会社)
ノンブリード【のんぶりーど】
(画像引用:コニシ株式会社)
ノンブリード(NBと表記される場合もある)とは、目地に充填したコーキング材にブリード現象が発生しにくい性質のことです。
ノンブリードの性質を持ったコーキング剤は、
- ノンブリード型
- ノンブリードタイプ
などの名称で販売されています。