本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「う」から始まる用語を解説しています。
目次
ウールローラー【うーるろーらー】
ウールローラーとは、住宅の外壁塗装の時などの広い範囲を塗装する時によく使用されるローラーです。
ウールローラーは、耐水型紙でできた芯筒に繊維の毛を植毛して作られており、主に住宅の外壁や屋根の塗装リフォーム工事で使用されます。
ウールローラーを使用した塗装の特徴は、
- 繊維の毛がついたローラーを転がして塗装するため、塗膜の厚さを均一に保って塗装することができる
- 刷毛(ハケ)を使用した塗装と比較して作業効率がよい
という点です。
ウールローラーの種類は、芯の表面から毛先までの長さを表す「毛足」で分類されており、主に
- 毛足が4~5mmほどの「短毛ローラー」
- 毛足が13mmほどの「中毛ローラー」
- 毛足が20mmほどの「長毛ローラー」
の3種類が外壁塗装工事でよく使われます。
ウェザーカバー【うぇざーかばー】
ウェザーカバーとは、住宅の換気扇や排気管などの配管やダクトが外壁を通って外に出る部分に取り付けるカバーのことを指します。
ウェザーカバーは、屋外に面した外壁部分に設置して使用されます。
ダクトが住宅の外壁を通って外に出た部分は、外壁に穴が空いた状態であるため、カバーを付けていない状態だと、その穴から雨水や風が屋内に入ってしまう可能性があります。
そのため、ダクトの穴の部分にウェザーカバーを覆いかぶせることで、ダクト内の通気を確保しながら、住宅内への雨水や風の侵入を防ぐことができるのです。
ウェザーカバーは、
- 鋼製
- アルミ製
- ステンレス製
- 樹脂製
などの種類があり、換気扇や排気管などの用途に合わせて選ばれます。
ウェザーメーター【うぇざーめーたー】
(引用: JFEテクノリサーチ株式会社)
ウェザーメーター(サンシャインウェザーメーター)とは、太陽の紫外線・熱・雨など、屋外の自然環境を受けた劣化を評価する機械のことを指し、この機械を使って行われる試験はウェザーメーター試験と呼ばれます。
ウェザーメーター試験は、塗料・建材・プラスチック・ゴム・自動車の部品などを対象にして行われ、対象が屋外で長期間使用された時に、変形・変色・劣化などの変質が発生しないか、どの程度変質するのかなどを確認する目的で行われます。
ウェザーメーターの内部では、屋外の環境を再現するため、
- 太陽光に似た人工光を試験の対象物に対して照射する
- 雨に似た水を試験の対象物に対して噴射する
- 温度・湿度を制御する
などの調節ができます。
屋外で使用する物を実際に屋外に置いて試験をすると長い時間がかかってしまいますが、ウェザーメーターを使用することで、試験の時間を大幅に短縮することができます。
ウォーターガード【うぉーたーがーど】
(引用: ケイミュー株式会社)
ウォーターガードとは、水の侵入を防ぐ機能と湿気を通す性質を持ったシートです。
ウォーターガードを住宅の下地と外壁の間に使用することで、外部からの雨水の侵入を防ぎ、住宅内に発生した湿気を外部に逃がすことができます。
木造住宅は、湿度に弱く、雨水が侵入すると木が腐ってしまう可能性があるため、ウォーターガードは木造住宅で特によく使用されます。
ウォーターガードを住宅に使用することのメリットは、
- 他の材料と比べて導入コストが安い
- 他の材料と比べて軽量なので、重さによる負荷が住宅にかからない
- 通気性に優れており、住宅内に発生した湿気を外部に逃がすため、住宅内の結露の発生を防止する
- 住宅内に雨水が侵入するのを防ぐ
- 外部から住宅内に風が吹き込むことを防ぐ
という点です。
ウォッシュコート【うぉっしゅこーと】
ウォッシュコートとは、木材に含まれる繊維を固める塗装のことで、捨て塗りとも呼ばれています。
ウォッシュコートは、木材の表面に発生する細かい毛や粉を固めて、次に塗装する塗料の付着力を向上させる役割を持ちます。
また、ウォッシュコートは、塗装の下塗り・中塗り・上塗りの3工程のうちの下塗りの工程で行われます。
ウォッシュコートは、塗膜が厚くなるように塗装してしまうと、木材への浸透が悪くなってしまい、あとに中塗り・上塗りした塗料の色むらの原因になってしまうため、ウォッシュコートは塗膜が薄くなるように塗装することが大切です。
また、中塗り・上塗りする塗料が付着不良を起こさないようにするために、ウォッシュコートに使用する塗料は、中塗り・上塗りする塗料に合わせた、塗料メーカーに推奨されているものを選びましょう。
ウォッシュプライマー【うぉっしゅぷらいまー】
(引用: ロックペイント株式会社)
ウォッシュプライマーとは、金属と塗料の密着性を高める下塗り塗料であり、エッチングプライマーとも呼ばれています。
ウォッシュプライマーは、鉄・アルミニウム・ステンレス・亜鉛メッキ鋼板などの金属に使用され、金属の表面に
- 硬さ、耐熱性、密着性、耐摩耗性などを高める「表面処理」
- サビの発生を防ぐ「防錆塗装」
を同時に施すことができます。
また、ウォッシュプライマーを金属の下塗り塗料として使用することで、中塗り・上塗りの塗膜を形成しやすくする役割もあります。
ウォッシュプライマーは
- ビニルブチラール、リン酸を混合した1液型
- ビニルブチラール、ジンククロメート、リン酸を混合した2液型
浮き【うき】
浮きとは、モルタル・サイディングボードにおいて、外壁の塗膜が水ぶくれのように膨らんだ状態のことを指します。
外壁に浮きが発生してしまうと、住宅の外観を損なうだけでなく、防水性を損なう可能性もあります。
浮きが発生する原因は、
- 外壁と下地の間に水分が侵入した時に気温が上昇し、侵入した水分が気化する
- 外壁塗装で3回塗りをした時に、下塗り塗料が乾燥する前に、上塗り塗料を施したため、乾燥していない下塗り塗料の水分や溶剤が気化する
- 凸凹した状態の下地に塗装を施したため、下地と塗膜の密着が悪くなり、下地と塗膜の間に空気が入り込む
などが挙げられます。
請負契約【うけおいけいやく】
請負契約(うけおいけいやく)とは、仕事(外壁塗装など)を完成させることを約束した上で、仕事が完成した結果に対して、報酬を支払う契約のことを指します。
請負契約は、仕事に対する責任が発生するため、受注側が発注側から報酬を受け取るためには、受注側は発注側が望む仕事を完成させる必要があります。
請負契約は、受注側と発注側の意図にズレがあると、トラブルの原因になる可能性があるため、発注側が希望する仕事の成果を明確にすることが大切です。
ただ、外壁塗装リフォーム工事の場合は、発注側(顧客側)に外壁塗装の知識がない場合が多いため、受注側(外壁塗装業者)が顧客の希望を上手く引き出す必要があります。
請負契約で契約される仕事は、外壁塗装などの建設工事の他、造船契約・運送契約・クリーニングの契約・洋服の仕立て契約などが存在します。
(参考: 国土交通省)
うすめ液【うすめえき】
(引用: ニッペホームプロダクツ株式会社)
うすめ液とは、塗料を薄めるための液体です。
塗料の粘度(ねばり具合)が高すぎると、ハケやローラーで塗装をした跡が塗装面に残ってしまい、塗膜がきれいに仕上がらない可能性があります。
粘土が高い塗料をうすめ液で薄めて粘度を低くすることで、塗料が塗りやすくなり、塗膜がきれいに仕上がるようになるのです。
ただし、うすめ液を入れすぎて塗料が薄くなりすぎてしまうと、塗装しても下地が空けて見えてしまい、塗膜がキレイに仕上がらない可能性があるので、うすめ液を入れる量が多くならないようにする必要があります。
うすめ液の種類は、
- 油性塗料用のペイントうすめ液
- ラッカー塗料用のラッカーうすめ液
の2種類に分けられます。
うすめ液には、化学物質である有機溶剤を使用しているため、うすめ液を含む塗料で塗装を行う場所は、十分な換気を行いながら塗装する必要があります。
打ち継ぎ【うちつぎ】
打ち継ぎとは、打設(コンクリートを流し込む)して固まった状態のコンクリートの上に、新たなコンクリートを打設する作業のことを指します。
打ち継ぎは、工事工程の都合上、コンクリートを連続して打設することができないRC構造住宅の1階と2階の境などで行われます。
打設して固まった状態のコンクリートと打ち継ぎで足されたコンクリートは、一体化しにくく、コンクリート同士の間にすき間ができてしまいます。
コンクリート同士にすき間ができてしまうと、そのすき間から雨水が住宅内に入り込み、住宅の雨漏りにつながってしまう可能性があるので、コーキング材などを充填することで、住宅内に雨水が入りこむことを防ぐ必要があります。
内付け【うちづけ】
内付けとは、窓サッシなどの設置方法の一つで、サッシのすべての部分が柱の内側に入るように設置する方法です。
内付けサッシで窓を設置した場合、他の設置方法に比べて、断熱性が高く、結露が起こりにくいというメリットがありますが、雨などの水はけがあまりよくないとされています。
ちなみに、内付けは、窓サッシの設置方法において、以前主流だった方法ですが、今現在は半外付けといわれる設置方法が主流です。
内樋【うちとい】
内樋(うちとい)とは、軒先(屋根の端の部分)ではなく屋根の中に設置した箱状の樋のことで、箱樋(はこどい)、隠し樋(かくしどい)などとも呼ばれています。
樋は多くの場合、住宅の軒先に設置されますが、内樋は軒先を見ても隠れるように屋根の中に設置されているため、樋を内樋にすることで住宅の外観をきれいに見せることができます。
ただし、内樋は屋根面の中に設置されており目立たないため、ゴミの詰まりや経年劣化の発見が行いにくい部分です。
内樋のゴミの詰まりや経年劣化を放置してしまうと、屋根に降った雨水が処理できなくなり、雨漏りが発生してしまうため、定期的に内樋を見て、ゴミの詰まりや劣化していないかを確認するようにしましょう。
(引用:元旦ビューティ工業株式会社)
打放しコンクリート工法【うちはなしこんくりーとこうほう】
打放し(うちはなし、うちっぱなし)コンクリート工法とは、やわらかい状態のコンクリートを、型枠に流し込んで固めて、型枠を外したコンクリートの状態をもって仕上げとする工法のことを指します。
打放しコンクリート工法で仕上げたコンリートの壁は、コンクリート独特の素材感が外観に現れるため、意匠性に優れますが、キレイに仕上げるためには、高度な技術と現場管理が必要です。
打放しコンクリートの表面への塗装は、打放しコンクリートの特徴である意匠性を損なわない
- 透明な液体である撥水剤の塗装
- 下地を透過させるクリアーカラーの塗装
- 打放しコンクリート風の模様を描く塗装
などの塗装方法が理想的です。
打ち増し【うちまし】
打ち増しとは、外壁の目地のコーキング材の補修方法の一つで、既存のコーキング材の上に新しいコーキング材を充填するという方法です。
コーキングの補修方法は、打ち増しや打ち替えという方法があり、経年劣化によりコーキング材にひび割れや剥がれが発生した時に、どちらかの方法でコーキング材の補修が行われます。
打ち増しでコーキングを補修することのメリットは、
- 既存の劣化しているコーキングを撤去する手間が省けるため、施工時間が早い
- 打ち替えと比べてコーキング材を使用する量が少ないため、施工費用を抑えられる
という点です。
一方、打ち増しでコーキングを補修することのデメリットは、
- 劣化している既存のコーキング材を撤去しないため、打ち替えと比べてコーキングの耐久性が低い(劣化したコーキング材ごとはがれてしまう可能性もある)
という点です。
ウッドシーラー【うっどしーらー】
(引用: 株式会社カンペハピオ)
ウッドシーラーは、下塗りとして木材に使用する塗料です。
ウッドシーラーを木材の下塗り塗料として使用することで、中塗りと上塗りで使用する塗料が木材の中へ吸い込まれず、色ムラが発生することを防ぐことができます。
また、ウッドシーラーを木材に塗ることによって、中塗り、上塗りの塗料の密着性を向上させて、耐久性の高い塗膜を形成させることができます。
その他、ウッドシーラーは、
- 木材へ浸透しやすい
- 速乾性に優れている
- 木材の木目をキレイに浮き立たせる
などの特徴を持っており、木材を使用した建材、家具などに使用されます。
漆塗料【うるしとりょう】
(引用: 株式会社井助商店)
漆塗料(うるしとりょう)とは、天然樹脂の漆を使用した塗料のことであり、
- 食器
- 楽器
- 家具
- 壁
- 床材
などに使用されます。
漆塗料を塗装で使用することのメリットは、
- 天然樹脂の漆を使用しているので、人体や環境に優しい
- 塗膜には化学塗料には出せない漆独特のツヤがあり、手触りがよい
- 光沢やツヤのある仕上がりにできる
- 防腐性に優れているため、塗膜の腐敗が発生しにくい
- 塗膜が油・熱・薬品に触れても劣化しにくい
という点です。
一方、漆塗料を塗装で使用することのデメリットは、
- 他の塗料に比べて紫外線の影響で塗膜が劣化しやすく、補修の手間がかかる
- 塗膜を乾燥させるまでの時間が比較的長い
という点です。
ウレタン樹脂塗料【うれたんじゅしとりょう】
(引用: ロックペイント株式会社)
ウレタン樹脂塗料とは、
- 複数の水酸基を持つ樹脂のポリオール
- ポリウレタンの主成分とされる化合物のイソシアネート
を混合した塗料のことを指します。
ウレタン樹脂塗料を外壁塗装で使用するメリットは、
- 塗膜に弾性があるため、塗装後の外壁にひび割れが発生しにくい
- 光沢やツヤのある仕上がりにできる
- シリコン樹脂塗料やラジカル制御型塗料と比べて価格が安い
- 様々な下地に塗装することができる
という点です。
一方、ウレタン樹脂塗料を外壁塗装で使用するデメリットは、
- シリコン樹脂塗料やラジカル制御型塗料と比べて耐用年数が短い
- 紫外線の影響を受けやすいため、塗膜が変色しやすい
- 塗膜に汚れがつきやすい
- 強い毒性のある成分が配合されているので、肌に触れないようにする、気化した成分を吸わないようにするなど、取り扱いには注意が必要である
ウレタン防水【うれたんぼうすい】
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を塗装することでベランダや屋上などを防水する工事のことです。
ウレタン防水工事で使用するウレタン樹脂には高い弾性(ゴムのような伸びる性質)があるため、ウレタン防水はひび割れしにくい防水層を形成させることができます。
ウレタン防水のメリットは、
- 液体で防水層を作るため、形が複雑な施工場所でもシートを敷く防水工法に比べて容易に施工が可能である
- 形成した防水層が軽いため、防水層の荷重が住宅に負担をかけない
- 施工時間が短く、導入コストが安い
という点です。
一方、ウレタン防水の防水工法としてのデメリットは、
- 手作業の塗装で防水層を作るため、均一な厚さの塗膜を作るために技術が必要
- 他の防水工法と比較して劣化するのが早く、5年を目安に塗り替えが必要である
という点です。
参考:バルコニー・ベランダ・屋上防水工事の工法の違いや価格相場
上塗り【うわぬり】
上塗りとは、下塗りと中塗りを終えた後に行う仕上げの塗装で、上塗りは中塗りで使用した塗料と同じ塗料で行われることが多いです。
塗料メーカーによって定められた下塗り、中塗り、上塗りの工法を正しく行うことで、塗膜を耐用年数まで持続させることができます。
中塗りを行った塗膜の乾燥が不十分な状態で上塗りを行ってしまうと、塗料メーカーによって定められた塗膜の耐用年数を持たせられない可能性があるため、中塗りを行った塗膜が十分に乾燥した後に上塗りを行う必要があります。
中塗りを行って乾燥した塗膜には、塗料に含まれた水分による気泡の跡が発生する可能性がありますが、上塗りを行うことで、中塗り工程で発生した気泡を埋めて、外壁と塗膜が密着する力を強化させることができるため、耐久性の高い外壁や塗膜を作ることができるのです。