本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「く」から始まる用語を解説しています。
目次
- クールルーフ【くーるるーふ】
- 空気圧縮機【くうきあっしゅくき】
- 躯体【くたい】
- グラスウール【ぐらすうーる】
- クラッキング塗装【くらっきんぐとそう】
- クラック【くらっく】
- グリーン購入法【ぐりーんこうにゅう】
- クリーンマイルド塗料【くりーんまいるどとりょう】
- クリヤー塗装【くりやーとそう】
- クリヤーラッカー【くりやーらっかー】
- (塗料の)グレード【ぐれーど】
- クレオソート油【くれおそーとあぶら】
- クロス再生工法【くろすさいせいこうほう】
- 黒ワニス【くろわにす】
- くさび緊結式足場【くさびきんけつしきあしば】
- 櫛目鏝【くしめこて、くしめごて】
- グラインダー【ぐらいんだー】
- クラック誘発目地【くらっくゆうはつめじ 】
- クラフトマスカー【くらふとますかー】
- クレーター【くれーたー】
- グレーチング【ぐれーちんぐ】
- クロス【くろす】
- クロスカット試験法【くろすかっとしけんほう】
- クロム【くろむ】
クールルーフ【くーるるーふ】
クールルーフとは、建物の温度の上昇を防止する取り組みのことです。
具体的なクールルーフには、
- 建物の屋根や屋上などに芝や草木などの植物を植える「屋上緑化」
- 太陽光を反射する性能を持つ塗料を外壁や屋根に塗装する
などがあります。
クールルーフには、
- 太陽光により建物が熱を持つことを防ぐため、ヒートアイランド現象(アスファルトやコンリートの建物が太陽光などによる熱をため込むために外気温が高くなる現象)を和らげる
- 建物の温度の上昇を防止することで、その建物内でのエアコンの消費電力を減らすことができるため、エアコンから排出されるCO2の削減に繋がり、環境に配慮することができる
などの役割があります。
空気圧縮機【くうきあっしゅくき】
(引用:アネスト岩田株式会社)
空気圧縮機とは、空気を圧縮して送り出す装置のことであり、コンプレッサーとも呼ばれています。
空気圧縮機は、工事現場でよく使用されているもので、
- 圧縮した空気を吹き出して塗装するエアスプレー
- 圧縮した空気でやすりを回転させたり、振動させたりすることで、表面を削るエアーサンダー
- 圧縮した空気の流れを使用して物体の寸法などの計測を行う計測器
などの動力源として使用されます。
空気圧縮機には、
- 雄と雌が付いたねじ状のスクリューを回転させて空気を圧縮する「スクリュータイプ」
- 栓状のピストンの往復運動によって空気を圧縮する「レシプロタイプ」
- 羽が付いた羽根車の回転による遠心力で空気を圧縮する「ターボタイプ」
などの種類があります。
躯体【くたい】
躯体とは、建物の構造を支える骨組みのことです。
躯体は、建物の強度と安全性に関わる部分であり、
- 建物と地面を固定する「基礎」
- 建物の垂直方向に設けられ、建物を支える「柱」
- 柱の上に水平方向に設けられ、床や屋根などを支える「梁(はり)」
- 住宅内と住宅外や、住宅内の空間を仕切る「壁」
- 地面より一段高く、板を張った「床」
などが該当します。
躯体の材料は、建物の構造を支える骨組みの材料によって、
- 木造
- ブロック造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄骨鉄筋コンクリート造
などの種類があります。
グラスウール【ぐらすうーる】
(引用:マグ・イゾベール株式会社)
グラスウールは、ガラス繊維を主成分とした綿状の素材で、断熱性や吸音性に優れているため、住宅の床、壁、天井の内部に使用されます。
グラスウールには、
- 導入コストが安い
- 耐用年数が長い
- カッターやハサミで切断が可能なので、工事現場で加工しやすい
- 断熱効果を高められるため、部屋の中の気温が外の気温の影響を受けにくくなる
- 音を抑える性質を持っているため、防音性が高まる
- 燃えにくい材料の不燃材が使用されているため、火災が発生した場合でも被害が拡大しにくい
- 水分を含んでしまうと、断熱効果が弱くなってしまうため、湿度を低く保つ必要がある
などの特徴があります。
クラッキング塗装【くらっきんぐとそう】
(引用:ターナー色彩株式会社)
クラッキング塗装とは、家具の塗装などにおいて、長年使い込まれることで、塗膜がひび割れしたかのように見せる塗装方法のことです。
クラッキング塗装は、ターナー色彩株式会社のミルクペイントシリーズのクラッキングメディウムなどの特殊な塗料を使用し、塗膜のひび割れを表現します。
参考:ターナー色彩株式会社
クラック【くらっく】
クラックとは、塗膜の劣化現象の一つで、塗膜にひびが入ることです。
詳しくは、外壁塗装におけるクラック補修の重要性の記事をご覧ください。
グリーン購入法【ぐりーんこうにゅう】
グリーン購入法とは、国や地方公共団体などが製品を購入するときに、環境に優しい製品を率先して購入することを推進する法律で、正式名称は「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」です。
公共の外壁や屋根の塗装工事で使用する塗料も、グリーン購入法の対象であるため、環境に優しい製品を購入して使用する必要があります。
クリーンマイルド塗料【くりーんまいるどとりょう】
クリーンマイルド塗料とは、エスケー化研という塗料メーカーが開発・製造・販売を行っている塗料の商品名です。
クリーンマイルド塗料は、
- 塗膜に付着した汚れを雨水で洗い流すことができる
- 透湿性(塗料の内部に溜まった湿気を外に放出しながら、外から入ってくる水分を防ぐはたらき)のある塗膜を作るため、塗膜内部の湿度上昇による劣化が少ない
などの特徴があります。
また、クリーンマイルド塗料は、弱溶剤塗料であるため、
塗装工事中の臭いが溶剤塗料に比べて少ない
水性塗料が密着しない金属製の部材などにも塗装できる
などの弱溶剤塗料としての特徴も持っています。
リンク:エスケー化研 クリーンマイルド
クリヤー塗装【くりやーとそう】
クリヤー塗装(クリアー塗装、クリヤー仕上げ)とは、色がついていない透明の塗料を使用した塗装方法のことです。
クリヤー塗装は、顔料(塗料に色をつける原料)を使用していない透明の塗料なので、レンガ調やタイル調などの模様をつぶさずに、外壁の表面を保護することができます。
クリヤー塗装は、他の塗装方法と比較すると、
- 外壁などのデザインを残したまま、表面を保護することができる
- 顔料が含まれていないので、顔料が原因のチョーキング現象が発生しない
などのメリットがある一方で、
- 色あせやチョーキング現象などの劣化が発生している外壁などには塗装できない(塗装しても劣化現象ごと保護してしまう)
- 塗膜の表面を覆うコーティング加工が施された外壁などには塗装できない
などのデメリットもあります。
クリヤーラッカー【くりやーらっかー】
(引用:株式会社カンペハピオ)
クリヤーラッカー(クリアーラッカー、クリヤラッカー)とは、木材の仕上げに使用する透明の塗料です。
クリヤーラッカーは、顔料(塗料に色をつける原料)を使用していない透明の塗料であるため、木材の木目を消さずに保護することができます。
その他、クリヤーラッカーは、
- 速乾性に優れている
- 光沢やツヤのある仕上がりにできる
などの特徴を持っており、木材を使用した建材、家具などに使用されます。
(塗料の)グレード【ぐれーど】
塗料におけるグレードとは、塗料が含む合成樹脂によって段階分けされた性能の優劣を表す言葉です。
多くの場合、塗料に含まれる合成樹脂は、塗膜の耐用年数に関わる原料であり、この合成樹脂に何が使用されるかによって塗料のグレードが分けられる場合が多いです。
塗料のグレードは、主に
- アクリル樹脂塗料・・・耐用年数5~8年
- ウレタン樹脂塗料・・・耐用年数7~10年
- シリコン樹脂塗料・・・耐用年数10~15年
- フッ素樹脂塗料・・・耐用年数15~20年
4段階に分けられており、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料などの耐用年数が長い塗料が「グレードが高い塗料」といわれます。
ただし、
- 上記以外にもラジカル制御型塗料やセラミック塗料などの塗料も存在する
- 含まれている合成樹脂の質によっても耐用年数は変わる
などの理由から、含まれている合成樹脂の種類だけでグレードの良し悪しが決まるわけではありません。
さらに塗料の種類についてお知りになりたい方は、外壁塗装で使われる塗料の種類とご自宅に合った塗料の選び方の記事もご覧ください。
クレオソート油【くれおそーとあぶら】
(引用:株式会社吉田製油所)
クレオソート油とは、石炭から抽出された油を使用した、木材の防腐剤のことです。
クレオソート油を木材に塗装することで、木材に虫がついたりや、木材が腐ったりするのを防ぐことができます。
クレオソート油は、強い臭いがあり、長時間その臭いを嗅いでしまうと、気分が悪くなったり、頭痛が起こったりする可能性があるため、クレオソート油で塗装する木材は、屋外専用である必要があります。
クロス再生工法【くろすさいせいこうほう】
クロス再生工法とは、住宅の内壁に張られたクロス(住宅内の壁や天井の仕上げ材。壁紙。)を張り替えずに、きれいな状態に再生する工法のことです。
クロス再生工法では、部屋のクロスの汚れを洗浄し、破れやキズなどを塗装で補修する工法であるため、クロスは張り換えません。
そのため、クロス再生工法は、クロスの張り換えと比較して、
- 新しいクロス購入費用や廃材処分費用などが発生しないため、導入コストが安い
- 既存のクロスを撤去する必要がないため、施工期間を短縮できる
などのメリットがあります。
黒ワニス【くろわにす】
黒ワニスとは、アスファルトを主成分とした塗料です。
黒ワニスを塗装してできた塗膜は、
- 防水性…水をはじく
- 防食性…サビの発生を防ぐ
などの特徴があり、主に自動車の部品や機械などの鉄製品の塗装に使用されます。
黒ワニスには、可燃性がある有機溶剤が使用されているため、黒ワニスで塗装を行う場所は、近くに火気がなく、十分に換気を行える場所を選ぶ必要があります。
くさび緊結式足場【くさびきんけつしきあしば】
(引用:光洋機械産業株式会社)
くさび緊結式足場とは、支柱の鋼管(こうかん)に、くさび(凸凹が付いた金具)を使って手すりや他の鋼管を結合させた足場のことですぐれーじんg。
くさび緊結式足場には、
- ハンマーで組み立てや解体ができる
- 他の足場よりも短い作業時間で組み立て、解体ができる
- 設置に使用する材料が小さいため、複雑な形状を持つ建物にも設置できる
などの特徴があります。
また、くさび緊結式足場が使用できる建物の高さは45m以内と法律によって制限されています(引用:一般社団法人仮設工業会)。
櫛目鏝【くしめこて、くしめごて】
(引用:セメダイン株式会社)
櫛目鏝(クシ目コテと書く場合もある)とは、先端に櫛目(凸凹の波型)が付いたコテのことです。
櫛目鏝には、
- モルタルを外壁に塗布する左官仕上げの5mm櫛目鏝
- タイルを貼りつけるための接着剤をのばす3mm櫛目鏝
など、いくつかの種類があります。
櫛目鏝の先端の櫛目によって、
- 5mm櫛目鏝の場合は、モルタルにきれいな模様をつける
- 3mm櫛目鏝の場合は、接着剤を均一にのばす
などができます。
グラインダー【ぐらいんだー】
グラインダーとは、先端に付いた砥石や刃物を高速で回転させて硬い材料の研磨や切断をおこなう電動工具のことです。
グラインダーは、
- 塗装前の塗装面の研磨を行い、塗装面を滑らかにする
- 経年劣化した塗膜を剥がす
- コンクリートやレンガなどの切断
など、さまざまな用途に使用されます。
グラインダーの先端に付ける道具には、
- 切断砥石…鋼材やパイプなどの金属製の材料を切断する
- 研削砥石…鋼材やパイプなどの金属製の材料の表面を研磨する
- ダイヤモンドカッター…コンクリートやレンガなどの石材を切断する
- ダイヤモンドカップ…コンクリートやレンガなどの石材の表面を研磨する
- 研磨ディスク…経年劣化した塗膜や塗装前の塗装面の研磨を行う
など、用途によって種類があります。
先端に取り付ける部品(切断砥石)
(画像引用:ボッシュ株式会社)
クラック誘発目地【くらっくゆうはつめじ 】
クラック誘発目地(ひび割れ誘発目地ともいわれる)とは、コンクリート上において、ひび割れ(クラック)が発生する位置を誘発するために、表面に一定間隔で設けられた目地のことです。
外の空気が乾燥していると、以下の順序でコンクリートの表面にひび割れが発生します。
- コンクリート壁に含まれる水分が蒸発する
- 蒸発した水分の分だけコンクリートの体積が収縮する
- コンクリートが収縮の負荷に耐えきれず、表面にひび割れが発生する
コンクリートはどれだけうまく打設したとしても、ひび割れが発生してしまう建築素材であるため、コンクリートの外壁は、何もひび割れ対策をしていない場合は様々な箇所にひび割れが起こってしまいます。
しかし、クラック誘発目地を設けることで、ひび割れの発生を目地のコーキング材に集中させることができ、
- ひび割れが目立たなるため、美観を保つことができる
- 目地部のコーキング材を交換するだけで補修が完了するなど、外壁の維持のコストが安く済む
などのメリットを得ることができます。
ちなみにコンクリート外壁のひび割れは、
- 窓などの開口部がある部分
- 大きな面積を占める部分
などに発生しやすいため、これらの場所にクラック誘発目地を設けます。
クラフトマスカー【くらふとますかー】
(引用:大塚刷毛製造株式会社)
クラフトマスカーとは、マスカーと呼ばれる道具の一つで、マスキングテープとクラフト紙が一体化した製品のことです。
クラフトマスカーは、主に内装塗装の際に、塗装を行わない箇所に塗料を付着させないために使用されます。
クラフト紙の部分は、適度に塗料を吸い込むため、塗装作業をしているときに垂れた塗料が室内の床などに付着するのを防ぐことができるのです。
また、クラフトマスカーは、
- クラフト紙とマスキングテープを一度に貼ることができる
- 紙で作られているため、手で切断できる
などの点で作業性に優れているといえます。
クレーター【くれーたー】
クレーター(クレータともいう)とは、塗膜の不具合症状の一つであり、塗膜の表面に穴や凹みがある状態のことです。
クレーターが発生する主な原因とその対策は以下の表のとおりです。
原因 | 対策 |
下地に異物が付着しているのに取り除かずに塗装した | 塗装前に下地から異物を取り除く |
下地に穴が開いているのにそのまま塗装した | 下地の穴を適切に補修する |
塗料の流動性(ものが流れ動く性質)が悪い | 塗料の希釈を適切に行う
塗料に流動性を良くする添加剤を加える |
塗料を厚く塗りすぎている | 塗膜の厚さが適正になるように塗装を行う |
グレーチング【ぐれーちんぐ】
グレーチングとは、金属を格子状に組んだ形をした、道路の側溝に設置する蓋のことです。
グレーチングは、
- 人や物が側溝に落下するのを防止する
- 雨水などを排水する
などの役割があります。
グレーチングには、
- U字溝タイプ…グレーチングの横に羽があり、側溝の両端に羽を引っ掛ける
- みぞぶたタイプ…側溝にすでにグレーチング用の段がある場合に使用する
- ますぶたタイプ…側溝の集水桝などに使用される正方形のグレーチング
などの種類があり、素材には、スチール、ステンレス、FRP(繊維強化プラスチック)、ゴムなどが使用されます。
クロス【くろす】
クロスとは、住宅内の壁や天井に貼りつけて使用される仕上げ材のことであり、壁紙ともいわれます。
クロスは、住宅内の壁を保護し、部屋の装飾を行う目的があり、クロスの素材には、布、紙、ビニールなどが使用されます。
また、
- 抗菌効果…カビなどの有害な菌が繁殖しにくい
- 防汚効果…汚れがつきにくい
- 消臭効果…不快な臭いが発生しにくい
- 吸放湿効果(調湿効果)…湿度が高い時は水分を吸収し、湿度が低い時は水分を放出する
- 蓄光効果…太陽光や電球の光を吸収し、暗くなった時に光を放出する
- 防火効果…燃えにくい素材であるため、火災が発生した時に被害が拡大しにくい
などの特別な機能が付け加えられたクロスもあります。
クロスカット試験法【くろすかっとしけんほう】
(引用:コーテック株式会社)
クロスカット試験法とは、塗料の膜(塗膜)が剥がれに対してどれほどの耐性があるか(どれくらい剥がれにくい塗料であるか)を調べる試験のことです。
塗料を製造するメーカーは、塗料の製品開発の段階で、塗膜の剥がれにくさをクロスカット試験法を通して確認します。
クロスカット試験法は、
- 試験を行う対象物の塗膜の表面に、1mm〜3mm間隔で縦と横に6本の切り傷を付け、基盤目を作る
- 切り傷の上にテープを張り付けて剥がす
という手順で行われます。
テープを剥がした時に、
- 塗膜の剥がれに対する耐性が高い場合(剥がれにくい塗料の場合)は、剥がしたテープに塗膜があまり付かない
- 下地と塗膜の密着性が低い場合(剥がれやすい塗料の場合)は、剥がしたテープに塗膜が付く
など、テープに付いた塗膜の状態で、塗膜の剥がれにくさが判断されます。
(引用:コーテック株式会社)
クロム【くろむ】
クロム(クロミウムともいう)とは、金属の一つで、錆びにくい性質を持っています。
クロムは、
- 防錆性…錆びにくい
- 耐食性…腐りにくい
- 耐摩耗性…すれても消耗しにくい
に優れるため、塗料に含まれて使用されていましたが、クロムを吸い込むことで、人体への悪影響があるため、現在、外壁塗装用塗料では使用されていません。
クロムの粒子を吸い込んだり、接触したりすると、
- 肺がん
- 接触部位の発疹や炎症
- 鼻中隔穿孔
などを発症するといわれています。
参考:関西ペイント株式会社