本記事では、外壁塗装やリフォームに関する用語の内、「す」から始まる用語を解説しています。
目次
- 随意契約【ずいいけいやく】
- 水性ステイン【すいせいすていん】
- 水性塗料【すいせいとりょう】
- スクラッチタイル【すくらっちたいる】
- スクレーパー【すくれーぱー】
- スケロ【すけろ】
- 筋交い【すじかい】
- 筋交い刷毛【すじかいばけ】
- スタッコガン【すたっこがん】
- スタッコ仕上げ【すたっこしあげ】
- スチップル模様【すちっぷるもよう】
- ストリッパブル塗料【すとりっぱぶるとりょう】
- ストリップ階段【すとりっぷかいだん】
- スパン【すぱん】
- スプレーダスト【すぷれーだすと】
- スプレー塗装【すぷれーとそう】
- スポンジローラー【すぽんじろーらー】
- 隅切り刷毛【すみきりはけ】
- スラブ【すらぶ】
- スラリー層【すらりーそう】
- スレート屋根【すれーとやね】
- 寸胴刷毛【ずんどうばけ】
随意契約【ずいいけいやく】
随意契約とは、主に官公庁や公共機関が入札を行わずに契約する業者を選定し、契約を行うことです。
逆に入札によって業者が選定して契約を行うことを一般競争契約といいます。
水性ステイン【すいせいすていん】
水性ステインとは、木材を着色する塗料「ステイン」のうち、水で希釈するものことをさします。
水性ステインは、研磨して表面を整えた木材に使用され、木材の木目を消さずに着色することができます。
水性ステインは、
- 木材に塗った後ですぐに拭き取る(薄く着色)
- 塗った後にそのまま拭き取らずに時間をかける(深く着色)
- 好みの色の濃さになるまで、塗装、乾燥、拭き取りをくり返す(より深く着色)
水性塗料【すいせいとりょう】
水性塗料とは、塗装を行う時に塗料缶の中の塗料を水で溶かして使用する塗料です。
水性塗料は、シンナーなどの有機溶剤の替わりに水を使用するため、人体や環境に負担をかけにくい塗料といわれています。
水性塗料のメリットは、溶剤塗料と比べて
- シンナーで溶かさないため、作業中のシンナー臭が少なく、その家や近隣に住む人の害になりにくい
- 導入コストが安い
という点です。
一方、水性塗料のデメリットは、溶剤塗料と比べて
- 鉄の表面には塗装できないなど、使用できない下地が多い
- 耐用年数が短い
という点です。
スクラッチタイル【すくらっちたいる】
(引用:ニッタイ工業株式会社)
スクラッチタイルとは、表面に細い溝の模様があるタイルのことで、外壁材として利用されています。
スクラッチタイルは、
- 光をあまり反射しない
- 溝があることでできる影
などによって重圧感を表現することができます。
スクレーパー【すくれーぱー】
(画像引用:オルファ株式会社)
スクレーパーとは、外壁塗装工事などで使用されるヘラ状の刃が付いた工具のことです。
スクレーパーは、塗装工事においては、
- 外壁に付いた汚れ、古い塗膜
- 鉄に発生した錆び
などを削り落とす時に使用されます。
スクレーパーは、
- 小型スクレーパー…刃の幅が1~3cm程度の小型タイプ
- プラスチックスクレーパー…刃が樹脂でできているため素材を傷つけにくい。木材やガラスに使用する
- 大型スクレーパー…長い柄が付いているため、力を加えやすい
- 幅広スクレーパー…刃の先端の幅が広いため、広い面積を持つ作業に使用する
など、様々なサイズや素材があります。
スケロ【すけろ】
(画像引用:株式会社坂爪製作所)
スケロとは、外壁塗装工事などで使用される金属製の工具のことです。
スケロは、塗装工事において
- はみ出してしまった塗料
- 鉄に発生した錆び
などを削り落としたり、剥がしたりする時に使用されます。
筋交い【すじかい】
筋交いとは、住宅の柱と梁の内部に斜めに設置されている部材のことです。
住宅の柱と梁の間に対角線上に筋交いを設置することで、柱と梁の強度を増すことができるため、地震や強風などでも歪みにくい住宅にすることができます。
木造住宅における筋交いは、柱、梁と同様に木が使用され、金具でしっかりと固定されます。
住宅の筋交いは、内壁の中に設置されているため、住んでいる人には見えませんが、大型駐車場などに設置されている筋交いは、見えるように露出させている場合もあります(駐車場などに使われる金属の筋交いのことをブレースと呼びます)。
(画像引用:株式会社北川鉄工所)
筋交いには、
- けさ掛け…1本の部材を設置する(シングル筋交い、片筋交いともいう)
- たすき掛け…2本の部材を交差させて設置する(ダブル筋交いともいう)
などの種類があります。
筋交い刷毛【すじかいばけ】
筋交い刷毛とは、外壁塗装工事では、角や細い所を塗る時に使用される刷毛のことです。
筋交い刷毛は、刷毛の部分が柄に対して45度の角度で曲がっているため、ペンのように持って指先の動きで塗ります。
スタッコガン【すたっこがん】
(画像引用:アネスト岩田株式会社)
スタッコガンとは、スタッコ仕上げにおいて塗料を外壁に吹き付ける器具です。
スタッコ仕上げ【すたっこしあげ】
スタッコ仕上げとは、セメント、砂、石灰、水を混合したスタッコを使用して外壁を形成する仕上げ方法です。
スタッコは、外壁を守る素材として相応しい耐久性があったため、昔から多くの住宅の外壁で使用されています。
スタッコ仕上げで仕上げた外壁は、
- 凹凸の隆起が複数あり、意匠性が高い
- 表面に多くの凹凸を持つため、凹凸の間に汚れが溜まりやすい
- 表面の凹凸に空気が溜まりやすいため、塗膜の膨れが発生しやすい
などの特徴があります。
スタッコ仕上げの工法には、
- 吹き放し仕上げ・・・スタッコをスプレーガンで吹き付ける
- 凸部処理仕上げ・・・スタッコをスプレーガンで吹き付けた後に、固まらないうちにコテやローラーで押さえつけて凸部を平らにする
- コテ仕上げ・・・左官職人がコテでスタッコを塗りつける
などの種類があり、現在はスプレーガンによる吹付けスタッコ仕上げ(1と2)が主流です。
スチップル模様【すちっぷるもよう】
(画像引用:エスケー化研株式会社)
スチップル模様とは、外壁の模様の一つで、細かい凹凸模様です。
スチップル模様に塗装することをスチップル仕上げ、スチップル状仕上げという場合もあります。
スチップル模様は、ウールローラーなどで仕上げることもあれば、スチップルローラーといわれる専用のローラーで仕上げることでも表現できます。
(画像引用:大塚刷毛株式会社)
ストリッパブル塗料【すとりっぱぶるとりょう】
(画像引用:株式会社大京化学)
ストリッパブル塗料とは、刷毛やスプレーで塗装し、乾いた後に簡単に剥がすことができる塗料です。
ストリッパブル塗料は、外壁や屋根の塗装に使われることはなく、製品の一時的な保護や錆止めなどに使用されます。
ストリップ階段【すとりっぷかいだん】
ストリップ階段(オープン階段、スケルトン階段などともいわれる)とは、蹴込み板が無く、踏み板と骨組みで構成された階段のことです。
ストリップ階段は、蹴込み板がある階段と比べて
- 視界を遮るものが少ないため、住宅内に開放感を演出することができる
- 住宅内に効率的に日光を取り入れることができる
- 骨組みと踏み板だけのシンプルな構造であり、設置するために壁を必要としないため、壁沿いでなくても設置できる
などのメリットと、
- 導入コストが高い
- 階段の下が開放的な空間になるため、トイレなどを設置することができない
- 子供や物が転落する危険性が高い
などのデメリットがあります。
スパン【すぱん】
建築業界でいうスパンとは、住宅の支柱や梁(はり)などの建物を支える支点間の距離のことで、柱のスパンを柱スパン、梁のスパンを梁スパンという場合もあります。
建物を支える支柱のスパンを長くした場合、支柱に邪魔されない広い空間を確保することができますが、梁の負担が大きくなるため、梁を太くしたり、数を増やしたりする必要があります。
大きな工場などの支柱の間隔が非常に広いことを
- 大スパン
- ロングスパン
などと表現する建築会社もあります。
(スパンの非常に広い建物。画像引用:株式会社大林組)
スプレーダスト【すぷれーだすと】
スプレーダストは、自動車などをスプレーで塗装するときにおいて、スプレーから出た塗料が粒状のまま自動車表面に付着し、ザラザラの状態になってしまう不具合のことです。
スプレーダストは、噴射した塗料の乾燥が早すぎるために起こる現象であるため、
- 塗装する場所の気温は適正であるか
- 使用方法は適切であるか
など、スプレー塗料の使用方法を適切に守れば起こりにくいといえます。
スプレー塗装【すぷれーとそう】
スプレー塗装とは、スプレーガンといわれる専用の器具を使用し、塗料を霧状にして吹き付ける塗装方法のことです。
スプレー塗装は、ローラーや刷毛による塗装と比べて早く塗る事ができますが、塗料が周辺に飛散しやすいため、より丁寧に養生を行う必要があります。
また、スプレー塗装は、使用するスプレーガンによって、
- エアスプレー塗装…圧縮した空気を利用して塗料を霧状にする
- エアレススプレー塗装…圧力を加えた塗料を霧状にする
などに分類されます
外壁塗装リフォーム工事におけるスプレー塗装は、
- 霧状の塗料が飛散するため、ローラーなどに比べて塗料が無駄になりやすい
- 霧状にすることで塗料の臭いが飛散しやすい
- 専用の機械による作動音がうるさい
など、デメリットが多いため、現在ではローラーや刷毛による塗装が一般的です。
スポンジローラー【すぽんじろーらー】
スポンジローラーとは、塗装リフォーム工事において、外壁や屋根などの広い範囲を塗装する時によく使用されるスポンジ製のローラーのことです。
スポンジローラーには、複数の穴が空いており、塗料を一度にたくさん吸い上げることができるため、粘度(ねばり具合)が高い水性塗料を塗る時などによく使用されます。
隅切り刷毛【すみきりはけ】
(画像引用:大塚刷毛製造株式会社)
隅切り刷毛とは、外壁塗装リフォーム工事などで使用される刷毛の一つで、毛の部分が小さく、入り隅などの狭いところなどを塗るのに適しています。
スラブ【すらぶ】
建築業界におけるスラブとは、建物の構造体における水平方向の平板のことです。
スラブには、
- コンクリートスラブ・・・コンクリートの建物におけるスラブ
- 屋根スラブ・・・建物の屋根部分に設置されたスラブ
- 床スラブ・・・建物の床部分に設置されたスラブ
- 基礎スラブ・・・建物の基礎部分における水平方向のコンクリート板
- スラブ厚・・・スラブの厚さ
など、様々な関連用語があります。
スラリー層【すらりーそう】
(画像引用:エーエスペイント株式会社)
スラリー層とは、モニエル瓦、スカンジア瓦、クボタ洋瓦などの洋風コンクリート瓦(乾式洋瓦)を形成する着色層のことです。
洋風コンクリート瓦は、主に
- コンクリート層(一番下の層)
- スラリー層(中間層)
- クリアー塗料の層(一番上の層)
の三層から形成されています。
スラリー層は、瓦の防水や着色を目的としたものですが、10年〜15年ほどでクリアー塗料の層とともに劣化してしまいます。
しかし、現在、洋風コンクリート瓦は、日本で手に入らないものも多いため、劣化してしまった場合は、
- 再塗装を行う
- 他の種類の屋根に全面葺き替える
- 外壁塗装業者などにお願いし、同じ瓦を探してもらって交換する
などの補修方法から選ぶ必要があります。
再塗装で洋風コンクリート瓦を補修する場合は、まず、どの層まで劣化が進行しているのかを確認します。
スラリー層も劣化している場合、その上から塗装を行っても、劣化したスラリー層と一緒に新しく塗装した塗料まで剥がれ落ちてしまう可能性があるため、高圧洗浄や下地調整などで劣化した部分を十分に削り落としてから再塗装を行う必要があります。
(洋風コンクリート瓦の劣化具合のレベル 画像引用:エーエスペイント株式会社)
スレート屋根【すれーとやね】
スレート屋根とは、薄い板状の建築材料を敷き詰めた屋根です。
スレート屋根に使用されるスレートには、
- 化粧スレート(セメントと繊維材料などが原料)
- 天然スレート(粘板岩(ねんばんがん)という天然石などが原料)
があり、現在の日本のほとんどのスレート屋根には、化粧スレートが使用されています。
(東京駅の屋根には天然スレートが使用されています)
化粧スレート屋根は、
- 導入コストが安い
- 軽量なので、住宅に重さによる負担がかかりにくい
などのメリットがありますが、
- 耐用年数が短い(15年〜20年ほど)
- 再塗装や葺き替えを行う必要があるため、維持費が高い
- 割れやすい
- 防水性が低い
- コケなどが発生しやすい
などのデメリットもあります。
また、以前のスレート屋根は、原料にアスベストが含まれている可能性があり、葺き替えた撤去などを行う場合には、アスベストが飛散しないように適切に処理する必要があります。
2004年〜2006年にかけてアスベストが含まれたスレート屋根の製造が禁止されたため、それよりも前に建てられたスレート屋根の建物を補修したい場合、アスベストが含まれているかどうかも含めて、外壁塗装業者に調査を依頼しましょう。
ちなみに、ケイミュー株式会社が製造する
- カラーベスト
- コロニアル
などの商品名のスレート屋根が有名であることから、スレート屋根は、
- カラーベスト屋根
- コロニアル屋根
ともいわれることがあります。
(ケイミュー株式会社のカラーベスト屋根 画像引用:ケイミュー株式会社)
寸胴刷毛【ずんどうばけ】
(画像引用:大塚刷毛製造株式会社)
寸胴刷毛は、毛の部分が平らではなく、寸胴のように太く束ねられた刷毛です。
寸胴刷毛は、一度にたくさんの塗料を含むことができるため、広い面積を塗る場合に使用されていました。
しかし、現在では、外壁や屋根の広い部分は、ローラーで塗るのが一般的であり、寸胴刷毛が使われることはあまりありません。